ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

1036件の記事があります。

2011年07月12日口を開けて

秋田 足利 直哉

 暑い日が続きます。道路に設置されている温度計が30度を超える表示になっているだけで疲れるような気さえします。こんな時も外で働く皆さんは水分だけでなく塩分も補給して、休憩も取って無理のないようにしていきましょう。大潟村では『こんな暑い日にずっと外で働いてはいけない。結果効率悪くなる。』という意見を聞きます。専業農家の方が言うんですから確かなはずです!!




 さて・・・余りの暑さと、日々の出来事に開いた口が塞がらない今日のこの頃ですが・・・今日の日記は口を開けた【ゴイサギ】の話題です。

 昨日の記事で紹介した【ゴイサギ】が水面を見ていたら突然大きな口を開けました。獲物を見つけたにしてはおかしな行動ですし、暑いにしても開けた口が大きすぎるので、どうしたんだろうか?と・・・


 目線は水中から逸れているようですし、見ようによっては苦しそうに見えます。


 そのうち、確かに苦しそうにしているのが解りました。人間だったら『オェー・・』と言っているに違いありません。瞬膜を閉じた瞬間なんて相当苦しそうです・・・。何かを吐き出そうとしているようです。


 口の中から大きな「塊」が現れました。ペリットを吐き出そうとしていたんですね!!確かにこんな大きな塊を吐き出す時は苦しいでしょうね?【ゴイサギ】にとっては生理的な行動なんでしょうけど・・・。


 このペリット。拾って何が入っているか調べたかったのですが残念ながら水の中へ・・。【ゴイサギ】が飛び去ってから行ってみましたが確認できませんでした。水中でバラバラになったのでしょうか?それとも魚の餌になったのでしょうか?
 ペリットとは食べた物のうち消化できなかった部分を吐き出す物です。写真を矢理に拡大してみてみると、赤い部分はどうやらアメリカザリガニの甲羅(?)のようです。現物を観察できたらもっと色々な情報が得られたでしょうが・・・残念です。


 日記2回分のネタを提供してくれた【ゴイサギ】ですが、大潟草原鳥獣保護区のコロニーでは今が巣立ちラッシュです。周辺の水辺には巣立った個体から繁殖を成功させた(?)成鳥までたくさんの【ゴイサギ】を観察することが出来ます。同じ水辺に様々な段階(年齢)の【ゴイサギ】が居ますので違いをじっくり観察するチャンスです!!

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2011年07月11日伸縮自在

秋田 足利 直哉

 11日。あの日から4ヶ月・・・この4ヶ月間、私は出来ることを精一杯やってきただろうか?そんな事を考えてしまいます。

 東北北部も梅雨明けしたそうです。今日の空は夏を思わせる真っ青なキャンバスに真っ白の大きな雲がもくもくと!!最高気温も秋田県内各地で今年の最高気温を更新!!34~35度ともなると流石にキツイですね・・・。




 こんな日は野鳥達も暑いようで、どの鳥を見ても口を開けてハァハァと苦しそうでした。そんな中でも、水辺の野鳥は若干涼しそうにしているから不思議です。今日はその中から【ゴイサギ】を取り上げます。


 管理棟から見える位置にある止まり木に【ゴイサギ】がやって来ました。最近この止まり木はすっかり【ゴイサギ】用といった具合です。ここから水の中をのぞき込んで餌を探します。

 そして餌を探すのに夢中になると・・・


 首がぐ~~~んと伸びてきます。最早パッと見、同じ鳥とは思えないほどの違いです。これほどまでに首が伸びたら視界も、視野も随分と変わってくるでしょうね?こうすると水中も見えやすくなるのでしょうか??



 【ゴイサギ】の様に伸縮自在の首が自分にあって「首が伸びたら便利だろうな~」とは思いませんが・・・視界や視点を大きく変えられるのは羨ましく感じます。自分にこんな機能が備わっていたら・・・^^


 ところで・・・図鑑などによると【ゴイサギ】の全長は57cm程となっていますがどの姿勢で図ったんでしょうかね??この写真を見ると同じ個体でも首を伸ばした時とそうでない時では随分とサイズに違いがあるはずですよね?



