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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

見向きもしない(?)キノコ アラゲコベニチャワンタケ

2010年10月18日
秋田
 この日記で「行楽の秋」「実りの秋」をお伝えしていますが、秋にはその他にも色々とやりたいことが多くて困ってしまいますね。
 先日は知人のギャラリーに足を運んで「芸術の秋」も楽しんできました。自然を題材にした木版画や水彩画に囲まれた空間はもの凄く居心地が良かったです!!



  
 さて、今日の日記もキノコの話題ですが、私的にキノコは観察素材ですから、皆さんがあまり目を向けない類のキノコを取り上げて、「食べられるキノコ」以外のキノコにも目を向けて貰えたらイイかな?と思っています。

 取り上げるのは【アラゲコベニチャワンタケ】というキノコです。里山、奥山に限らず山の中を歩いていると「湿った倒木」を目にする機会があります。この【アラゲコベニチャワンタケ】はそんな場所で見られるキノコです。


 発生の様子。倒木に赤いウロコがあるかのような発生の仕方をします。遠くから見ても目を引く色彩なので見たことがある方も多いかも知れません(あまり気にはしていないでしょうけど・・・)。


 ぐぐっと寄ってマクロ撮影してみました。
 私の場合はどうしても名前は漢字にした方が理解しやすいと感じてしまうのですが・・・私が調べた中では【アラゲコベニチャワンタケ】を扱っている図鑑に漢字表記が無かったので、これからは私の想像ですが・・・。
 アラゲ=粗毛、コ=小、ベニ=紅、チャワン=茶碗、タケ=茸と分解します。「ベニチャワンタケ=紅茶碗茸」は間違いないでしょう。その前段も多分合っていると思うのですが・・・その根拠として↑の写真をご覧下さい。
 茶碗の縁にあたる場所に短い剛毛が見えるかと思います。それが不規則にある小型のキノコですから「アラゲコ=粗毛小」となるのではないか?と言うことです。ですから【アラゲコベニチャワンタケ】を漢字で表記すると【粗毛小紅茶碗茸】となるはず・・・?。



 先日参加したある観察会で『不知不愛』という言葉を聞きました。「その対象のことを知らないとそれを愛することは出来ない」と言うことだそうです。確かに実感として私自身もその生き物のことを知れば知るほど引き込まれていく気がしています。もっともっと色んな生き物のことを知れば、自分の周りの自然のこと、環境のことにを知るキッカケになるのではないでしょうか?



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