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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

倒木

2010年07月29日
秋田
 今日の秋田市は暗く、低い空から激しい雨が降っています・・・。蒸し暑い日々から一転、野外のコンディションが目まぐるしく変わります。自分自身のコンディション管理も大変になってきました・・・。


 昨日までの日記は手に汗に握る体験をお伝えしましたので、今日は巡視で見つけた事柄を淡々とレポートしたいと思います。

 森吉を巡視していて「倒木」を見かける機会というのは結構多いものです。特に強い風が吹いた後やもの凄い豪雨の後などは要注意です。私たちが戸倒れるキケンがあるかも知れない・・・と注意している木というのもいくつかあるのですが・・・先日そのうちの1つがとうとう倒れてしまいました。

 私が把握している要注意の木というのはそのほとんどがキツツキの営巣木となっています。特にアカゲラは枯死木や一部枯れている木を選んで営巣しているようで現役で使用されている営巣木とかつて営巣していた木を合わせると私が把握している要注意の木、全てを網羅します。


 さて、今回倒れた木に話を戻しましょう。倒れたのはブナの枯死木でかつてキツツキが営巣していた痕跡が残っている物でした。


 これが今回倒れたブナの木です。根元から倒れたのではなくおよそ5mくらいの高さのところから倒れていました。幸い登山道からは離れていたので仮に根元から倒れても通行に際して支障も無いと思われていた木でしたし、怪我人も無かったようで安心しました。


 残った枯死木はこんな状態です。ちょうど巣穴の入り口を残すようにして割れたようです。


 反対側から見るとこんな状態です。
 恐らくは巣穴の底の部分となっている産座が倒木のてっぺんとなって残っていると思われ、ちょうど巣穴の底と入り口を残して倒れたようです。
 樹の中央部を大きくくりぬいて作られるキツツキの巣穴は樹にとってのウィークポイントでもあるようで、特に枯死したまま立っている樹にはその傾向が顕著なのかも知れません・・・。