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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

松ぼっくりにカラス

2011年02月07日
秋田
 2月の上旬と言えば1年で最も寒い時期だと思っていましたが最近は「3月並」の気温が続いている秋田県内です。私はこの時期に秋田で”雨”が降るとは思いもしませんでした・・・。
 道路の雪はすっかりと消えて運転はしやすくなったのですが山の事を思うと心配になります。週末のスキーツアーでは足下の雪がスパスパと切れ落ちていく様子は気持ちの良いものではありませんでした・・・・。積雪の多い地域では雪崩に注意が必要です。




 はい。今日の日記は最近、否が応でも注目してしまうカラスの群れの話です。現在、大潟の野鳥界で最大勢力はカラス達。お馴染みの【ハシボソガラス】に秋から春にかけて見られる【ミヤマガラス】、更には普段はあまり見られないハシブトガラスまで加わって様々なところで大きな群れを観察することができ、保護区とその周辺でも大きな群れが観られました。

 保護区にやってくるカラスの群れは松林がお気に入りのようで、数百羽のカラスたちが松の木に止まっていました。
 その松の木で餌を採っているようなので、観察していると何羽かのカラスが松ぼっくりを突いていました。


 松ぼっくりに嘴をつっこむ【ハシボソガラス】


 同じく松ぼっくりに嘴をつっこむ【ミヤマガラス】

 先日、松の実を食べるマヒワをご紹介したばかりですが雪が多くて地面の餌が採りづらい今、松の実は人気の食べ物になっています。

 植物食を好むこの両者、流石に器用に松ぼっくりから実の入ったプロペラの羽(のような形のモノ)を引っこ抜いて食べていました。複雑な形の松ぼっくりから種の入った部分だけを上手に引っこ抜く様子には感心しました。彼らの嘴はこうした作業には向いている形状をしているかも知れません。

 他の野鳥達が積雪、降雪、風、水面の凍結など様々な条件に左右されて生息・採餌場所を制限されている中でカラスたちはいつもと変わらぬ場所で、いつも同じように餌を採っているように感じられます。やはり彼らの生命力・生活力には他の追随を許さないほどの強さを感じます。