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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

『春の森吉山麓で野鳥観察』を実施しました

2013年06月25日
秋田
 先日の日曜日(23日)に森吉山鳥獣保護区にて野鳥観察会を行いました。

 国指定鳥獣保護区でありながら、当保護区内で野鳥観察を行うのは初めてのこと。いつも会える留鳥に加えて夏鳥達が盛んに繁殖活動をしている時期の観察会は私もとっても楽しみにしていました。

 主催は森吉山野生鳥獣センター運営協議会と東北地方環境事務所、共催に森吉山麓自然再生協議会と秋田県、協力機関に(公財)日本野鳥の会秋田県支部と国民宿舎森吉山荘と強力な体制で行った野鳥観察会です。


 当日の天候は曇。そこに朝方に霧雨が降って気温が下がり、エゾハルゼミも活性が下がっていたようでいつもより静かな森でした。この状況はこの時期の山野での野鳥観察条件としては良い方だったと思われます。

 今回の観察会は人気の渓谷沿いの「桃洞滝コース」と静かなブナの森をあるく「黒石登山道コース」の2コースに分かれて探鳥しました。同じブナを主体とした森ですが、日当たり具合や、地面の状況などちょっとした変化で、そこに棲む野鳥が異なるようです。



 私は人数の多かった「桃洞滝コース」に同行しました。講師は野鳥の会秋田県支部でも長年探鳥会リーダーを務めている浜谷氏。

 こちらではミソサザイやカラ類、子育て中のアカゲラなどが観察できました。中にはアカショウビンのペアの行動を観察できた方々もいたようです。


 最終到達地は桃洞滝。参加者の中には”ここに来るのは初めて”という方も多く感激の声も多く聞かれました。



 瀬川自然保護官は「黒石登山道コース」に同行しました。森吉山に登るいくつかの登山道の中でももっとも長い健脚向きのコースの一部をつかって探鳥しました。講師は秋田市内の里山~山岳地域をフィールドにして山の鳥に詳しい三浦氏。

 こちらではコルリの随所で鳴き声が聞かれたりセンダイムシクイが餌を運ぶ様子などが観察できたようです。


 こちらの最終到達地はかつてクマゲラが営巣していたエリアにほど近い森。ブナの巨木が立ち並び、爽やかな風が吹き抜ける癒やしスポットで私も大好きな場所です。



 野鳥の他にも色々な生きものたちを観察する事が出来ました。
左上から時計回りに・・・
①イワナ
②エゾハルセミ
③ミヤマクワガタ
④マイヅルソウ
昆虫や花、キノコや爬虫類などなど沢山のいきもの達がいました。


 無事に全員森吉山野生鳥獣センターに帰着して恒例の「鳥あわせ」を行いました。予想通り、桃洞滝コースと黒石登山道コースでは観察できた野鳥が異なっていました。実際に目に出来た野鳥は僅かでしたが野鳥の会のベテラン達は声だけで容易に野鳥を識別し、この日確認できた野鳥は33種類(この後実施したもう一つの企画実施時に2種類追加して35種類)。思った以上の成果となりました。



 末筆になりましたが・・ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました機関の皆様、本当にありがとうございました。お陰様で楽しく充実した観察会となりました。