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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

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2011年02月10日ミコアイサ 初列風切の欠損

秋田 足利 直哉

 明日から3連休という方も多いのではないでしょうか?でも生憎の天気予報。土曜から日曜にかけては大荒れの予報です。お出かけの際は注意の上にも注意を!!
 明日2月11日は『建国記念の日』という祝日です。実は私・・・ずっと2月11日は『建国記念日』という名の祝日だと思っていました。(←こういう思い違いって結構あるような気がする・・・^^)




 
 昨日の日記の最後に羽ばたきをして水切りをする【ミコアイサ】の写真を載せましたが、今日は”その続き”です。と言っても羽繕いの光景をお届けするのではなく、羽ばたきをする【ミコアイサ】を見て気付いたこと、感じたことです。

 全身隈無く水浴びをしてその水切りをするために伸び上がって羽ばたきをした【ミコアイサ】。翼下面や脇腹を観察するチャンスでもあります!


 パンダガモの異名がある【ミコアイサ】のオス♂。全身が白と黒のクッキリとした羽に彩られているのか?と思いきや・・・胸、腹、脇腹には褐色の羽が見えます。
 『あれ・・エクリプス羽が残ってる?』とも思いましたが・・・灰褐色ならまだしもこの色はちょっと違和感がありますよね?汚れでしょうか?よく解りません。

 そんな事を思っていると・・・


 左の(手前側の)翼の風切部分に欠損部が見えました。その部分が大きく間が開いているように見えます。


 大きくして確認してみると初列風切の3枚目と4枚目が欠損しているようです(※初列風切は次列風切側からP1P2というように数えていきます。写真ではP1P2は確認できるので欠損しているのはP3P4になると思います)。

 飛翔の際、大きな役割を果たす初列風切が2枚も欠損しているとは・・・何があったのでしょうか?まさかこの時期に換羽による抜け落ちとは考えらえないかと・・。と言うことは何かアクシデントか?と思って写真を確認すると初列下雨覆(翼下面の初列風切りの直ぐ上にある羽)がボサボサになっています。やはり何かアクシデントに見舞われたのではないでしょうか?

 幸い、欠損があっても飛翔は出来ていましたし、その他にも目立った外傷もなく元気に過ごしているようでした。
 が!しかし、この状態では普段通りの飛翔力を発揮できないかも知れません。その状態で天敵に襲われたら・・・・・そんな事を考えてしまいます。



 仮にそうなっても、『それも自然のワンシーンだ』と言われれば確かにそうです。でも普段から野鳥の観察をしていると明らかにアクシデントに見舞われたと解る野鳥やもしかしたらアクシデントに見舞われたんじゃないかと思われる個体が思いの外、多いことに気がつきます。今月だけでも「左足のないオオバン」「腹部を油爆しているセグロカモメ」「右目のないミヤマガラス」を見ました。そんな野鳥達を襲ったアクシデントが人間由来だったなら・・・


 この【ミコアイサ】には無事に過ごしてもらい、無事に繁殖地に到達して欲しいと願ってやみません。

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2011年02月09日ミコアイサの水浴び

秋田 足利 直哉

 変わりやすい天気が続いています。気温が高い日が続いたかと思えば一気に冷え込んでみたり・・雨で雪が消えたかと思ったら今また雪が舞い降りてきました。でも確実に春は近づいているのでしょうね?大潟村の田んぼにガンの群れが帰ってきました。これから大潟村は1年で最も野鳥が多い賑やかなシーズンを迎えます。



 はい。今日の日記はそんな賑やかさに欠かせないカモの話です。

 このところ、西部承水路をはじめ大潟村内やその周辺の水辺もゆるみだし、がっちり結氷していた氷が部分的に溶け出しました。中央部が円形に溶けたり、流れ込む・流れ出す水路の部分が溶けたり・・・。
 そんな場所には大抵【ミコアイサ】の姿を見ることが出来ます。それもどういう訳か?オス♂がほとんどです。


 鳥獣保護区となっている西部承水路には3羽のオス♂の【ミコアイサ】がいました。そのうちの1羽が水浴びをしだしましたので、その様子を観察しました。
 

 何度も何度も潜ります。最初のうちは頭から背中部分に集中的に水を浴びたいようで全身が水中に消えていきます。その後は翼や腰辺りに水を浴びたいようで頭が見えた状態で浴びていきます。

