秋田
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2009年03月03日タシギ越冬中
秋田 足利 直哉
今日3月3日は桃の節句。桃の節句といえば起源は平安時代にまで遡ることができ、古くは上巳(じょうき)の節句といった身の穢れを祓う大切な行事であったそうです。平成の世の穢れもどうにかキレイに祓うことが出来ないものでしょうか?
さて、大潟でこんな話を聞いたことがあります。
→ 今から随分前の話だけど・・ある人が「大潟草原で【タシギ】が越冬している」と報告した時、そんな事は誰も信じられる事ではなかったようで「そんなわけ無いだろ?見間違いじゃないの?」って言われたそうだ・・・って話。
当時は、その方が撮影した”雪のヨシ原にいる【タシギ】”の写真がモノを言って、ようやく「大潟草原では【タシギ】が越冬している」と認められるようになったそうです。
現在、大潟草原を良く知る者にとって「大潟草原で【タシギ】が越冬している」と言う事実は当たり前のことになっていて、「今日も【タシギ】があそこの水たまりで採餌していたよ」という会話が普通にされるようになっています。
図鑑で【タシギ】の項を調べると、『旅鳥』とあります。大雑把に言えば、遙か北の繁殖地と遙か南の越冬地を行き来する際に日本を通過するだけと言うタイプの渡り鳥ということであって、そんな【タシギ】が北東北の秋田県は大潟村で越冬しているなんて・・・ちょっと考えにくいのかも知れません。しかし【タシギ】は本州の中部以南では越冬期に観察されてるそうですから日本で越冬すること自体は驚く事ではないはずです。


大潟草原で越冬している【タシギ】は2個体で、雪の上を移動しながら採餌したり、氷が溶けてできた水たまりで水浴びしたりと元気に過ごしています。
さて、大潟でこんな話を聞いたことがあります。
→ 今から随分前の話だけど・・ある人が「大潟草原で【タシギ】が越冬している」と報告した時、そんな事は誰も信じられる事ではなかったようで「そんなわけ無いだろ?見間違いじゃないの?」って言われたそうだ・・・って話。
当時は、その方が撮影した”雪のヨシ原にいる【タシギ】”の写真がモノを言って、ようやく「大潟草原では【タシギ】が越冬している」と認められるようになったそうです。
現在、大潟草原を良く知る者にとって「大潟草原で【タシギ】が越冬している」と言う事実は当たり前のことになっていて、「今日も【タシギ】があそこの水たまりで採餌していたよ」という会話が普通にされるようになっています。
図鑑で【タシギ】の項を調べると、『旅鳥』とあります。大雑把に言えば、遙か北の繁殖地と遙か南の越冬地を行き来する際に日本を通過するだけと言うタイプの渡り鳥ということであって、そんな【タシギ】が北東北の秋田県は大潟村で越冬しているなんて・・・ちょっと考えにくいのかも知れません。しかし【タシギ】は本州の中部以南では越冬期に観察されてるそうですから日本で越冬すること自体は驚く事ではないはずです。


大潟草原で越冬している【タシギ】は2個体で、雪の上を移動しながら採餌したり、氷が溶けてできた水たまりで水浴びしたりと元気に過ごしています。
2009年03月02日カイツブリ冬羽
秋田 足利 直哉
いよいよ3月に突入しました。3月と言えば卒業式シーズンですね。今日もいくつかの高校で卒業式が予定されているようですが、今日の秋田は寒さが戻り、雪が降っています。
さて、気分新たに新しい月&週の始まりですが、日記の内容は変わらず私が観察した野鳥の話題です。
今日は【カイツブリ】の話です。現在大潟の水辺にはガン・ハクチョウ・カモなど多くの水鳥が観察されていますが、その中で最もからだが小さく、元気に潜水を繰り返して採餌している【カイツブリ】の姿は目をひきます。
そんな【カイツブリ】は観察機会も多く、この日記で何度か取り上げてきましたが、身体が小さい上に動きが活発で、なかなか細部まで確認できる観察が出来ていませんでしたが、先日たまたま岸近くに寄っていた数羽の群れを観察した際に、それぞれ嘴の基部や頭部・脇腹の羽色などに違いを確認できたので報告します。

