ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

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2017年03月31日大潟草原野鳥観察舎の休日開館スタートです

秋田 足利 直哉

 明日は4月1日、エイプリールフールですが嘘偽りのない情報をお伝えします。

 明日から秋田県大潟村の国指定大潟草原鳥獣保護区内にあります『大潟草原野鳥観察舎』がご利用いただけるようになります。今年も大潟村の特段のご配慮で、土曜、日曜、祝祭日の午前9時から午後3時までの間、スタッフが常駐して観察スペースをご利用頂いて野鳥観察をしたり、鳥獣保護区管理員やアクティブレンジャーが集めた野鳥情報等の提供をします。先日は観察舎の床掃除などをして、いつでもお客様をお迎えできる準備をしてきました。

  

 現在、大潟草原野鳥観察舎の周辺ではチュウヒのディスプレイ飛行が見られるほか、サギ類の繁殖活動等が観察できます。そのほかにも続々と夏鳥たちがやってきていますので、そうした情報を詳しく発信していきたいと思っています。

 この時期にご来館いただくと、チュウヒが飛び回る様子を眺めて一日を居ても飽きること無くご満足頂けるようなシーンが間近で見られますよ!

 

 そしてこんなものを用意しました。これは大潟村で観察できる野鳥の情報を発信するための掲示板『大潟村野鳥通信』ですが、現在この設置、情報発信に向けて各機関が準備中です。準備が整いましたらこの日記でお伝えしますので、お楽しみに。

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2017年02月10日厳しい冬が続きますが・・

秋田 足利 直哉

 随分と久しぶりの投稿となってしまいました。秋田自然保護官事務所の足利です。

 先日、大潟草原鳥獣保護区で渡り鳥の飛来状況調査を実施したときの模様をお伝えいたします。

  

 仕事の準備を整えて、渡り鳥たちの塒が見渡せる位置に陣取ってスタンバイOK、となった時はまだ辺りは夜明け前の"蒼い世界"が広がっていました。その時、ガンやハクチョウ達はいうと・・

  

 こんな感じで、結氷した水路の氷の上で朝がくるのを待っているようでした。水路にはところどころ水面が現れていましたが、大部分は広く氷に覆われていて、ガン達はその氷と水面の境目で夜を明かしたようです。この日の天気は「曇り時々雪」でしたが、時々降る雪が吹雪になる事もありました。

 

 ここにいたのはヒシクイとオオハクチョウでしたが、吹雪になるとその姿が見えにくくなり、彼らも風雪に耐えるようにして、氷の上に丸まって行きます。吹雪が止むと立ち上がってストレッチしたり、水浴びをしたり羽繕いをしたりと、色々な行動を見せるのですが、曇りと吹雪が交互にやってきて、なかなか此処を飛び立てずにいました。すると・・・

 

 日の出時刻を過ぎましたが、このように風雪に耐え忍ぶ体勢になり、しばらくこの場所で過ごしていました。この日塒を飛び立ったのは、周囲がすっかり明るくなってからでした。

 ヒシクイやオオハクチョウ達は、塒を離れずじっと過ごしていましたが、そんな中私の周りを動き回る動物がいました。

 

 イタチです。水路沿いを忙しく走り回る中、時々ヒシクイやオオハクチョウ達の様子をうかがっていたので、まさか彼らを襲うつもりなのか?と思いましたが・・・

 

 しばらくすると何処からかカチコチに凍っているらしき獲物を咥えて走り去っていきました。状況からして今、襲ったのではなく、何処かに隠しておいた獲物を持ち出したようでしたが、真相はどうなのでしょうか。

  

 まだまだ厳しい冬が続いています。天気予報をみても春はまだ遠いかな・・と思ってしまいますが、そんな中でも野生動物たちは逞しく生きていました。

 2月12日(日)には、野鳥観察会を実施します。当日は、いつになく厳しい冬になっている大潟村やその周辺でたくましく生きる野生鳥獣達の姿をたくさん観察できるかと思うと、いまからとても楽しみです。

 

 

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2016年11月09日渡り鳥の飛来状況調査

秋田 足利 直哉

 立冬を過ぎたと思ったら、今日は秋田市で初雪となりました。風もビュービュー吹いていて寒さが堪えます。こんな時、野鳥達はどうしているのかな、なんて考えてしまいます。

  

