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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

キリギリスのような鳥と言われてますが・・

2011年05月20日
秋田
 今度の日曜日、大潟草原鳥獣保護区において野鳥観察会を実施いたします。講師はいつものように(財)日本野鳥の会あきたのベテラン講師2名にお願いして、更には最も大潟草原鳥獣保護区を知る管理員さんも加わります。現在は草原性の鳥類が多数飛来してきていて様々な野鳥が観察できると思います。そんな野鳥観察会ですが、今日現在でまだ定員に余裕があります。あの鳥やあんな鳥も来ていて、しかも豪華講師陣で行う野鳥観察会。ご都合が付く方がいらっしゃいましたら当日でも参加受け付けいたしますので午前9時まで大潟草原鳥獣保護区管理棟までお越し下さい。



 はい。今日の日記はその観察会で実際に観察できるであろう【オオヨシキリ】の話。


 【オオヨシキリ】と言えば『ギョギョシギョギョシギョギョギョギョ・・・』という鳴き声がお馴染みです。現在大潟草原鳥獣保護区やその周辺では至るところでその姿を見ることが出来ます。そして鳴き声も朝から晩まで絶え間なく聞き事が出来ます。

 オス♂の【オオヨシキリ】はソングポストと言われるお気に入りの場所で、ず~っと鳴き声を上げていることから『朝から晩まで歌って、メス♀が子育て中でもすっと歌っている”アリとキリギリス”のキリギリスみたいな鳥だ・・』なんて言われることもあります。
 確かに・・決して美声とは言えない鳴き声を絶え間なく聞かされたらそんな嫌みも言いたくなる気持ちも良くわかります。でも・・当然ながら【オオヨシキリ】のオス♂だって本当に一日中鳴き続けている訳ではありません。食事(採餌)もすれば、入浴(水浴び、羽繕いなど)だってしますし、トイレ(排泄)にも行くはずです。
 『そんなの当たり前』と思われるでしょう!!私もそうは思っていましたが、なかなかそんな観察機会に恵まれず・・・。もしかして本当にキリギリスみたいなんじゃ?なんて思いもなきにしもあらず・・・

 そんな折、【オオヨシキリ】の食事風景を観察できましたのでご報告します。


 先ほどまでソングポストで鳴いていた【オオヨシキリ】が突如、私のいる方へと飛んできて、ヤブの中に姿を消しました。懸命に探しているとこんな至近距離にいました。

 その後もヤブの中を動き回って何かを探しているようでした。その動きは同じ仲間のウグイス等を彷彿とされるもので『やっぱりウグイスの仲間だったんだ・・^^』なんて妙な関心をしてしまいました。


 暫くすると何かの幼虫のような物を啄んでいるのが見えました。【オオヨシキリ】が捕食して飲み込む場面です。思えば・・・【オオヨシキリ】の採餌風景を観察したのはこの時が初めてでした。普通に考えたら「日常の光景」のはずですけどね・・・

 この後、【オオヨシキリ】は元のソングポストに戻って歌を歌い続けていました。そんな姿を見て私の中で【オオヨシキリ】のイメージがちょっとだけ変わった事に気がついた観察でした。