 水浴びもしっかりと狙った部分を段取りよく行っていくようです。やはり生命の維持に関わる大切な行動ですからね~。
 私は画像だけを見るととても気持ちよさそうに行っているので、”勢い”で浴びているものと思っていましたが、それは大きな間違いのようです。水浴びにも順番があるのかも知れませんね。


 ひとしきり浴びると羽ばたきをして水を切って終了です。この後はそれはそれは入念な羽繕いが始まります。


 彼らにとって水浴び、羽繕いなどで自らの羽のコンディションを保つのは大切な事なんです。こうした日頃の手入れは欠かせないのです!!

 

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2011年02月08日迷わず(?) アカゲラ

秋田 足利 直哉

 通勤で利用する駅に冬祭りのポスターがたくさん並ぶようになりました。これから秋田県内では各地で小正月の行事が目白押し!!なまはげ、かまくら・・・もうワクワクしますね!!!  



 はい。テンションのあがる季節ではありますがいつものようにいきましょう。

 大潟草原鳥獣保護区で観察記録があるキツツキは【アカゲラ】とコゲラ。両者の鳴き声は私でも解るくらい違いがあるので、鳴き声が聞こえても迷う事はほとんどありません、特にコゲラの鳴き声は特長がありますからね。
 しかし!!それ以外の場所だったら大いに迷うところ・・・。アカゲラらしき鳴き声が一声聞こえたら・・・『今のは【アカゲラ】か?それともアオゲラか?・・・ここだとオオアカゲラもあり得るのか?』等など・・・頭の中を様々な情報が巡ります。双眼鏡でその姿を捉えるまでモヤモヤは募ります。
 でも大潟草原鳥獣保護区の場合、迷う心配がありません。キツツキの鳴き声が聞こえたらそれはほぼ確実に【アカゲラ】の鳴き声ですから!! 



 この時も松林の中から鳴き声が聞こえたのでその方向を見つめて姿を探していましたが思いがけない方向でその姿を見つけてしまいました。


 この【アカゲラ】が鳴き声の主ではないようで・・・他方から聞こえてくる鳴き声に反応しているようです。声が聞こえるのは彼女(この【アカゲラ】のこと)の左前方で私の(この写真の)右奥のようです。


 餌を突きながらもその鳴き声が気になる様子。体勢を入れ替えてもやっぱり気になるみたいです。

 しきりに頭をかしげてその方向を見やる姿を可愛らしく感じながら観察しました。野鳥達って不思議そうに頭をかしげる事ってありません^^??


 大潟草原鳥獣保護区ではなく他の地域だったら私が頭をかしげて必死にその方向を見やっていたはず・・・。この【アカゲラ】を観察しながら普段は私がこんな感じなのかな?と想像してしまいました(勿論私の場合こんなに可愛らしくはないって解ってますよ^^)。

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2011年02月07日松ぼっくりにカラス

秋田 足利 直哉

 2月の上旬と言えば1年で最も寒い時期だと思っていましたが最近は「3月並」の気温が続いている秋田県内です。私はこの時期に秋田で”雨”が降るとは思いもしませんでした・・・。
 道路の雪はすっかりと消えて運転はしやすくなったのですが山の事を思うと心配になります。週末のスキーツアーでは足下の雪がスパスパと切れ落ちていく様子は気持ちの良いものではありませんでした・・・・。積雪の多い地域では雪崩に注意が必要です。




 はい。今日の日記は最近、否が応でも注目してしまうカラスの群れの話です。現在、大潟の野鳥界で最大勢力はカラス達。お馴染みの【ハシボソガラス】に秋から春にかけて見られる【ミヤマガラス】、更には普段はあまり見られないハシブトガラスまで加わって様々なところで大きな群れを観察することができ、保護区とその周辺でも大きな群れが観られました。

 保護区にやってくるカラスの群れは松林がお気に入りのようで、数百羽のカラスたちが松の木に止まっていました。
 その松の木で餌を採っているようなので、観察していると何羽かのカラスが松ぼっくりを突いていました。


