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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

その先の甌穴

2011年08月11日
秋田
 クマ出没のニュースが続きます。今日は十和田八幡平国立公園の大沼で目撃されたことが報じられています。現地を所管する鹿角自然保護官事務所でも注意喚起の看板設置などの対応をしているそうです。この他にも恐らくはニュースにならない目撃情報がかなり多くあるのではないか?と思われます。
 八幡平でも森吉山麓でも、その他の山岳地域もそうだと思いますがクマに対する注意を呼びかける看板や張り紙を設置しています。いつも以上に周囲に注意を配り、ゴミなどは必ず持ち帰るなど当たり前のことを徹底する。それに加えてご自身で鈴を携行するなどして自分の存在を知らせる対策も重要です。
 
 


 はい。では昨日に続いて桃洞渓谷のその先へ行ってみましょう。

 と・・その前に。昨日現地では午後から雨が降り、短い時間でしたが強い雨も降りました。その雨が降る前までは渇水状態で沢の水量はちょっと見たことがないほど少なかったのですが、雨が降ったことで状況に変化があったはずです。沢歩きにはこうした情報を得ることが重要になります。水量やその他のコンディションによってとるべき行動やルートが変わることもあるからです。
 こうした情報はやはり現地のガイドが一番よく知っています。ガイドを依頼する際にはこうした情報もセットで得ることが出来ます。またご自前のパーティーで向かわれる際には森吉山野生鳥獣センターにお立ち寄り頂き、案内解説員から情報を仕入れてからお出かけ下さい。

 では改めて・・・桃洞滝のその先へ!!
 
 桃洞渓谷はスラブ状の渓谷で沢床には大小様々な甌穴があります。あまりの多さに正確な数は誰にも解りません。私も数える気にはなれません・・・。そんなに沢山の甌穴がありますからその表情も実に多彩です!!滝壺が甌穴になっていたり、甌穴が連続して深い溝となっていたり、遙か昔に出来た甌穴が後の浸食によってスラブの壁に取り残されていたり・・・多種多様な甌穴があります。 


 こうした光景は森吉山麓では定番の光景です。赤水渓谷でもその他の渓谷でも大小いくつもの甌穴が重なり合って独特の景観を魅せています。


 小さな滝とその滝壺となっている甌穴が連続するこうした眺めも決して珍しくはありません。桃洞渓谷の支沢であるこの場所は奥阿仁の金兵衛滝などと並んで特に魅力のある場所です。


 この甌穴はちょっと変わっているのですがお気づきになりましたか?上流側から筋状の流れが甌穴に注いでいますがそこから流れ出る水がありません。この甌穴でも増水すると水があふれ出ていくのですが水量が少ない時は伏流のような状態になります。


 3つのポイントを紹介しましたが、まだまだ桃洞滝から数百m進んだ程度でしょうか?まだ次の滝までも到達していません。。このペースでは全てをご紹介するのにかなりの時間が必要となります^^ どうかこの続きはご自身の眼でご覧下さい!!