秋田
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2014年05月07日企画展 in大潟草原野鳥観察舎 第一四半期分
秋田 足利 直哉
最近、大潟草原鳥獣保護区にある大潟草原野鳥観察舎のネタが多くなっている私の日記ですが、今回も引き続き!(多分次回も・・笑)
実はこれまでにも大潟草原野鳥観察舎において細々と私のイラストを使ってちょっとした企画展のようなものを続けてきていました。なんと今年で7年目に突入です!!
これまでもちょいちょいこの日記に登場してはいましたが、何せ細々と実施している上、知らないうちに場所が変わっていたり、時には何か物が立てかけられていたりと扱いが悪かったのですが、その現状を打破しようとPRしていく事にしました。
大潟草原野鳥観察舎での企画展は1月スタートで1年間のシリーズで実施していて、今年は野鳥観察会で役立つ(かも知れない・・・)ツールとして近縁種や同科の野鳥の横顔をイラストにしています。
大潟村やその周辺で観察できる種などを中心に毎月1枚のイラストを描いていて、それを2枚並べて展示しています。先日、新しく出来上がったイラストに入れ替えをし、これまで1月~3月用に描いたイラストを全て回収してきました。
描くのも、その為の時間をやりくりするのもかなり苦労しながら続けているので、『見てみたい』と思ってくださる方が一人でもいてくれたら幸いです。

第1弾『ハクチョウ5種』代表的なオオハクチョウとコハクチョウと時々見られるアメリカコハクチョウに加え、ナキハクチョウとコブハクチョウも描いてます。なじみの薄い種もいますが、「もしかしたら」って事もあるかも?なんて期待したんですけどね^^

第2弾の『ガン類6種』です。代表的なマガンに加え、大潟では同時に観察可能なヒシクイの2亜種、見つけたら嬉しいカリガネ、サカツラガンと超レアなハイイロガンも同じく期待を込めて描きました。ここに描かれていないガン類は後半に登場させようかな?なんて思ってます。

第3弾は『淡水カモ♂6種』です。観察会で使いやすいように身近な種を中心に近似種も加えて描いてあります。いつか同じ配置で♀も描きたいとは思っていますが・・いつになりますやら(苦笑)
現在は第4弾と第5弾を展示中です。これらは3ヶ月後にまた御紹介します。早く見たいと言う方は大潟草原野鳥観察舎にお越しください。
この他にも順次、展示の入れ替えや企画展の充実を図っていきたいと思っています。
2014年04月23日大潟草原のイラストマップ
秋田 足利 直哉
そんな、季節が移ろい、花々が続々と咲き始める時期に花と鳥を合わせて観察してみてはいかがでしょう?
と言うわけで・・・現在、大潟草原野鳥観察舎に配置しているイラストマップの紹介です。

4月14日の日記でPRした大潟草原野鳥観察舎です。このところ晴れの日が続いていましたので青空バックの写真が撮れました。この画像は駐車場から観察舎に向かって歩いてきて撮影した物です。
今回の補修工事に合わせて、玄関の向かって右側に透明なアクリルで作ったボックスを設置しました。

これがその近景です。A3サイズの紙が余裕で入る大きさです。この中には大潟草原鳥獣保護区のパンフレットや地元の大潟の自然を愛する会が作成したチラシが入っていて、どなたでもお持ち帰りいただける様になっていますが、もう一つ、手作りのイラストマップも入ってます。
それがこちら↓

