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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

1036件の記事があります。

2011年03月01日モグラ塚

秋田 足利 直哉

 今日から3月突入。平成22年度もあと1ヶ月となりました。毎年年度末はキチンとこれまでの仕事を整理してキレイに終わろうと思うのですが毎年ドタバタしている気がします。そして今年もやっぱりドタバタ・・・



 はい。今日の秋田市内は雨。朝方は白いモノが舞っていましたが次第に雨に変わって降り続いています。これでまた消雪が進むことと思います。

 雪がある季節、各地のアクティブレンジャー日記などでも『アニマルトラッキング』が取り上げられることが多かったように思います。大潟でも野鳥の足跡やキツネの足跡など雪面に伸びるその痕跡に想像を巡らせてそこに実際の生きものを思い浮かべながら観察していました。
 雪が消える頃、そのアニマルトラッキングも以前よりは見つけにくくなるのかと思いましたが、大潟ではこの時期特に目立つアニマルトラッキングがあります。


 それが【モグラ塚】です。



 南の池公園の歩道沿いにモコモコと掘り返された軟らかい土が野球のピッチャーズマウンドのような形に盛り上がっています。大きなモノから小さなモノまで様々です。


 西部承水路沿取水門付近の堤防の堤体部分に密集している【モグラ塚】です。雪が消えた途端に一気に増えました。
 雪が消えたからモグラ塚が出来たのか?モグラ塚が出来たから雪が消えたのか?残雪を境にしてくっきりと【モグラ塚】の有る無しが分かれています。


 大潟村にいるモグラ達は余程元気なのでしょうか?こんなにたくさんのモグラ塚が・・・スゴイです。


 【モグラ塚】をよ~く見るとピッチャーズマウンド形以外にも血管のように伸びる【モグラ塚】もあるようです。

 既述のように・・・アニマルトラッキングはその痕跡を残した動物を思い浮かべながらビジュアル的な想像を膨らませて観察するのですが、どうもこの【モグラ塚】だけはリアルにビジュアル的な想像をすることが出来ません。なんとなく土の中を掘り進めるモグラの映像を想像することは出来るのですが、こうしてモグラ塚が出来る時の映像が思い浮かびません。いつも頭に浮かぶのが・・・ゲームセンターにある『モグラ叩きゲーム』のようなポップな映像ばかりです。どうにもリアルな映像が思い浮かびません。自分の想像力の無さを憂うばかりです・・・

 でもゲームセンターのモグラ叩きゲームのような映像であればそこには『穴』だけが残って【モグラ塚】のようにピッチャーズマウンドのように盛り上がった形や血管のように伸びていく形状にはならないように思うのですが・・・どうやって【モグラ塚】って出来るんでしょうか?

 皆さんはリアルな画像が浮かびますか??


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2011年02月28日WHITE-FRONTED GOOSE

秋田 足利 直哉

 最近、何々が何羽で何々は何羽・・・という情報を時々耳にしますが、こういった場合の数字のひとり歩きって怖いな~と感じる今日この頃です。



 はい。ここ数日ガンの北帰行に併せて大潟村にお越しになる方々が増えているようです。夜も明けきらぬうちから塒と塒立ちを観察し、終日観察や撮影をされて、日暮れ後の塒入りまで何処かしらに観察者がいるとのことです。
 それもそのはず!!現在大潟はガン達の生息がおよそピークに達していますからいずれの観察も見応え充分です。

 その中で・・大潟村全域やその周辺域も含めて最も羽数が多いと思われるのが【WHITE-FRONTED GOOSE】つまり【マガン】です。
 野鳥の会あきたの方々に聞くところに寄れば・・・かつては極限られた場所で大きな群れになっている【マガン】を見るのが当たり前だったそうですが、現在は数十羽から多くても二千羽程度の群れが各所で観られ、分散して採餌する傾向が見られます。ここ何年かの間に【マガン】が採餌する傾向にも大きな変化があったようです。


