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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

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2009年05月14日蛙の産卵

秋田 足利 直哉

 現在は野生鳥類の保護週間である愛鳥週間(バードウィーク)の期間内にあります(5月10日から16日)。ですが・・この期間に入った途端どういうわけかいつもは野鳥の話題を取り上げる私の日記に野鳥以外の話題が続くようになってしまいました。特に意図はないのですが・・・そして今日も・・


 現在、森吉の森の中では様々な命の営みが見られます。今日はその中から【ヤマアカガエル】の産卵を取り上げます。

 人気の桃洞滝へ向かう歩道沿いには多くの水辺、池が有るのですが、この時期は豊富な雪解け水も加わり、いつもより多く、広い水辺や水たまりが見られます。その水辺で【ヤマアカガエル】が産卵している場面に出会うことが出来ました。
 これまでは、池に産み落とされた卵を後から見ることしか出来ずにいましたが、今年は運が良いみたいです!!


 今。産み落とされたばかりの卵。透明感もあり見た目からも新鮮なのが解ります(当たり前ですが・・・笑)。


 この卵を産み落としていた【ヤマアカガエル】の夫婦です。我々が通りかかったので産卵を一時中断しちゃいました。悪いことしちゃいました・・・(ゴメンナサイ)


 この様な卵はいくつかの池で見られましたが、それがことごとく夏でも枯れずに水がある池でした。彼らはその池が夏でも枯れないことを知っているのです!!どうやって見定めているのでしょうか?


 数日後、同じ池の前を通ったので卵の様子をうかがってみました。随分と大量の卵を産み落としたものですね?

 この数日間でやや濁りが出てきていたように感じられました。卵が数日の間に成長しているのでしょうか?それとも卵の鮮度を保つのは蛙の卵であっても難しいのでしょうかね??

 ちなみにこの時、池の周囲に【ヤマアカガエル】の姿を見ることが出来ませんでした。この種は早春に繁殖行動をするため、産卵後に休眠(春眠)する習性があるのだとか・・・もしかしてこの【ヤマアカガエル】も今頃、子供達がスクスクと成長する夢でも見ているのでしょうか?


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2009年05月13日狸寝入り

秋田 足利 直哉

 今日は朝から気持ちよく晴れた一日になりました。未明までの雨は芽吹いたばかりの木々、草花にとって恵みの雨となることでしょう。こんな日には動物や野鳥たちの動きも活発になります。


 さて、普段の巡視中は常に『動くもの』に注意を払って行動しています。野鳥であったり、昆虫であったり、動物たちであったりするわけですが、そんな彼らが動かずにじっとしていたらなかなか見つけるのが困難ですよね?かといって、枝に同化したようなヨタカなどの話をしているのではなく、道路の直ぐ側でじっとしていた【ホンドタヌキ】の話です。
 正に『灯台もと暗し』でした。遠くの野鳥たちに集中するあまり、道路からほんの3~4m程の距離にいたのに、通り過ぎてしまいました。それでもすれ違いざま(?)なんとなく違和感を覚えて、茶色い大きな塊に目を向けると・・目の前にはこんな光景が・・



 皆さんこの画像を見てどう思います??『タヌキが寝ている』それとも『タヌキが死・・・』でしょうか?
 私は、初め『なんでこんなところに寝てるんだ?』と思い『でもこれはチャンスかも?』と思い直ぐ側で数枚撮影したのですが、どうも『身体が全く動いてないのでは?』と思えてきて注意して確認しても呼吸するときの微妙な動きもあるような無いような?・・・試しに声を出してみても一向に動く気配がありません・・・
 もしかして『死んでる?』と思いはじめて・・・まずは確認しなきゃな!と思って車から降りた途端!!



 ムクッと立ち上がってスタコラサッサ~と歩いていきました。ということは・・『えぇぇぇ~~~狸寝入りだったのかよ!!』

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2009年05月12日雨の日のツバメ

秋田 足利 直哉

 秋田自然保護官事務所では今度の週末、17日(日)に大潟草原鳥獣保護区内に於いて野鳥観察会を実施いたします。今日現在参加者の定員まで若干の余裕があります。もしかしたらオオ○○○も見られるかも知れません!!今からでもまだ間に合います。是非お申し込み下さい。
 詳しくはこちら→http://c-tohoku.env.go.jp/to_2009/0430b.html


 昨日の大潟草原は雨でした。野鳥達も久しぶりの雨にちょっと憂鬱そうにしていました。特に抱卵中・育雛中の野鳥たちは卵や雛を雨に濡らさないようにと、翼を広げ気味にして巣の上でじっと耐える姿はいじらしくもありました。

 雨の日に特に目に付きやすくなる野鳥といえば【ツバメ】が挙げられます。いつもは上空をびゅんびゅん飛び交い、水面に向かって降下して、水面すれすれを飛び回る姿を当たり前のように見ていますが、一度雨が降ると、低空を飛び交い、車を止めて観察していると窓の直ぐ側を飛びすぎる事も度々です。
 また雨の日はいつもよりも羽を休める時間が長くなるようです。もちろん私の個人的な印象でしかありませんが、晴れの日に電線でくつろぐ時間よりも雨の日に低木やヨシの上で羽繕いする時間の方が長いように感じます。



 この時は承水路の巡視中にふと反対側の田んぼにいるシギが目にとまり、車を止めて観察していたのですが、水路側になにやら気配を感じたので目をやると数羽の【ツバメ】が枯れヨシの上で羽繕いしていました。

 保護区内では、普段なかなかゆっくり【ツバメ】を観察する機会はないのですがこの時は運良く直ぐ側のヨシに止まってくれたのでじっくり観察することが出来ました。



 この【ツバメ】は背中や胸の辺りを念入りに羽繕いしていました。雨の降る中、時間を掛けて羽繕いしたので翼に雨のしずくがたくさん付いてしまったのでしょうね?その場で勢いよく翼をばたつかせた時に飛び散った飛沫の多かったこと・・・この直後、仲間の【ツバメ】と共に飛び去っていきました。


 時々『雨の日は野鳥観察は出来ないでしょう?』といわれます。確かに望遠鏡類も使いにくくなるし、雨自体がスクリーンのようになって観察はしにくいことが多いのですが、今日紹介した【ツバメ】のように雨の日こそ観察しやすい野鳥もいるんですよね!