 今、秋田県内には冬の渡り鳥たちが続々とやってきています。夜に暗闇の中からハクチョウの声が聞こえてきたり、普段見慣れない鳥が見られたりと野鳥たちからも季節の移ろいを感じる今日この頃ですが、この時期環境省では「渡り鳥等の飛来状況調査」を実施しています。この調査は、鳥インフルエンザ対応の一環として渡り鳥の状況を捉えるために実施しているもので、毎月上旬中旬下旬の3回の調査を実施していて、国指定大潟草原鳥獣保護区もその調査区域となっています。

 先日、その調査のために国指定大潟草原鳥獣保護区に行ってきました。この調査ではこの区域の渡り鳥の生息状況などを正確に把握することが求められているため、日最大羽数をカウントできるように日の出直後に調査を実施しています。

 早起きの苦手な私は、日の出前に調査地まで行くのが最もつらいことですが、それを我慢して調査をしていると心が洗われるような光景に出会うことが出来ます。

 

 調査日に撮影した、日の出の頃の西部承水路の様子です。山並の向こうから太陽が昇ってきているのが分かります。調査中ですのでなかなかじっくりとご来光を拝むことは出来ませんが、早起きのご褒美のように感じられて、眠気も疲れも吹き飛ぶようです。

 

 

 薄暗い水辺が徐々に明るくなって、朝焼けに染まりながら塒を飛び立って行く野鳥を観察するのは何とも気持ちの良いものです。この日はヒシクイの群れが塒から飛び立って行きました。まだまだ羽数は少なめですがこの大きな鳥が集団で水辺から飛び立ち、鳴き声を上げながら餌場へと向かう光景は何度見ても飽きることはありません。

 

 ハクチョウ達はガン達に比べると遅めの塒立ちで、しかもみんなが一斉に飛び立つと言う事は少なく、家族と思われる数羽単位で飛び立って行きます。朝の静けさの中、ハクチョウ達が突然羽を動かし、水面を蹴ってスピードを上げていく様子が大好きで、ついつい魅入ってしまいます。

 県内各地から、ガンやハクチョウの確認情報が聞かれるようになってきました。そんな時期の今日のような荒天は、色々と厳しい面もあるのですが、一方でこの後、渡り鳥たちが大挙してやってくるかも?なんて期待を何処かでしてしまってる私もいます。

 今回の調査では、傷ついたり、弱ったりしている野鳥は見つからず、一安心でした。でも油断せず、キレイな景色に出会えるのを励みに、キチンとした調査で情報収集に努めていきたいと思っています。

  

  

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2016年10月25日「講師」の仕事

秋田 足利 直哉

 日に日に寒さが増していますが皆様いかがお過ごしですか。この時期は紅葉、初雪など気になる事が多く、各地のアクティブレンジャーもそうした自然情報を発信していますので、私は視点を変えて私達アクティブレンジャーが行う仕事内容の話題を。

 決して多いわけではありませんが年に何回か、「講師」として招かれて、業務で培った実践的な話をする事がありますが、先週はそうした仕事が2つありました。

   

 一つ目は10月17日(月)に秋田県が主催して実施した平成28年度「野鳥の識別及び高病原性鳥インフルエンザ防疫研修会」が国指定大潟草原鳥獣保護区を会場に行われ、その中で「野鳥の識別とカウント」について鳥獣保護区管理員さんと2人で日頃から調査等で実践している事などを中心にお話ししてきました。

 研修に参加されているのは、秋田県の各地域振興局の職員であったり、鳥獣保護員として日頃から県指定の鳥獣保護区を巡視されている方々です。この時期、国内各地で高病原性鳥インフルエンザ対応の為に渡り鳥の飛来状況調査を行っており、特に毎年1月には全国で実施される「ガンカモ一斉カウント調査」などの調査がありますが、それに向けて実施する研修です。

 ちなみに環境省では9月より各地で渡り鳥の飛来状況調査をしてその情報を提供していますが、これは高病原性鳥インフルエンザ対応における取り組みの一つです。なので我々は日頃から鳥獣保護区内の野鳥生息状況を調査していますがその際に行っている事をお話ししてきました。

    

 二つめは、10月20日(木)に森吉山野生鳥獣センターと国指定森吉山鳥獣保護区に秋田県立秋田北鷹高校スーパーサイエンスハイスクールの「森吉フィールドワーク」として「国指定森吉山鳥獣保護区の森とそこに生息する野生鳥獣について」というテーマでお話、周辺の森での野外巡検に講師として、これも鳥獣保護区管理員さんと2人で対応してきました。