 松ぼっくりに嘴をつっこむ【ハシボソガラス】


 同じく松ぼっくりに嘴をつっこむ【ミヤマガラス】

 先日、松の実を食べるマヒワをご紹介したばかりですが雪が多くて地面の餌が採りづらい今、松の実は人気の食べ物になっています。

 植物食を好むこの両者、流石に器用に松ぼっくりから実の入ったプロペラの羽(のような形のモノ)を引っこ抜いて食べていました。複雑な形の松ぼっくりから種の入った部分だけを上手に引っこ抜く様子には感心しました。彼らの嘴はこうした作業には向いている形状をしているかも知れません。

 他の野鳥達が積雪、降雪、風、水面の凍結など様々な条件に左右されて生息・採餌場所を制限されている中でカラスたちはいつもと変わらぬ場所で、いつも同じように餌を採っているように感じられます。やはり彼らの生命力・生活力には他の追随を許さないほどの強さを感じます。



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2011年02月03日極寒を耐えたガン達

秋田 足利 直哉

 今日は節分。文字通り季節の分かれ目のように暖かな日差しも差し込んでいる秋田市です。昨日今日と寒さも一段落しています。明日は立春ですもんね。・・・とはいえまだまだ春めいた様子はなかなか見当たりませんけど。


 

 数日前には正に厳冬期といった寒さ、積雪、風が猛威を振るっていました。その間はいつもの冬よりも数段厳しい日々が続いていました。今日はそのほんの数日前に撮影したガン達の写真からお届けします。



 もう昼近いというのに水路の塒で過ごしていた【マガン】の群れです。この日はもの凄い強風が吹き荒れ降雪はそれほどでもなかったのですがもの凄い地吹雪に見舞われ【マガン】達も身動きが取れない様子でした。
 きっと腹も減っていたでしょう。近くでカメラを構えている私も気になったことでしょう。それでも動くことが出来ずに・・・その場で耐えていました。(もちろんこの後直ぐに立ち去りました。)



 昼を回って風は少々収まりましたが依然として雪は降り続き、刺すような寒さの中、田んぼに【ヒシクイ】の小群がいました。積雪の多い田んぼでは餌を採ることが出来ません。近くに冬水田んぼ状態の田んぼがあるのですが道路から近いため警戒心の強い【ヒシクイ】達は近寄りません。おそらく・・・車や人が通らなくなるまでジッとこうして過ごしていたのでしょう。


 この時期に大潟村とその周辺で堪え忍んで過ごしていたガン達はあわせて2~300羽と言ったところでしょうか?もうちょっと居たのかな?いずれにしてもかなり少なかったのは間違いありません。

 よくぞ今期の極寒を耐え忍んだものです。それを考えただけで涙がこぼれてきそうです。





 昨日様子を見てきたら徐々にガンの羽数が増えているようでした。大きな群れはありませんが、観察できる場所は広がってきています。この陽気で戻ってきたガン達がいるんだと思われます。

 でもまだ大潟の田んぼには多くの雪があって落ち穂は無論のこと、畦の草もまだまだ厚い雪の下です。食べられる餌はまだまだ限られています。だからでしょうか?こんな光景を見ました。


 大潟へ向かう途中の河口に【ヒシクイ】21羽の群れが降り立ちました。田んぼが雪で覆われていて他に行く場所がなかったんでしょうか?

 それにしても・・・河口で何をするつもりでしょうか?
 休息場所を求めてやってきたのかな?

 ここで・・・何を食べるつもりでしょうか?
 まさかゴカイや貝類を食べるのかな?


 そう言えば・・・「かつては海岸でもたくさんのガンが見られた」と何かの資料でみました。ということは河口に【ヒシクイ】の群れが降りたって言うのも不思議な光景でもなかったのかも知れません。『田んぼや水路がダメなら河口があるじゃないか!』と思って行動したんだとしたら彼らは私が思うよりずっとずっと逞しいのかも知れません。



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2011年02月02日この星 むむむ・・・

秋田 足利 直哉

 今日は久しぶりに太陽の光を浴びた気がします、この時期暖かな太陽は貴重です!!太陽と言えば・・・事務所の窓からは夕日が見えるのですが綺麗な夕焼けが見える時間が遅くなってきました。これから日一日と日が長くなっていきますね。




 はい。今日は「むむむ・・」の第3弾にして一応最終回です。

 この鳥とのファーストコンタクトはこの写真の直前。一目見て「むむむ・・むむ?」となりました。私の目はこの鳥の嘴に釘付けでした。

 注目したのは頭頂部から嘴の先端へのラインと嘴前方の青灰色のバンドの有無。


 頭頂部から嘴にかけてのスロープラインは(なんとなく)緩やかに思え、嘴もやや長いような??それに下嘴もフラット気味です。


 どの角度から見ても青灰色のバンドは無いように見えます。色の変化が小さいだけなんでしょうかね?