私が昨年度末に作成した手作りのイラストマップです。これまで蓄積してきた観察データに基づいて、観察舎の周辺のどこにどんな野鳥がいるのか一目で分かるようになってます。また道路や観察路(ぬかるみがちな歩道)も書き入れてあるので、このマップを片手に散策していただく事も可能です。
※ただし足元が悪いので長靴は必須です。
現在の物は3月中旬~5月中下旬くらいまでの間、観察できる野鳥について描いてあります。来るゴールデンウィーク期間中に活用していただけるかと思います。
ゴールデンウィークに大潟村にお越しの際には是非、大潟草原野鳥観察舎に足を伸ばして、マップを手にしていただいて野鳥観察を楽しんでください。皆様のお越しをお待ちいたしております!!
2014年04月17日実施報告:『野鳥の楽園で暮らす野鳥たち』と『クリーンアップ大作戦』
秋田 足利 直哉
そんな中、日曜日に今年度最初の野鳥観察会『野鳥の楽園で暮らす野鳥たち』と『クリーンアップ大作戦』を実施しましたのでご報告します。これは午前中に野鳥観察をし、午後からその野鳥たちが少しでも暮らしやすくなるようにとクリーンアップ活動を実施したものです。今回は初めて東北地方環境事務所、秋田県、大潟村の三者が一体となって共催という形で実施しました。
先ずは野鳥観察会。今回は日頃から大潟村へ野鳥観察に来ている方ばかりの参加でした。皆さんプライベートでも大潟村を度々訪れて野鳥観察をしているもののJR山手線のエリアがすっぽりと収まってしまうほど広大な大潟村の何処に行けばどんな野鳥に出会えるのか?そんな情報も得たいと思っての参加だったようです。講師は今年度から国指定大潟草原鳥獣保護区の管理員を務めていただく京谷さん。大潟村を中心に各地の野鳥調査や保護活動にも熱心な方です。
この時期は冬の渡り鳥が渡去し、夏鳥達が続々と到着、通過している時にあたり、大潟村で繁殖する野鳥たちは忙しく活動を初め、渡り途中の野鳥たちは英気を養うために活動しています。そんな野鳥たちに出会うため、村内を移動しながらの野鳥観察となりました。

潟端エリアと北の池がメインの観察場所です。暖かい日射しの中、野鳥たちは休憩モードに入っていたのか?あまり多くの野鳥を観察することは出来ませんでしたがそれでも32種類の野鳥を観察できました。
続いて午後はクリーンアップ活動。秋田県では雪解け後の4月をクリーンアップ強化月間と定めていて、その中でも第2日曜日を『ビューティフルサンデー』と銘打って各地でクリーンアップ活動を呼びかけています。今回の企画はこの趣旨に賛同して、野鳥の生息地を彼らがより暮らしやすいようにしようと願ってのクリーンアップ活動です。
実は参加していただいた方々は野鳥観察中から足元のゴミの多さに驚いていました。むしろ野鳥観察よりもその場所のクリーンアップをした方が良いんじゃ無いか?という程の状態で、『まさかこんなにゴミが多いとは・・』『こんなにゴミが多いと野鳥の暮らしにも支障があるんじゃ無いか?』と言った声が聞かれました。

クリーンアップは大潟草原野鳥観察舎前の道路で実施し、県道との分岐点からB区と呼んでいるエリアの入り口までのおよそ1.2㎞の区間で実施しました。
駐車場付近は3月下旬に私がクリーンアップを実施して可燃ゴミ1袋と不燃ゴミ1袋を集めたのですが、それが焼け石に水のような状態で・・・その場所にもクリーンアップしていない場所と大差ないくらいのゴミが散乱していました。道路沿いには草木が茂っていてその中にあるゴミを集めるのは一苦労を強いられますが、今回参加してくれた中で最年少の少年が特に熱心にゴミを集めてくれました。
集めたゴミの中で特に目立ったのが空き缶で、コーヒーの空き缶が最も多く、ある特定の銘柄がかなり目立ったこともあって『このコーヒーが好きな人がしょっちゅう捨ててるんじゃ無いか?』と推測されました。また驚くことに缶ビールの空き缶も多く『まさか運転しながらビール飲んでる人が居るんじゃ無いよな・・』なんてぞっとするような推測もされました。その他、軍手や手袋の類いがかなり目立っていて『業者がまとめて捨ててるんじゃ無いか?』といぶかしげに話す参加者もいました。
これらの感想はこれまで現地を見続けてきて私も同じように感じています。コーヒー缶、ビール缶、手袋はこのエリアのTOP3に入るゴミの多さでこれらは数年間変わりなく安定して(?)多く捨てられています。
残念な事に大潟村は投棄されたゴミが非常に多いところです。今回も『これまで何カ所かでクリーンアップを実施したけどこれほどゴミの多かったところは無かった』とか『海岸や河口以外でこんなに集中してゴミがある場所を私は知らない』などという厳しい声が聞かれました。