左側の写真の手前にいる個体は「嘴の基部に黄色斑があり、羽色も全体に暗褐色をしている」のですが奥にいる個体は「嘴の基部の黄色斑は不明瞭で、羽色も全体に淡い褐色をしている」ようです。更に右の写真の個体は「嘴の基部に黄色い部分は認められず、羽色は極淡い褐色で白色の部分が多い」ようです。
こうした差異は図鑑では何度か目にしていて、いつか実際に自分の目で確認したいと思っていて、ようやくその機会に恵まれました。
図鑑などでは、左の写真の手前に写っているような個体を『成鳥冬羽』で他の個体を『第1回冬羽』と解説しています。
『第1回冬羽』とは昨年の春~夏(【カイツブリ】の繁殖期にはバラツキがあるようです)に生まれた個体が冬を迎えて換羽した後の羽のことです。
取り上げた3羽のうち・・嘴の基部に明瞭な黄色斑があり、羽色が濃い1個体とそれ以外の2個体との差異は年齢による差異で、後者の2個体のうち、より羽色が濃いor淡い等の差異が個体差ということになるのでしょうか?
この他にも年齢による差異が認められる種は以外に多いようです。よく観察すると野鳥の年齢まで解るなんてすごく興味が湧いてきませんか?
さて、気分新たに新しい月&週の始まりですが、日記の内容は変わらず私が観察した野鳥の話題です。
今日は【カイツブリ】の話です。現在大潟の水辺にはガン・ハクチョウ・カモなど多くの水鳥が観察されていますが、その中で最もからだが小さく、元気に潜水を繰り返して採餌している【カイツブリ】の姿は目をひきます。
そんな【カイツブリ】は観察機会も多く、この日記で何度か取り上げてきましたが、身体が小さい上に動きが活発で、なかなか細部まで確認できる観察が出来ていませんでしたが、先日たまたま岸近くに寄っていた数羽の群れを観察した際に、それぞれ嘴の基部や頭部・脇腹の羽色などに違いを確認できたので報告します。

左側の写真の手前にいる個体は「嘴の基部に黄色斑があり、羽色も全体に暗褐色をしている」のですが奥にいる個体は「嘴の基部の黄色斑は不明瞭で、羽色も全体に淡い褐色をしている」ようです。更に右の写真の個体は「嘴の基部に黄色い部分は認められず、羽色は極淡い褐色で白色の部分が多い」ようです。
こうした差異は図鑑では何度か目にしていて、いつか実際に自分の目で確認したいと思っていて、ようやくその機会に恵まれました。
図鑑などでは、左の写真の手前に写っているような個体を『成鳥冬羽』で他の個体を『第1回冬羽』と解説しています。
『第1回冬羽』とは昨年の春~夏(【カイツブリ】の繁殖期にはバラツキがあるようです)に生まれた個体が冬を迎えて換羽した後の羽のことです。
取り上げた3羽のうち・・嘴の基部に明瞭な黄色斑があり、羽色が濃い1個体とそれ以外の2個体との差異は年齢による差異で、後者の2個体のうち、より羽色が濃いor淡い等の差異が個体差ということになるのでしょうか?
この他にも年齢による差異が認められる種は以外に多いようです。よく観察すると野鳥の年齢まで解るなんてすごく興味が湧いてきませんか?
2009年02月27日ハイイロチュウヒ
秋田 足利 直哉
今日で2月の勤務も終了です。28日と日数も少ない2月ですがそのせいだけではなくあっという間に過ぎてしまった気がします。3月は年度末ですから今年度の仕事は今年度のうちに・・・さぁラストスパートをしなければ!!
でも先ずは2月最後の日記を投稿します。
「目が慣れる」という言葉を日常会話の中で聞く機会があるかと思います。 全国にいる我々アクティブレンジャーは普段から実際に所管地内を歩いたり、各種調査をしたりと現場を見ていますから、そういった「現場を見る目」が養われているはずです。
私の場合も大潟草原鳥獣保護区で野鳥を観察する目が徐々に慣れてきたかな?と思えるようになってきました。というのも先日、色んな業務が重なって事務所スタッフ全員で大潟へ行ってきたのですが、その時に立ち寄った広い広い牧草地内での観察でこんな事がありました。
その牧草地では猛禽類が多く観察されるのですが、彼らは地面の枯草の上にに降りていることが多く、その羽色が保護色になっていて見つけるのに苦労するところです。車の中では「今日は鳥の姿がないな?」なんて感想が聞かれましたが実際はいつもより多いくらいの猛禽の姿が見えています。
車を止めて観察するとトビ・ノスリ・ハイイロチュウヒ♀を次々と見つけていましたが、チョウゲンボウは小さくて見つけにくかったようです。しかしもっと見つけられずにいたのが【ハイイロチュウヒ♂】でした。
淡い灰色をしていて、肉眼では遠くにいる姿をなかなか見つけることが出来ません。でも双眼鏡を使えば容易に見つけられはずですが、「えっ?どこ?」となかなか見つけれずにいました。「○○の右側でこっちを向いていますよ。」と言っても見つけられず・・・ようやく見つけたのは飛び去る姿・・・

確かに見つけにくいかも知れません・・・

飛んだ瞬間に見つかって「あっ・・」といっても・・・
こんな例に出してしまって事務所の保護官には申し訳ないのですが、野鳥観察会でもこのような事は良くあることです。出来るだけ多くの方に見ていただけるように講師・スタッフが素早くスコープに捕らえて観察できるようにと心がけているのですが、相手が野鳥ですからいつもじっとしていてくれるとは限りません・・。自分の順番の時にはもう飛んでしまった後だった・・という参加者さんの姿を見る度に「野鳥観察会って難しいな」と思います。
今度の野鳥観察会では講師の方々の目に加えて、私の目も多くの参加者さんが貴重な野鳥を観察するチャンスを多くすることに繋がればいいな~と思っています。