 この日、勉強しに来てくれたのは環境や林業について学ぶ緑地環境科の1年生35名。森吉山鳥獣保護区では自分たちが学ぶ地域にある豊かな自然環境について学ぶのが目的。そこで日頃からそうした環境に身を置いて仕事している我々と縁が出来たのでした。

   

 我々アクティブレンジャーは自分の担当フィールドに関わることであれば、講話や現地指導などで講師をつとめることが出来ます。高度な専門性は有していませんが、現地で活動する者ならではの話なら(きっと各地のアクティブレンジャーみんなが)得意ですよ。もしそんなご要望がありましたらお近くの自然保護官事務所までお問い合わせください。

 

 

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2016年10月19日愛鳥週間ポスター展とクラフト総選挙

秋田 足利 直哉

 今日の秋田市内は快晴で爽やかな一日となっています。時が経つのが日に日に早くなっているかのようで・・10月もあっという間に後半に突入。11月3日で開館期間を終えて冬期閉鎖に入る森吉山野生鳥獣センターも閉館に向けての準備が増えてきました。

    

 とは言え閉館まではまだ15日間ありますし、周辺の森にはこの時期ならではの魅力がありますので、情報発信はまだ終わりませんよ。

 現在、森吉山野生鳥獣センターでは『愛鳥週間ポスター展2016』と『クラフト総選挙』の2つの企画展が開催中です。

  

 『愛鳥週間ポスター展2016』では、秋田県内の小学生、中学生らが愛鳥週間ポスターコンクールのために描いた作品を集めて展示しています。このコンクールは全国規模で行われているもので、最優秀作品は5月の愛鳥週間の啓発用ポスターに採用されるので、皆さんも見かけたことがあるかと思います。そのようにポスターにはならないものの、素晴らしい作品は数多くあるのです。今年、秋田県内では176点の作品が集まりました。そのうち173点の作品が森吉山野生鳥獣センター壁面を覆っています。

 個性豊かな作品もあれば、クラスの仲良しグループが同じモデルで作品を描いたのかな?なんて想像できるものもあって、見ていて「ほっこり」する作品が並びます。

  

  

 『クラフト総選挙』は、森吉山野生鳥獣センターのスタッフや連携機関の秋田県環境と文化のむらのスタッフらが制作したクラフト作品が並び、その中で『このクラフトをやってみたい』と思ったものに投票できる様になってます。そして人気を集めた作品は来年の森吉山野生鳥獣センタークラフト企画に取り入れて行こうという企画です。写真ではお伝えしきれないので、是非足を運んで、気に入った作品に投票して下さい。ちなみに私も出品していますので、そちらも併せてご笑覧下さい。

  

 

 この2つの企画展では作品を写真に納める方が時々見られます。親御さんと一緒来館されて自分が描いた作品と記念写真を撮ったり、親類の方が写真を撮ったり、はたまた今後、自分のところでやるクラフトの参考にしたいのでなんて方もいらっしゃいました。そんな様子を見るとちょっと嬉しくなりますし、ちょっとだけ自信も持ったりします。今週末や次の週末の予定がまだお決まりでは無い方、是非森吉山野生鳥獣センターまで足をお運び下さい。お待ちいたしております。

  

 

  

 

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2016年10月04日森吉 樹木医観察会の報告と次回観察会のお知らせ

秋田 足利 直哉

 10月になり朝晩は冷え込むようになってきましたが皆様いかがお過ごしですか?

   

 10月2日(日)、森吉山野生鳥獣センター運営協議会の自然観察会を実施しました。今回実施した観察会は秋田県内在住の樹木医2名を講師に迎えて、樹木をテーマとした『樹木医と歩く天然記念物桃洞杉』です。森吉山鳥獣保護区にある標高900mの高場森(たかばもり)一帯には天然杉が林立し、国指定天然記念物となっている区域があります。その天然杉を樹木医さんと観察したくて企画した観察会です。

   

 高場森へのアクセスは、かつては林道が奥地まで延びていて、その終点を起点に気軽に周回可能なコースとして人気もありましたが、今は林道が崩落してしまったため高場森へ行くには、片道約8㎞以上登山道を歩く一日がかりのコースとなってしまいましたが、そうまでして行く価値は十分にある場所だと思っています。

