ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

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2009年06月11日建物で子育て中

秋田 足利 直哉

 秋田県内も梅雨入りしたんだそうです。数日前からそんな空気でしたから「やっぱりね?」って感じです。


 梅雨入りしても野鳥の子育てに中断はありません。親鳥たちは雨でも忙しく飛び回っていることでしょう!今日はそんな子育て中の野鳥の中から”雨露しのぐにはもってこい”の人間が建てた建物で子育て中の野鳥をご紹介します。

 きっと他の野鳥に比べたら「ヒナが雨に濡れる心配」が格段に少ない場所を選んでいるからでしょうか?ご紹介する2種共に両親が忙しく餌を運んでいました。


 先ずは西部承水路の沿いにある掘っ立て小屋で子育て中の【ハクセキレイ】です。




 昨年もこの建物で【ハクセキレイ】が繁殖していましたから、もしかして彼らには『勝手知ったる他人の家』なのかも知れません。
 私が見ていると一応警戒して巣へ入るのを躊躇う様子を見せますが、中から雛達がおねだりする声が聞こえるのでしょうか?そそくさと建物の中に入っていきます。
 かなり忙しく餌を運び入れていましたから雛達がだいぶ大きくなっているのかも知れませんね?



 つづいて管理棟で子育てしている【スズメ】です。

 国指定鳥獣保護区の特別保護地区に接している管理棟を営巣場所に選ぶなんてなんて気の利いた(?)【スズメ】でしょうか?ある意味これほど安心できる営巣場所も無いかも知れません!



 【スズメ】の親鳥達も忙しく餌を運び入れているのを観察していましたが、この時は何故か巣材らしきものを咥えていました。ヒナが大きくなって巣の補修が必要になったのでしょうか??


 この2種共にチラホラと巣立ち雛を見かけるようになってきましたから、彼らの雛が巣立つのもそう遠い日ではないでしょう?でも梅雨入りして長雨が続くと巣立ちはどうなるのでしょうか?やはり親鳥も空模様に相談して決めるのでしょうかね??


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2009年06月10日キジのホロ打ち

秋田 足利 直哉

 いよいよ東北南部まで梅雨入りしたそうです。ここ秋田も「もう梅雨入りしてんじゃないの?」と思ってしまうような天気が続いています。今日は久しぶりに晴れ間も出ていますが空がそれほど青くありませんし・・・


 大潟草原を巡視中、道路の向こう側からのっしのっしと歩いてくる鳥を見かけました。大潟で道路をこれほど堂々と歩く鳥は【キジ】しかいません。



 どうやら道の端に落ちている餌を探しながら歩いているようで、時々何かを啄んでは、またこちらへと歩を進めてきます。どうみても彼の目線に私が映っていると思いますが全く動じる様子はありません。
 仮定の話ですが・・・もしこの彼が昨年同様にこの場所を縄張りとしているのであれば、直ぐ側で土浴びするシーンを披露してくれたり、私が乗っている車の真ん前でう○こをしたりと、私を人間扱いしていない(?)肝の据わった奴です。なんだか雰囲気から”奴”だな?というのが伝わってきます。

 あと数mで交差点に差し掛かるという所まできたら、私の右後方(キジから見たら左前方)から別個体の【キジ】の『ケーン、ケーッン』という声が聞こえてきました。それが彼の対抗心を刺激して・・





 その声がする方向へ向かってホロ打ちをしました。その後もしきりにその方向を気にしていましたが、この道路に車がやってきて”水入り”。藪の中へと消えていきました。

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2009年06月09日【実施報告】 自然観察会『新緑のブナ林を散策、桃洞滝を訪ねる』

秋田 足利 直哉

 本来であれば昨日の日記に、日曜日に実施した自然観察会の模様を投稿するつもりでしたが、観察会で講師役をしてましたので写真がほとんど撮影できなく、報告に耐えうる物ではなかったので、秋田自然保護官事務所の畠山保護官の撮影した物を拝借してご報告いたします。