見つけにくい【ハイイロチュウヒ♂】ですが見つけた時には他の猛禽と異なる風貌に惹き付けられます。
私自身は全く自覚していなかったのですが、普段から現場に出て生息調査などを行ってきているので少しは「現場で役に立つ目」を養えているのかな?なんてちょっぴり自信が芽生えてきました。でも季節が変われば、直ぐに次の対応が求められるんですけど・・・
でも先ずは2月最後の日記を投稿します。
「目が慣れる」という言葉を日常会話の中で聞く機会があるかと思います。 全国にいる我々アクティブレンジャーは普段から実際に所管地内を歩いたり、各種調査をしたりと現場を見ていますから、そういった「現場を見る目」が養われているはずです。
私の場合も大潟草原鳥獣保護区で野鳥を観察する目が徐々に慣れてきたかな?と思えるようになってきました。というのも先日、色んな業務が重なって事務所スタッフ全員で大潟へ行ってきたのですが、その時に立ち寄った広い広い牧草地内での観察でこんな事がありました。
その牧草地では猛禽類が多く観察されるのですが、彼らは地面の枯草の上にに降りていることが多く、その羽色が保護色になっていて見つけるのに苦労するところです。車の中では「今日は鳥の姿がないな?」なんて感想が聞かれましたが実際はいつもより多いくらいの猛禽の姿が見えています。
車を止めて観察するとトビ・ノスリ・ハイイロチュウヒ♀を次々と見つけていましたが、チョウゲンボウは小さくて見つけにくかったようです。しかしもっと見つけられずにいたのが【ハイイロチュウヒ♂】でした。
淡い灰色をしていて、肉眼では遠くにいる姿をなかなか見つけることが出来ません。でも双眼鏡を使えば容易に見つけられはずですが、「えっ?どこ?」となかなか見つけれずにいました。「○○の右側でこっちを向いていますよ。」と言っても見つけられず・・・ようやく見つけたのは飛び去る姿・・・

確かに見つけにくいかも知れません・・・

飛んだ瞬間に見つかって「あっ・・」といっても・・・
こんな例に出してしまって事務所の保護官には申し訳ないのですが、野鳥観察会でもこのような事は良くあることです。出来るだけ多くの方に見ていただけるように講師・スタッフが素早くスコープに捕らえて観察できるようにと心がけているのですが、相手が野鳥ですからいつもじっとしていてくれるとは限りません・・。自分の順番の時にはもう飛んでしまった後だった・・という参加者さんの姿を見る度に「野鳥観察会って難しいな」と思います。
今度の野鳥観察会では講師の方々の目に加えて、私の目も多くの参加者さんが貴重な野鳥を観察するチャンスを多くすることに繋がればいいな~と思っています。

見つけにくい【ハイイロチュウヒ♂】ですが見つけた時には他の猛禽と異なる風貌に惹き付けられます。
私自身は全く自覚していなかったのですが、普段から現場に出て生息調査などを行ってきているので少しは「現場で役に立つ目」を養えているのかな?なんてちょっぴり自信が芽生えてきました。でも季節が変われば、直ぐに次の対応が求められるんですけど・・・
2009年02月26日水鏡丹頂
秋田 足利 直哉
このところ温かくなってきたものだから、私の身体も「春が来た」と認識しだしたのでしょうか?最近朝起きるのが辛くなってきました・・・。春眠暁を・・・(苦笑)
昨日の写真があまりにお見苦しいものでしたので、(私なりに)気を取り直して見るに堪えうる写真を掲載しようかなと・・・

カメラ位置や日光の加減など色んな条件が絶妙に絡み合って映し出された水鏡の映像でした。【タンチョウ】自体、とても絵になる鳥ですが、水に映る姿も美しい!!
ところでこの【タンチョウ】にはこの様に水に映った自分の姿が見えているかというと、多分そんな事は全く気にしていないかと思います(笑)。採餌に夢中でしたから・・・
ここ秋田で随分長い時間を過ごしていますので、そろそろ人(鶴)恋しくなったり、ホームシックになっているんじゃないか?と心配する向きもありますが、私の印象では、そんな心配は微塵も感じられず、周りにライバルとなる【タンチョウ】がいない環境に馴染んで、自由気ままに過ごしているように感じます。
なので、水面に写った【タンチョウ】の姿を見て、人(鶴)恋しくなっちゃた・・等という人間が抱く感傷はこの【タンチョウ】にとっては縁遠い感覚であろうと想像しています。
昨日の写真があまりにお見苦しいものでしたので、(私なりに)気を取り直して見るに堪えうる写真を掲載しようかなと・・・

