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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

カンムリカイツブリ 繁殖羽へ

2011年03月08日
秋田
 今、事務所の窓には暖かな日差しが照りつけています。1時間ほど前には吹雪で近くの秋田市役所が見えないほどでした。今日の秋田市内は天気が急激に変わる不安定な一日です。
 これから春に向けて三寒四温を繰り返すのでしょうね。体調管理には気をつけていきましょう。



 はい。そんな季節の変わり目、野鳥達の姿にも季節のそれをを感じることが出来ます。
 

 西部承水路では全面に厚くはられていた氷がとけていつもの水辺が広がり景色が一変しています。そんな状況を待ちわびていたかのように多くの水鳥達が戻ってきました。
 あちらこちらでカモの群れが観られ、サギたちの姿も増えてきたように感じます。そんな中、一際存在感を放っているのが【カンムリカイツブリ】です。
 

 先日見た【カンムリカイツブリ】は既に繁殖羽に換羽していました。(細かく見るとまだ換羽の途中の個体が多いのかも知れませんけど。)彼らにとってはもう冬は終了したんでしょうね。


 この様な状態を『夏羽』と表現したりもしますが、いくらなんでも季節の先取りしすぎでしょう(笑)?彼らはこれから此処でパートナーを見つけて繁殖活動を始めるであろうと思われます。なのでこの状態は『繁殖羽』と言った方がより相応しいと思います。


 繁殖にはパートナーが不可欠ですが、この個体は既に見つけているようで、2羽で仲良く行動している様子が観察できました。


 西部承水路に【カンムリカイツブリ】が戻ってきてから未だ日が浅いはずですが何時の間にカップルが成立していたのでしょうか?カモたちのように越冬先でパートナーを見つけて繁殖地である西部承水路に一緒にやって来たのでしょうか?


 いずれにしろ、今期もこの西部承水路で【カンムリカイツブリ】の繁殖が行われそうです。今後の観察が楽しみになってきました。【カンムリカイツブリ】は見た目も可愛らしいですが、その行動も観察のしがいがありますからね~^^




 ちなみにこの日、観察できた20羽の【カンムリカイツブリ】の内、繁殖羽に換羽している個体が10羽、非繁殖羽状態の個体が10羽と完全に半々でした。近くの河口で過ごしていた【カンムリカイツブリ】の中には2月20日過ぎには繁殖羽に換羽している個体がいました。
 それらを合わせると、【カンムリカイツブリ】は越冬中の2月下旬頃から換羽が始まり、3月上旬には繁殖地へと移動して・・・と言うことが解りました。勿論時間の幅がありますから一概には言えませんが今後も観察を続けて「・・・」の部分を埋めていけたらと思っています。