 その他にも気になる点があります。

 嘴の付け根部分に円形の明褐色のパッチが見えること。
 目の後方に上記パッチと同じような色のラインがあること。
 翼の羽色が見慣れたモノに比べて明るく見えること。
 見慣れた個体に比べてやや体格が勝っているように感じられたこと。

 などなど・・・結局この個体に関しては現場で種の同定が出来ず。事務所に帰ってきてから写真を入念にチェックしましたがそれでも解らず。何だかかえって訳が分からなくなってます・・・。

 んんんん・・・このところこういった識別、種の同定に迷う野鳥達との出会いが続きました。幸いにして写真が撮れていたので証拠は残せたのでそれでどうにかなるかと思ったのですが・・・それでもモヤモヤは依然として消えず・・・。

 野外での識別って本当に難しいです・・・・・・・・・


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2011年02月01日色んな場所に集まる鳥 と・・・

秋田 足利 直哉

 今日から2月。2011年も1ヶ月が過ぎました。早かったような長かったような1ヶ月でした。時の流れというのは不思議なものですね・・・。余談ですが最近このパソコンに「とき」と入力すると漢字一文字ではなく二文字で変換されるようになってます。



 はい。では今日もいつもと変わらず・・・・

 【アトリ】と言う名は、「大きな群れで行動する=集まって行動する」というところから集まる鳥→あつまるとり→あつとり→・・・→アトリとなったという説があるそうです。この時期、【アトリ】を見ているとその説に納得がいく光景が見られます。

 このところ何時行っても何処へ行っても【アトリ】を観察できていて、観察機会、観察羽数ともに最多なのは【アトリ】ではなかろうか?と思っています。しかし!!じっくりと観察できることはほとんど無く、写真に収まってくれることなど稀も稀!!ぶれずに写っていれば良い方です。なのでこんなに観察できているのに日記に登場する機会が無かったのですが・・・ようやくそれなりの写真が撮れましたので日記に取り上げてみました。と言っても枝やヨシが被りまくってますけど・・・


 松林の林縁に出てきた【アトリ】です。ジッとしていると近くまで寄ってくるのですが忙しなく動き回りながら餌を採るのでカメラが追いつきません。


 どうにか追いついてもこうしてヤブの中・・・。写真としてはダメダメでしょうけどこれはこれで【アトリ】らしさなのかな?と思います。

 この時は、松林の林縁での観察でしたが、その他にも松林、雑木林、公園の植栽周り、道路、開けた場所、ヨシ原など様々です。きっと食べ物も植物主体でありながらその他にも色々なモノを食べているのではないでしょうか?とにかく色んな場所で観察できます。その時は大抵、たくさん集まって群れで行動しています。

 そんな【アトリ】の群れの近くには色んな野鳥の群れが見られます。松林やその周辺ではシジュウカラとヒガラの混群と一緒だったり、マヒワの群れと混じって行動していたり、ヨシ原ではオオジュリンやカワラヒワの群れと一緒だったりします。

 【アトリ】は集まる鳥との行動特性から付けられた名前との事ですがそれは同じ【アトリ】が集まるだけではなく他の小鳥たちも集まって一緒に行動するという意味なのかも知れませんね。




 おっと・・・またまた忘れてしまうところでした。先日、かなり疎かなヨシ原で【アトリ】の群れを観察していると、ちょっと違った鳴き声が混じっていました。その方向を見ると・・・


 この小鳥がいました。パッと見た時「むむ・・」と思ってしまったのですが・・・この場所で見慣れた小鳥に比べると随分と色合いが淡く、脇腹の斑が薄く少ないように見えました。喉元の黒斑も気になるところです。
 この時は随分と近かったのでこの角度からはしっかりと観察する事が出来たのですがその他の角度はなかなか・・・。忙しなく動き回る【アトリ】を尻目に度々鳴き声を発してその場をほとんど動かなかったので「これならじっくり観察できるかも?」と思った矢先・・・向こうから車がやってきて飛び去ってしまいました。残念・・・。