カメラ位置や日光の加減など色んな条件が絶妙に絡み合って映し出された水鏡の映像でした。【タンチョウ】自体、とても絵になる鳥ですが、水に映る姿も美しい!!
ところでこの【タンチョウ】にはこの様に水に映った自分の姿が見えているかというと、多分そんな事は全く気にしていないかと思います(笑)。採餌に夢中でしたから・・・
ここ秋田で随分長い時間を過ごしていますので、そろそろ人(鶴)恋しくなったり、ホームシックになっているんじゃないか?と心配する向きもありますが、私の印象では、そんな心配は微塵も感じられず、周りにライバルとなる【タンチョウ】がいない環境に馴染んで、自由気ままに過ごしているように感じます。
なので、水面に写った【タンチョウ】の姿を見て、人(鶴)恋しくなっちゃた・・等という人間が抱く感傷はこの【タンチョウ】にとっては縁遠い感覚であろうと想像しています。
2009年02月25日17時40分 塒入り
秋田 足利 直哉
日常会話の中に「最近、日が長くなったな~」という感想が良く聞かれるようになりました。確かにこれまでは17:30の終業時間前には日が暮れて、真っ暗になっっていましたが、最近は定時になってもまだかすかに空に明かりが残っているように感じられます。
日が長くなると鳥たちの行動時間が永くなります。今日はそんな話題です。
昨日、大潟の巡視の時どういう訳か私も他の方々も【タンチョウ】を見つけられずに「今日タンチョウ見た?」「いや見てない・・」と言う会話を繰り返していました。こんな事は滅多になく、大体は誰かが「午前中は○○にいたよ」とか「さっき○○で見てきたよ」となるのですが、昨日は2時間心当たりを探しても見つかりません。何だか胸騒ぎがしたので午後から再度【タンチョウ】を探して動き回りました。
結局は夕方になっていつもの場所で【タンチョウ】の姿を見つけて一安心したのですが、その時にはだいぶ日も傾いてきていたので、久しぶりにタンチョウの塒り入りの時刻を確認することにしました。
前回、塒入りの観察をしたのが2009年1月4日。この日は午後4時42分に大潟村の田んぼから塒へ向かって飛び立っていきました。そして昨日の塒入りは午後5時40分。前回に比べてほぼ1時間遅くなっています。
ちなみに1月4日の日没時刻は午後4時28分で昨日の日没時刻は午後5時26分でした。やはりほぼ1時間伸びています。
整理すると・・1月4日が午後4時28分の日没時刻に対し午後4時42分に塒入り、昨日が午後5時26分の日没時刻に対し午後5時40分に塒入りしています。両日とも天候は曇りでした。これは偶然かも知れませんが、両日とも日没から14分後に塒入りをしています。
【タンチョウ】的には日没後、完全に辺りが暗闇に支配される直前に塒へ向かって飛び立っているようです。なので最近日が長くなって日没時間が遅くなってきたのでその分【タンチョウ】の行動時間も長くなっているのです。
この日の【タンチョウ】の塒入り直前の行動ですが・・・午後5時すぎに採餌場所を大きく移動して民家の近くの田んぼへ。その付近では道路工事が行われていて交通整理の方が近くにいるがそれでも構わず採餌を続けていました。5時30分になってこの日の工事が終了し、片付けが始まり【タンチョウ】の側を工事車両や人が行き来しますが全く気にする素振りを見せません。それどころか交通整理の方が自分の車に向かって歩いていくと【タンチョウ】が後を追いだしました。
暫くすると【タンチョウ】はその方の車の近くで翼を広げ、ジャンプしてダンスを始めました。短い時間でしたがまるで見送りをするかのようにダンスをしたのには驚きました。

距離もあるし、時間も時間なので見にくい写真ですが、お見送りする【タンチョウ】が写っています。この方も突然のダンスに驚いたように見ていましたが、直ぐに車に乗り込みました。すると【タンチョウ】はそそくさと移動して、その後、塒へ向かって飛び立ちました。

塒へ向かう【タンチョウ】です。カメラをいっぱいまで高感度にして流して撮影してもこれが限界でした。
それにしても”あれ”はやはり”見送り”だったのでしょうか?
仕事が終わって帰ろうか!という時に【タンチョウ】が近くでダンスを披露してくれて私を見送ってくれたら・・・と想像すると何だか幸せな気分になれそうじゃありませんか?
日が長くなると鳥たちの行動時間が永くなります。今日はそんな話題です。
昨日、大潟の巡視の時どういう訳か私も他の方々も【タンチョウ】を見つけられずに「今日タンチョウ見た?」「いや見てない・・」と言う会話を繰り返していました。こんな事は滅多になく、大体は誰かが「午前中は○○にいたよ」とか「さっき○○で見てきたよ」となるのですが、昨日は2時間心当たりを探しても見つかりません。何だか胸騒ぎがしたので午後から再度【タンチョウ】を探して動き回りました。
結局は夕方になっていつもの場所で【タンチョウ】の姿を見つけて一安心したのですが、その時にはだいぶ日も傾いてきていたので、久しぶりにタンチョウの塒り入りの時刻を確認することにしました。
前回、塒入りの観察をしたのが2009年1月4日。この日は午後4時42分に大潟村の田んぼから塒へ向かって飛び立っていきました。そして昨日の塒入りは午後5時40分。前回に比べてほぼ1時間遅くなっています。
ちなみに1月4日の日没時刻は午後4時28分で昨日の日没時刻は午後5時26分でした。やはりほぼ1時間伸びています。
整理すると・・1月4日が午後4時28分の日没時刻に対し午後4時42分に塒入り、昨日が午後5時26分の日没時刻に対し午後5時40分に塒入りしています。両日とも天候は曇りでした。これは偶然かも知れませんが、両日とも日没から14分後に塒入りをしています。
【タンチョウ】的には日没後、完全に辺りが暗闇に支配される直前に塒へ向かって飛び立っているようです。なので最近日が長くなって日没時間が遅くなってきたのでその分【タンチョウ】の行動時間も長くなっているのです。
この日の【タンチョウ】の塒入り直前の行動ですが・・・午後5時すぎに採餌場所を大きく移動して民家の近くの田んぼへ。その付近では道路工事が行われていて交通整理の方が近くにいるがそれでも構わず採餌を続けていました。5時30分になってこの日の工事が終了し、片付けが始まり【タンチョウ】の側を工事車両や人が行き来しますが全く気にする素振りを見せません。それどころか交通整理の方が自分の車に向かって歩いていくと【タンチョウ】が後を追いだしました。
暫くすると【タンチョウ】はその方の車の近くで翼を広げ、ジャンプしてダンスを始めました。短い時間でしたがまるで見送りをするかのようにダンスをしたのには驚きました。