   

 樹木医さんに講師をお願いする観察会は今年で4回目で、毎回講師を務めてくれる吉田さんと今年で3回目の講師となる地元在住の田中さんは、単に樹木の名前や特徴を解説するなんて事はせず、森の成り立ちや樹木がとっている戦略、大きな視点での森、マクロな樹や葉の話など(私では詳しくお伝えできませんが)・・・今回も大変勉強になる観察会でした(実はこの観察会は私自身がとても楽しみにしている観察会なんです。)。

    

  

 私も久々に会う高場森の桃洞杉(とうどうすぎ)は相変わらずの迫力で、参加者のみなさんも講師の先生も大きな杉に圧倒され、その静かな森に引き込まれるように上を見上げていました。

 桃洞杉がなぜ天然記念物に指定されているのか、もっと単純に言うと桃洞杉の何処がすごいのか?というと・・①標高900m前後にまとまった天然杉の大木がみられること。(普通秋田杉の生息適地は標高700m程度まで) ②自然下で更新がなされ天然杉の群落に様々な世代の杉があること。(一般的な杉造林地では稚幼樹が育つことはあまり無い)等が上げられるそうです。ここでの解説は講師の先生も一層力が入っていました。

 参加された皆さんは長いコースを歩いてかなりお疲れだったようですが、怪我も無く無事に森吉山野生鳥獣センターに到着し、「この長いコースを歩けて自信にもなったし、観察会も勉強になった」と秋の心地よい森で楽しく充実した時間を過ごして頂けたようです。

 観察会の後は『森吉山荘』さんのご厚意で、日帰り温泉入浴の時間外(通常は午後4時30分まで)であっても入浴出来る上、料金の割引もしていただける参加者特典があって、毎回好評を得ております。今回もほとんどの方が温泉に立ち寄られたみたいでしたので、きっと翌日からも元気に過ごされたことでしょう。

  

  

  

 さて、次回の森吉山野生鳥獣センター運営協議会の観察会は地元在住で最近活躍の場を広げているプロカメラマンを講師に迎えて、森吉山鳥獣保護区の良さをカメラのファインダーを通して再発見してもらおうという企画です。開催日は10月23日(日)で、まだまだ参加者募集中です。

お申し込みはこちらまで。http://www.ku-n.jp/mwlc.html

   

 参考までに昨年の観察会の模様を載せておきます。紅葉の見頃を迎えた森をカメラを抱えて散歩してみませんか。お待ちしております。

  

   

  

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2016年09月13日9月の森吉山野生鳥獣センター企画展

秋田 足利 直哉

 一雨毎に秋に近づいている今日この頃。秋と言えば「芸術の秋」、「実りの秋」と言う事で、現在、森吉山野生鳥獣センターで開催中の企画展のお知らせです。

     

 先ず一つは、「芸術の秋」を楽しむ企画展のご紹介。

 森吉山野生鳥獣センターがある北秋田市に在住する女性クラフト作家さんが作品を持ち寄って共同で開催している『北秋田氏在住 女性クラフト作家4人展』です。「絵付け」「折り紙」「手芸」「リメイク」「パッチワークキルト」「アクセサリー」など様々な作品が目を惹きます。4人のうちお一人はこれまでも企画展を実施してきた方ですが、3人は初めての参加です。それぞれ個性が表れた作品で、女性らしく細やかなところまで神経が通った作品ばかりで、欲しくなるような作品もたくさんあります。

    

  

       

 続いて、「実りの秋」にまつわる企画展のご紹介。

 秋田県が主体となって実施している森吉山麓高原自然再生事業の成果発表や事業紹介を目的とした『森吉山麓高原自然再生事業パネル展』です。森吉山野生鳥獣センター運営協議会で実施する観察会の時には併せて植樹活動を実施してますが、こうした活動も自然再生事業の一つとなっています。奥森吉に来たら必ず目にする、再生事業実施地でどんなことが行われているのか?詳しく紹介していますので是非ご覧ください。企画展名など字面は堅い印象を受けますが、実物展示や植樹に使う苗木など手に触れて頂けるものもありますし、秋田県自然保護課が頑張って作った企画展タイトルなども是非見てください。

    

   

  こちらの企画展は9月いっぱい開催しています。一足早く涼しくなった高原&渓谷の散策のついでや、雨の日を利用した美術館博物館等の企画展巡りの一つに森吉山野生鳥獣センターへお越しください。

