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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

積雪多く、風雪吹き荒れる日の過ごし方

2011年01月14日
秋田
 この冬は普段、積雪の少ない大潟村にもいつにない量の雪を降らせています。そして西部承水路や南の池でも結氷する時期が早く、しかも範囲が広くなっています。今年に冬は野鳥達にとって厳しい冬になっているようです。


 そんな厳しい冬を大潟村やその周辺に飛来しているガンやハクチョウたちは
どうやって過ごしているのか?見てきました。

 この日は最高気温がマイナスとなった真冬日。時折止み間があるものの吹雪に見舞われ、巡視も野鳥の生息調査も相当やりづらい日でした。
 それでも鳥獣保護区内を隈無く周り、更に周辺の状況を確認していてもガンやハクチョウの姿が見当たりません。いつもであれば田んぼに大きな群れが見られるのですが・・・風が避けられる場所にいくつかの小さな群れが確認できただけ。この悪天候を見越して宮城県などへ移動していたとしてもこれほど少ないわけがありません!

 と言うことは・・・



 ガンやハクチョウたちが塒として利用している場所へ行ってみました。



 某水辺の塒です。いつもより結氷範囲が広くなっていて僅かに残る水面とその周囲にオオヒシクイ、コハクチョウ、オオハクチョウの姿がありました。


 某田んぼです。こちらも一部のオオヒシクイ達が塒として利用しているのですが此処にも数十羽のオオヒシクイがジッと背眠した状態で過ごしていました。


 この2枚の写真からも解るように・・・この日は水面は氷に覆われ、田んぼは積雪に覆われ思うように餌を採ることが出来ない状態でした。
 ですから餌を食べるためには大潟村ではない何処かへ大きく移動するしかありません。僅かに移動したくらいでは氷や雪の状況は変わりませんから。なので多くのガン達はより南の宮城県や新潟県へと移動してしまったようです。今の大潟村にはその選択をしなかった主にオオヒシクイの一群だけが残っている状態です。

 そんな彼らはこの特に厳しい数日を乗り切る為に、餌を食べないかわりに体力をあまり使わない省エネモードに切り替えて過ごしていたのです。その為、塒から移動もせず、そこでもあまり動き回らずじっと、ただひたすらじっと耐えていたようです。


 天気予報は週末日曜日~来週月曜日にかけて秋田県内は大荒れになるでしょうと告げています。もしも!週末に大潟村やその周辺でガンやハクチョウたちを観察しようという予定がおありでしたら、ここ数日ひたすらにじっと省エネモードで過ごし耐えている彼らの健康を考慮していただけたら幸いです。