距離もあるし、時間も時間なので見にくい写真ですが、お見送りする【タンチョウ】が写っています。この方も突然のダンスに驚いたように見ていましたが、直ぐに車に乗り込みました。すると【タンチョウ】はそそくさと移動して、その後、塒へ向かって飛び立ちました。

塒へ向かう【タンチョウ】です。カメラをいっぱいまで高感度にして流して撮影してもこれが限界でした。
それにしても”あれ”はやはり”見送り”だったのでしょうか?
仕事が終わって帰ろうか!という時に【タンチョウ】が近くでダンスを披露してくれて私を見送ってくれたら・・・と想像すると何だか幸せな気分になれそうじゃありませんか?
2009年02月24日そうだったのか・・・コガモ
秋田 足利 直哉
今朝、何気なく事務所から窓の外を眺めていたら、北へ向かうガンの群れが目に飛び込んできました。次から次と北へ向かって飛んでいく群れの行き先は大潟だろうな~と想像しながら巡視へと向かいました。
先日、巡視中に撮影した写真をフォルダに整理していたところ、【コガモ】の写真に目が止まりました。

眺めると、シャーベット状の氷の上で過ごす5羽の【コガモ】が写っているごくありふれた写真なんですが、私が気になったのは「←」を付けたオス♂の首の後ろ側というか、後頭部というのか・・・
カモのこの部分に注目するのは『ナポレオンハット』と称されるヨシガモのオス♂と豪華な羽が印象的なオシドリのオス♂でそのいずれも後頭部から首にかけてのラインに明確な”段差”があるのですが、それと同じような”段差”が【コガモ】のオス♂にもあったとは・・・

↑の写真を見ると、①②③と異なるポーズのコガモのオス♂が写っていますが私は①や②のポーズしか印象になくまさか③のようなポーズを特に気にとめてこなかったんですね・・・
改めて過去の写真を見返すとほんの1枚ですがこの様な段差が見えている【コガモ】のオス♂の写真が見つかりました。最近【コガモ】を見つけても概数のカウントだけをしてちゃんと観察していなかった事がバレバレですね・・・
それにしても・・・「こんなふうになっていたのか~?コガモ」
先日、巡視中に撮影した写真をフォルダに整理していたところ、【コガモ】の写真に目が止まりました。

眺めると、シャーベット状の氷の上で過ごす5羽の【コガモ】が写っているごくありふれた写真なんですが、私が気になったのは「←」を付けたオス♂の首の後ろ側というか、後頭部というのか・・・
カモのこの部分に注目するのは『ナポレオンハット』と称されるヨシガモのオス♂と豪華な羽が印象的なオシドリのオス♂でそのいずれも後頭部から首にかけてのラインに明確な”段差”があるのですが、それと同じような”段差”が【コガモ】のオス♂にもあったとは・・・

↑の写真を見ると、①②③と異なるポーズのコガモのオス♂が写っていますが私は①や②のポーズしか印象になくまさか③のようなポーズを特に気にとめてこなかったんですね・・・
改めて過去の写真を見返すとほんの1枚ですがこの様な段差が見えている【コガモ】のオス♂の写真が見つかりました。最近【コガモ】を見つけても概数のカウントだけをしてちゃんと観察していなかった事がバレバレですね・・・
それにしても・・・「こんなふうになっていたのか~?コガモ」
2009年02月23日一時避難中のシメ
秋田 足利 直哉
このところ週末の度に周期的な悪天候がやってくる巡り合わせの悪さがストレスが募ります。とは言っても天気の話ですからどうしようもないですし、大人しく受け入れて行かなければなりません。
そんな悪天候が続いた結果楽しい思いをする人っているのか?と思っていたら一部のバーダーは、悪天候を避けて港などに一時避難している鳥たちを観察するために出かけるのだとか・・・この週末は色々な成果もあったようです。
今日の日記は「一時避難」つながりのお話し。先日の大潟巡視の際、久しぶりに保護区内でハイイロチュウヒの雌が飛翔している姿を観察した時の事です。いつものように鋭い眼光を光らせて、低空飛行していた姿をしばし双眼鏡で追っていると急にスピードを上げました。
その眼光の先には数羽のオオジュリンがいます。明らかにその内の一羽に照準を定め襲いかかったのですが、狙われたオオジュリンは間一髪!辛うじてヨシ原の中に潜り込んで九死に一生を得たようでした。
ヨシ原の中に飛び込むようにして降りてまで追いかけがら獲物を逃してしまったハイイロチュウヒはまた低空飛行で獲物探しを再開していました。
そんな光景を観察していた私の横にある木に【シメ】の姿がありました。【シメ】もこの直前まで周囲を飛び回っていたのですが、ハイイロチュウヒの姿を見た途端、この枝に止まって動きを止めていました。【シメ】は息を潜めて、ハイイロチュウヒが遠ざかるのを待っていたようでした。
普段であれば、私との距離がこれほど近くなることは稀なのですが、天敵の襲来によって飛び回るのを止め、私のモデルのなるのをに甘んじて受け入れてくれたようでした(笑)。