   

  

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2016年08月26日森吉山麓高原 オオハンゴンソウ駆除作戦

秋田 足利 直哉

 全国各地で行われているオオハンゴンソウ駆除作戦を国指定森吉山鳥獣保護区でも実施しました。主催したのは地元のNPO法人冒険の鍵クーンで、森吉山野生鳥獣センターの運営協議会事業ともなっているので秋田自然保護官事務所の2名も参加しました。

 8月21日(日)午前10時に森吉山野生鳥獣センターに一般参加の方々、森吉山岳会の会員有志、米代東部森林管理署上小阿仁支署の職員の方々、北秋田市商工観光課職員、主催者スタッフなど総勢34名の方々にお集まりいただきました。

   

         

 オオハンゴンソウの抜取り作業を行ったのは昨年とほぼ同じ場所。昨年は広い範囲に繁茂していたオオハンゴンソウをガンガン引き抜いていたので45㍑のゴミ袋70袋も回収していましたが、今年は小さく花も付けていないようなオオハンゴンソウが多くなっていて、それに手こずり作業範囲も広げられず、回収したのは38袋でした。個人的にはもっとガンガン広い範囲を引き抜いた方が良かったと思いますが、ほとんど移動しない代わりにじっくりと丁寧に引き抜き作業を行っていただきました。回収したオオハンゴンソウのゴミ袋の数はざっと半分程度に減っている事になりますが、袋には隙間が少なくビッシリと詰め込まれているので一つ一つの袋は重かったです。それを斜面下から持ち上げるのはなかなか大変でした。

    

 今年参加してくれた方々は昨年も参加してくれた方が多かったのですが、作業終了後には『今年はちっちぇ物が多がったども、これはこれで難儀だな』『抜くのも腰痛ぐなるども、ずっとしゃがんでるのも容易でねな』等と感想が聞かれました。みなさんお疲れ様でした。

 森吉山野生鳥獣センターのイベントには毎回、森吉山荘さんにご協力をいただいて、温泉入浴料割引という参加者特典を提供いただいてます。この日の作業後も短時間でしたが暑くて大変だったと思います。ある男性は『さぁ風呂さ入って汗流して帰るがっ』と言って帰って行きましたので、きっと温泉で体力回復していかれたことでしょう。

 最後になりましたが、参加いただきました皆様、どうもありがとうございます。オオハンゴンソウ駆除にはまだまだみなさんのお力が必要ですので、これからもよろしくお願いいたします。

  

  

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2016年08月17日山の日制定記念 森吉山麓星空観察会

秋田 足利 直哉

 各地から「山の日」制定記念行事の報告があるようですが、森吉山野生鳥獣センターでも『山の日制定記念 森吉山麓星空観察会』を実施しました。森吉山麓は一部で「とっても星空のキレイなところ」と口コミで評判になっています。私も個人的に気に入っていて年に1~2回、キャンプ場に泊まって星空を眺めています。先日もこのエリアにあるキャンプ場に泊まった時、キレイな星空を見て感激しました。今年は『山の日』が制定されるし、その時期には流星群が見られるかも・・という事で、企画した新規の観察会です。

   

 講師には秋田大学教育文化学部の田口先生と毛利先生にお越しいただいて、まだ明るいうちから望遠鏡や観察会の準備をしながら天体観測を行いました。

     

 まずは様々な恵みをもたらしてくれる太陽の観察です。でも皆さんも知っているように太陽を直接望遠鏡で見ることは絶対にやってはいけません。ではどうやって太陽を観察するの?と思っていましたが、それ用の器具があるんですね。下左の写真が望遠鏡で太陽を観察している様子で、下右の写真が太陽を投影した像です。しっかりと黒点も見えていました。

   

 陽が傾き始めた頃、観察会を始めました。星空観察会をこんな明るいうちに始めるの?と不思議に感じるかも知れませんが、実は明るくても天体観察ができるんです。講師の田口先生のネタですが、この日は明るいうちから3つの天体が観察できていました。皆さん3つ全部上げられますか?一つは先ほど紹介した太陽ですが残り2つ答えは・・・。下の写真ではそんな話をしながら望遠鏡の使い方、星座早見表の使い方などを教えていただいている場面です。

      

     