 でもまぁ「むむ・・」くらいでしょうか^^?昨日のように「むむ・・・むむむ??」とはなりませんでしたね。

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2011年01月31日松の実を食いちぎるマヒワ と・・・

秋田 足利 直哉

 今期は冬鳥が”当たり年”と言われているようですね?各地から普段あまりお目にかかれない野鳥の観察報告が聞かれますし、大潟やその周辺でも貴重な観察情報が多数聞かれていました。そして勿論そんな珍しい(?)話ばかりではなく大きな群れが観察できたり、あちらこちらで観察できたりと機会そのものも多くなっています。
 実は大潟で巡視をしていて冬の初めの頃にはそんな実感が全くありませんでした。各地から聞かれる情報に羨ましさなんかも感じながら過ごしていましたが今はそんな思いはすっかりと無くなり冬鳥達の観察を楽しみながら仕事が出来ています。

 このところこの日記で連日取り上げている小鳥たちも群れで観察できる野鳥達ですが今日は一際大きな群れが観られる【マヒワ】を取り上げました。

 大潟村でよく【マヒワ】を見かけるのは松林で、松の樹から樹へと忙しく群れで移動しながら餌を食べている様子が観察できています。
 中でも特に松ぼっくりのある場所ではたくさんの個体を見ることが出来ます。彼らの身体は随分と軽いようで、松の枝に捕まるのではなくあの針のような葉を何本か束ねるようにして捕まりながら餌を食べていました。
 

 松ぼっくりの中から種の入った部分を抜き取りました。この不安定な足場でよくぞこの部分だけを引き千切ったものです。
 このプロペラの羽の様なものに種が入っているのですが、彼らにとって大部分は余分なものなので羽の根元以外をどうにかして仕分けする必要があります。「どうやって種子の部分だけを食べるのかな?」と興味を持って観察していました。


 すると・・・嘴から落下していくプロペラ(の羽のようなモノ)が見えました。どうやら嘴で食いちぎるようにして実だけを食べられるようにしたようです。落下していくプロペラを(写真を拡大して)見ると根元が裂けるようになっているのが解りました。

 ”食いちぎる”と書きましたが彼らには歯があるわけではないので、嘴を使ってプロペラを縦にしたり横にしたりしながら強度を落としていきながらちぎっていたようです。

 広く見渡すとあちこちの松ぼっくりで同じようにプロペラを咥えた個体を見つけました。忙しなく動いているようですが随分と手間のかかる食べ方をしているようです。

 何度も言うようですが・・・本当に野鳥達の食事を観察しているとその種類ごとに特徴的な食事スタイルをもっていて、その食べ方をじっくりと観察すると”お見事”としかという言葉しかありません。この【マヒワ】の食事の観察でもまた感心しきりでした。



 そうそう・・・忘れるところでした。この【マヒワ】の群れの中にたった1羽ですがこんな仲間を見つけました。


 思いっ切り枝が被っていますが・・
 全体に淡く白っぽくて、額部に真っ赤な羽があり、脇腹に細縦斑が見えました。残念ながらこの写真しか撮れずにその後見失ってしまったので、詳細を観察することが出来ませんでした。背や腰、上尾筒などもしっかりと確認できて写真があれば良かったのですが・・・仕方ありません。


 最近「むむ?」とか「あれ?」とか「なんか違和感があるな~」と思ってしまう観察が続いています。この時も「むむ・・・むむむ・・・」と思ったんですよね^^

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2011年01月28日ヨシの茎にて喰い漁るオオジュリン

秋田 足利 直哉

 数日の間、寒さが緩み管理棟の水道も使えるようになりホッと一安心していましたが、またまた寒い日となり、数日続く模様です。道路も一旦解けてまた凍結しましたから運転しにくいことこの上なしです。週末お出かけになる方も多いかと思いますがどうか皆さん無事故でお過ごし下さい。 



 はい。今日の日記も昨日同様、現在大潟で群れが観察できている小鳥から【オオジュリン】を取り上げました。
 例年、秋の渡りの時期にはもの凄い羽数の【オオジュリン】が観察され、保護区内のとある樹に鈴なりの【オオジュリン】を見ることが出来ていましたが今期はその様な大きな群れを見ないままに冬に突入してしまいました。これまた例年、冬になったらなったで大潟村内の方々のヨシ原で群れになっている【オオジュリン】達を見かけるのですが今期は観察できるエリアがかなり限定されてしまっています。大潟で観察していると今期は【オオジュリン】の羽数が随分と寂しい気がします。