最後に記念写真と集めたゴミの証拠写真を撮影しました。クリーンアップは総勢12名で2時間足らずの間にこれだけの量を集めました。ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
今回のクリーンアップの為に秋田県から参加者全員分の軍手とゴミ拾い用のトングを提供していただきました。大潟村からは収集用のゴミ袋を提供していただき集めたゴミの処理をしていただきました。末筆ながらお礼を申し上げます。
2014年04月14日大潟草原野鳥観察舎
秋田 足利 直哉
色々と日記ネタがたまっているところですが、先ずは大潟草原鳥獣保護区管理棟の大規模補修工事が終了したことからご報告します。10月25日の日記で補修工事実施中で観察用テラスなどの利用に制限があることをお伝えしたまま、その工事が終了した事をお伝えしておらず・・・『工事はどうなったの?』との問合せなんかもあったりしてご迷惑をおかけしておりましたが、3月には全ての工事が終了し、安心して利用出来る様になりました。
一番の懸案だった、観察用テラスの土台補修はこれまでよりも強固な構造へと変更し、観察用の小窓周辺も機材を置いたり図鑑を広げたりしやすいように改装しました。(↓まだ雪が残る時期の写真で恐縮です・・。)

また冬期には水道が凍結し、トイレの利用も手洗いも出来ず、大変なご不便をおかけしてましたが、不凍工事を実施し、また大潟村より特段のご配慮を頂き、水道が凍結する心配は無くなりました。
更には厳冬期には寒さに震えながら観察しなければいけなかった2階の観察室ですが窓を2重にする事で寒さも軽減し、暖房効率も格段にアップしました。
しかし、一番大きな変更箇所は看板でしょう!!これまでの小ぶりな看板から大きな目立つものに付け替え、更には施設の名称も『大潟草原野鳥観察舎』としました。正式には大潟草原鳥獣保護区管理棟といいますが、その施設名か気軽に野鳥観察が出来ると想像するのはちょっと難しいかな?と言うくらい堅苦しいものでした。(↓これも春の名残雪が降っている日の写真でスミマセン。)

それと2月5日の日記でお伝えしたように、幹線道路に案内標識も設置しました。これについては、先日実施した観察会での評判も上々でした。
こうして建物はひとまず安心して来館者をお迎えできるような環境が整いました。あとはより一層の利用促進を図っていく事が求められるかと思いますが、それについても現在、関係機関と調整中です。それが正式に決まりましたらまたこの日記で、お知らせしますので楽しみにしていてください。
補修工事が終わった大潟草原野鳥観察舎、生まれ変わった大潟草原野鳥観察舎をどうぞよろしくお願いします。関係者一同、皆様のお越しをお待ちいたしております。
2014年03月10日『ガンカモネットワーク交流会』での野鳥観察会に参加しました
秋田 足利 直哉
さて、前回の日記で『次の日記で報告します』としていた、EAAFPのガンカモネットワーク交流会の中で行われた野鳥観察会の様子をお伝えします。
普段は自分がスタッフとして野鳥観察会を運営しているのですが、今回は参加者として楽しみながらガンなどの野鳥観察をしました。これがなかなか新鮮な事でしたし、他の団体等はこんな感じで観察会を実施するのか?と勉強にもなった観察会でした。
この日は、EAAFPのガンカモネットワーク交流会の参加者向けの観察会と、大潟の自然を愛する会が主催する一般向けの野鳥観察会と合同での実施で総勢70名ほどの大所帯でバス2台を使って村内の野鳥生息地を巡る観察会でした。

