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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

実施報告:『樹木医と歩く森吉の森』

2014年07月08日
秋田
 7月6日(日)、森吉山鳥獣保護区にて森吉山野生鳥獣センター運営協議会主催の自然観察会『樹木医と歩く森吉の森』を実施いたしましたので報告いたします。

 今年度、森吉山野生鳥獣センター運営協議会ではおよそ月1回の自然観察会を実施予定ですが、今期初めての観察会は樹木医会秋田県支部にご協力を頂き、樹木医の専門家の目線で見た森吉の森を観察しようという企画でした。講師には昨年に引き続き、元営林署職員で地元森吉在住の田中さんと、秋田県立大学の学生さんにも指導している秋田市在住の吉田さんの2名。お二方は事前に色々な小道具などの観察会用アイテムを準備してきてくれていて、そこにある物を観察するという単純なスタイルでは無く、目でも手でも舌でも自然や樹木とふれあい、更には様々な体験も用意してくれていたりと色々と趣向を凝らした観察会になりました。


 今回は2班体制での観察会実施で桃洞滝までのコースを歩きましたが、行きと帰りで講師の先生に交代していただいて、参加者全員が両講師のお話を聞けるようにしました。お二方とも専門も違えば、語り口も違うし、使うアイテムも違うし、同じ場所でも切り口が違って、参加された方々からは『このスタイルはいいね』と好評を頂きました。


 この写真は、コース中にあるハリギリの大木の樹高を測定しているところです。樹高の測定方法には様々なやりかたがあるようですが、今回は身近にある道具を使って測定する方法でした。この様に普段から樹木と身近に接している樹木ならではの目線、体験に基づく観察会で、参加された方々も知的好奇心が刺激されたようで、『今日はいろんな事を勉強した』『何回も歩いたコースでも違った目線で歩くと又違った森に見える』といった感想が聞かれました。


 この日はかなり蒸し暑く、森吉山野生鳥獣センターでも暑さを感じてましたが、ブナの森は日射しを和らげ、渓谷を渡る風には心地よさを感じました。目的地の桃洞滝は水量が少なめでしたが、そのお陰で滝の間近で昼食をとる事が出来、更に涼しさを感じられる休息時間となりました。


 このあと全員無事に森吉山野生鳥獣センターに帰着し、その後森吉山麓高原で実施中の自然再生事業の一環でブナやミズナラの植樹を実施しましたが、それは次の機会にご報告いたします。


 樹木を見て、触れて、体験し、最後には苗木を植樹してとたっぷり樹木とふれあった一日。参加してくださいました皆様ありがとうございました。観察会に多大なご協力を頂いた樹木医会秋田県支部の皆様ありがとうございました。また皆様とお目にかかれる日を楽しみにいたしております。