東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

【実施報告】自然観察会『ヒバクラ湿原のお花畑』

2011年07月19日
秋田
 サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の女子ワールドカップ優勝”世界一”おめでとうございます。
 凄すぎて何と言っていいのか・・・。全国民が喜び、日本人としての誇りを感じているのではないでしょうか?想像できないくらいの波及効果がありそうですね?例えばこの日は『女子ワールドカップ優勝記念日』として国民の祝日になるかも・・。



 そんな出来事は開催地ドイツの現地時間17日に成し遂げられましたが、日本時間の17日、私は森吉で自然観察会のスタッフを務めていました。今日はその報告をします。

 

 未だ涼しいうちに秋田市内を出発し、途中道路に設置された気温計の数値はどんどん上昇。30度近くまで上がっているのを確認しながら森吉山野生鳥獣センターへと向かいました。到着すると思ったよりは暑くはなく、やはり高原は涼しいな~なんて思いながら準備を始めました。


 参加者30名が続々と到着し、全員集合したのは予定時刻よりちょっと早め!この後移動もあるので直ぐに会を進行しました。
 今回のコースは先日の日記でオススメした『ヒバクラ湿原』を目指すもの。ガイドマップ等に寄れば登りの所要時間はおよそ2時間。それを2時間半かけて観察&散策する日程。しかしそれもあくまでも目安。実際には3時間かけて湿原へと到着しました。

 と言うのも・・・このコースは植生の垂直分布がハッキリとしていてまるで教科書通りとでも言いたいほど。周囲に生える樹木を見ているだけでも良い観察が出来ます。


 このコースの見所ともなっているネズコの巨木あり、ブナ林あり、モロビ(オオシラビソをこの地域ではこう呼びます)あり、そして最後には高層湿原が待っています。更にはそれぞれの林床には花々が咲き競い、疲れた登山者を励ましてくれます。


 このコースは歩道も変化があって歩き応えも充分。晴れの日が続いてもぬかるんでいることの多いコースで、足下の道具を選ぶのもこのコースの攻略には欠かせない要素となります。
 常時あるぬかるみ、荒れて出来るぬかるみ、2回の(小さな)徒渉、急斜度の階段、木道等が次々とやって来ます。今回の観察会のスタッフを見ても登山靴あり。スパイク長靴あり、長靴あり、スパイク地下足袋ありと様々でした。


 そして夏の熱い時期に行う登山では休憩の取り方も重要な要素となります。このコースには「この先が頑張りどころ」って場所に湧水があります。真夏でも湧水地には5分と手を入れていられないほどの冷たい水で手や顔を洗い、周囲の空気も相まって汗が引いていくのを感じて元気を回復。
 ブナ林のやや斜度が増してきた辺りでは、沢の源頭が稜線に詰め上がって来ていて足下から涼しい風を運んできます。
 そして何と言っても山頂部に広がる湿原ではニッコウキスゲやハクサンシャクナゲなどを見るだけで疲れも吹っ飛ぶことでしょう!!



 斜度やぬかるみ等のコース条件や気温、風通りなどを考慮しながら「安全第一」で行った事もあって予定時間を1時間近く過ぎてしまいましたが・・・皆さん大満足だったようで我々スタッフも喜んでおります。ありがとうございました。お疲れ様でした。