左上の写真を見ていただくと気付くかと思いますが、野鳥を観察する方々が同じ方向を見ていません。道路のこっち側のガンを見ている人たち、道路の向こう側のガンを見ている人たちが同じ場所にいます。これが大潟村でガン類を観察する際の特長で、広い干拓地の中にあっちにもこっちにもその向こうにも・・・という感じで、ガン類が採餌する様子が見られるので、何処を見ようか迷ってしまうほどです。
2台のバスから降りてきた人たちが一斉に観察していますし、かなり多くのスコープが立ち並んでいます。普段はもっとこぢんまりと人数を絞っての観察会ばかり経験しているので、こうした大人数での観察会は私自身どのように行動したら良いのか?少し戸惑ってしまいました。
実際に観察するガン達は普段と変わらず、ある程度の距離を保って、ある程度の群れを形成して、水田や大豆畑で採餌していました。

大潟村やその周辺の良いところは数種類のガンが一度に観察できるところです。この日もヒシクイ・マガン・シジュウカラガンが同じ様な場所で観察できました。更にはバスの中からでしたがハクガンも観察できました。また場所によっては亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイが一緒に観察できるポイントもあります。
そんな環境にあって、この日最大のトピックスになったのが↑の写真の上の写真です。これは私達が観察している近くにシジュウカラガンの群れがやってきたので観察していたときの様子ですが、遠目にも『ん?』感じるところがあってとりあえず撮影した写真です。
後にスコープでしっかり観察されていた方が『コクガンが混じってる』と教えてくださって、多くの方が確認したのですが、『良く見つけましたね?』と感心するほどの見つけにくさでした。
これでは分かりにくいのですが、写真の中央やや右寄りに2羽のコクガンが写っています。普段は海岸などで過ごす事の多いコクガンがシジュウカラガンの群れに交じって一緒に行動していたのです。これまでガンの群れの中に単独のコクガンが混じっているとは何度か聞いたことがあったのですが複数のコクガンを大潟村で見たのは初めの事でした。
せっかく(拙いながらも・・・)こんな写真が撮れたのでガンカモネットワーク交流会に参加されていた方、数人に写真を送付したところ、日本でガン類の事を聞くならこの方という第一人者の方をして『シジュウカラガンとコクガンが一緒に居るところを初めて見た』とおっしゃるほどのレアケースだったようです。
この日の大潟村には確認できただけでも、マガン・ヒシクイ(亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイ)・ハクガン・シジュウカラガン・コクガンの5種のガンがいました。これって凄いことですよ!!

おまけに・・・シジュウカラガンとコクガンの違いを見比べるために2種の写真を並べてみました。左側がシジュウカラガンで右側がコクガンです。どちらも小柄で、遠目には全身が黒っぽく、一部に白い模様が入るという点で似通っていますが、白い模様がそれぞれ特徴的なんです。
シジュウカラガンは頬の部分によく目立つ白い模様がありますし、コクガンは喉元に網目模様の白い模様が目を惹きます。よく似ているこの2種は分類上は近縁種にあたるそうで、もしかしたら仲間意識みたいなものが働いて一緒に行動していたのでは無いか?とのことでした。
2014年03月06日『全国ガンカモネットワーク交流会』が開催されました
秋田 足利 直哉
3月1日(土)~3月2日(日)の2日間、大潟村干拓博物館を主会場に『東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ 全国ガンカモネットワーク交流会』が開催されました。
といっても『東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ』って何?『全国ガンカモネットワーク交流会』ってどんなもの?という方もいらっしゃると思いますので、ざっと説明をさせていただきます。
より詳しい説明や図等は下記の「環境省報道発表資料」にありますのでこちらもご覧ください。
全国ガンカモネットワーク交流会(秋田県大潟村)の開催について(お知らせ)
季節によって生息場所を変え、国境を越えて広く移動する渡り鳥達。彼らが移動するその道をフライウェイと呼んでいて、地球上には9つの主なフライウェイがあるとされています。そのうち日本とその周辺を含むフライウェイを『EastAsian-Australian Flyway』といい、日本語に訳すと『東アジア・オーストラリア地域フライウェイ』といいます。そしてこのフライウェイの国々やそこで渡り鳥を守る活動を行っている人たちが協力するのが『東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ』です。現在30の国やNGOなどの団体が参加し渡り鳥の生息状況や保護活動について情報や技術の交換が行われています。