 例年、このコースでの観察会には多くのご参加をいただいていますが、今年も募集人数を大きく上回る方々に応募いただき、44名の皆さんにお集まりいただいて観察会を実施しました。
 県内各地からお越しいただく皆さんが森吉へ向かう途中、激しい雨がフロントガラスを叩いていたそうで、我々もそんな空模様を気にしながら現地に到着するとスッキリとはしないものの雨は上がっていました。

 観察会の開始時刻には幾分空も明るくなっていました。今回の参加者の中に強烈な晴れ男、晴れ女がいたものと推察しています。なにはともあれ、無事に観察会がスタート。講師3名と私が講師役をつとめて4班で実施いたしました。(諸々の都合で私の班だけ写真がありませんが・・・)







 色濃さを増したブナ林の中を初夏の花々を愛でながら、ゆったりとしたペースで歩きます。途中には観察スポットも豊富でついつい足を止めてしまします。そのせいか?1番最初にスタートしたのに到着した時には2つの班に先行されていました。

 この観察会ではサポート役に回ることが多かった私ですが、今回講師役をさせていただき、これまで以上に楽しむことが出来ました。私自身、この時期の(本当はもう少し早ければ尚良い)このコースが大好きなので、まずは私が楽しんでしまいます。
 有り難いことに参加者さん達にもその思いが伝わり、充分楽しんでいただけたようです。ご参加いただいた皆さんありがとうございました。またのご参加をお待ちいたしております!!

 

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2009年06月08日張り合って電線へ

秋田 足利 直哉

 このところジメジメとした日が続きますね?野鳥たちも雨に濡れながら採餌・育雛・縄張り主張等など一生懸命でした。雨だからって休むわけにはいきませんからね?私も野鳥たちを見習って雨でもしっかり仕事しようと意気込んでいる週の始まりです。


 皆さんのお住まいの近くでも【オオヨシキリ】の鳴き声が盛んに聞かれている頃かと思いますが、大潟でも朝から晩まで賑やかに鳴き声が響いています。それは今日のような雨の日でも変わりません。

 しかも近くにいる同士が張り合うようにしてお互いに縄張り主張&メスへのアピールをするものだから、鳴き声が聞こえなくなる間が無いくらいです。

 その鳴き声を挙げる場所の定番といえば・・↓のようにヨシの穂先や低木の枝先ですよね?



 でも、お互いに合い譲らない場合、大潟ではこんな場所を利用しています。





 周りにいるオスよりも少しでも高い場所!高い場所!!と張り合っているうちについに電線へ。こっちでも・・あっちでも・・(笑)


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2009年06月05日タムシバ

秋田 足利 直哉

 最近、巡視をしていて常に頭にあるのが『○○と言うことは図鑑で見たり、本で読んだり、映像を見たりして知っているけど実際には見たことがない』事が私には多い。ということ・・・。なので最近は色々と気にとめながら歩くので足止めされる事が多くなってきました。今日はそんな中から【タムシバ】の話をします。

 かつて山の先輩に「秋田のちょっと高い山にはコブシが無くてみんなタムシバだ」と教わったことがあります。それ以来なんとなく、山歩きをしていてこんな花を見ると【タムシバ】だと決めつける癖が付いてしまっています。
 本当ならばそれが本当に【タムシバ】なのか確かめなくてはならないのですが、「○○さんがそう言ったから・・」というおかしな理由で手を抜いていました。






 しかしそれではイカン!と思い始め、最近では立ち止まって色んな角度から見るようにしています。咲いている花を正面から見て、下から見て、蕾の状態も一応見て、その他にも色々な角度から見ます。


 詳しい方にはもう常識と言っても良いかもしれませんが、コブシと【タムシバ】を見分ける方法として『花が咲いたと同時に小さな葉を1枚付けるのがコブシ、葉がないのが【タムシバ】』という視点があります。なので裏側からも見るようにしました。



