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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

繰り返し繰り返し

2011年04月20日
秋田
 一昨年もありました・・・
 昨年もありました・・・
 そして今年も・・・同じ悲劇がまたもや繰り返されています。


 大潟草原鳥獣保護区は南の池沿いの道路の上に見覚えのあるものが点々と・・・
 これは直ぐ横のコロニーで繁殖中の【アオサギ】の卵です。現在コロニーには【アオサギ】しかいませんからこの卵は【アオサギ】のものにまず間違いありません。今年もまた何者かによってこうして奪われ、食べられてしまいました。その個数は8・・・。


 【アオサギ】の卵はスーパーなどで販売されている鶏卵とほぼ同じサイズ。私が見た感じではMサイズくらいでしょうか?そして中身はご覧のように・・・これまた鶏卵のものと同じような黄身があります。それが丁度何かを刺して食べたような割れ方で転がっていました。

 現在コロニーでは100を越える巣があってそこで大半が抱卵中であろうと思われます。早いペアと遅いペアで2週間以上の進捗状況の差があると思っていますので、もう既に孵化している個体もあるかも知れません。

 親の愛情の深さ大きさを表現する時に『焼け野の雉 夜の鶴』と2種の鳥が例えに出てきます。雉(キジ)は、巣のある野原を焼かれた時、危険を顧みず我が子を救おうとする。鶴(ツル)は寒い夜、自分の羽で子を覆ってあたためてあげる。こうした様子は【アオサギ】には当てはまらないということなのでしょうか? 私にはみすみす卵を盗られるなんて事は無いと思うのですが・・・何度見ても複雑な光景です。



『繰り返し繰り返し』



 この頃、地震は忘れないうちにやってきます。
 昨日午前4時14分頃、秋田県内陸南部を震源とする地震がありました。最大震度5弱の揺れでした。その時私は自室で寝ていましたが、最初の縦揺れで目を覚ましました。その後続いた大きな横揺れの不気味だったこと・・・。
 その後も4時17分に最大震度2の余震があり(これ以降時間と最大震度のみ表記する)更に4時27分に2、5時00分に1、5時56分に1、7時09分に2、7時34分に1、8時24分に1、8時39分に1、11時49分に2、11時56分に1と午前中だけで11回の体に感じる地震がありました。
 何度も同じようなことを言うようですが・・・普段であれば震度5弱の地震が発生し、被害があったならば報道でも大きく取り上げられ『○○地震』という名前が付けられるだろうと思います。でも今は先の地震があまりに大きかったために余震が大きく報道されることもないでしょうし、そもそも私たちも余震に対する警戒心が薄れてきてはいませんか??

 ある方が私に『あの地震でも大丈夫だったんだから余震くらいでは心配ない』と言いました。勿論私は直ぐに反論しましたが皆さんはどう思われますか??

 実際に3月11日の地震では特に被害がなかったように見えた建物が余震で倒壊したりと被害が発生している事例は多くあるようです。今、なんの問題もないように見えている建物もこれまでの地震でダメージを蓄積しているはずです。
 この先もまだ大きな余震が発生する事が予想されるそうです。まだまだ繰り返し繰り返し大きな揺れが襲ってくる可能性があるのです。

 余震だと侮ってはいけません!
 また余震かと慣れてはいけません!