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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ブナを植えました その2

2009年10月27日
秋田
 この時期になると早くも「来年のカレンダー」を目にするようになります。「えっもう?早いな~」と感じずにはいられませんが、ふと今年のカレンダーを見れば・・・もう残り僅かです。



 先週金曜日に森吉山ダム工事事務所が主催する公開セミナーの一環で、森吉山麓高原にブナの植樹を行いました。
 森吉山ダム工事事務所とは森吉山野生鳥獣センター運営協議会でもお世話になっていますが、このセミナーで私が講師を務めさせていただいて以来、セミナーのお手伝いや相互の施設での写真展の開催など色々と連携させていただいています。

 植樹の行われた森吉山麓高原は環境省の森吉山野生鳥獣センターなどが建ち、桃洞渓谷・赤水渓谷などの渓谷ハイキングの拠点であり、その渓谷群はのちに小又川となり、現在工事中の森吉山ダムを経て阿仁川に合流し、更には米代川と合流して日本海へと続いていきます。
 今回の植樹は、その水源地となっている森吉山麓高原がより”豊かな森”になるようにと企画されたものです。


 まず、実際の植樹の前に秋田県の北秋田地域振興局の方が、現在行われている森吉山麓高原での森林再生事業についてや、実際の植樹の仕方について説明をしてくれます。



 それを聞いて直ぐに、植樹へ取りかかるのですが・・・そこで私にはちょっとした心配が・・・失礼な話で恐縮ですが、セミナーの参加者達はその説明をキチンと聞いている方は少数派で、配布されたプリント(植樹の仕方が詳しく書いてある)に目を落として、『よしっ!植えるぞ!』と・・
 正直、『えっ?大丈夫?』と不安に思いましたが・・・そこは人生のベテラン揃い!!そんな心配は杞憂に終わりました。植穴のサイズも深さもバッチリ!!手際も良く、作業はあっという間に終わっていました。


<植樹の様子> 

 この日、植樹したエリアの広さから見て、1本ないし2本が大木へと成長してくれたら、現在のブナの密度は充分に確保できるように見えましたが、作業を見ているともしかしたら、その期待に応えてくれそうな気がしちゃいました。


<植樹後の様子。大きく育ちますように!!>


 ちなみに・・この場所は昨年、我々が行った観察会の後に植樹を行ったエリアの直ぐ近くでした。そこで、植樹されたブナの様子を見てみましたが・・・『あれっ?植えたときよりも随分と小振りになってるぞ?』と思い注意して見ると、上部には何ものかに切り取られたか?むしり取られた?ような痕跡がありました。聞くと・・春先に新芽をノウサギに食べれたのだそうです。
 しかし、ブナは意外にも逞しさを持った樹だそうで、こうしてノウサギなどの食害にあいながらも、へこたれず!しっかりと根を張り、幹を充実させるなど懸命に成長しようとするのだとか・・・なので『むしろこうやって難儀して育った樹の方が丈夫で大きく成長してくれるかも知れない』んだそうです。