ハイイロチュウヒの姿がずっと遠ざかった頃、【シメ】が辺りをキョロキョロ見渡し始めました。そして・・・

おもむろに首をかしげながら『もう大丈夫かな?』って感じで辺りを再確認した直後、勢いよく飛び去っていきました。
この時の私と【シメ】の関係は、私にとっては滅多にないくらいの至近距離でじっくりその姿を見せてくれた”モデル”さんですし、【シメ】にしてみれば捕食者たるハイイロチュウヒから身を守るために利用した”盾”のようなものだったのでしょうね??
そんな【シメ】の首をかしげた姿にハイイロチュウヒに向けた「もう大丈夫かな?」という意志と、図らずも彼の身を守った私に向けた「もう行って良い?充分撮影できた?」という”サービス”のようなものを感じてたまらなく愛おしく感じました。
そんな悪天候が続いた結果楽しい思いをする人っているのか?と思っていたら一部のバーダーは、悪天候を避けて港などに一時避難している鳥たちを観察するために出かけるのだとか・・・この週末は色々な成果もあったようです。
今日の日記は「一時避難」つながりのお話し。先日の大潟巡視の際、久しぶりに保護区内でハイイロチュウヒの雌が飛翔している姿を観察した時の事です。いつものように鋭い眼光を光らせて、低空飛行していた姿をしばし双眼鏡で追っていると急にスピードを上げました。
その眼光の先には数羽のオオジュリンがいます。明らかにその内の一羽に照準を定め襲いかかったのですが、狙われたオオジュリンは間一髪!辛うじてヨシ原の中に潜り込んで九死に一生を得たようでした。
ヨシ原の中に飛び込むようにして降りてまで追いかけがら獲物を逃してしまったハイイロチュウヒはまた低空飛行で獲物探しを再開していました。
そんな光景を観察していた私の横にある木に【シメ】の姿がありました。【シメ】もこの直前まで周囲を飛び回っていたのですが、ハイイロチュウヒの姿を見た途端、この枝に止まって動きを止めていました。【シメ】は息を潜めて、ハイイロチュウヒが遠ざかるのを待っていたようでした。
普段であれば、私との距離がこれほど近くなることは稀なのですが、天敵の襲来によって飛び回るのを止め、私のモデルのなるのをに甘んじて受け入れてくれたようでした(笑)。

ハイイロチュウヒの姿がずっと遠ざかった頃、【シメ】が辺りをキョロキョロ見渡し始めました。そして・・・

おもむろに首をかしげながら『もう大丈夫かな?』って感じで辺りを再確認した直後、勢いよく飛び去っていきました。
この時の私と【シメ】の関係は、私にとっては滅多にないくらいの至近距離でじっくりその姿を見せてくれた”モデル”さんですし、【シメ】にしてみれば捕食者たるハイイロチュウヒから身を守るために利用した”盾”のようなものだったのでしょうね??
そんな【シメ】の首をかしげた姿にハイイロチュウヒに向けた「もう大丈夫かな?」という意志と、図らずも彼の身を守った私に向けた「もう行って良い?充分撮影できた?」という”サービス”のようなものを感じてたまらなく愛おしく感じました。
2009年02月20日マガン大群れの採餌
秋田 足利 直哉
秋田自然保護官事務所では来る3月8日(日)に開催を予定している大潟草原鳥獣保護区とその周辺で行う野鳥観察会の参加者を募集しています。当日はガンの群れ、貴重な猛禽類等多くの野鳥を観察できるはずですので、ドンドンご応募下さい。
詳しくはこちらをご覧下さい。→http://c-tohoku.env.go.jp/pre_2008/0130a.html
昨日は【ヒシクイ】の群れがひしめき合って採餌している様子をお伝えしましたが、今日は【マガン】の群れが採餌している様子をお伝えしようと思います。
大潟で【マガン】の大群が見られるのは宮城県内で越冬していた群れが、北帰行を開始した直後に1回目の中継地として利用を始める2月中旬以降になるのですが、今年はその北帰行が早まっていて2月になって直ぐの頃から【マガン】の群れが観られるようになり、現在その数が増えていて、そろそろピークを迎えようとしています。
また【ヒシクイ】の群れは大潟村で越冬している群れもいて、厳冬期で積雪の増えたごく僅かな期間を除いて、普段から見ることが出来ます。特に今年は積雪も少なかったのでそのごく僅かな期間もなく、切れ目なく観察できていました。
なので、私にとって見慣れた「ガンの群れ」は【ヒシクイ】の群れであって、その大群が採餌する様子というのは、極々狭い範囲に多くの【ヒシクイ】が集まって身体が触れあうくらいの距離で落ち穂や雑草を啄んでいるというものですが、【マガン】の場合はそれとは違う傾向が見られます。

