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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

カラスも面白い!

2008年02月06日
秋田
 今、大潟村の野鳥の中で(数の上で)一番の勢力を誇っているのはカラスかも知れません。私たちが普段の生活でもっとも多く目にする鳥もカラスかも知れません。皆さんの中には「カラスはゴミをあさったりする迷惑な鳥」と思っていらっしゃる方も多いと思います。
 普段何気なく見ているカラスには2種類あります。普段都市部で目にするカラスはハシブトガラスと言ってその名前の通り嘴が太いのが特徴の大型のカラスです。【ハシブトガラス】は主に市街地・都市部に生息しています。また大潟村のように林があったり木立が点在する農村部には【ハシボソガラス】が生息し、大まかな棲み分けがされているようです。なので大潟村でよく見られるのはハシボソガラスでハシブトガラスは大潟村では殆ど見ることがありません。総合学習で大潟の野鳥を調べてからカラスに興味を持った生徒が修学旅行先でハシブトガラスの群れを見るのを楽しみに出かけて行ったという話があるくらいです。
 しかし現在の大潟村で最も多く目にするのは「留鳥」として年中見られるハシブトガラスでもハシボソガラスでもなく、「渡り鳥」として渡来した【ミヤマガラス】です。
 

【ハシボソガラス】一年を通して見られる。大潟村でカラスと言えばこの種。ハシブトガラスよりやや小型とされる。

【ミヤマガラス】ハシボソガラスより小型。嘴の付け根部分が白っぽく嘴全体も灰色をしている。少なく見ても3000羽以上が大潟村内で越冬中。※一番右はハシボソガラス

↑の上に写っているのが【コクマルガラス(淡色型)】ミヤマガラスよりも更に小さくハトくらいの大きさの渡り鳥です。

 春~秋にかけて大潟村でカラスの大群を見ることは少ないのですが今はもの凄い数のカラスが干拓地内の至る所で見られます。見ると大半が嘴の色が灰色のミヤマガラスです。更によく見るとその中に後頭部から胸、腹にかけて白色で小型のコクマルガラス(淡色型)を見つけることが出来ます。(実際の目視で2羽を確認しましたが事務所で写真を精査したところ更に2羽確認できました。)更に更に目をこらして見るとほぼ全身が黒い(実際は暗褐色と言った方が近い)コクマルガラス(濃色型)が見つかります。この時は1羽確認できました。
 大群で全身真っ黒のカラスが居ると何となく「怖い・気持ち悪い」と思ってしまうかも知れませんが、一歩踏み出して観察してみると「普段は見られないカラス」が見られますよ!!カラスもよく見てみると実は全身真っ黒ではないことが解ったりして「結構面白いかも?」と思うのではないでしょうか?かく言う私も「カラス面白いじゃん!」と思った一人です。