 さて、そんな分散している【マガン】。漢字では【真雁】と表記します。真の雁と読むことが出来ますが、へそ曲がりな私としては「他の雁はどうなる?」と思ってしまってこの名前には違和感があるんですよね・・・。でも英名の【WHITE-FRONTED GOOSE】については「確かに!!」と納得しています。

 でもなかなか【マガン】のFRONT部分を観察する機会には恵まれません・・。私が観察する時はきっと【マガン】達も同じように私を観察しているのでしょう、顔を横に向けてこちらを注視します。私の場合、物事を注視する時、両目を使う事が多いのですが【マガン】を初めとする野鳥達の場合、目の位置から片目の方が注視しやすいようです。


 観察中、近くにいた【マガン】がスッと首を上げて横を向き、私を注視しています。
 この時、『これ以上警戒させてはいけない』と思い、車内で姿勢を低くして彼らから視線をそらして素知らぬふりをします。
 こうしてどれくらいの時間が経ったのでしょうか?警戒が解けてきたようで・・・これまでジッとしていたのがちょっとずつ動き出しました。


 その時、嘴が私の方を向き、【マガン】の正面顔が見えました。
 横顔の時は嘴の付け根部分にちょっと白い羽が見える程度でしたが正面を向くと嘴も含めて顔の大半が白っぽく見えます。


 アップにしてみました。未だ舌の根も乾いてはいませんが・・・言うほど「顔の大半が白」ではないですね^^・・・でもこれを見ると私的には【WHITE-FRONTED】の名前に納得です。皆さんはいかがですか?



<追記>
 図鑑によるようですが・・種名を標準和名の「カタカナ表記」とその「漢字表記」、それに「学名」と「英名」を列記してある図鑑があります。個人的にはカタカナだとイマイチよくわからないけど漢字にすると凄くよく解る名前や、今回の【マガン】のように標準和名よりも英名の方が的確だと感じる名前があったりするので、図鑑には色々な表記がしてある方が良いな~と感じています。

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2011年02月25日続編 予期せぬ鳥の登場

秋田 足利 直哉

 前回の記事から1日あいてしまって気を揉まれた方もあったようですね。失礼いたしました。今日はその続編です。



 はい。先ずはおさらいから・・・
<前回のあらすじ>
 西部承水路の氷上で、オジロワシの幼鳥がオオクチバスと思われる大きな魚を食べていました。周囲にはカラスたちがいておこぼれを頂戴しようと嫌がらせ攻撃を繰り返す。その様子を眺めていたオジロワシ成鳥が飛び立ち・・それを見送るが為に魚への注意がおろそかになって・・・(次回に続く)でしたね。

 この状況から考えると・・・カラスの群れが足下の魚を横取りしてしまうだろうと思うでしょうけど、それでは「普通」過ぎません^^?予想だにしない出来事とは言えないでしょう!


 ではどうなったのか?続編のはじまりはじまり~♪



 はい。次の写真は飛び去ったオジロワシが遠く離れてしまったので、さっきまで見ていた場所へ視線を戻した時のものです。


 最初この光景を見たときには事態を把握できませんでした。皆さんは写真を見て事態を飲み込めますか??

 真ん中にいる大きな猛禽類が先ほどまでよりも数が増えたカラス達に囲まれて魚を食べていますが、これは【オジロワシ】の幼鳥ではありません。右側で呆然として眺めているように見えるのが先ほどまでこの魚を食べていた【オジロワシ】幼鳥です。


 この大きな鳥は【オオワシ】の幼鳥です。先ほどまで、私の視野には全く入っていなかったのですが・・・あまりに大きな場面転換に状況を把握するのに時間が掛かりました。

 【オジロワシ】幼鳥はあきらめたようにその場から歩いて離れていきました。数羽のカラスが落ち込む【オジロワシ】を慰めているように見えます。

 この【オオワシ】、どこか見通しの利く場所からこの魚を横取りしようと虎視眈々ならぬ鷲視眈々と様子をうかがっていたのでしょうか?よくもまぁこんな一瞬をモノにしたなと感心してしまいます。恐らくはこのワンチャンスしかなかったのではないでしょうか?