最近、たまたま同じ日に大潟で調査をしていた鳥獣保護区の管理員さんとこんなお話しをしました。
私:「宮城から来た(らしい)マガンの群れはだいぶ大きくなってきましたね?」
管理員さん:「んだがらな~でもマガンの群れはあまりくっつかねでバラバラで餌を食べでるように見えるべ?」
私:「そう言われればそうっすね!」
管理員さん:「ヒシクイだばピタッとくっついで餌を食べでで、どれが家族なんだが解らねべ?」
私:「そうっすよね?」
管理員さん:「あのマガンは家族毎に餌を食べでるのが解るもの!」
私:「おぉぉぉ~そうですよね!!」
この時の会話の様子をそのまま写真に写すのは私には無理な注文なので出来ればご自分で確かめて頂きたいのですが・・・その後、何回か巡視に行っていますがその傾向については毎回「やっぱり今日もそうだ!」という印象をもちます。
より、具体的にこの日の例で言うと・・・約3000羽の【ヒシクイ】の群れがほぼ1枚の田んぼでお互い近い距離で採餌している様子を観察した直後、別の場所で、約2800羽の【マガン】の群れが田んぼ3枚に散らばって採餌する様子を観察しています。
勿論、【ヒシクイ】の中にも距離を開けて採餌する集団がいますし、【マガン】の群れの中にはくっついてお互い近い距離で採餌している集団はいるものの「おおよその傾向」として、大潟ではそんな様子が観察されています。
詳しくはこちらをご覧下さい。→http://c-tohoku.env.go.jp/pre_2008/0130a.html
昨日は【ヒシクイ】の群れがひしめき合って採餌している様子をお伝えしましたが、今日は【マガン】の群れが採餌している様子をお伝えしようと思います。
大潟で【マガン】の大群が見られるのは宮城県内で越冬していた群れが、北帰行を開始した直後に1回目の中継地として利用を始める2月中旬以降になるのですが、今年はその北帰行が早まっていて2月になって直ぐの頃から【マガン】の群れが観られるようになり、現在その数が増えていて、そろそろピークを迎えようとしています。
また【ヒシクイ】の群れは大潟村で越冬している群れもいて、厳冬期で積雪の増えたごく僅かな期間を除いて、普段から見ることが出来ます。特に今年は積雪も少なかったのでそのごく僅かな期間もなく、切れ目なく観察できていました。
なので、私にとって見慣れた「ガンの群れ」は【ヒシクイ】の群れであって、その大群が採餌する様子というのは、極々狭い範囲に多くの【ヒシクイ】が集まって身体が触れあうくらいの距離で落ち穂や雑草を啄んでいるというものですが、【マガン】の場合はそれとは違う傾向が見られます。

最近、たまたま同じ日に大潟で調査をしていた鳥獣保護区の管理員さんとこんなお話しをしました。
私:「宮城から来た(らしい)マガンの群れはだいぶ大きくなってきましたね?」
管理員さん:「んだがらな~でもマガンの群れはあまりくっつかねでバラバラで餌を食べでるように見えるべ?」
私:「そう言われればそうっすね!」
管理員さん:「ヒシクイだばピタッとくっついで餌を食べでで、どれが家族なんだが解らねべ?」
私:「そうっすよね?」
管理員さん:「あのマガンは家族毎に餌を食べでるのが解るもの!」
私:「おぉぉぉ~そうですよね!!」
この時の会話の様子をそのまま写真に写すのは私には無理な注文なので出来ればご自分で確かめて頂きたいのですが・・・その後、何回か巡視に行っていますがその傾向については毎回「やっぱり今日もそうだ!」という印象をもちます。
より、具体的にこの日の例で言うと・・・約3000羽の【ヒシクイ】の群れがほぼ1枚の田んぼでお互い近い距離で採餌している様子を観察した直後、別の場所で、約2800羽の【マガン】の群れが田んぼ3枚に散らばって採餌する様子を観察しています。
勿論、【ヒシクイ】の中にも距離を開けて採餌する集団がいますし、【マガン】の群れの中にはくっついてお互い近い距離で採餌している集団はいるものの「おおよその傾向」として、大潟ではそんな様子が観察されています。
2009年02月19日午前=大荒れ、午後=晴れ の日の夕方
秋田 足利 直哉
東北地方環境事務所ではアクティブレンジャーの募集をしています。興味ある方はこちらをご覧下さい。
→http://c-tohoku.env.go.jp/pre_2008/0218b.html
さて、今日の日記も昨日お伝えした日と同じ日の話になってしまうのですが・・
こういった日の夕方はガン達の”関心”はいつにも増して餌を食べることに集中しているようです。
普段からガン達は食欲が旺盛で、かつこの時期は来たる繁殖地へ向けての北帰行に向けて体力を充分に蓄えねばなりませんから一日の大半を採餌に費やしています。それが、この日のように午前中天候が悪かったり、以前お話ししたときのようにヘリコプターが喧しく飛び回って思うように餌が食べられなかった日の夕方はいつもよりも食事に対する執着が強くなるのか?警戒心が若干薄れるようです。
そういう時だけは警戒心が強い【ヒシクイ】達との距離がいつもよりちょっとだけ縮まります。勿論そんな時でも見張り役は神経を尖らせていますが、それでも塒に帰るまでの限りある時間で出来るだけたくさん餌を食べられるように、逃げ去る時のGOサインを送らせているかのようでした。↓

