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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

実施報告:『野鳥の楽園で暮らす野鳥たち』と『クリーンアップ大作戦』

2014年04月17日
秋田
 事務所周辺の桜のつぼみもほのかな赤味を帯びてきて、期待も膨らむ秋田市内です。遠くの山々はまだ真っ白ですが、平野部では実感できる春がやってきています。


 そんな中、日曜日に今年度最初の野鳥観察会『野鳥の楽園で暮らす野鳥たち』と『クリーンアップ大作戦』を実施しましたのでご報告します。これは午前中に野鳥観察をし、午後からその野鳥たちが少しでも暮らしやすくなるようにとクリーンアップ活動を実施したものです。今回は初めて東北地方環境事務所、秋田県、大潟村の三者が一体となって共催という形で実施しました。

 先ずは野鳥観察会。今回は日頃から大潟村へ野鳥観察に来ている方ばかりの参加でした。皆さんプライベートでも大潟村を度々訪れて野鳥観察をしているもののJR山手線のエリアがすっぽりと収まってしまうほど広大な大潟村の何処に行けばどんな野鳥に出会えるのか?そんな情報も得たいと思っての参加だったようです。講師は今年度から国指定大潟草原鳥獣保護区の管理員を務めていただく京谷さん。大潟村を中心に各地の野鳥調査や保護活動にも熱心な方です。
 この時期は冬の渡り鳥が渡去し、夏鳥達が続々と到着、通過している時にあたり、大潟村で繁殖する野鳥たちは忙しく活動を初め、渡り途中の野鳥たちは英気を養うために活動しています。そんな野鳥たちに出会うため、村内を移動しながらの野鳥観察となりました。
 

 潟端エリアと北の池がメインの観察場所です。暖かい日射しの中、野鳥たちは休憩モードに入っていたのか?あまり多くの野鳥を観察することは出来ませんでしたがそれでも32種類の野鳥を観察できました。


 続いて午後はクリーンアップ活動。秋田県では雪解け後の4月をクリーンアップ強化月間と定めていて、その中でも第2日曜日を『ビューティフルサンデー』と銘打って各地でクリーンアップ活動を呼びかけています。今回の企画はこの趣旨に賛同して、野鳥の生息地を彼らがより暮らしやすいようにしようと願ってのクリーンアップ活動です。

 実は参加していただいた方々は野鳥観察中から足元のゴミの多さに驚いていました。むしろ野鳥観察よりもその場所のクリーンアップをした方が良いんじゃ無いか?という程の状態で、『まさかこんなにゴミが多いとは・・』『こんなにゴミが多いと野鳥の暮らしにも支障があるんじゃ無いか?』と言った声が聞かれました。


 クリーンアップは大潟草原野鳥観察舎前の道路で実施し、県道との分岐点からB区と呼んでいるエリアの入り口までのおよそ1.2㎞の区間で実施しました。 
 駐車場付近は3月下旬に私がクリーンアップを実施して可燃ゴミ1袋と不燃ゴミ1袋を集めたのですが、それが焼け石に水のような状態で・・・その場所にもクリーンアップしていない場所と大差ないくらいのゴミが散乱していました。道路沿いには草木が茂っていてその中にあるゴミを集めるのは一苦労を強いられますが、今回参加してくれた中で最年少の少年が特に熱心にゴミを集めてくれました。
 
 集めたゴミの中で特に目立ったのが空き缶で、コーヒーの空き缶が最も多く、ある特定の銘柄がかなり目立ったこともあって『このコーヒーが好きな人がしょっちゅう捨ててるんじゃ無いか?』と推測されました。また驚くことに缶ビールの空き缶も多く『まさか運転しながらビール飲んでる人が居るんじゃ無いよな・・』なんてぞっとするような推測もされました。その他、軍手や手袋の類いがかなり目立っていて『業者がまとめて捨ててるんじゃ無いか?』といぶかしげに話す参加者もいました。
 これらの感想はこれまで現地を見続けてきて私も同じように感じています。コーヒー缶、ビール缶、手袋はこのエリアのTOP3に入るゴミの多さでこれらは数年間変わりなく安定して(?)多く捨てられています。

 残念な事に大潟村は投棄されたゴミが非常に多いところです。今回も『これまで何カ所かでクリーンアップを実施したけどこれほどゴミの多かったところは無かった』とか『海岸や河口以外でこんなに集中してゴミがある場所を私は知らない』などという厳しい声が聞かれました。



 最後に記念写真と集めたゴミの証拠写真を撮影しました。クリーンアップは総勢12名で2時間足らずの間にこれだけの量を集めました。ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。そしてお疲れ様でした。



 今回のクリーンアップの為に秋田県から参加者全員分の軍手とゴミ拾い用のトングを提供していただきました。大潟村からは収集用のゴミ袋を提供していただき集めたゴミの処理をしていただきました。末筆ながらお礼を申し上げます。