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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

実施報告:『アーティスト目線で観察会』

2014年08月26日
秋田
 8月も最終週になりました。夏らしい日が続かないまま秋の気配が漂い始めた秋田市内です。



 8月24日(日)、森吉山野生鳥獣センター運営協議会主催の観察会『アーティスト目線で観察会』を実施しました。
 森吉山野生鳥獣センター大壁画の作者である画家の三村治男さんに講師をお願いして実施するこの観察会は今年で2回目になりました。観察手法の一つとしてスケッチに特化して実施するこの観察会、既にコアなファンを獲得しております。

 今年も『葉』をテーマにしました。描くためにじっくり観察する。正確に描くためには細部まで詳細に観察しなければならない。基本的な葉脈や葉縁などは当然ですが、色合いや一枚の葉の中でも色の違いがある点、葉柄の形状など細かな点もしっかり観察して一枚の葉をスケッチしていきました。
 全員で取り上げたのは森吉の森でもっとも観察機会が多いと言っても過言では無い『ブナ』でした。ブナが主体の森で、その中の1枚の葉をとことんまでに観察して紙に写し取っていく。そしてその葉が一枚の作品となる様に仕上げていく。そんな観察会となりました。




 講師の三村さんに丁寧に指導して頂きました。初めは何となく描いていたブナの葉も観察会が終わる頃には素敵な作品が生まれていました。しっかり観察した結果が一枚のアート作品になるなんて!!なんて素敵な観察会でしょうか^^



 今回の参加者が描いたブナの葉のほんの一部をお見せしましょう。この観察会に絵の上手下手は関係ありません。この観察会では『私は絵が下手だから・・』というのは禁句です。
 どれだけ、しっかり観察して写し取るか?そして本業の画家の手助けを得て、どなたでも絵画として鑑賞できるレベルまで到達できます。どうですか?下の彩色したブナの葉は?素敵ですよね?


 今回の観察会には、ある常連さんが参加してくれました。その方は自然観察に興味があって様々な分野、場所の観察会に出かけてると伺ってましたが、昨年の三村さんの観察会に参加したのがきっかけで、その後自宅で絵を描き続けていたと言ってスケッチブックを持参してくれました。そのページをめくると味のある水彩画が次々と現れました。
 正直、それを見て感動しました!!私達が実施した観察会をきっかけにしてその後継続できる何かを見つけてくれたなんて、本当に嬉しい事でした。


 そしてまたある方は、やはりこの観察会に参加いただいた事をきっかけにして縁が出来て、ご自身で描き続けていた作品を9月の一ヶ月間、森吉山野生鳥獣センターで展示するという成果にも結びついています。
 この縁も本当に嬉しい、ありがたいことです。この観察会は森吉山野生鳥獣センターの運営協議会が主催ですから森吉山野生鳥獣センターの利用促進の意味合いももっているのですが、この様な形で成就するなんてまさに理想の形です!!



 観察会の実施は大変な事も多いのが事実ですが、こうした嬉しい事があれば、そんな苦労は簡単に吹き飛んでしまいます。さぁまた頑張ろうっと!!