 獲物の横取りに成功した【オオワシ】幼鳥は貪るようにして魚を食べていました。カラス達に絡まれようと・・・引っ張られようと・・・お構いなしです。

 カラス達も更に横取りしようと執拗に食事の邪魔をします。羽を引っ張り、後ろから魚を突っついたり・・・あの手この手を繰り出しますがとうとう【オオワシ】の食事を最後まで見届けることとなりました。食べ終えた【オオワシ】が嘴を氷に拭う仕草がとっても満足げに見えました。



 この観察もこれにて一段落でしたが、とても見応えのあるシーンでした。【オオワシ】と【オジロワシ】が同時に見られただけでもラッキーですが、それらが幼鳥同士で、しかも2種の食事シーンが見られました。それぞれが片足でしっかりと魚を鷲づかみにして横取りを防ぎながら食事する様子も直接違いを見比べながらしっかりと見ることが出来ました。

 いや~凄かった^^



 ところで・・・皆さんはこの出来事を予想できました??



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2011年02月23日オジロワシ幼鳥の食事

秋田 足利 直哉

 観察会でも何度か質問されたのですが・・・今期は猛禽好きの皆さんにとってはちょっと寂しい年かもしれません。ケアシノスリやハイイロチュウヒと言った冬の猛禽類たちの姿がない(少ない)ですから・・・。今期はいつも猛禽で賑わう牧草地などは閑散としてましたからね(「これまでのところ」ですけど)~。これから見られることを期待しましょう!!
 でも一方では承水路などにオオワシ、【オジロワシ】がいつもより多く見られましたし、頻度の高い観察スポットもあったりして嬉しい年でもありました。こちらはもう暫く見られることを期待しましょう!!



 はい。今日の日記はそんな期待をしながら・・・今期、観察機会が多く、レアなシーンもたくさん見せてくれた(←今期【オジロワシ】の記事なんてあったか?というツッコミが聞こえそう・・・)【オジロワシ】を取り上げました。

 西部承水路に2羽の大きな猛禽がいました。1羽は一目で【オジロワシ】と解る成鳥でしたがもう一羽は初め『超でっかいトビ』に見えました(笑)。


 その『超でかいトビ』がたくさんのカラスたちに囲まて、氷上で大きな魚(オオクチバス?)を食べていました。どうやって捕まえたのか解りませんがイイ獲物にありつけたようです。
 それにしても周りにいるカラス達との体格差ってスゴイですね?これはカラスとトビの体格差ではありません。(←『そりゃそうだろ!トビじゃないんだから』ってつっこんでくれてありがとうございます。)ある意味それに怯まないカラスたちの根性もスゴイ!!

 獲物の横取りを企むカラスの集団を鬱陶しく思っているのは明らかで・・・羽を広げたり、場所を移動したりしてどうには食事に専念したいという意思が見て取れました。それでもしっかりと獲物の魚を鷲づかみにして放すことなく食事していました。


 カラス達の執拗な妨害は永延と続きました。時にはこうして【オジロワシ】の尾羽を咥えて引っ張る輩までいました。その傍らでは【オジロワシ】の成鳥が遠巻きに見ていました。この2羽の【オジロワシ】の関係は不明ですが、なんとなく・・・カラスたちに妨害されながら魚を食べる幼い【オジロワシ】を成鳥が見守っているかのようでした。


 すると・・・【オジロワシ】の成鳥がこちらに向かって飛び立ちました。こんなに離れているのにスゴイ迫力です!!あまりの格好良さに夢中でシャッターを押しながら飛び去るのを見送りました。
 その間、【オジロワシ】の幼鳥は視野に入らず、観察を中断していました。写真で確認すると足下の魚を放してしまっているようです・・・。見送る姿も何だか呆然としているようにも見えます。




 こうした一瞬の隙が何かを引き起こすのは自然界の常。この【オジロワシ】幼鳥も例外ではなく獲物を横取りされてしまいます。

 しかし!!この後、予想だにしなかった衝撃の出来事が・・・・・(次回に続く)