東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ上では、渡り鳥の重要な生息地が参加して『重要生息地ネットワーク』を作っています。現在113箇所でそのうち日本には30箇所の生息地が参加しています。
また東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップには『ガンカモ類ネットワーク』、『ツル類ネットワーク』、『シギ・チドリ類ネットワーク』の3つのネットワークがあります(EAAFPが守る水鳥には上記ネットワーク対象種以外にもアビ類、カイツブリ類などの他多くの水鳥があります。)。今回、大潟村で行われたのは『ガンカモ類ネットワーク』に参加する国内18箇所の重要生息地で渡り鳥の保護に携わる団体の方々や行政担当者が一堂に会する『ガンカモネットワーク交流会』です。
前段が長くなりましたが、こうした説明を要するのは、この様な交流会が行われたのは今回が初めてだったからです。これまでも宮城県北部の生息地で活動する方と秋田県沿岸部の生息地で活動する方々が『今日、こっちのガンの数が減ったから、そっちに移動したんじゃ無いか?』といったようなやりとりを通じて個々に連携する場面はありましたが、18箇所の重要生息地に関わる方々が幅広に連携する場面というのが決して多くないというのが現状だったそうです。またフライウェイサイトと呼ばれる重要生息地は直ぐ近くにあるという事例も多くは無くて、例えば自治体の担当者がなにか課題に直面しても、相談したり参考となる事例を探すのが容易ではないという問題点も指摘されていたそうです。この様な理由から『交流会』の開催が望まれることとなって、今回の開催に繋がったのです。
主催は、環境省、大潟村。さらに大潟村教育委員会、大潟の自然を愛する会、男鹿半島・大潟ジオパーク推進協議会より協力を頂きました。またこの交流会は大潟村創立50周年事業ともなっています。
北は北海道浜中町、南は鳥取県米子市より17名の方々が参加し、オブザーバーとして秋田県自然保護課などにも加わって頂き、主催者・ガンカモ類専門家・事務局、更には一般参加者も加わり総勢40名を越える交流会でした。

先ずは主催者を代表して大潟村の高橋村長よりご挨拶、続いて日本雁を保護する会の呉地会長より『東アジア・オーストラリア地域おけるガンカモ類の現状について』と題した講演、EAAFPのSpike事務局長より『Partnership for the EastAsian-Austrelian Flyway』と題した講演をしていただき、参加された方々は皆真剣に講演を聴き、熱心にメモを取って、理解を深めているようでした。

交流会の中では4つのグループに分かれてのワークショップも行われ、私も参加させて頂き、各サイトが抱える悩みや課題などをあげ、そこに自分たちがもってる経験や情報がヒントとなるようなワークが行われ、私も非常に大きな収穫を得る事が出来ましたし、他のグループに参加していた方々からも『○○という良い話が聞けた。』『△△はうちでも出来そうだから計画を立ててみる』などという声も聞かれました。中には深い悩みもあって直ぐに解説策を見つけるのが難しいこともありましたが、『同じ様な悩みを共有していると言う事が分かっただけでもちょっと気が軽くなったような気がする』なんて声もありました。
この後、行われた懇親会でも活発な交流が行われていましたし、あちこちで名刺交換をする様子が見られました。
※この他、早朝の塒観察やガンカモ類を中心とした野鳥観察会なども行われましたが、これについては次の日記で御報告します。
今回の交流会が参加された皆様にとって収穫の場になって、その収穫が今後の取り組みに活かされる事を願っています。私の話で恐縮ですが、この交流会は本当に貴重なものでした。早速数名の方々と情報交換をさせて頂いたり、貴重なアドバイスを頂いています。この交流会が大潟村で開催されたこと、私も末席に加えて頂けたことに感謝しています。

