東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

野鳥と野鳥が暮らす環境の観察会Part2

2011年01月25日
秋田
 年始からずっと続く寒波と大雪の為、通勤電車の運休が1回、80分の遅れが1回、30分程度の遅れを2回経験しました。だからでしょうか?最近は10分程度の遅れには全く動じなくなりました。我ながら困ったモノだと思いますけど・・・自然や状況に対応するしかないかと思うので。



 はい。今日は一日間を開けてしまいましたが観察会の実施報告です。

 先の日曜日、先週のPart1に引き続き『野鳥と野鳥が暮らす環境の観察会Part2』今回のサブテーマは『どうして大潟村の田んぼにはたくさんの野鳥が集まるの?』と題して実施しました。


 ガンやハクチョウたちは余程大潟村の田んぼが気に入っているらしく、例年この時期にはハクガン、シジュウカラガン、マガン、ヒシクイ、オオハクチョウ、コハクチョウとたくさんの種と羽数が田んぼで採餌する姿を観察することが出来ます。秋田県は全国有数の”米どころ”ですから田んぼは県内各地に広く存在するにも関わらず、どうしてこれほど迄に大潟村に集中するのか?もしかして田んぼにその秘密があるんじゃないか?と考え、田んぼのことは農家に聞くのが一番!!ということで大潟村で専業農家小林氏を講師にお招きして、「田んぼのシゴト」と題した講話を頂き、一年間の仕事の流れの中で”野鳥や野鳥が暮らす環境への配慮”等を織り交ぜながら貴重なお話しをしていただきました。


 昨今、『農家の方々は作物だけでなく環境も作っている』と言われますがそれをダイレクトに実感できるお話しには参加された皆さんも興味津々、我々スタッフも含めてたくさんの質問が出されました。



 その後、実際に田んぼなどフィールドに出て野鳥観察です。今期大潟村は長引く寒波と例年以上の積雪に覆われ、残念ながらいつものようなガンやハクチョウの大きな大きな群れがいません。それでも早朝から方々駆け回ってガンの群れがいる場所を下見してくださった野鳥観察の講師の方々のお陰で田んぼで採餌するマガンとヒシクイの姿を観察することが出来ました。


 講師を努めてくださった日本野鳥の会あきたの方々が詳しく識別ポイントを説明してくださったり、野鳥達が何を食べているのか?解説してくださって参加された方々も熱心に観察していました。



 普段は探さなくても野鳥の姿を見ることが出来る大潟村も今はなかなかたくさんの野鳥達を観察できる場所がありません。そんな中、南の池にはいつもカモの群れやサギの小群がいるので今回も観察ポイントとしました。


 寒い風が吹き付けていましたが、参加された方から『どうしてカモたちは氷と水の境目に集まっているんですか?』や『サギたちはどうしてこの寒い中ジッとしているんですか?』と言った質問が出されるなど野鳥達の見た目だけではなく、習性、行動、好む環境等にも興味関心が向いていたようです。



 
 この日、観察できた野鳥は21種類。いないいないと言いながらも21種類もの野鳥を観察できるのも大潟村のもつポテンシャルの高さでしょうか?そのポテンシャルとは農家の方々が作物だけでなく環境も一緒に作っているからこそのモノなのです!!きっと参加された方々も同じ思いなのではないでしょうか?