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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

厳しい冬が続きますが・・

2017年02月10日
秋田 足利 直哉

 随分と久しぶりの投稿となってしまいました。秋田自然保護官事務所の足利です。

 先日、大潟草原鳥獣保護区で渡り鳥の飛来状況調査を実施したときの模様をお伝えいたします。

  

 仕事の準備を整えて、渡り鳥たちの塒が見渡せる位置に陣取ってスタンバイOK、となった時はまだ辺りは夜明け前の"蒼い世界"が広がっていました。その時、ガンやハクチョウ達はいうと・・

  

 こんな感じで、結氷した水路の氷の上で朝がくるのを待っているようでした。水路にはところどころ水面が現れていましたが、大部分は広く氷に覆われていて、ガン達はその氷と水面の境目で夜を明かしたようです。この日の天気は「曇り時々雪」でしたが、時々降る雪が吹雪になる事もありました。

 

 ここにいたのはヒシクイとオオハクチョウでしたが、吹雪になるとその姿が見えにくくなり、彼らも風雪に耐えるようにして、氷の上に丸まって行きます。吹雪が止むと立ち上がってストレッチしたり、水浴びをしたり羽繕いをしたりと、色々な行動を見せるのですが、曇りと吹雪が交互にやってきて、なかなか此処を飛び立てずにいました。すると・・・

 

 日の出時刻を過ぎましたが、このように風雪に耐え忍ぶ体勢になり、しばらくこの場所で過ごしていました。この日塒を飛び立ったのは、周囲がすっかり明るくなってからでした。

 ヒシクイやオオハクチョウ達は、塒を離れずじっと過ごしていましたが、そんな中私の周りを動き回る動物がいました。

 

 イタチです。水路沿いを忙しく走り回る中、時々ヒシクイやオオハクチョウ達の様子をうかがっていたので、まさか彼らを襲うつもりなのか?と思いましたが・・・

 

 しばらくすると何処からかカチコチに凍っているらしき獲物を咥えて走り去っていきました。状況からして今、襲ったのではなく、何処かに隠しておいた獲物を持ち出したようでしたが、真相はどうなのでしょうか。

  

 まだまだ厳しい冬が続いています。天気予報をみても春はまだ遠いかな・・と思ってしまいますが、そんな中でも野生動物たちは逞しく生きていました。

 2月12日(日)には、野鳥観察会を実施します。当日は、いつになく厳しい冬になっている大潟村やその周辺でたくましく生きる野生鳥獣達の姿をたくさん観察できるかと思うと、いまからとても楽しみです。