交流会の最後にみんなで撮影した記念写真です。ガンカモの保護に携わっている方、ガンカモ類の生息地で活動している方が大集合した豪華な顔ぶれが並ぶ記念写真です。少々時間が経った今、見てあらためて交流会での充実感が表れている記念写真だなと感じています。
来年度はEAAFPの『ツル類ネットワーク交流会』が計画されているそうです。その交流会でも今回の私のように大きな大きな収穫を得る方が大勢いるだろうと確信しています。そしてフライウェイの各ネットワーク上に人間同士の『輪』が大きく大きく広がっていくことを確信しています。
2014年02月20日野鳥観察会『北帰行のガン・ハクチョウの観察』を実施しました
秋田 足利 直哉
先日の日記に続いて16日(日)に実施した野鳥観察会『北帰行中のガン・ハクチョウの観察』についてご報告します。こちらは毎年2月第3週に実施している恒例となった野鳥観察会です。
この時期大潟村やその周辺では様々な主体が野鳥観察会を実施していますが、当事務所では昨年度より秋田県環境と文化のむらと共催で観察会を実施してます。講師には(公財)日本野鳥の会秋田県支部のベテラン講師の船橋氏と浜谷氏、当鳥獣保護区管理員の加賀谷氏にお願いしました。
厳しい冬の盛りを過ぎたとはいえまだまだ天候が安定しない日が続くこの時期は、野鳥たちの生息場所も安定せず、その日の天候や積雪の状況、人間の活動などによって居場所が刻々と変わります。それでも頼りになるベテランの講師陣はお目当ての野鳥たちの生息場所を突き止め、適切な巡回コースを設定してくれます。
この日は、秋田県環境と文化のむらが用意したマイクロバスに乗って野鳥たちの居場所を巡回していきました。所により三脚に添えたスコープが倒れるほどの強風でしたが、バスを風よけにして快適な野鳥観察となりました。

バスが回る先々で野鳥を観察します。警戒心の強い野鳥を観察するためには十分な距離が必要となるため、双眼鏡とフィールドスコープを併用しての観察です。

こちらが実際の観察場所の様子です。ズームレンズの50ミリあたりで撮影してます。遠くにぽつぽつと見えている塊がオオワシとオジロワシ、帯状に広がっている黒い塊がガンの群れです。この写真ではちょっと分かりにくいですよね・・・。

ということで、どんな野鳥を観察したのか、別の日に撮影した野鳥の姿を掲載しました。
右上:シジュウカラガンの群れ
左上:ヒシクイの小群
右下:ハクガンの小群
左下:オジロワシ です。参加してくださった方々から聞かれたのは『こっち見た』とか『かっこいいな』『キレイだね~』などかなりシンプルな感想が多かったように感じます。きっとこれが生で見る素直な感想なんだと思います。厳しい自然界で生きている彼らの姿を見て、気の利いた言葉を並べてるのは不自然なのかも知れません。私などは語彙力が無いので言葉すら出てこなくなりますが・・・。
そんな感激続きの観察会はあっという間に時間が過ぎていきました。長時間屋外で過ごしたため流石に体が冷えてきましたが、大潟村にある『生態系公園』にご協力頂き、最後の「鳥あわせ」は暖かい温室の中で行いました。
その結果この日は、キジ、オオハクチョウ、シジュウカラガン、マガン、ヒシクイ、ハクガン、カルガモ、カワアイサ、ミコアイサ、カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、カモメ、オオワシ、オジロワシ、トビ、ノスリ、ハシボソガラス、ミヤマガラス、スズメ、ムクドリ、ハクセキレイ、ツグミの24種を観察しました。水辺が結氷してカモ類が少なく、風が強いため小鳥の姿がほとんど無かった中、午前中の数時間でこれだけの観察が出来、かつ他ではちょっと見られないような野鳥の姿も観察できる大潟村のポテンシャルの高さは改めて感心します。
最後になりますが、ご参加頂きました皆様ありがとうございました。また一緒に鳥を見ましょう。講師を務めてくださいました船橋さん、浜谷さん、加賀谷さん本当にありがとうございました。集合場所の駐車場と鳥あわせの会場を提供くださいました生態系公園のスタッフの皆様ありがとうございました。除雪の行き届いた駐車場で本当に助かりました。秋田県環境と文化のむらスタッフの皆さん、これからもよろしくお願い致します。
2014年02月17日観察会『アーティスト目線の野鳥観察』を実施しました
秋田 足利 直哉
2月15日(土)、2月16日(日)の2日間、今年度最後となる観察会を実施しました。先ずは15日(土)に実施した『アーティスト目線の野鳥観察』についてご報告いたします。
例年ガン類の飛来時期に合わせて11月下旬~12月上旬に実施している野鳥観察会が諸般の事情により開催できず、企画内容も大幅に変更した観察会となりました。
今回の観察会の会場は、日頃業務で連携させていただいている五城目町にある「秋田県環境と文化のむら」のふれあいセンター。講師は「Hal at forest」より、主宰の版画家・画家の三村治男氏とスタッフの佐藤由美子氏という体勢での実施です。
野鳥を観察するということは、読んで字のごとく『野鳥を観る』事です。野鳥を描くには、先ずは『野鳥を観る』事から始まります。ですので、野鳥を描く方々は優れた野鳥観察者でもあります。
ある野鳥を描こうと思ったら、その野鳥をしっかりと観察しなければなりません。印象だけをさらっと描くだけなら雰囲気を掴むだけでも良いかもしれませんが、しっかり細密に描こうと思うと、ぱっと見で細部の情報を得るのは難しいでしょうし、ましてや眺めただけでは形を描くのも難しいかも知れません。また自分が描いたものには愛情が込められると思うので、自分が一度描いた野鳥を観察するときには、以前とはまた違った目で見ることが出来るのではないでしょうか?そんな事を思いながら企画した観察会です。
参加いただいた方々は日頃から絵を描かれている方や、絵に興味を持っている方、あるいは以前は描いてたんだけど最近遠ざかっていたのでこれをきっかけにまた描いてみようかと思っている方々。しかもその対象が野鳥なので専門家のアドバイスを受けたいと参加していただきました。