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2011年02月22日シジュウカラガンの白い羽

秋田 足利 直哉

 事務所を出た途端に上空からマガンの鳴き声。見上げた空に鍵になって飛ぶ50羽ほどのマガンが見えました。秋田県内は昼夜を問わず上空からガンやハクチョウの鳴き声が聞かれます。



 はい。と言うわけで・・・今日の日記はガンの話題でいきましょう。

 『顔と頸は黒く、頬から喉にかけてと首の付け根部分は白い・・』
 これはいくつかの図鑑に書かれている【シジュウカラガン】についての記述のうち、頭部から頸部にかけての羽の色を説明したものの要旨です。

 普段、フィールドでは小柄で、全体的に黒い印象を受けるガンを見つけると確認のためにこの要旨にある”白い”部分を確認します。そして全体を見ていくつかの特長を認めてから【シジュウカラガン】だと識別していますが・・・先ほど書いた要旨のうち『・・・頬から喉にかけて・・・』の喉の部分だけはしっかりと確認したことがなかったので先日、大潟に戻ってきたばかりの【シジュウカラガン】を観察してチェックして来ました。

 この時は保護区に隣接する田んぼに6羽の【シジュウカラガン】がいました。それぞれ雪が溶けた田んぼで採餌していました。
 しばらく観察していると、6羽の集団が採餌しながら私から離れていきました。その時、【シジュウカラガン】の短い足の間から下嘴の付け根部分というか、喉の部分と言ったらいいのか解りませんが、私が確認したいと思っていた場所が見えました。

 この時、6羽全てについて気になる部分の観察&撮影が出来たのですが正直驚きました!!!先ずは4枚の写真をご覧下さい。
 

タイプ①:図鑑などの要旨のように『頬から喉にかけて白い」と言える個体。このタイプは6羽中1羽。よく見ると左右の頬から繋がる白い部分が完全に繋がってはいないが概ね繋がっているようです。


 タイプ②:左右の頬から続く白い部分が辛うじて繋がっているように見える個体。このタイプは6羽中2羽。白い羽が薄くグラデーションのようになりながら一部繋がっているようです。


 タイプ③:タイプ②よりも中央部分に黒い羽がハッキリしている。つまり黒いラインが明瞭に確認できるので白い部分は繋がってはいないようです。このタイプは6羽中1羽。


 タイプ④:明らかに頬の白い羽は喉まで連続してはいない。このタイプは6羽中2羽。此処まで来ると図鑑などの要旨と実際が異なる事は明白である。


 この時の観察は6羽という少ないサンプルであったにも関わらず4つのタイプが確認できました。ちなみに頬の白い部分の形もそれぞれ微妙に形が異なって見えたが角度の問題などもあるので断言は出来ません。その他の頭の形や嘴の付き方や長さ、首の付け根の白い輪状の羽などはいずれも【シジュウカラガン】の特長を有していたことを付け加えておきます。

 首の付け根の白い輪状の羽もその色合いや幅など個体差が大きいので、この喉元の部分についても個体差と言えるのでしょうか?それとも性差や年齢差などが現れているのでしょうか?いずれにしても今回の観察では図鑑などの要旨とは異なる事実が存在することが分かりました。




 これで益々【シジュウカラガン】に対する興味が深まりました。喉と首の付け根の白い部分の組み合わせなどで個体識別が可能だったりして・・・なんて思ってみたり^^


<追記>
 この事例について詳しい事をご存じ方がいらっしゃいましたらご指導いただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。


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2011年02月21日【実施報告】 野鳥観察会『ガン達の北帰行を見送ろう』

秋田 足利 直哉

 ガン達の北帰行が本格的に始まり、宮城県内の飛来地や新潟県内の飛来地を離れたマガンやヒシクイが大挙して大潟村やその周辺にやって来ている中、タイミング良く野鳥観察会を実施しましたので報告します。


 20日の日曜日は朝から気持ちよく晴れて絶好の野鳥観察日和となりました。加えて、野鳥観察会の講師は日頃から大潟村にも観察に来られている『日本野鳥の会あきた』の会員で穏和で明快な語り口が評判の2氏。移動は『大潟村教育委員会』より大型バス「かけはし」号を提供していただき遠くまで見渡せる高い目線で広大な、それはそれは広大な大潟村の田んぼに散らばるガンの群れを観察できるこの観察会は、毎年私自身も楽しみにしている観察会です。
 
