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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

今年の春は・・

2011年03月28日
秋田

 今日は首都圏で桜の開花宣言が出されました。着実に春が近づいているとも思いますが、今日の秋田は雪。それも名残雪と言うにはあまりにも本格的な降雪で久しぶりに除雪作業が必要でした。
 野鳥達に眼を転ずると・・【ヒバリ】がやって来ていました。春を告げる囀りを響かせています。でもこの雪にはきっと驚いたことでしょうね。他にもアオサギに鮮やかな婚姻色が現れていたり、ハシボソガラスが巣材を集めていたり・・といつもと変わりない(?)ように春がやって来ているようです。





『今年の春は・・』





 一方、私たちにとって今年の春は震災によって一変しています。しましたと過去の話に出来ないのは皆さん実感しておられるように、今も様々なところで変化が止まないからです。


 あの地震はちょうど大学入試の後期日程の試験直前に起こりました。受験のために試験地へ行っていて災害にあった方もいるようです。その後の試験日程も各大学様々な苦労をして対応して恐らくは眼の回るような忙しさだったはずです。

 あの地震によって卒業式が挙行できなかった大学等があります。卒業する学生の思いも勿論、電気や交通機関などの諸事情によって苦渋の決断をしなければならなかった学校当局の方の心痛を思うといたたまれません。

 あの地震のあった時期はちょうど高校入試の結果が発表される時期でした。岩手県では震災の影響で発表を延期していました。高屋敷ARのいる避難所にも2人の受験生が避難しているそうですが、厳しい避難生活の中、発表が延期されて不安もあったことでしょう。幸いにも2名とも合格していたそうです。先日届いたメールには『・・ずっと延長されていた高校受験の合格発表でした。受験生が2人いてそれぞれ合格したので、避難所でささやかにお祝いパーティーをが開かれました。全員分の食べ物がないので参加者は生徒達と主婦達だけでした。・・』とありました。

 あの地震は新年度、希望を持って入社しようとした会社をも飲み込みました。学生達にとって厳しい就職氷河期に頑張ってようやく得た内定も会社や事業所が被災したことで取り消された方も大勢います。

 あの地震は人事異動の内示時期と重なりました。とある方の話では内示があった異動が取り消されたそうです。心の準備と、次の赴任地への色々な準備をしていたはずですがそれも白紙状態になっています。



 現在、私が直接知りうるだけでも、この他にまだまだいっぱいありますが、とても書ききれません。いつもと変わらない「春」がある一方で、いつもとは大きく違う「春」もあります。中にはまだ「春」が遠いと思わざるを得ない事例も・・・。
 今日は敢えて、こうした身近な事例を挙げてみました。こうした大変な事が起きているにも関わらず皆さん決まって『もっと大変な人がたくさんいる・・』とおっしゃいます。確かにそうかも知れませんが、その言葉も悲痛に充ちて聞こえてくるのですが・・・。