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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

キジの食事

2011年01月07日
秋田
 今日の秋田市内は時折猛烈な吹雪で視界が極端に制限されるときがあったりと如何にも秋田の冬らしい日となりました。今朝は通勤電車が遅れ、その他の電車も運休が出たり、飛行機は欠航が出るなど交通機関も乱れたようです。



 はい。そんな厳しい条件の秋田県内からは越冬のためにやってきている冬鳥達も避難しているようで・・・ガンの生息数も少なくなっています。またシジュウカラガンは確認できていますがハクガンは確認できなくなりました。

 そうして渡り鳥たちは天候などを考慮しながら(?)移動することが可能ですが野鳥の中にはそれほど飛ぶのが得意ではない種もいます。今日取り上げた【キジ】はそんな野鳥の代表格でしょう。
 辺り一面が雪に覆われている今、【キジ】達はどの様にして餌を得ているのでしょうか?


 雪が積もった畑に一羽の【キジ】がいました。ここは確か・・大豆畑だったはずです。

 大潟草原鳥獣保護区一帯は特に風が強い事で知られているエリアです。例え多くの積雪があってもその強風によって吹き飛ばされてしまい一様に雪が積もると言うことがありません。
 この畑は西部承水路沿いにあって周囲には建物が無く強風にさらされる場所です。ですから他の場所よりも積もった雪が少ないようでぴょんぴょんと植物の残骸のような物が見えています。


 すると・・・その一帯の中から風で雪が飛ばされてしまっている部分に【キジ】が頭をつっこんで何かを食べているようです。それが大豆なのか?他の植物なのか?解りませんが・・・


 普段【キジ】は藪の中を歩いて移動するなど周囲を経過して慎重な行動をしているようですが、雪が降るとこうして広い場所に出てきます。というのも恐らくはこうした開けた場所は風が強く、積雪が少ないので他の場所に比べて餌が採りやすいのではないでしょうか?


 現在秋田県内は狩猟期間のまっただ中。保護区から外れた場所ではハンターを見かけることも少なくはありません。【キジ】にしてみれば広い場所に出てくるのは大変なリスクがあることと思いますが喰わなきゃ生きていけませんからね!!こんな時、私に出来るのは食事の邪魔をせずに立ち去ることぐらい・・。この時も数枚の写真を撮って退散しました。


 これから益々冬が本格化し厳しくなっていき【キジ】にとっては積雪とハンターと・・特に厳しい時期がやってきます。でも生息域が広く環境適応能力が高い【キジ】ですからきっと乗り越えていくのでしょう。