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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

2007年完結日記

2007年12月28日
秋田
 今日で今年2007年の業務終了です。我が秋田自然保護官事務所の業務遂行に際しましてご協力・ご尽力下さった全ての皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。来年2008年もよろしくお願い申し上げます。

観察会に参加してくださった方から送られた手紙です。本当にありがとうございます。こうした方々から背中を押されてこれからも仕事に励んでいけます。

 さて、私の日記も今年最後です。スッキリと2008年を迎えるために今年の課題は今年のうちに終わらせようかと思います。

宿題
 伊豆沼で見つけたオナガガモについて、過去2回色々としかも長々と書いてきました。その二回分を整理して言えることは・・・・
①あの個体はスタンダードな雄個体ではない。
②あの個体はスタンダードな雌個体ではない。
③時期的にも、また羽を見てもエクリプスではない。
と、なります。それで25日に日記でくちばしの写真を提示しました。それを見ていただくと雄の特徴が無く雌個体だと言うことが分かると思います。
それらを総合した上で仙台のアクティブレンジャー三宅さんはじめ多くの方からご指導いただいた結果、「雄化した雌」ではないかという一応の結論に達しました。雌同様のくちばし、雄個体よりも一回り小型であること、不明瞭な首の白紋、雌の特徴をやや留めながらも雄のような翼をしている事などから見てそう判断しました。

調査協力者
昨日の日記で「調べてみます・・」としたものですが判明しましたのでお知らせします。
ノスリ:今年10月に東京大学の研究チームが大潟村(の鳥獣保護区外)で猛禽類の行動範囲を調べるなどの目的で発信器を装着したものでした。(多分そうだとは思いつつ確信がなかったもので・・)ですから現在はデータの集積段階と言うことになります。この調査についてはキチンとした申請書が提出され、許可も受けた上で行っていることを添えておきます。
ヒシクイ:ガンカモ類の標識については専用のサイトがあります。そこからの流れはおよそ以下の通りで・・『カラー標識を見つけた→ガン類→首輪標識一覧→ヒシクイ』と見ていくと表に私の見た個体のデータが載っています。それを見ると1992年7月にカムチャッカのマコベツコエ湖で非繁殖個体(1~2歳となるのでしょうか?)時に標識が付けられたことが分かります。つまりあの個体は現在16~17歳と言うことになりますね。

それにしても日々の観察・調査から見つけたものに興味を持ち、調べてみると色々な世界が広がっていくのを感じます。その中には考えさせられるものも多くもっともっと勉強が必要だなと感じています。来年はどんな世界が待っているのか・・楽しみです。