ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

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2009年04月22日雪解けで始動

秋田 足利 直哉

 4月はなんだかんだと忙しい日が続きます。それでも最近になってようやく”アクティブ”さを取り戻しつつあります。これから本格始動出来そうです!!
 

 森吉山麓では徐々に雪解けが進み、ブナなどの根元の雪が溶け出し地面が見える部分が現れ、徐々に広くなってきました。
 森吉山麓では動物たちが始動したようです。冬期間を堪え忍んだ動物たちにとって雪が溶けて露出した地面は待望の餌場となっているようです。

 雪解け水が音を立てて流れる滝の側では、何かを探すようにキョロキョロと地面を見る動物がいました。


 【ニホンリス】です。私に気付いて動きが止まってフリーズしましたが、少しずつ離れながら餌探し(?)を再開していました。
 まぁるい目にながぁい尻尾、ふわふわの体毛と愛らしさ満点です。おまけに仕草まで愛らしい!!


 また、日当たりが良く辺りに先駆けて雪解けが進む谷地では、小さな水芭蕉群落の中にガサゴソと動き回る動物を見つけました。水芭蕉の群落なので『熊がいたりして・・』なんて思いながら見ると本当に動く物が・・・

  大きさからして熊ではなさそうです。未だ冷たいであろう水の中に鼻~口を突っ込んで餌を探しているようです。一体何を探しているのでしょうか?
 

 【ホンドタヌキ】です。道路の近くですが現在はまだ閉鎖中なので安心しきっているのでしょうか?身を乗り出すようにして観察しても気にする素振りすら見せませんでした。


 今日紹介した動物たち以外にも色んな動物たちが始動したことでしょう!!さぁて今度はどんな動物たちに出会えるでしょうか?楽しみです!!


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2009年04月21日意外にあっさり

秋田 足利 直哉

 昨日の夕方以降冷たい強めの風が吹いて、今日の未明からの雨・・・せっかく満開になった桜には気の毒な感じがします。


 先日、大潟の西部承水路で待ちこがれた野鳥との出会いがありました。大潟草原鳥獣保護区で観察記録のあるカモのうち、私自身まだ観察したことの無かった【オカヨシガモ】との出会いです。

 「カモの観察」といえば大きな群れの中に色んな種が集まっていて、その中から数の少ない種を同定するのが難しい。というイメージがあります。実際そう言った感想を頻繁に持ちます。もしかしたらこれまでも【オカヨシガモ】が群れの中に混じっていたのかも知れませんが、確実に観察したことはありませんでした。




 しかし、この日は【オカヨシガモ】のオス♂が単独で承水路にいたので直ぐに確認する事が出来ました。待ちこがれた出会いは意外にもあっさりした形で訪れました。



 泳いでいる時にチラッと見えていた次列風切の白い羽が翼を広げると目立ちます。写真ではイマイチですが翼鏡の赤褐色もなかなかキレイな色をしていました。

 
 大潟草原鳥獣保護区での【オカヨシガモ】の観察は11月頃と4月頃に限られるようなので、ここよりも南の地方で越冬しする個体が晩秋と早春の渡りの時期に立ち寄っているようです。


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2009年04月20日カンムリカイツブリ造巣中?

秋田 足利 直哉

 秋田では市街地の桜が満開となりました。開花の日から暖かい日が続いたので満開までの時間が短くなったのかも知れません。現在桜前線は秋田県内を北上中です!!


 先週末の記事に続いて大潟の野鳥の現状をお伝えします。大潟村をぐるっと囲む承水路ではあちらこちらで、【カンムリカイツブリ】の姿を見かけます。その殆どはペアになっていて、今シーズンの繁殖にも期待が持てる状況になってきました。
 図鑑等には『青森県の一柳沼、滋賀県の琵琶湖では繁殖するものも・・・』といった解説を目にしますが、旧八郎潟でもかなりの数が繁殖しています。


 承水路ではごく普通に観察可能な【カンムリカイツブリ】のペア。この時期は

 先日、いつものように西部承水路を巡視していると、視界の端の遠くに、チラッとなにやら嘴に”長い物”をくわえている【カンムリカイツブリ】を見かけました。
 車を安全な場所に駐めて観察を始めると、やはり枯れたガマやヨシを運んで一箇所に集めているようでした。
 




