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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

実施報告:『大潟草原でいのちを育む小鳥たち』

2014年06月24日
秋田
 6月22日(日)、大潟村の大潟草原鳥獣保護区にて(公財)日本野鳥の会秋田県支部と東北地方環境事務所の主催による野鳥観察会を実施しましたので、ご報告いたします。


 昨年までは、東北地方環境事務所が主催で(公財)日本野鳥の会秋田県支部の方々に講師をお願いして野鳥観察会を実施していましたが、今年度からは、(公財)日本野鳥の会秋田県支部が会員向けに実施している定例観察会を大潟で実施して頂き、これまで東北地方環境事務所が主催して、一般の方々を対象に実施する野鳥観察会と合同で実施する事となりました。


 この時期、大潟草原鳥獣保護区では繁殖のためにやってきた草原性の鳥類たちやサギなどが活動をしています。その活動は至る所で行われていて、観察会のタイトル通り『いのちを育む』舞台となっています。
 そんな野鳥たちの姿を観察しようと思ったのですが、草原性の鳥類たちは飛来数が少なく、囀りも時々しか聞かれないため、観察機会が多くありませんでした。
 少しの間、下の写真のように“鳥の出待ち”待ちながら談笑したりして情報交換したりしていましたが、あまり長居すると、繁殖活動の邪魔をしてしまいますので、そこそこに切り上げて愛想の良い野鳥を探しました。

 しかし・・・いくら観察マナーが良くても、写真のように一斉に双眼鏡やスコープやカメラを向けられたら、なかなか姿を出すのも勇気が必要だったかも知れません(苦笑)。


 それでもコロニーで繁殖活動中のサギ類や小鳥、猛禽類など32種類の鳥を観察しました。この日観察できた代表的な野鳥の写真も掲載します。左上から時計回りに①アオサギ②ゴイサギ③コジュリン④オオヨシキリです。
 アオサギやゴイサギの他、ダイサギやチュウサギが頻繁に頭上を飛び交います。中には雛が大きくなって巣の補強が必要になった為でしょうか?巣材を咥えている個体も見かけました。
 小鳥たちはまさに繁殖活動中だったようで盛んに縄張り宣言するコジュリンやオオヨシキリ、コヨシキリの姿と囀りを観察しました。特にオオジュリン♂とコジュリン♂が同時に出現したり、コジュリンの♂と♀が同時に出現した場面は観察会にうってつけのシーンでした。


 こうして観察した野鳥はこのチェックシートに書き込んでいきます。これは(公財)日本野鳥の会秋田県支部が観察会の度に使用しているチェックシートで、県内で観察記録のある全ての種が網羅されており、表裏合わせて349の野鳥の名前が記載されています。
 これだけでも資料価値の高いものだと思いますが、野鳥観察会の鳥合わせにも、非常に使い勝手の良いものでした。チェックが楽で、そこから観察場所の特性が見えたり、過去の観察記録を比較したりするのにも便利でした。

 また観察会を通して、(公財)野鳥の会秋田県支部の方が様々なアドバイスや情報提供をしてくれたりと、とても良い雰囲気の観察会でした。初めて野鳥観察会に参加されたという方も、『面白くて勉強にもなった』と満足して頂けたようでした。



 今回の野鳥観察会に参加して下さった皆様、ありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしています。また様々な調整をしてくださった支部のスタッフの皆様、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。