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2011年07月08日シロキクラゲ

秋田 足利 直哉

 しっとりシトシト・・・どんよりドヨドヨ・・・梅雨空の広がる秋田市内。各地で梅雨明けしたとの報道に触れ「こっちは何時だ?」と思い始めた今日この頃です。



 昨日の白いサギから「白」繋がりで・・・今日は【シロキクラゲ】を取り上げました。


 予定通りの巡視を終えて、戻ってくる途中で鳥獣保護区の管理員さんとバッタリ!!そこで情報交換して立ち話をしていましたが、話の流れで『じゃあ一緒に行こうよ』って事になって重い荷物を持ったまま別コースへ。
 狙った成果は得られませんでしたが、今季初確認のトンボが見られたりとそれなりの成果があって、気をよくして「やっぱり歩く機会が多くなれば発見も多くなるもんだなぁ~」なんて思いました。この【シロキクラゲ】も気をよくした理由の一つ。こんな群生しているのは見たことがなかったので嬉しくなりました。


 倒木にビッシリと【シロキクラゲ】が発生していました。写真の腕があればもう少し迫力が出せたかも知れませんが・・。
 キクラゲはこれから先、群生するのを見る機会があるかも知れませんが【シロキクラゲ】は稀なはず!!


 透き通るようで、瑞々しくて、触感もプルプル^^


 やっぱり今年はキノコの当たり年かも知れませんね!!この他にもヒラタケの群生も見ましたし、ツルタケの仲間も大量に顔を出していました。歩道沿いに咲く花々が少々寂しい感じになってきましたが、キノコ観察はこれからが本番!!きっと楽しい観察が続くことでしょう。。



 ところで・・・これをお読みになっている皆さんは『このキノコがどうなったのか?』気になっている方がいるようですね。
 私が撮るのは写真だけ!!その場に残してあります。勿論鳥獣保護区管理員さんも持ち帰ることはありませんでした。なのでこの【シロキクラゲ】今も森吉山麓の何処かにあるんじゃないでしょうかね?ここに足を運ぶ人はまずいないでしょうから・・・。


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2011年07月07日見ておきたいですね

秋田 足利 直哉

 巡視からの帰り道、とある神社の祭典が行われていていつも通る道路が通行止めに・・・。思わぬ遠回りをしましたが、そこが渋滞で・・・。でもまぁお祭りですからね~^^。仕事がなければそのお祭りを見てみたかったです。
 最近、窓の外からは竿灯のお囃子が聞こえてきます。これから東北は夏祭りの季節を迎えます。楽しみになってきました!!




 はい。楽しみと言えば・・・『毎年来るのを楽しみにしている』野鳥っていますよね?あの鳥に会っておかないとなんか落ち着かないというか・・物足りないというか・・・。今日はそんな野鳥の話題です。



 この時期、周囲の”緑”がどんどん色濃くなり空の青さも増してきていますよね?そんな中、『白』が目を引きます。特に『シラサギ』と呼ばれる全身真っ白のサギ達は田んぼにいても、ヨシの中にいても、水辺にいてもその場所と白い羽のコントラストが美しく目を惹かれてしまいます。

 コロニーではダイサギがそろそろ巣立ちの時を迎えそうです。保護区内の水辺では親鳥が採餌する様子を見かけます。ダイサギは「静」!自分の位置を決めたらそこに餌がくるまでで「待つ」というスタイルのようです。
 最近田んぼを中心に姿を現すようになったチュウサギは、「動」!動き回って「積極的に餌を探す」というスタイル。同じく田んぼや休耕田で見かけるコサギは「技」!歩きながらも自分の脚を左右に振って餌を「誘き出して捕まえる」スタイル。この様に一口に「シラサギ」と言ってもその食事スタイルにはそれぞれ特徴があります。
 そんな「シラサギ」の中でも最も特徴的な餌の取り方をする(と言っても過言ではないはず・・)サギを観察してきました。