 この作業はオスもメスも共同でやっていました。私が観察できたのはおよそ10分間、その後はその場所から離れて採餌を始めました。なのでこれが本当に造巣作業だったのか確信は持てませんが、どうやらそんな時期に入ったことだけは確かなようです。これからも注意して観察していこうと思います。

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2009年04月17日スズメ造巣中

秋田 足利 直哉

 通勤電車から眺めている山々の雪化粧が随分と薄化粧に変わってきました。春の日差しがメイク落としになっているのでしょうね・・これからは通勤電車の車窓も楽しくなりそうです。


 今日、大潟に巡視に出かけた際、保護区内のとある施設近くで草を運んでいる【スズメ】を見かけました。直ぐにピンと来てその場で観察を始めました。

 これを見たら観察せずにはいられませんよね??
 よく見ていると2羽の【スズメ】が忙しく入れ替わり立ち替わり巣材を運んでいたのです。


 別の【スズメ】も忙しく動き回っていました。どうやら巣をこの庇の隙間に作っているようです。この場所は施設を管理している方が出入りしていたり、学生達が建物の横を近道に使ったりしていて多少の人通りがあります。この【スズメ】夫妻はあえてこの場所を選んでのではないでしょうか??
 人間を盾にして他の外敵から自分達が営巣→抱卵→子育てなどをする期間の身の安全と、これから生まれてくる雛たちの安全のために・・・

 

 この隙間はなかなか巣を作るに充分な空間を確保できるんでしょうね?2羽が巣材を持って一緒に入って作業(?)をしている時もありました。

 巣材の調達は比較的近くで済ませる場合がほとんどでしたが、時々遠くまで行って丈の長い草を運んできていました。いくつかの巣材を組み合わせているようです。
 どれくらいの期間で巣が完成するのか解りませんが次に行く時にはきっと巣は完成していることでしょう!!これからもこの【スズメ】達の行動をお伝えしますね。

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2009年04月16日ネクタイ

秋田 足利 直哉

 昨日は久々の雨が降り、ちょっと誇りっぽく感じていた市街地に潤いが補充されたような気がします。咲き始めた花々にとっても恵みの雨になったことでしょう。


 さて、今日も野鳥の話。

 「ネクタイ」をしている。と表現される野鳥がいます。【シジュウカラ】がそうなんですが喉、前頸、胸、腹の中央部に入る黒いラインが「ネクタイ」をしているように見えることからその様に言われているようです。
 野鳥観察会などでは『黒い帽子を目深に被って、背中に黄緑色の蓑を背負って、黒いネクタイをしているのが【シジュウカラ】です。』なんて言い方をされているようです。余談ですが・・こんな表現を聞くと「そんなカッコウしている人間がいたらおかしいよな~」一人で想像して笑いを堪えています。

 話を戻して・・・実際野外で見るときにはその「ネクタイ」がよく目に付きます。また「ネクタイ」はオス♂だけでなくメス♀にも見られます。やはり野鳥観察会では『太いネクタイをしているのがオス♂で、細いネクタイをしているのがメス♀ですよ。』と説明しています。
 

 この個体は「太いネクタイ」をしているので【シジュウカラ】オス♂です。

 「ネクタイ」と言えば、普通お腹の辺りに先端があってそれより下には伸ばさないのが一般的ですが、【シジュウカラ】のネクタイはもっともっと下まで伸びています↓。 

 「ネクタイ」は尾羽にまで繋がって見えますよね?これを人間に置き換えると(←何で置き換えるんだ?って突っ込まれそうですけど・・・)お尻まで?それともつま先まで?


 また【シジュウカラ】のオス♂のネクタイは『モテポイント』でもあるのだそうです。繁殖期の【シジュウカラ】を観察して番形成を調べるとどうやら「ネクタイのより太いオス♂」がメス♀の人気が高かったのだとか・・・
 もうすぐ繁殖期です。こんな視点で観察してみるのも楽しいかも知れませんよ??