 大潟村干拓博物館前に集合して早速バスに乗り込んで頂き、観察会がスタート!!当日早朝より講師の2人と大潟草原鳥獣保護区管理員さんが走り回ってガン達が採餌している場所を確認していただいたのですが(←本当にいつもありがとうございます)、その場所へ移動してガン達を観察します。


 大型バス「かけはし」号はまさしくガン達と参加者を繋ぐ「かけはし」となってヒシクイ、マガンやハクガンの居る場所へと連れて行ってくれます。
 到着すると直ぐにスコープにガン達を捉えて観察できるような体制をとります。警戒心の強いガン達の観察にはスコープは欠かせませんからね。この場所ではヒシクイ主体にマガンとハクガンが数羽混じっている群れを観察しました。

 この観察会は次の場所へ移動するまでの時間が特に貴重な時間。バスの通路に講師と鳥獣保護区管理員さんが居てくれるので、皆さんのお近くに必ず講師がいる状態になります。私が言うのもなんですが・・・この時間が良いんです。大潟村の野鳥のことなら大概のこと(←本音では「なんでも」と言いたい!)は応えてくれますからどんな質問でもOKです。貴重な情報だって出し惜しみ無しです!!


 この場所では道路沿いの防風林を挟んで観察しました。観察する側としては林が障害物となってしまうのですが、ガン達から見れば丸見え状態よりもより安心できるのか?より自然な状態で観察することが出来ます。
 この場所では『大勢で降りたら飛んでしまうかな?』と心配しましたが防風林越しだったので飛び去られることもなく観察することが出来ました。

 この場所ではマガンとヒシクイの群れを観察しましたが移動中に講師の方々に聞いたポイントをおさらいしながらそれぞれの特長をじっくり観察できたようです。


 双眼鏡やスコープを覗きながらも色々な感想が聞かれました。
 正直な話・・・野鳥観察会を実施していて時間が長くなってくるとだらけてきたり、飽きてきたりして自分の世界に入っていく方がいるのが普通ですが、この日は皆さん夢中で観察していたようで、後は集合場所へ帰るだけと言った時には『えっ早いね?あっという間だね』という声がバスのあちこちから(?)聞かれました。こうした反応を頂くのは嬉しいですね。


 こうして観察会は無事に終了!この日、観察できた野鳥は20種といつもよりは少なめかも知れませんが、野外での野鳥観察+バスでの移動+テレビと新聞の報道と中身の濃い時間でしたね。私も楽しい時間を過ごすことが出来ました。




<追記>
 この観察会はPRにも力を入れた為、多くの方々にお申し込みを頂きました。当初の定員を大きく超えて実施することとしましたが、それでも何人かの方に参加をご遠慮いただかなくてなならず心が痛みました。今回参加できなかった皆様には来年まで楽しみを先延ばしにさせてしまいますが・・・是非とも一度はこの素晴らしい体験をしていただけたらと思っています。

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2011年02月18日汚白雁

秋田 足利 直哉

 この日記に投稿し続けてとうとう700回。よくもこれだけの駄文を書いてきたものだと我ながら感心しています。ここまで続けられたのはこれをご覧になって下さってる方々からの励ましがあってこそ。感謝感謝です。



 はい。
 ここ数日続いた暖気で大潟村にガン達が集結し始めている事は既にお伝えしました。もう何処へ行ってもガンの群れが観られるほどです。その中にはヒシクイ(亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイ)、マガン、【ハクガン】、シジュウカラガン更にはカリガネも確認できました。
 でも・・・今期の大潟村は例年にないくらい多くの積雪があって農道は勿論、舗装してある道路も除雪対象から外れている道路は現在でも通行できないところが大半です。
 そんな状況下では積極的に『大潟村へガンの観察へお越し下さい』とは言いづらいのですが、それでもこの光景は一見の価値有りです。