 水辺を動き回って餌を探すのですが・・・餌となる獲物を見つけると首を斜めに伸ばして(上の写真を参照)狙いを定めたり、体制を低くして羽を半開きにして(下の写真を参照)獲物を捕まえやすいようにしたりと、とにかく特徴的な動きをします。


 このサギの名は【カラシラサギ】。これで4年連続の確認となりました。今やすっかり夏の初め恒例のお客様となりました。今年の夏は『○○にも【カラシラサギ】にも逢えたし・・』と幸先がイイです!!


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2011年07月06日救命講習を受講しました

秋田 足利 直哉

 今日、当事務所でも入口に掲示している黄色い「節電中」の張り紙を2回見ました。事務所のあるビルの中でも挨拶と共にする会話が『今年はまだエアコン付けてませんよ』とか『そちらの事務所(当事務所)はいつも照明無しですね?』なんていう話題になっています。




 はい。今日は珍しく(?)自然情報ではない話題を取り上げました。正直な話、『こんな話を書いてもつまんないよな~』と巡視や調査以外の日常の業務についての話題を避けていました。しかしながら・・・森吉山野生鳥獣センターを訪れる方の安心に繋がれば幸いと思い、この話題を取り上げました。

 
 先日、北秋田市消防本部に依頼しまして、森吉山野生鳥獣センターまで出張していただき、森吉山野生鳥獣センター案内解説員、清掃員、秋田自然保護官事務所スタッフなどで普通救命講習+αを受講しました。
 森吉山野生鳥獣センターにはAEDを設置しています。これは国道285号線を離れて奥森吉と呼ばれるエリアに至るまでで唯一のAEDなんだそうです。ちなみに森吉山周辺では阿仁スキー場に設置してあるそうです。いずれにしてもかなり貴重な機器であることに間違いありません。その機器をいざという時、適正に活用できなければ意味がありません。なので森吉山野生鳥獣センターの関係者には身につけておかなければならない知識・経験です。


 先ずはスライドを見て講習の”ねらい”や概要を理解します。
 次いで救急救命士の方の見本を見ながら過去に受けた講習の記憶を呼び覚まします。私自身ももう何度も普通救命講習を受講していますし、受講者全員がこれまでに同様の講習を受けていましたが、ここを疎かにするわけにはいきません!!心肺蘇生法しかり!AEDの使い方しかり!!
 そして受講者全員で心肺蘇生法のトレーニングです。効率的な身体の使い方と心臓マッサージの『1分間に100回のペース』が主なテーマです。




 森吉山野生鳥獣センターではAEDの設置以降、これを使うような事例は起きていませんが、遭難事故は毎年複数件起きているのが実情です。「道迷い」が多いようですが中には転倒や滑落事故も起きています。そうした実情に対応するため、特別にお願いして森吉山野生鳥獣センター周辺で想定される事故に対処する為の方法も教えていただきました。


 遭難者を安全な場所や処置可能な場所へ移動させる為の方法。骨折や打撲、捻挫した時、患部を固定する方法。裂傷による出血を止める方法を教えていただきました。
 また野外ではしっかりした道具や装備が無い場合も考えられますので、身の回りの物や登山の装備を使って担架を作る方法等も教えていただきました。
 

 遭難者を担ぐ時、ちょっとした”持ち方”の違いで随分と効率が違うものです。そして普段から多少の装備を持って歩いてはいますが、それで万全ではありません。今回教えていただいた登山道具や衣服などを使う方法を是非とも自主研修などをして身につけたいと思います。

 

 今回の研修が役に立つ場面が無いのがベストです。救急救命士の方もおっしゃっていましたが『先ずは予防』から!!しかし思わぬ落とし穴に陥って事故に繋がる事も考えられます。そうした事態に対応するための心構えを一段とレベルアップできた講習会でした。