先ずは導入部として、版画や絵画の資料としても活用するため自ら撮影した野鳥の動画を見ながら、観察時のポイントや野鳥の行動などについてお話しし、参考として三村さん自身が制作している野鳥の絵も2点ほど持参していただきました。
更には白いスケッチブックに実際に”アタリ”を付ける為の大まかな円や線を描いたり、野鳥を描く際のポイントなどもレクチャーしていただきました。

続いて参加してくださった方々がそれぞれのスケッチブックに実際に野鳥の絵を描きました。同じ野鳥を観て描いても、筆記具の違い、持ち方の違い、筆圧の違いなどで皆さんの描く鳥がそれぞれ個性を持った鳥に仕上がっていく様子を観ているのはとても楽しい時間でした。

後半では、参加者の皆さんが描いた絵を講師の三村さんが色々とアドバイスもしてくれるという一幕もあり。もう少し描く時間が欲しかったという声もありましたが、『参考になりました。』『今日は来た甲斐がありました。』などとありがたい声を頂きました。
この観察会はあくまでも「観察」に主眼を置いた企画で、描くことを観察の一手法と考えてましたが、予想外に描くこと=じっくり観察することという考え方をする方が多く、この様な企画も一定の需要があると言うことを感じました。この様な観察会にご参加いただきました皆様に感謝いたします。
最後になりましたが、講師を務めていただいた三村さん、佐藤さんどうもありがとうございました。会場と参加者募集では秋田県環境と文化のむらスタッフの皆様にお世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。
2014年02月05日大潟草原鳥獣保護区管理棟への案内標識が完成しました
秋田 足利 直哉
さて、今日の日記は関係者の念願が叶った話です。
大潟草原鳥獣保護区管理棟は幹線道路から1本入った分かりにくい場所に立っていて、しかも案内標識に不備があって観察会などで管理棟へお越しいただく方に、『何か目印はありますか?』と聞かれても明確な回答が出来ず・・・困っていました。

この写真は設置年代が不明な案内標識です。私がアクティブレンジャーになった頃には上の2枚のように案内標識の役割を果たせるような状態でしたが、それから数年間、風・雨・雪などににさらされ下の2枚のように朽ちてしまっていました・・・。特に写真の右下にある男鹿方面から来られる方々に向けた案内標識は脱落してしまってその役割を果たせていませんでした。
それからというもの、関係者の間で案内標識の再設置を望む声が高まり、つい先日念願の案内標識が完成しました!!
そして、より一層皆様に親しみを持って頂きたいとの願いを込めて施設を『大潟草原野鳥観察舎』の愛称で呼ぶことにしました。正式名称は『大潟草原鳥獣保護区管理棟』と言いますが、ちょっと堅そうなイメージを持ってしまいますよね?

