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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

承水路の賑わい ~オオバン編~

2010年03月11日
秋田
 3月も今日から中盤に突入。年度末が差し迫ってきました。時節柄皆さんお忙しいかと思いますが、体調管理に注意してお過ごし下さい。




 昨日に続いて「西部承水路の今」シリーズ(って勝手にやってるだけですけど・・)第3弾。今日は【オオバン】です。

 【オオバン】もこれまた、大潟村をぐるっと取り囲み旧八郎潟とそれが日本海へと注ぐ河口付近と連続する水辺環境を観察していると年間を通して見ることが出来ます。水路が凍結するまでの間は、【オオバン】のお気に入りのエリアがあってそこに行くとほぼ確実に逢えます。また真冬の承水路が凍結している期間は、通り道の途中にある漁港に群れをなしているのが観察できます。
 1年を通して黒い、ずんぐりした愛嬌のある姿を見ないとなんだかその日の鳥見が不完全燃焼に陥ってしまうような気持ちにさえなります。

 その【オオバン】がいつものお気に入りのエリアに戻ってきました。どうしてこうもピンポイントなのか?と不思議に思うほどですが、先日もやっぱり「いつもの場所」にいました。餌が豊富なのでしょうか?安全の確保がしやすいのでしょうか?





 この時は2羽の【オオバン】が水草を貪るように食べていました。食欲は旺盛です!!



 この【オオバン】は八郎潟が今のように埋め立てられ、大潟村が誕生する以前からこの水辺で多数観察されていた昔から馴染みのある野鳥なんだそうです。今のように潟の周囲に道路が出来る前には、ちょっと歩くといくつもの巣が見つかったそうです。それほど身近な存在であった【オオバン】ですが、その頃に比べると『数は減ってるよな~』と話す人がいます。『昔はかなり大きな群れを見たもんだけど最近はあれほど大きな群れにはお目に掛かったことがないな・・・』とも聞きました。



 そこにいるのが当たり前すぎて誰も注目しない【オオバン】ですが、実は生息出来る環境が減ってきているのかも知れません。
 今は【オオバン】が貴重な鳥になるとは想像していないかも知れませんが、いつの日か・・・遠い目をして【オオバン】の話をしなければならない事のないようにしたいですね。