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2011年07月05日『山内小学校児童からの手紙』と『おんぶカンムリカイツブリ』

秋田 足利 直哉

 先日、6月8日の日記でお伝えした、『愛鳥学習会』で大潟草原鳥獣保護区管理棟へ来てくれた横手市立山内小学校の児童達から手紙が届きました。
 手紙には当日の学習会の様子や感想、その後に彼らが感じた野鳥への思いなどが書かれていました。私たちにとってこうした手紙は最高の贈り物です。


 子供達の無邪気な様子を見て、一緒に過ごす時間は本当に嬉しいものです。そして今回はお礼の手紙まで貰えるなんて幸せなことです。
 


 先日は野鳥の子供達の無邪気な様子と、親に甘える微笑ましい様子と、それを守る親の強さが感じられる観察が出来ました。



 水路で繁殖活動をしている【カンムリカイツブリ】達が雛を連れて水路に姿を見せてくれるようになりました。西部承水路でも白と黒の縞々の雛達が親鳥に見守られながら過ごしています。


 親鳥の背中に2羽の雛が乗っています。既に自分で泳ぐことが出来るはずですが、まだまだ小さなうちはこうして背中で過ごすことが多いようです。


 こちらの写真では親鳥に寄り添うようにしてもう1羽の雛が見えます。兄弟姉妹の中でも背中で大半を過ごす雛もいれば、自力で泳ぐ雛もいるようです。でも、のっぴきならない事態が起こると全ての雛が親鳥の背中へ逃げていきました。
 よく見ると親鳥も翼をやや開いて雛達が過ごしやすいようにしているようです。背中の雛が乗りやすいように!!寄り添う雛を包み込むように!!



 この光景・・・この日記で過去何度かお伝えしてきています。鳥獣保護区管理員さんとも話しましたが『背中に雛を乗せたカンムリカイツブリを見ないとなんだか落ち着かないし、物足りない』んです。今や大潟草原鳥獣保護区には無くてはならない光景なのです!!そしてその光景が今年も見られたことをとても嬉しく思うのです。

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2011年07月04日『AR写真展のお知らせ』と『何度も何度も・・』

秋田 足利 直哉

 現在、南秋田郡五城目町の『秋田県環境と文化のむら 自然ふれあいセンター』において『東北アクティブレンジャー写真展「心に残る風景」』を開催中です。東北各地の10名のアクティブレンジャーが自分たちの所管地の中から自分の心に残っている風景や皆様の心にきっと残るであろう風景を集めた写真展です。どうぞご覧下さい。





 そして、森吉山野生鳥獣センターでは東北アクティブレンジャー写真展のスピンオフ企画、宮古アクティブレンジャー写真展『美しいこの光景は必ず復活します!!』を開催中です。過去3年間の宮古自然保護官事務所の高屋敷ARの写真を展示し、そこ場所の現在の情報を加えて展示してあります。
 宮古を初め『被災した各地の、復興の道は果てしない』というイメージを持っている方が少なくはないようです。しかし現地では震災に影響を受けていないところもあります。例えば浄土ヶ浜VC前の駐車場から散策できる臼木山などはその一例です。また被災された皆さんが懸命に頑張って頑張って頑張って、観光客やハイカー達を迎える準備が整いつつあるところもあります。例えば浄土ヶ浜の観光船は今月16日に待望の再開を予定しているそうです。こうした現状を少しでも知っていただけたら!そして懸命に頑張っている観光地などへ足を運んで貰えるように!との思いを込めて開催しています。是非ご覧下さい。






 懸命に頑張っている姿というのはどうしてこんなにも心を打つのでしょうか?それは人間だけではなく先日、巡視の時に観察した【モズ】にも同じような感覚を持ちました。もしかしたら・・私は感傷的になっているかも知れません。。

 森吉山麓高原内で多くの【モズ】達が繁殖中であることは以前この日記でもお伝えしました。現在はそれが佳境に入っていて、親鳥達が懸命に餌を運ぶ様子が観察できます。一日に何度運ぶのでしょうか?私が観察した時はオスもメスも入れ替わり立ち替わりで(概ね)5分と開けずに餌を運んできました。

 オスの【モズ】がちょっと休憩(?)したところです。夕方になって疲労が蓄積していたのでしょうか?それとも日が暮れるまでもう一頑張りするためでしょうか?