これが完成したばかりの新しい案内標識です。私もちょっとだけデザインに関わらせていただいたので喜びもひとしおです。
これを機に皆さんどんどん大潟草原野鳥観察舎にお越しください、と言いたいところですが・・・野鳥観察舎前の道路は非除雪区間となっていて冬の間除雪作業を行わない路線となっています。実際には今年の大潟村は積雪が少なく今も自動車での通行は出来るような状態ではありますが、この先もこの状況が続くとは限りません。本当はどんどんPRしていきたいところですがもどかしさが募ります。
でも春になったらこの新しい案内標識を目印に多くの方々にお越しいただくことを思いながら、首を長くして待つことにします。近くへお越しの際は是非チェックしてみてください。
冬期間は野鳥観察舎へお越しいただくことが難しい場合があり、観察会などは業務で連携している機関などからご協力をいただいて実施しています。今年の観察会は「秋田県環境と文化のむら」と連携して、2月15日(土)には講師に版画家・画家の三村治男さんをお迎えして『アーティスト目線の野鳥観察』と題して、野鳥の識別ポイントなどを実際に描きながら解説していただく事を企画しました。また2月16日(日)には日本野鳥の会秋田県支部のベテラン講師をお迎えして大潟村内のガンやハクチョウ達が採餌している場所を巡りながらの野鳥観察会を企画しています。現在参加者募集中です!!
企画の詳細、お申し込みはこちらへ!!


先日、大潟草原野鳥観察舎にとって大きな節目となる日を迎えましたのでお知らせします。
大潟村の国指定大潟草原鳥獣保護区にある野鳥観察舎は2代目の建物で、今年で20年目を迎えます。およそ20年間風雪に晒され、老朽化が目立つ部分もあって、大規模な補修工事を実施したことは4月14日の日記でお伝えしたところですが、その補修工事を実施している中、大潟村の高橋村長の発案で村当局より『大潟村には野鳥観察に訪れる方が大勢いらっしゃるが、その拠点となる施設が野鳥観察舎なのでそこにスタッフを常駐させられないか?』とありがたいご提案を頂きました。
大潟村は今年、村創立50周年を迎え様々な取り組みをしているところですし、大潟草原野鳥観察舎は整備から20周年目の年に大規模補修工事を実施。そんなまたとない絶好のタイミングで、話が進み、先日5月24日(土)より利用者からの要望も多かったスタッフの常駐化が叶ったのでした。
その直前には大掃除を実施。これまでは様々な物で溢れていた建物もかなりスッキリとし、広々とした空間をいつもより念入りに窓を磨き、床にこびりついた垢を落とし、トイレも気持ちよく利用できるようにし、床にワックスを掛けて万全の体制で、来館者を受け入れられる環境を整えました。私が見た中で一番キレイで広々とした野鳥観察舎となりました!!
これまでは、大潟草原鳥獣保護区管理棟という堅苦しい名称で、鳥獣保護区管理員が調査する際や、事務所の各種事業を実施する際に不定期で開館していたのですが、実際には2階部分には十分な野鳥観察スペースと道具が備えてあって、多くの方々にご利用頂ける様な環境があったにも関わらず、諸般の事情により定期的な開館ができずにいましたので、当事務所にとってもとても嬉しい事でした。
間違いなく秋田自然保護官事務所の2014年の10大ニュースの上位にランクされる出来事でしたし、大潟草原野鳥観察舎にとって一つの記念日なった事は間違いありません。これを機により多くの方々にご利用頂ければ関係者の一人としてとっても嬉しく思います。
大潟草原野鳥観察舎にスタッフがいるのは4月から12月までの土曜・日曜・祝祭日の午前9時から午後3時まで。12月については建物が面している道路が非除雪区間となっているため、積雪の状況によって期間に変更がある可能性もあります。詳しくは東北地方環境事務所のHPをご覧ください。