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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

オキナクサハツ

2010年09月29日
秋田
 長らくご無沙汰してました。その間にすっかりと秋めいてきて、道行く人達も半袖から長袖へと替わりました。それどころかすっかり厚着をしている方も見受けます。明日でクリールビス期間も終了です。明後日には10月を迎えます・・。月日の経つのは早いモノですね。



 山々ではキノコが目立つようになってきましたね。夏のうちからカラフルなキノコを数々取り上げて来ましたが、久々投稿の今日もキノコの話題。

 今日取り上げるのは、傘を上から見ると特徴的な模様が目に付く【オキナクサハツ】と言うキノコです。


 
 大振りで、キノコらしい形状をしていて、なおかつ傘の模様が特徴的で、私のような素人でも分かりやすく同定しやすいキノコです。


 
 横から見ても、肉厚な傘、太い柄、雨傘の骨を思わせる傘裏と色々な特長が見えてきます。


 ところで・・このキノコの【オキナクサハツ】と云う名前ですが・・・
 最後の「ハツ」は近い仲間の「ハツタケ」の「ハツ」だろうと云うことは直ぐに見当が付いていて、その前の「オキナクサ」について花の「オキナグサ」の事を云っているものかと思っていました。

 オキナクサは濃褐色の花弁に見える萼片6枚が集まっている花で、上を向いた花を真上から見ると、このキノコの模様のように見えなくもありません。なのでてっきりそんな事から付いた名前かと思っていました。
 ちなみに花の「オキナグサ」は漢字で「翁草」と書くのですが、萼片の外側は白く細かい毛で密に覆われているのでその様子が「翁」、つまり男性の老人の頭部のように見えたことから名前が付いたという説があるそうです。

 でもこのキノコの【オキナクサハツ】は漢字でどう書くのか?と思って調べてみると「翁臭初」となるそうです。「初」は先ほど書いたように「初茸」の初です。「翁」も「翁草」と同じ「翁」ですが、クサの部分が「草」ではなく「臭」となっています。これは・・・もしや・・・
 更に調べると【オキナクサハツ】は臭気を持ったキノコだと云うことが分かりました。つまり特徴的な臭いがあるキノコと言うこと。
 
 どうして「臭い」を「におい」と読まずに「くさい」と読ませたのでしょうか?その臭気がくさかったからなんでしょうけど、何も「翁」の後に付けなくても良かったのではないか?と思ってしまいます。

 整理してみると【オキナクサハツ】は漢字では【翁臭初】と表記する。このキノコには臭気があってそれが香しいにおいではなかった・・・。つまり臭いと感じられる匂いであった。それが・・・男性の老人の臭いと結びつく理由が解りませんが、臭いを知らない人がこの記事を読むと『このキノコは加○臭がするのか?』と思ってしまうかも知れません・・・。いやはやなんとも・・・。
 念のため言っておきますが、この【オキナクサハツ】は臭いわけではありません。確かに独特の臭いはしますが、それが加○臭とも結びつくとは思えません。臭いは人それぞれで感じ方が違うかも知れませんが、私にはそうは思えません。

 こうして見てみると何だかこの【オキナクサハツ】が不憫に思えてなりません。どうしてこんな名前になっちゃったのか?まさか悪意は無かったと思いますけど・・・(苦笑)。
 これ以上書くと要らぬ詮索をされて私自身にまで火の粉が及びそうなので今日はここまで!!



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