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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

シジュウカラガン 見納めでした

2010年03月24日
秋田
 今日は彼岸開け。「・・・寒さも彼岸まで」と云いますが、明日からの天気予報は冬に逆戻り。桜の便りも随分と聞かれるようになってきましたし、東北でも梅が咲いているんですけどね~


 いよいよ、ガンの姿は探さないと見つからないくらいになってしまいました。ヒシクイのちょっと濁った鳴き声も、マガンの甲高い鳴き声も次の冬まで聞かれなくなったかと思うとちょっと寂しい気がします。


 そこで、先日のハクガンに続いて、先週の中程で去ってしまった【シジュウカラガン】の話です。

 先ずは【シジュウカラガン】がどれほど希少なガンであるか?のさわりを・・
 ①種の保存法で『国内希少種』に指定されています。
 ②環境省版レッドリストでは『絶滅危惧ⅠA類』に指定されています。
 ③秋田県版レッドリストでは『絶滅危惧ⅠA類』に指定されています。
 と・・これだけ見てもその希少性が想像できるかと思います。

 その【シジュウカラガン】、今期は最大78羽が同時に大潟で確認されました。(それ以上という情報もありますが・・この数字は確実なので!)
 これらが全て一緒に行動していたわけではなく、いくつかのグループに分かれていて、ある時期にあるグループは大潟にいて、別のグループは宮城にいたりして一体今期は何羽の【シジュウカラガン】がやって来ているのか?となかなか明確になっていませんでしたが・・・ガンが見られる時期の終盤にこの数字が明らかに!!(くどいようですがもっととする情報もあります。)
 
 凄いと思いませんか??私が知るのはここ2~3年の事ですが、この間にも確実に年々飛来数が増えています。図鑑などには『年に数羽程度が見られる稀な鳥』という記述がありますが、この調子だと書き換えないといけないかも知れません!!


 私が見た最後の姿です。この時は48羽。これだけ居ると1枚の写真には収まり切りません。なんて・・贅沢な話です。


 周りにいるヒシクイやマガンよりも小さく群れの中にはいると見つけるのに苦労しますが、意外と【シジュウカラガン】だけで過ごしていることも多くありました。


 今頃は何処まで行ったでしょうか??そして次のシーズンには何羽の【シジュウカラガン】がやって来てくれるのでしょうか??既に気の早い期待をしてしまっています(笑)!!