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2009年04月15日どろんこ採餌

秋田 足利 直哉

 4月も半ばとなりました。新年度がスタートして以降時間の流れが速くなってしまったんじゃないか?と感じています。
 

 西部承水路には数が少なくなったものの未だ、カモ類の姿を観察することが出来ます。この時期はオジロワシなど彼らにとって驚異となる鳥たちが少なくなったからでしょうか?それともヨシ原など身を隠す場所が豊富にあるので安心感があるのでしょうか?以前よりも我々観察者を警戒していないように感じます。

 この日も水路の浅瀬部分~泥部分にかけて数羽の【コガモ】が採餌する様子が観察できました。冬期は大きな群れで観察していた彼らも現在は10羽前後の小さな群れが大半で、かつ雌雄同数という群れが多いようです。なのでカウントも「10羽」と言うよりは「5ペア」と言った方が的確な感じもします。
 

 こちらでもペアで仲良く採餌しています。こんなに寄り添って採餌しなくても・・とちょっと妬けてくるほどです(笑)。


 こっちのペアも仲良く寄り添って採餌中。よく見るとオス♂の顔には泥がこびり付いています。余程採餌に夢中になったのでしょうか?やんちゃなオス♂だな~と思っていたらメス♀にもあちこち泥が付いていました(笑)。

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2009年04月14日道ばたの鳥

秋田 足利 直哉

 今日は秋田市内で桜の開花が宣言され、森吉山麓ではウグイスの初鳴が聞かれました。自家用車のタイヤは交換しましたし、山仲間との日常会話は冬期閉鎖道路の開通に関する話題が中心になってきました。春本番です!!


 この時期の森吉山麓は車通りも少なく、もちろん人に会うこともほとんど無く、のんびりと散策するには最高です。車窓からもマルバマンサク、キブシ、キクザキイチゲ、フキノトウ・・等の花が見られます。車で通りすぎるのも勿体ないのでちょくちょく降りて花を眺めたり、もうすぐ芽吹きを迎えそうな樹木を眺めたり・・何だか一人で見るのが申し訳ないような、勿体無いような・・(笑)





 更には、野鳥観察も道ばたが熱いんです!!周囲には一面の残雪があるのですが道路の脇は土が露出していて、その僅かな部分に野鳥たちが集まってくるのです。





 この日、最も多く観察できたのは【ホオジロ】です。その小群の中にはよく似た【カシラダカ】も混じっています。識別に注意が必要なこの2種も道ばたの限られた土が露出した場所に集まってきますし、時には彼らの方からこちらに寄ってきます(その割に写真がダメじゃん?って言われそうですが・・)。

 この他にもシジュウカラが直ぐ側の枝に止まったり、マヒワの群れが頭の上を飛んでいったり・・なんだか普段よりも野鳥たちとの距離が縮まっている感じです。
 こういった時は未だにカメラを構えるよりも、双眼鏡で除く方が多いので、なかなかこの時に感じたことを上手く記事には出来ないんですけど・・・なのでやっぱり”生”で見るのが一番です!(←言い訳ですよ!ハイ)


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2009年04月13日アオサギのコロニー

秋田 足利 直哉

 秋田市内では梅の花が満開となりました。沿岸地域からは桜の開花便りも聞かれるようになりました。今度の週末は各地で”お花見”の賑わいが見られるでしょう!!


 大潟で”賑わい”を見せているのが管理棟から観察できる『アオサギのコロニー』です。
 先週末の段階で巣の数は3桁に達していて、そのほとんどで現在抱卵中です。抱卵中の【アオサギ】は巣の上で伏せているので、巣の中の様子はなかなか把握できないのですが(写真1枚目)、時々ハシボソガラスが近づいてきたり、トビがコロニーの上を旋回すると警戒して立ち上がること有ります(写真2枚目)。その時に運良く強めの風が吹いたりすると松の木が揺れて巣の中の様子が見える時があります。その瞬間を撮影するのは難しいのですが、スコープで観察するのは可能です。先日もちょうど立ち上がったときに松の木が揺れて巣の中に青っぽい卵が確認できました。


 コロニーの中の巣の過密部分を撮影していますが巣の上で伏せていてその雰囲気がイマイチ伝わらないかも知れません・・。


 この時はコロニーの上を数羽のハシボソガラスが飛び回り、巣の上の【アオサギ】が立ち上がりました。中には立ち上がらない個体もいますが、過密状態が分かるかと思います。

 【アオサギ】の抱卵期間はおよそ25日から28日だそうです。現在抱卵を初めておよそ10日前後が経過しました。順調にいけば4月末~5月上旬のゴールデンウィーク頃にはコロニーの巣の上に雛の姿を観察すると事が出来ると思います。楽しみですね~!!


