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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

自然観察会『森吉山麓カメラ散歩』を実施しました

2013年08月26日
秋田
 処暑が過ぎ、夏の最終盤を飾る行事も終わった秋田県内、朝晩は少しずつ涼しさを感じられるようになってきました。短い夏もあと僅かでしょうか?

 昨日8月25日(日)、森吉山鳥獣保護区にて自然観察会『森吉山麓カメラ散歩』を実施しました。今回は地元で活動しているカメラクラブの”フォトクラブ「森吉」”と”もりよし写真クラブ”さんにご協力いただき、地元では知る人ぞ知るアマチュア写真家3名に講師をしていただきました。

 森吉山鳥獣保護区で業務にあたっていると、多くのカメラマンさんと会います。朝早く、あるいは夕方になってから大きな機材を抱えて入山していく熱心な方々も多く見かけます。時には撮影した写真を見せていただくこともありますが、見慣れた場所であるにも関わらず見たことも無い様な表情を捕らえた写真が多い事に驚きます。
 そんな実体験からカメラマンの視点でこのフィールドを見ることで、一層このエリアの魅力を感じられるのでは無いか?なにか新たな発見があるのではないか?これまでと違った視点が得られるのでは無いか?との期待から企画した観察会です。

 当日は観察会の開始時刻直前にやや激しい雨が降り始めて、不安を感じましたが雨は長続きせず、開始予定時刻をちょっと過ぎた時点で小降りになって青空も見えるようになってきました。でもいつまた雨が降るか分からないので雨ガッパを着て、更に大事な機材をぬらさないように万全の装備をして出発しました。


 このエリアも最大の魅力はやはり『ブナ林と渓谷』美林と渓谷美の共演です!!そしてそこに蓄えられた水とそれが育む様々な生きものたち。当然そうした物が被写体になります。
 

 森吉山鳥獣保護区のノロ川エリアは穏やかな日は長靴があれば渓谷の中に身を置いて自然観察が出来る場所です。もちろん撮影場所としても素晴らしい場所です。
 瀬を渡る風も音もとっても心地良い中で、水を纏ったコケや渓谷に現れるトンボ、実を付けた草木など周囲には思わずレンズを向けたくなる被写体を観察&撮影しました。

 この日の観察会中、雨には一切あたらなかったのですが反面、森の中ではヤブ蚊の襲撃に遭ってしまい・・・羽音や吸血後のかゆみで全員の集中力が削がれ、立ち止まってじっくりと観察&撮影というのが叶わなかったのが残念でした。

 
 森吉山野生鳥獣センターに帰着後は快適な渓谷で観察&撮影してきた写真を見ながら講評をいただいたり、自然を捉えるカメラマン目線での話を伺う事が出来ました。また講師の方が自費出版している森吉の自然を撮影したDVDの鑑賞もしました。

 普段は記録写真や証拠写真ばかり撮っている私にとって、その場所をより魅力的に写し取ろうとするカメラマン目線はとても参考になることが多く、改めて自分の仕事場の魅力を感じました。このエリアの魅力をより効果的に伝えるには魅力的な写真は欠かせません。その為には、大きな自然の中から一番魅力を発揮できるシーンを捉える視点とそれを切り取る腕も必要になると言う事を強く感じた観察会でした。
 
 最後になりましたが、観察会にご参加いただいた皆様ありがとうございます。この観察会に合わせて東京より来秋してくださったご夫妻もいらっしゃいました。お疲れ様でした。また講師を務めてくださった皆様もありがとうございます。今後ともどうかよろしくお願いします。