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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

『東北地方の外来生物 パネル展』と、ある調査の時・・・

2011年06月24日
秋田
 以前、裏磐梯自然保護官事務所の星ARが報告していた『東北地方の外来生物』をまとめたパネル展が東北各地を巡回していますが現在は森吉山野生鳥獣センターで開催中です。


 7枚のパネルに情報をぎゅっと詰め込んだ内容になっています、是非ご覧下さい。そしてパンフレットもお持ちいただけるようにご用意しています。
 当初は森吉山野生鳥獣センターのあと宮城県内の施設で開催の予定でしたが、地震で建物が被害を受けて現在もなお完全には復旧していないそうで・・・予定を変更して6月7月の2ヶ月連続開催する運びとなりました。
 今後もこのような東北地方環境事務所で取り組んでいる事業等をまとめたものを展示していけたらと思っています。お楽しみに!!



 
 さて、話題は変わって・・・先日森吉山麓で実施している自然再生事業に係るモニタリング調査をしていたときの話です。かつて牧草地だった場所を元の様な森に再生しようという試みで植栽をしている箇所があるのですが、そこの活着率(植栽した苗木がどれくらいの割合で根付いているか?)を調べたのですが、中には見つけにくい苗木もあって草をかき分けながら探していると・・・


 なっ・・何かいる!!
 掌サイズの茶色いフワフワした物がありました。小さく丸まっていますが、目がキラキラしているのが解りました。


 小さな【トウホクノウサギ】でした。この春に生まれたばかりの赤ちゃんうさぎでしょうか?牧草の中に身を隠していたのに私が草をかき分けたものだからこうして写真に収まることに・・。
 特に逃げる様子もないので観察したり写真撮影したりしていましたが、まだまだ調査しなければならない箇所があったので早めに切り上げて調査を続けたのですが・・・まさかまさか!!この後3箇所連続で苗木の根元に【トウホクノウサギ】が身を潜めていました。これには一緒に調査していた保護官も驚いてしばしの間、調査の手を休めて2人で観察した事は言うまでもありません^^

 調査を再開しても苗木の側に【トウホクノウサギ】が留まっていたので、邪魔をしないように計測して、露わになった苗木の根元をウサギ達が身を隠せるように復元してそのエリアの調査を終えました。 


 一部では、春先に雪の上から姿を現した苗木を【トウホクノウサギ】が食べることで苗木の生長に影響が出るなどの食害の話も聞きますが、こうして植栽した場所でその姿を見ると・・個人的には『イッパイ食べて大きくなれよ!!』と声をかけたくなります。少なくとも彼らは悪いことをしているのではありませんから!!例え活着率が悪くたって、こうして生きものを支えていることが解ったんだから「よし」じゃないでしょうかね??