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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

観察会『アーティスト目線の野鳥観察』を実施しました

2014年02月17日
秋田
 2月も半ばを過ぎ、今年度も残り約一月半。毎年、終わりよければ全て良し!を目標にしているのですが今年度はどうなりますでしょうか・・。

 2月15日(土)、2月16日(日)の2日間、今年度最後となる観察会を実施しました。先ずは15日(土)に実施した『アーティスト目線の野鳥観察』についてご報告いたします。


 例年ガン類の飛来時期に合わせて11月下旬~12月上旬に実施している野鳥観察会が諸般の事情により開催できず、企画内容も大幅に変更した観察会となりました。
 今回の観察会の会場は、日頃業務で連携させていただいている五城目町にある「秋田県環境と文化のむら」のふれあいセンター。講師は「Hal at forest」より、主宰の版画家・画家の三村治男氏とスタッフの佐藤由美子氏という体勢での実施です。
 
 野鳥を観察するということは、読んで字のごとく『野鳥を観る』事です。野鳥を描くには、先ずは『野鳥を観る』事から始まります。ですので、野鳥を描く方々は優れた野鳥観察者でもあります。
 ある野鳥を描こうと思ったら、その野鳥をしっかりと観察しなければなりません。印象だけをさらっと描くだけなら雰囲気を掴むだけでも良いかもしれませんが、しっかり細密に描こうと思うと、ぱっと見で細部の情報を得るのは難しいでしょうし、ましてや眺めただけでは形を描くのも難しいかも知れません。また自分が描いたものには愛情が込められると思うので、自分が一度描いた野鳥を観察するときには、以前とはまた違った目で見ることが出来るのではないでしょうか?そんな事を思いながら企画した観察会です。


 参加いただいた方々は日頃から絵を描かれている方や、絵に興味を持っている方、あるいは以前は描いてたんだけど最近遠ざかっていたのでこれをきっかけにまた描いてみようかと思っている方々。しかもその対象が野鳥なので専門家のアドバイスを受けたいと参加していただきました。


 先ずは導入部として、版画や絵画の資料としても活用するため自ら撮影した野鳥の動画を見ながら、観察時のポイントや野鳥の行動などについてお話しし、参考として三村さん自身が制作している野鳥の絵も2点ほど持参していただきました。
 更には白いスケッチブックに実際に”アタリ”を付ける為の大まかな円や線を描いたり、野鳥を描く際のポイントなどもレクチャーしていただきました。


 続いて参加してくださった方々がそれぞれのスケッチブックに実際に野鳥の絵を描きました。同じ野鳥を観て描いても、筆記具の違い、持ち方の違い、筆圧の違いなどで皆さんの描く鳥がそれぞれ個性を持った鳥に仕上がっていく様子を観ているのはとても楽しい時間でした。


 後半では、参加者の皆さんが描いた絵を講師の三村さんが色々とアドバイスもしてくれるという一幕もあり。もう少し描く時間が欲しかったという声もありましたが、『参考になりました。』『今日は来た甲斐がありました。』などとありがたい声を頂きました。


 この観察会はあくまでも「観察」に主眼を置いた企画で、描くことを観察の一手法と考えてましたが、予想外に描くこと=じっくり観察することという考え方をする方が多く、この様な企画も一定の需要があると言うことを感じました。この様な観察会にご参加いただきました皆様に感謝いたします。


 最後になりましたが、講師を務めていただいた三村さん、佐藤さんどうもありがとうございました。会場と参加者募集では秋田県環境と文化のむらスタッフの皆様にお世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。