 ちょっと微妙ともとれる写真ですが、こうして確認して【タムシバ】に間違いない。と確信する時、なんとなくスッキリした気持ちになります。こうした”スッキリ”をドンドン増やしていきたいと思っています。



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2009年06月04日サンカヨウ満開

秋田 足利 直哉

 天気予報で「梅雨前線」なる言葉が聞かれ出しました。秋田でもどこか梅雨のようなすっきりしない天気になっています。私も昨日今日と巡視中に雨に降られました。この先は雨と上手に折り合いを付けていかなくてはならなくなりますね。


 今、森吉山麓ノロ川周辺では【サンカヨウ】が満開です。【サンカヨウ】は北海道から中部以北を分布域とする多年草で、ノロ川周辺でもいつものところに見事な花を咲かせました。


 ここは歩道の近くでありながらまとまって咲いているので、よくカメラを構えている方を見かけます。私もこの場所ではついつい足を止めてしまいます。


 そう言えば・・・先日こんな窮屈そうな状態で成長していた【サンカヨウ】も見かけました。ちゃんとキレイに咲いてくれるのか?と心配しましたが大丈夫でした!


 私の好みですが・・【サンカヨウ】には雨が似合う!と思っています。
 誰の作品だったのか?何処で見たのか?忘れてしまいましたが、雨に濡れた【サンカヨウ】の写真を見て、それに衝撃を受け、それ以来【サンカヨウ】は何か特別な存在となりました。

 自分ではそんな写真が撮れるはずもないので、狙うこともしませんが、それでも一応カメラだけは向けてしまいますね~(苦笑)。


 花の中でも特別に繊細で、儚い【サンカヨウ】ですから、この日記をご覧になってから出かけられても既に散ってしまっているかも知れません・・・。

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2009年06月03日ゴイサギの採餌

秋田 足利 直哉

 通勤時、半袖姿の人が多くなってきました。私は未だ衣替えできず・・・完全に乗り遅れています。それにしてもレンジャー服に半袖がないのは何故でしょうか?先輩アクティブには持ってる人もいたようでしたけど・・・まさか私だけ?? 


 先日、田んぼで採餌中の【ゴイサギ】がいました。実は【ゴイサギ】が採餌している場面に出くわしたのは初めてのことでした。
 繁殖場所は保護区内のサギのコロニーですし、繁殖が一段落してから集団で過ごす場所も解っているのに、どういう訳か餌を食べているシーンにはお目にかかれていませんでした。

 そういう待ちこがれた場面になるとまず双眼鏡に手が伸びて撮影が二の次になってしまうという癖(?)があり、この時も暫くたってから「カメラ、カメラ」とようやく撮影しようと思ったら・・・

 採餌を止めて、首を挙げ・・・


 低く踏ん張るような姿勢になって・・


 飛び立ってしまいました・・・。



 採餌する様子自体はアオサギやダイサギなどと同じように、じっと一点を見つめて、ぬーっと首を伸ばして、一気に嘴を差し込む。というスタイルで獲物もドジョウのようでした。
 なんて文章で書いてもやはり説得力に欠けますね・・・(苦笑)

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2009年06月02日He's back!!

秋田 足利 直哉

 6月1日から森吉山野生鳥獣センターが開館しました。と同時に東北アクティブレンジャー写真展『アクティブレンジャーのおすすめスポット』を開催中です。その模様もいずれお伝えしようと思いますが、今日はニュースがあるので日記の内容を差し替えました(笑)。

 
 なんだか大げさなタイトルにしちゃいましたが・・”彼”が大潟とその周辺に帰ってきたんです。
 


 思えば3月23日以降消息が不明になったと思ったら、4月3日には秋田自然保護官事務所のある秋田市内で確認され、私も「これなら何とか会いに行けるな~」と思っていた矢先の4月16日以降秋田県内から姿を消していました。
 いつかは行ってしまう。と解っていながら私の周りには寂しそうにしている方が何人もいました。