見張り役の向こうで移動する【ヒシクイ】が見えますが直ぐにまた採餌を再開します。この見張り役もこちらを気にしながら時々足下の草を食べていました。

いつもなら採餌地には選ばないような道路際の田んぼで採餌していましたのでかなり近くで見れましたが、彼らがこれほどのリスクを冒してまでここで採餌している事情が良くわかるので、直ぐに通り抜けました。
普段の【ヒシクイ】の採餌地と言えば広い広い大潟村の田んぼの中でも道路から離れていたり、水路が近くにあって簡単に近づけないような場所を選んでいますが、この時だけは普段ではあり得ないことに、巡視で使う道路の直ぐ脇で採餌していました。のっぴきならない事情がある時はある程度リスクを冒してでも採餌を優先するようです。
皆さんがもし、道路の直ぐ脇で採餌している鳥達を見つけたら、そういった事情があるだろうな~と彼らの心情を察して速やかに通り抜けてあげて下さい。ちなみに私が立ち去った直後、【ヒシクイ】達はまた警戒を解いてそれぞれの場所で採餌を再開していました。
→http://c-tohoku.env.go.jp/pre_2008/0218b.html
さて、今日の日記も昨日お伝えした日と同じ日の話になってしまうのですが・・
こういった日の夕方はガン達の”関心”はいつにも増して餌を食べることに集中しているようです。
普段からガン達は食欲が旺盛で、かつこの時期は来たる繁殖地へ向けての北帰行に向けて体力を充分に蓄えねばなりませんから一日の大半を採餌に費やしています。それが、この日のように午前中天候が悪かったり、以前お話ししたときのようにヘリコプターが喧しく飛び回って思うように餌が食べられなかった日の夕方はいつもよりも食事に対する執着が強くなるのか?警戒心が若干薄れるようです。
そういう時だけは警戒心が強い【ヒシクイ】達との距離がいつもよりちょっとだけ縮まります。勿論そんな時でも見張り役は神経を尖らせていますが、それでも塒に帰るまでの限りある時間で出来るだけたくさん餌を食べられるように、逃げ去る時のGOサインを送らせているかのようでした。↓

見張り役の向こうで移動する【ヒシクイ】が見えますが直ぐにまた採餌を再開します。この見張り役もこちらを気にしながら時々足下の草を食べていました。

いつもなら採餌地には選ばないような道路際の田んぼで採餌していましたのでかなり近くで見れましたが、彼らがこれほどのリスクを冒してまでここで採餌している事情が良くわかるので、直ぐに通り抜けました。
普段の【ヒシクイ】の採餌地と言えば広い広い大潟村の田んぼの中でも道路から離れていたり、水路が近くにあって簡単に近づけないような場所を選んでいますが、この時だけは普段ではあり得ないことに、巡視で使う道路の直ぐ脇で採餌していました。のっぴきならない事情がある時はある程度リスクを冒してでも採餌を優先するようです。
皆さんがもし、道路の直ぐ脇で採餌している鳥達を見つけたら、そういった事情があるだろうな~と彼らの心情を察して速やかに通り抜けてあげて下さい。ちなみに私が立ち去った直後、【ヒシクイ】達はまた警戒を解いてそれぞれの場所で採餌を再開していました。


さて、そんな陽気もあって最近は野外での観察も幾分、やりやすくなってきました。
しかし、そういう時期になるとガン達が次々と北へ向かい賑やかさが徐々に薄れていってしまいます・・・。大潟の空をガンの群れが鍵になり棹になり飛んでいく光景が見られるのもあと僅かです・・・。
そんな大潟で圧倒的な存在感を見せているのが↓【オジロワシ】です。
かなり薄くなった氷の上で佇む姿は遙か向こうにいても目に飛び込んでくるほど・・・1kmくらいの距離では双眼鏡が不要なくらいです。その理由は身体が大きいだけでなく、にじみ出るオーラのようなものがあるから遙か遠くにいても見つけられるんじゃないだろうか?と思っています。ファインダー越しに目が合う(合ったような気がする?)とドキッとしちゃいますからね・・・
しかしその【オジロワシ】の姿が見られるのもあと僅かなんですね~。3月は別れの季節といいますが間もなくこの野鳥達とも、しばしのお別れです。