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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

自分への戒め!

2009年10月09日
秋田
 先日、帰宅すると上空から白鳥の鳴き声が聞こえました(シルエットからオオハクチョウだと思います)。とっぷり日も暮れた中を20羽ほどの群れがV字に編隊を組んで南へと飛んでいきました。行き先は最上川河口あたりでしょうか?そろそろ冬の使者達の到来が本格化しつつあるようです。


 さて、そんな中、大潟では水辺という水辺に賑やかさが戻ってきました。その主役達はカモ。見慣れたカルガモは数がビックリするほどに増えていますし、マガモ・コガモ・オナガガモ・ヒドリガモとお馴染みのカモたちがやって来ました。
 現在、カモのオス♂達は独特な鮮やかな羽ではなくエクリプスという地味な羽をしています。徐々に冬の鮮やかな羽に変わりつつある個体も見かけますが大半はエクリプス。そうなると賑やかになった水辺全体を「茶色」の地味めなカモが占めている状態です。
 これも毎度のことなので、逆に「識別を楽しむ」くらいに考えて楽しく観察をしているのですが、どうしてもエクリプスにばかり目がいってしまい、メスの個体は流し見をしてしまいがちです・・・(私だけでしょうけど)。
 
 先日、西部承水路で水面で採餌しているカモの小群を見かけました。この時点で気付かなければならなかったのですが、そこは未熟な私のこと!!チラッっとオレンジ色の嘴が見えたので、【マガモ】としてカウントしてしまいました。
 が!ちょっと時間をおいてから気付いて・・・


 これを見たら、皆さんは直ぐに何の種類か?名前が浮かびますよね??


 そう!【ハシビロガモ】です。その独特の幅広の嘴を使って、嘴をあけながら水面ギリギリを泳ぎ回ります。



 実は最近・・・「野鳥の識別」に意識を傾注しすぎていたようで、野鳥の行動をしっかりと観察する意識が欠けていました。とある先輩から『識別にばかり気をとられると野鳥の観察が出来なくなるよ!』とアドバイスを受けたばかりでした・・・。
 正にその通りのことが起こってしまいました。『あの鳥はなに?なんて名前?』とその細かな特徴にばかり気をとられ、行動の観察が疎かになっていました。その結果!識別も誤るところでした・・・。反省です!!


 やっぱりバードウォッチングの醍醐味は野鳥たちをじっくり観察すること!!行動であったり、生息場所であったり・・・確かに識別も重要ですがそれにばかりとらわれると大切な物を見逃すことになってしまいます。今回の一件は自分への戒めとして忘れることの無いようにしていこうと思っています。