 今日はそんなガン達の中から【ハクガン】を取り上げます。なんか久しぶりだな~。【ハクガン】を見たのも^^


 暖気が続いて一週間ほど前から【ハクガン】達が大潟に戻って来ました。
 例年にない積雪と寒気の為、南下していた【ハクガン】を観察できない期間が続きましたが、元気にこの冬を乗り切っていたようで安心しました。

 久しぶりの【ハクガン】観察はついつい時間を忘れてしまいます。歩く姿、餌を食べる姿、私を警戒している時でさえ見とれてしまいます(←それってどうなの?と自分でも思いますけど・・)。
 いつも以上にじっくり観察していると彼らの顔がちょっと汚れているのが気になりました。よくハクチョウでもある事例ですが泥がちな場所で採餌していてその泥が付着して染みついているようです。


 アップにしてみるとこんな感じです。嘴の周囲が黒っぽくなっているのが解るかと思います。よく言えば精悍さが増したと言いましょうか^^。白く可憐な印象の【ハクガン】も泥に顔をつっこんで採餌してきた証でしょう。そんなワイルドな一面も見てみたかった気もします。


 ちなみにこの日確認した15羽の成鳥の群れは全員この様な顔になっていました。ちょっと離れた場所には別の群れもいたのですがそちらは残念ながら確認できませんでした。そちらの群れには幼鳥が混じっていたのでその幼鳥がどんな顔になっているのか興味があったのですが・・・。
 この記事をご覧になった方々で大潟に足を運ばれる方もあるかも知れません。【ハクガン】を見つけた際には是非この点に注目して観察してみて下さい。

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2011年02月17日今度はコガモコガモコガモ・・・

秋田 足利 直哉

 ガン達が大潟村に集結し始めています。今、事務所の窓から北上するヒシクイ(30+)の群れが見えました。その他にも秋田マリーナ、道の駅てんのうなど大潟村の南の地域では頭上を飛んでいく幾多のガン達が見られます。いよいよ『日本最大のガンの群れ』を見られる時期がやって来ます。



 はい。今日も前置きからは繋がらない話題で恐縮です。
 昨日の日記で南の池の氷の縁に群がるカルガモの話をしましたが、この日は同じ場所に【コガモ】も群れが集まっていました。

 この場所はカルガモの指定席のような場所で行けば決まってカルガモの群れがいて、コガモはその反対側に群れていると決まっていたのですが・・・

 この日はカルガモの群れが留守。【コガモ】の指定席には釣り人(←これも春を感じさせる光景ではあります。)の姿が・・・。なのでこの場所にコガモコガモコガモ・・・の光景が広がっていたのでしょう。


 やはり同じように識別しながらカウントし、いやカウントしながら識別し・・・どっちだか解らなくなりますが・・・『コガモコガモコガモ・・・』『12345678・・・』と。

 改めて【コガモ】の群れをじっくりと観察するとオス♂の換羽の状態って様々ですね。まだエクリプス名残がある個体が結構います。カルガモは早くも交尾しているペアがいたし、マガモはほとんどペアが決まったようなのでカモたちは恋の季節はほぼ終了した気になっていましたがそう言えば【コガモ】はまだペアでの行動は見ていなかったかも・・・。
 彼らの恋の季節はこれからでしょうかね!!求愛行動を観察できるかな??





 この時も【コガモ】の群れに1羽、違う種が混じっていました。私に驚いて上の写真を撮影する前に飛び去ってしまいましたけど・・・


 【コガモ】の群れに混じっていた【カワウ】です。流石にこれはサイズも体色も別物なので一目で分かりましたけど^^

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2011年02月16日カルカルカルカルカル・・・・・・・・マル

秋田 足利 直哉

 突然ですが・・・皆さんは相性の良い場所ってあります?そこに行くと何か良いことがあったり、ステキな出会いがあったり。
 私にとって”その場所”は以前、嫌なことがあった現場で正直「通りたくない」と思っていたこともある場所ですが、最近は立て続けに面白い場面に遭遇出来ていて今はちょっとお気に入りの場所です。今日もそこで面白い観察が出来ました。



 はい。そんな前段とは全く関係のない話で恐縮ですが・・・

 いつもの道、公園・・などでちょっとした変化があった時、「いつもと違う」事に気がつきますよね?いつも顔を合わせる方が髪を切った時、その変化に気がつきますよね?
 仕事で大潟へ!いつもの調査している池でいつも見るカモの群れ。その中に一羽だけちょっと違う個体がいたら・・・どうなります??