 ところで・・・抱卵しているのは一つの巣に一羽の【アオサギ】ですが、「じゃぁそれ以外の【アオサギ】はどうしているのか?」気になりませんか??
 いつも必ずこうしている、という訳ではありませんが、大潟ではこの様な光景が見られます↓。


 一見すると水辺の周りに枯れヨシが広がる光景に見えますが、よーーく目をこらして(写真をクリックすると拡大されます。)ご覧下さい!

 ちょっと背の低い枯れ草(ヒメガマ)の中にたくさんの【アオサギ】がいます。一体何羽いるのでしょうか?ここには繁殖にはまだ参加しない若い個体もいますが、大半の個体には嘴などに繁殖期の特徴が見えます。
 
 野鳥の観察をしていると採餌中、羽繕い中、水浴び中など何かしら意図を感じる行動を目にすることが多いのですが、【アオサギ】をはじめとするサギ類からはその意図を感じないこと(私だけでしょうか?)も多く、ここにいる【アオサギ】の集団も「何をするわけでもなくただ集まって突っ立っている」ように見えてしまいます。

 それが【アオサギ】らしさの一部であることは確かですが、このボーッと過ごしているように見える彼らは一体何をしているのでしょうか?直ぐ近くで一生懸命抱卵している【アオサギ】の目には彼らの行動がどの様に写っているのでしょうか?


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2009年04月10日雲の名は?

秋田 足利 直哉

 今日の午後森吉から戻ってくる時にふと見た道路の気温計は「20℃」と表記されていました。沿岸地方は風が強かったせいか今日はいつもとは逆に内陸部の方が気温が上がりました。


 そんな暖かい日に外で過ごすのは仕事とはいえ気分の良いものですが、今日などは周りには人間の気配は全くなく、ここの眺めも、空気も全部独り占め!!楽しく過ごすことが出来ました。

 その巡視中、気分良く見上げた空を切り取った写真↓です。

 ドアップ過ぎて解りにくいですね。続いてひいて撮った写真です↓。


 これが富士山のような山に掛かっていれば「笠雲」みたいになる雲なんでしょうか?でも中央に雲のない(?)部分がリング上に広がっていました。

 どういった過程で出来上がった雲だったのでしょうか?名前はなんというのでしょうか?なんとも不思議な雲でした。今も気になってます・・・。




 頭の中が???マークだらけの私の上を【ノスリ】がすーっと飛んでいきました。「どうせなら頭の上の???を切り裂いてくれればいいのに!」と思いましたが、【ノスリ】は雲を眺めて考え込む私を尻目に気持ちよさそうに遠くへ飛んでいきました。


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2009年04月09日抱卵中

秋田 足利 直哉

 「春に三日の晴れは無し」と言われますが、このところ気持ちの良い陽気が三日以上続いています。今日の秋田もやや霞がかっているようですが青空が広がり、柔らかな日差しが降り注いでいます。晴れの連続はまだ止まりません!


 今日はそんな日差しの中で観察した、抱卵中の野鳥の様子をお伝えします。


 抱卵中の【ハシボソガラス】です。巣が深いのか?尾羽と頭頂部と嘴が辛うじて確認できるくらいです。

 この木にトビが止まった時も、チョウゲンボウが止まった時も、この【ハシボソガラス】は微動だにせず、卵を暖め続けていました。
 抱卵開始から既に1週間以上は経過している模様・・。そうなると雛が孵るのは・・ふむふむ。



 抱卵中の【トビ】です。この巣は数年を経過している様子でだいぶ崩れかけています。その上で抱卵中の【トビ】がかなり警戒しているのが解ったので、撮影後直ぐに立ち去りました。お邪魔してスミマセン。

 しかしこの時、巣の周りではアトリやスズメがうろちょろとしていたのですが、そちらはノーマークの様子。警戒すべき相手というのがハッキリしているのでしょうね?
 こちらはまだ抱卵を初めて数日しか経っていない模様です。雛が見られるのはいつ頃になるでしょうかね?

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