 そうこうしているうちに方々から『○○にいるのは秋田にいたタンチョウじゃないか?』という知らせが届きはじめ、その知らせの発信地が徐々に秋田に近くなり・・とうとう5月27日には秋田県内で観察されました。そしてその2日後の昼過ぎ、【タンチョウ】を観察するために通い慣れたエリアに彼は戻ってきたのでした。

 この先、彼はどんな行動をとるのでしょうか?また一つ観察ネタが増えました。

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2009年06月01日子育て 大忙し

秋田 足利 直哉

 今日6月1日から改正道路交通法、改正薬事法など身近な法律が施行されました。衣替えして夏の装いも始まりますし、クールビズの励行期間も始まりました。昨日までと見た目にも大きく違う6月1日です。


 しかし私の日記はいつものように見たもの、感じたものをお伝えしていこうと思います。


 先ずは継続してお伝えしている【トビ】の巣ですが、この日は巣の上に親鳥の姿が無く、所在なさげに、不安げに、小さな小さなヒナが巣の上にいました。親鳥は?というと・・直ぐ側でペアになって餌を食べていました。子育てに大忙しのメスの為にオスが餌を運んできたのでしょうか?
 しかし巣に私が近づいたのを確認すると直ぐに警戒して私の頭の上を飛び回り始めました。巣を空けるという親鳥の行動から見てもこの巣の雛の成長は順調のようです!!





 続いて・・【ヒバリ】が嘴になにやら餌を咥えたまま、次の餌を探しているところを目撃しました。きっと巣には数羽の雛たちが今か?今か?と餌を運んできてくれるのを待っているのでしょう!!雛たちの食欲が増してきたのでちょっとの餌では足りなくなっているのかも知れません・・・野鳥達の子育ても大変です!!




 この日記を読んで下さってる方々は『あれ??カラスは?』と思いましたよね? ・・この日記では【トビ】と一緒に【ハシボソガラス】の巣の様子もお伝えしていたのですが、先日その巣を観察しに行ったら既にもぬけの殻でした。巣立ち直前の様子もお伝えできぬまま・・・あぁ残念。そしてスミマセン。



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2009年05月29日エゾハルゼミ

秋田 足利 直哉

 突然ですが・・セミの鳴き声ってその日の天気等のコンディションによって聞こえ方が変わってきませんか?芽吹いたばかりの萌黄色の森の中をうららかな風が流れる中で聞くのと、ギラギラした太陽が照りつけムンッとした暑さの中で聞くのとでは大きな差がありますよね?
 

 森吉山麓高原に着いて、車の窓を全開にすると真っ先に耳に飛び込んでくるのは【エゾハルゼミ】の鳴き声です。幼少時代虫取り編みを手にセミを追いかけた経験のある私にとってセミの鳴き声というのは、テンションの上がるスイッチだったりします(笑)。

 先日、一人で巡視していて気がついたらセミの姿やセミの抜け殻を探していました・・・(遊んでいた訳じゃないんですけど・・・)。




 抜け殻を探すと色んな場所で見つかりますし、かなりたくさん見つけることが出来ます。ブナの幹だったり、足下の草の葉の下であったり、もうほとんど「探している」というよりは「自然に目に入る」といってもイイくらいです。


 姿はなかなか見つからないなぁ~と思いながら歩いているとなんと地面にいました。


 「セミは木の上にいるもの」という先入観があったのでちょっと以外でしたが、もしかしたら今ようやく羽化下ばかりだったのかも知れません。直ぐ近くの草の葉のウエラ側に抜け殻もありましたし・・
 

 今はセミの生涯について多少の知識を得たのでセミ採りをしようとは思わなくなりました。今の子供達は夏休みなどにセミ採りをするのでしょうか?そういえば最近虫取り編みを持った少年の姿なんて見てないな~~


 

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