 それでもいつも巡視を行っている場所では【オオジュリン】の群れを見ることが出来ています。彼らはよくヨシの茎に止まってその中に潜む虫の卵や幼虫を食べるのですが、今回たまたまその経過を見ることが出来ましたので紹介します。


 一羽の【オオジュリン】が近くのヨシの茎に止まりました。そうやらこの場所に餌が隠れているようです。この段階では【オオジュリン】が食べようとしているポイントとその他の場所と違いはないように見えますが・・・


 2口3口食べていくと茎の中の様子が徐々に見えてきました。試しにドアップにしてみましたが・・・何かの卵のような物が見えました(割愛しましたけど・・。)


 体勢が窮屈だったのでしょうか?場所を移動してから同じ茎を更に剥くようにして食べ進めていきます。


 食べ始めから全部で10口だったと思いますが、この場所での採餌を止めて、この場所から他の茎へと触嘴を伸ばしていきました。

 4枚目の写真には【オオジュリン】が食べ散らかした(?)後がハッキリと写っています。念のため赤い←を付けておきましたのでご確認下さい。
 残念ながら何を食べていたのか迄は解りませんが・・一見何も無いように見えるヨシの茎を剥いで、何やら白い物や黒い物が付着したその皮ごと食べているようでした。以前同じような観察をしたときには茎の中からイモムシのようなモノを引っ張り出して食べていましたがこの時期にはまだ卵から孵っていないのでしょうか?その辺はよく解りませんが【オオジュリン】達にはたくさん同じようなモノが並ぶヨシ原にあって餌のありかがピンポイントで解っているようです。


 この様な特性を持っているとは言え・・・凄いですね~。野鳥達の生きる力って!!餌のありかが簡単に解っちゃうんですから・・・

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2011年01月27日春の芽を喰うシメ

秋田 足利 直哉

 昔から・・・いわゆるケアレスミスというのが多い人でした。学校のテストでも随分と苦い思いをしました。それが今でも治らず(?)最近特に何かを書けば誤字脱字を連発してます。遺憾ですね・・・今日の日記は誤字のないようにしないと。


 はい。このところ大潟では小鳥の観察が面白くなっています。大きなハクチョウやガンの姿が少ない今、あちこちで姿が見られる小鳥が面白い!!今期は○○の当たり年なんて言われますけど大潟でもアトリやマヒワ等の群れを見ることが出来ます。
 今日は同じく群れが観察できている【シメ】の食事風景を取り上げました。

 巡視中、【シメ】らしき鳴き声が聞こえてきました。結構な数がいそうな雰囲気なのに姿が見えません。あれ??と思ってちょっと目線を上げるとたくさんの【シメ】達がいました。


 一番最初に見つけた【シメ】です。お尻を向けていますが、明らかにこちらを警戒しています。そこで車の中で窮屈に身を屈めてそっと観察しました。


 すると・・・右上方にある小さな塊を一生懸命に啄み始めました。




 体勢を入れ替えてあっちから・・・こっちから・・・見るからに頑丈そうな嘴で摘んでいました。実際に見ていると『この【シメ】枝ごと折る気か?』と思ったほど・・・。

 よくよく見るとこの【シメ】はこの寒気に関わらずふくらみ始めた芽を食べようとしていたのでした。私にはこの樹の名前も、この芽が花芽なのか葉芽なのかも解りませんがよくぞこんな厳冬期に膨らみ始めた芽を見つけたものです。そりゃ懸命に食べようとするのも納得かな?と思いました。
 
 この後、あっけなくこの芽は【シメ】の体内へと消えていきました。そして直ぐに次の芽へと移動していきました。この時何羽の【シメ】がいたのか解りませんが群れでこんな食事をしていたら大潟村に春が来るのがちょっと遅くなるんじゃないか?って思ってしまいます。彼らの行動を観察すれば他にも春のサインが見つかるかも知れませんね?



 皆さんのまわりにもこんな小さな春のサインがあるかもしれませんよ?小鳥たちに食べられていなければの話ですけど・・・^^

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