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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

WHITE-FRONTED GOOSE

2011年02月28日
秋田
 最近、何々が何羽で何々は何羽・・・という情報を時々耳にしますが、こういった場合の数字のひとり歩きって怖いな~と感じる今日この頃です。



 はい。ここ数日ガンの北帰行に併せて大潟村にお越しになる方々が増えているようです。夜も明けきらぬうちから塒と塒立ちを観察し、終日観察や撮影をされて、日暮れ後の塒入りまで何処かしらに観察者がいるとのことです。
 それもそのはず!!現在大潟はガン達の生息がおよそピークに達していますからいずれの観察も見応え充分です。

 その中で・・大潟村全域やその周辺域も含めて最も羽数が多いと思われるのが【WHITE-FRONTED GOOSE】つまり【マガン】です。
 野鳥の会あきたの方々に聞くところに寄れば・・・かつては極限られた場所で大きな群れになっている【マガン】を見るのが当たり前だったそうですが、現在は数十羽から多くても二千羽程度の群れが各所で観られ、分散して採餌する傾向が見られます。ここ何年かの間に【マガン】が採餌する傾向にも大きな変化があったようです。


 さて、そんな分散している【マガン】。漢字では【真雁】と表記します。真の雁と読むことが出来ますが、へそ曲がりな私としては「他の雁はどうなる?」と思ってしまってこの名前には違和感があるんですよね・・・。でも英名の【WHITE-FRONTED GOOSE】については「確かに!!」と納得しています。

 でもなかなか【マガン】のFRONT部分を観察する機会には恵まれません・・。私が観察する時はきっと【マガン】達も同じように私を観察しているのでしょう、顔を横に向けてこちらを注視します。私の場合、物事を注視する時、両目を使う事が多いのですが【マガン】を初めとする野鳥達の場合、目の位置から片目の方が注視しやすいようです。


 観察中、近くにいた【マガン】がスッと首を上げて横を向き、私を注視しています。
 この時、『これ以上警戒させてはいけない』と思い、車内で姿勢を低くして彼らから視線をそらして素知らぬふりをします。
 こうしてどれくらいの時間が経ったのでしょうか?警戒が解けてきたようで・・・これまでジッとしていたのがちょっとずつ動き出しました。


 その時、嘴が私の方を向き、【マガン】の正面顔が見えました。
 横顔の時は嘴の付け根部分にちょっと白い羽が見える程度でしたが正面を向くと嘴も含めて顔の大半が白っぽく見えます。


 アップにしてみました。未だ舌の根も乾いてはいませんが・・・言うほど「顔の大半が白」ではないですね^^・・・でもこれを見ると私的には【WHITE-FRONTED】の名前に納得です。皆さんはいかがですか?



<追記>
 図鑑によるようですが・・種名を標準和名の「カタカナ表記」とその「漢字表記」、それに「学名」と「英名」を列記してある図鑑があります。個人的にはカタカナだとイマイチよくわからないけど漢字にすると凄くよく解る名前や、今回の【マガン】のように標準和名よりも英名の方が的確だと感じる名前があったりするので、図鑑には色々な表記がしてある方が良いな~と感じています。