 天体観察に興味を持っていてこの日を楽しみにして下さっていた方も多くいらっしゃいましたので、望遠鏡の使い方も星座の位置やその探し方なども真剣に聞いていました。実際に観察する際には、ご家族で参加される方々には家族で1台の望遠鏡を使っていただけましたので、それぞれ色んな星を探しては望遠鏡で観察していました。講師の毛利先生によればこの日は日月火水木金土の天体が観察可能という超貴重な機会だったようで、だから太陽が沈む前から観察を始める必要があったのです。実際まだ明るさの残る空を見上げると点々と輝く星が見えました。

    

  

         

 望遠鏡の使い方も直ぐに慣れてどの家族もどのグループもそれぞれで星を探して望遠鏡で観察していました。辺りが暗くなってくると一層星が明るく輝き出します。星空の観察をするときには大人も子どももワクワクが止まらないようで、土星を捉えた望遠鏡には直ぐに列が出来て、皆さん土星の輪をしっかりと観察して、感激の声を上げていました。

   

    

  

 天体望遠鏡で星を観察していると思いのほか早く星が動いて直ぐに望遠鏡の視野から外れてしまいます。これこそが地球が自転している証拠で、じっくり観察しようと思うと星を追いかけるのが結構大変です。家族やグループで観察していると、3人目くらいになるともう『何も見えない・・』なんてことが起こります。なのでお父さん達は忙しく星を探し、望遠鏡に捉える作業を繰り返していました。またこの時間帯になると流星も見え始め、望遠鏡で星を眺めるか、空を見上げて流れ星を探すか、ますます忙しくなってきました。私自身もとっても楽しく過ごしていましたが、楽しい時間はあっという間に過ぎていき、終了時間となりました。

   

 森吉山野生鳥獣センターの灯りを消すと周辺には人工の光がありません。だから星空の観察には絶好の場所ですが、帰りの事も考えて観察会は駐車場で行い、森吉山野生鳥獣センターからの帰り道にはしばらくの間、街灯がないのでまだ宵の口のうちに解散するように心がけました。

   

 最後になりましたが、参加して下さいました皆様ありがとうございました。是非来年も企画したいと思うのでその際は是非またご参加下さい。講師をつとめて下さいました秋田大学教育文化学部の田口先生、毛利先生本当にありがとうございました。主催者スタッフとして観察会に携わっていましたが、仕事しながらもワクワクしっぱなしで、星空への興味が膨らんでヤバイくらいです。

  

  

  

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2016年08月16日夏休みの自由研究応援企画:ネイチャークラフト

秋田 足利 直哉

 台風の動きが気になるところですが、皆様いかがお過ごしですか。

  

 働く皆さんは「もう夏休み終わっちゃったよ」という方も多いかも知れませんが、児童・生徒・学生達はまだまだ夏休みの真っ直中で、各地で夏休み中の子ども達に向けたプログラムが行われています。森吉山野生鳥獣センターでも、夏休みの自由研究を応援しようと、毎月実施しているネイチャークラフトで子ども達が大好きなクワガタを木片で作るプログラムを実施しました。

  

 でもただ作るだけじゃ、わざわざ遠い森吉山野生鳥獣センターまでお越しいただくのも申し訳ないので、森吉に生息するクワガタの話なんかも交えて、しっかり勉強もしつつ作品作りに励んでいただきました。

  

     

    

 使う木片は、春先に森吉山野生鳥獣センターなどがある森吉山麓高原へのアクセス道路を塞いでいた倒木を処理した際にでるブナの木や、子ども向けプログラムで使った流しそうめん用の竹など材料もエコ素材を使っています。それを家具職人という経歴を持つスタッフが大まかなパーツにして、それを組み立てていくというものでした。

  

  

 中には此処で作った作品と勉強したことを本当に夏休みの自由研究の成果として提出するという子どもも何人か居て、企画した者として本当に嬉しかったです。

 出来上がった作品はなかなか生き生きとしていて、それぞれが図鑑や写真などを見て好みのクワガタを模して作っているのがよく分かる作品ばかりでした。

  

 森吉山野生鳥獣センターでは9月には「蜜蝋キャンドル」、10月「フォトフレーム作り」とクラフト体験イベントを予定しています。詳しくはこちらのHPをご覧ください。

http://www.ku-n.jp/mwlc.html

  

 参加者も募集中です、皆様の参加お待ちいたしております。

    

  

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