 南の池には(この時期)いつも【カルガモ】の群れがいます。(勿論色々な条件でいない場合もありますけど・・・ネ?)
 私はここに何羽の【カルガモ】がいるのか?カウントしていきます。手前から数えて奥の方へ!!


 カウントしながら識別もして『12345678・・・』そして『カルカルカルカルカル・・・』と。順調にカウント&識別していったのですが、途中にちょっと顔色の違う個体が目に入りました。俗に言う【マルガモ】です。


 皆さん解りますか??見つかりましたか?? 


 いつも見ていると、こうした解りやすい個体は目に入ってくるんですよね^^
 私もようやく自分のフィールドでこうした変化に注意が向くようになってきました。ちょっと遅いかも知れませんけど・・・。

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2011年02月15日ミコアイサの飛び立ち

秋田 足利 直哉

 みなさん三連休はいかがお過ごしになりましたか?いよいよ2月も中盤を過ぎ今年度もあと一月半・・・。そして季節の変わり目です。体調管理には十分に注意して乗り切っていきましょう。



 同じような内容のネタを続けたり、同じ野鳥のネタを続ける事が度々ある私ですが・・・既に【ミコアイサ】の記事を2回続けているにも関わらず今日また【ミコアイサ】の話です。


 皆さんは【ミコアイサ】がどの様にして飛び立つのか、ご覧になったことがありますか?

 私は、水辺を泳いでいる【ミコアイサ】が危険を察知し、「水面を走るようにしてバシャバシャと激しく水しぶきを上げながら助走を付けてから飛び立つ」シーンは何度も観察したことがありました。
 恐らくはそうしたスタイルの飛び立ちが一般的なのかと思われます。


 が!!!


 先日、それとは違う飛び立ちシーンを目撃しましたのでご報告します。


 この場所は水路にアーチ状の橋が架かっていて、水路と道路がほぼ直角に立体交差しています。水路の大部分は凍結していて水面が開けた僅かな場所に数羽の【ミコアイサ】が散在していました。


 水面にいる【ミコアイサ】です。彼の向こう側は凍結していてこうした水面が望める場所は近くには見当たりません。
 この時、一羽のノスリが【ミコアイサ】の後方上空を飛んでくるのが見えました。


 それを確認したからでしょうか?【ミコアイサ】が翼で勢いよく水面を叩くようにして飛び立とうとしています。
 私はというと・・・『うそ・・橋の下を走って逃げるんじゃないの?』と驚いてしまいました。


 翼で水面を勢いよく叩いた【ミコアイサ】の身体はスッと上空に持ち上がり、橋の上にいた私を横目に橋の向こう側へと逃れていきました。


 このようなスタイルの飛び立ちはコガモやカルガモなどいわゆる淡水ガモでは一般的なスタイルのようで彼らが慌てて飛び立つ時には決まってこの様にしていましたが、【ミコアイサ】の様ないわゆる潜水ガモ達は水面を走って助走を付けて飛び上がるモノだとばかり思っていました。しかし実際にはこうして淡水ガモ達のようなスタイルでも飛び立つことが出来ます!!

 正に臨機応変!!彼らはその飛び立ち一つをとってもその場面に応じた最適な方法で飛び上がっているようです。
 
 【ミコアイサ】の近い仲間にはカワアイサやウミアイサなどがいますが彼らも飛び立つ時は助走が必要だと思いこんでいますがもしかしたらこの【ミコアイサ】のように淡水ガモ達のような水面を叩いて飛び上がるスタイルも持ち合わせているのかも知れませんね!!

<参考>
ミコアイサの飛び立ちシーンはこちらをご参照下さい。
カルガモの飛びたちはシーンはこちらをご参照下さい。


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