 よくみると・・・【モズ】の鮮やかなオレンジ色の羽がなりを潜め、灰色の地味な装いに替わっているではありませんか。巣のありかを周囲に悟られないようにヤブを潜って何度も何度も巣に餌を運んだからでしょうか?頭や背中部分の羽が擦り切れてきているようです。同一個体とは言い切れませんが同じ場所で数週間前に撮影した物と比べて、オレンジ色部分が無くなり灰色部分が拡大しているのが解りました。ストレッチしている時に見えた他の部分の羽も随分とボロボロになっていました。野鳥達にとって繁殖って大事業なんですね。
 

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2011年07月01日『節電の夏』は涼を求めて・・

秋田 足利 直哉

 今日から7月。いよいよ東北にも本格的に暑い季節が直ぐそこまでやって来たような気がします。今年の夏は『節電』に取り組みながら暑い夏を乗り切らなければなりません!!そこで今日は、私のオススメ、『森吉の渓谷』での話。



 暑さを凌ぐためには・・・
 ①日差しを防ぐ。
 ②出来るだけ気温の低いところで過ごす。
 ③涼を感じられる水辺で過ごす。
 この3点がもっとも確実です。その条件が全て揃っているのが・・・もうお分かりですね?そう『森吉の渓谷』です。桃洞滝でもいいでしょう。赤水渓谷も良かったですよ^^ でもその他にも色々と選択肢があります。
 こうした情報は「北秋田市観光協会」や「北秋田市」のHP等でもご覧になれるでしょうから、私からは現地で仕事しているアクティブレンジャーらしい情報をお届けしようかと・・・(←って言って結局野鳥の話なんでしょ?って思った方、正解です!!)。

 
 より、涼を感じる為には視覚的にも聴覚的にも涼やかである必要がありますよね?となると・・・色鮮やかな夏鳥の姿も見つつ、鳴き声も楽しめたらかなりポイント高いでしょ??



 先ずは、お車で森吉山野生鳥獣センターを目指して安全運転をしてきて下さい。いよいよ県道から分かれて森吉山麓高原へと向かう市道へと入っていきます。すると・・・


 道路で【キセキレイ】がお出迎え^^運が良ければ生まれたばかりの幼鳥を連れた家族に出会えるかも??
 【キセキレイ】の機嫌が良ければ道案内(【キセキレイ】は逃げる時私たちが行きたい方向へと逃げていく事があるので、「道指し鳥」なんて言われています。)もしてくれるかも知れませんので見かけたらゆっくりと観察してみて下さい。ただし!車を止める場所には充分に注意して下さいね。



 森吉山野生鳥獣センターに到着したら、是非とも館内をご覧になってから森へとお進み下さい。絶好の”導入素材”となるはずです。


 この時点で標高は650m程です。皆様がお住みの場所よりも随分と涼しいはずです。そして森へと進むと直ぐに渓谷を渡ります。もうマイナスイオンなんてそこら中に溢れています。ブナの森は日差しも遮り、渓谷を渡る風は夏の暑さを吹き飛ばします。
 森の中では風に乗って、あるいは森に染み渡るように色々な音がします。その中でも【キビタキ】の声はかなりの確度で聞こえるはず・・・


 歩道の近くで営巣しているらしきペアも何組か居るので歩いていて出会える確率は他の野鳥よりも高いかも??
 ただし!今は未だ子育ての真っ最中ですので長居はしないようにお願いします。雛達がお腹を空かせてしまいますから・・・。



 この他にも「赤い鳥」や「青い鳥」などなど・・・渓谷には沢山の夏鳥達がいます。それを全部紹介することは出来ませんので今日は「黄色い鳥」ということで・・・また機会があったらPRします。

 あっっところで・・・”涼しさ”って伝わりましたか??



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2011年06月30日活動開始時間

秋田 足利 直哉

 秋田は今日も雨、しかも時々土砂降り。バケツをひっくり返したような・・っていうくらい。久しぶりに車のワイパーを最速にしました。




 はい。ではいつものように・・・


 早朝5時からある調査をした時のこと・・担当した区域に到着するとオオジシギとオオヨシキリとカッコウの鳴き声があちこちから聞こえていました。その他はアオサギやゴイサギが上空を行き来する様子が見られ、ハシボソガラスも活動を始めていました。
 この場所は、ヨシを主体とした草原で周囲には防風林があり、大きな建造物があり、それほど交通量は多くないものの直ぐ道路もあります。広さは陸上競技場と野球場を合わせたくらいの広さです。当日の天気は薄曇りで太陽も顔を覗かせたり隠れたり・・という状況でした。草原にはたっぷりの朝露があります。

 そのうち・・スズメが忙しく動き出し始め、カワラヒワやキジバトも何処かへ向かって飛んでいきました。調査開始から30分ほど経過したでしょうか・・・


 ようやく『草原性鳥類』達が本格的に活動を開始しました。ホオアカがコジュリンが、ヒバリが、そして【コヨシキリ】も!!


 たまたま私が担当したエリアだけがこの様な状況だったのかも知れませんが・・【コヨシキリ】はスロースターターでした。しかし一度スイッチが入れば休む間もなく鳴き続け、私が居ても特に気にせず、ソングポストから美声を響かせていました。


 そしてこのエリアで過ごすこと90分。この間に見られた猛禽類はトビのみ!!この場所ならばノスリ・チョウゲンボウ・チュウヒが見られるはずですが・・・。
 更に大分時間が経過してこの近くを通った際にはノスリとチュウヒの姿を確認する事が出来ました。どうやら猛禽類たちは更にスロースターターのようです。


 「日の出と共に」、時には「まだ暗いうちから」鳴き始めると言われる小鳥たちですが【コヨシキリ】はちょっとゆっくり目に活動を開始していました。猛禽は更にのんびりと活動を開始するようです。


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2011年06月29日わかい

秋田 足利 直哉

 日中は梅雨時らしく灰色の低い雲が空を覆っていましたが、夕方からシトシトと雨が降り出しました。霧雨のような雨は不快感をガンガン上昇させていきます・・・。




 こんな天気が続くからでしょうか?今期の森吉は春先からキノコを観察する機会が多くなっています。食用になるものから、毒のある物まで様々なキノコに出会えます。

 その中でも密生していてよく目立っているのがこのキノコです。




 多分【ウスヒラタケ】だと思います。よく似ているヒラタケとは微妙に異なるようなので・・・。しかし!!森吉ではこのキノコを見て『ヒラタケだべか?ウスヒラタケだべか?』なんて迷ったりはしません。食用にするため持ち帰る人はヒラタケも【ウスヒラタケ】もまとめて【わかい】あるいは【わかえ】と呼びます。このことからも古くから親しまれてきたキノコであることが解りますよね?


 余談ですが・・・各地を旅行した際、必ずと言っていいほど『郷土出版』のコーナーに足を運ぶのですが、東北や北関東では大概、各県で見られるキノコをまとめた『○○のきのこ』という本を見つけます。勿論秋田にも『秋田のキノコ』というタイトルの本がありますが、その他に、秋田県内で見られるキノコの各地域での呼び名を集めた本も存在します。残念ながら現在は絶版のようですが、その本を見ると秋田県人は昔からキノコとより親しい関係にあったことが解ります。ある意味民俗学的は書籍です。もし興味のある方はお近くの図書館などで探してみて下さい。


 この他にも様々なキノコが発生しています。現在は綺麗な花々が咲き誇り、見る目を飽きさせることはありませんが、地味かも知れませんがキノコにも注目してみて下さい。この世界は深いですよ~^^


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