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2009年05月11日山笑う

秋田 足利 直哉

 晴天続きのGWから一転、雨の週明けとなりました。市街地の緑も日に日に色濃くなってきていたので、この雨でより鮮やかになっていくのかも知れません。


 さて・・現在、森吉山麓は、目にも鮮やかな正に『山笑う』絶好の光景が広がっています。



 こんな光景を眺めながら本当に気分良く、森吉山野生鳥獣センターのあるエリアまで仕事に向かうと途中からまだ山が笑い始めていない、これから徐々に微笑みだして行くであろう光景へと変わっていきます。

 つまりそれはブナなどの芽吹きが”今まさに”繰り広げられているということ!!!なかなかブナの芽吹きなんて目の当たりにする機会も少ないものですよね??



 今がチャンスですよ!!ここ数日中に森吉山麓高原へ足を運べば、必ずや『芽吹き』を目にすることが出来るはずです。どうですか?行ってみたくはなりませんか??


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2009年05月08日巣穴をめぐる争い

秋田 足利 直哉

 まだGWが続いている方もいらっしゃるかと思いますが、皆さんいかがお過ごしになりましたでしょうか?今年は高速料金の関係で東北まで足を伸ばされた方も多かったのかな?と思っていますが、どうだったのでしょうか?


 なんだかこのサイトに記事を書くのも随分と久しぶりに感じます。この観察機会の豊富な時期にもったいない時間のロスだったかも知れません。なんとか少しずつ挽回できるように書いていきますのでこれからもお付き合い下さい。

 さて、今日は大潟にある、とある枯木に開けられた穴について。この穴は状況から見て「アカゲラが今年の繁殖用に」という意図で開けたんじゃないかな?と思われるものです。昨年にこの場所に穴はありませんでしたし、木の断面の様子から見てもまだ新しい物なのは間違いありません。
 
 しかし、その穴を使おうとしているのは当のアカゲラではなく(だけではなく)、とっても人気のある優良物件のようです。


 まずは、【コムクドリ】がこの穴とその周囲の様子を盛んにうかがっているようでした。しかし周りにいる他の【コムクドリ】やムクドリ等が気になって落ち着かないようです。


 続いてやって来たのは、遠くで鳴き声を上げていながらなかなか近づいてこなかった【アリスイ】でした。穴の出入り口付近で周囲の様子をうかがったり、中に入って居心地を確認したりしているようでした。


 一番この穴に興味を持っていそうなのが【スズメ】です。追いかけっこをする【コムクドリ】等を尻目に何度も穴にやってきては出入り口で様子をうかがったり、中に入っては木屑を穴の外に出したり積極的でした。

 写真にはありませんが【ムクドリ】もこの穴を狙っているのが解りました。もちろん穴を開けたであろう等の【アカゲラ】もここを繁殖場所として考えていることでしょう。この一つの「穴」を巡る争い、駆け引きは今頃どうなっているのでしょうか?

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2009年04月30日サギのコロニー襲撃事件

秋田 足利 直哉

 毎年繰り返す失敗ですが、この時期の紫外線をなめてかかると大変な目に遭いますね・・・今日は顔がヒリヒリしています。野外で活動される方は日除け、紫外線対策は必須です!!


 え~~、ちょっと前の話ですが・・・大潟の管理棟で観察していると、沢山の野鳥たちが保護区の上空を乱舞しているのが見えました。「またチュウヒが現れてカモが逃げ回っているのかな?」と思ったのですが、実際は【ゴイサギ】と【アオサギ】がコロニー周辺を鳴きながら飛び回っているのでした。↓見えにくいかも知れませんが松林の上に散らばる黒い点々が【ゴイサギ】と【アオサギ】です。



 この時期は【ゴイサギ】が造巣に取りかかっていて、【アオサギ】は抱卵中でしかも間もなく孵化を迎えるという時期でした。



 そんな大切な時期に【アオサギ】が巣を離れて飛び回るなんて”異常事態”です。何があったんだろう?と注視しても原因が良くわかりませんでした。

 しかし、別の場所で「もしかして・・?」という証拠が見つかりました。その光景は凄惨なものだったので自粛してその一部だけを掲載しました。



 【アオサギ】の卵です。キレイな色をしています。しかし、残念なことにそんな事を言っている状況でも無いんです・・・
 コロニーのほど近くに、アオサギの卵が大量(20個以上)に落ちていました・・・。それはいわゆる”殻”ではなく中身の入った状態の物で、中には中身が飛び散った物も多く見られました。
 この状況から想像するに「サギのコロニー」を何者かが集団で襲い、その巣から卵を大量にさらって来た『サギのコロニー襲撃事件』があったようです。

 犯人は何者か?抱卵中の【アオサギ】が巣を離れてしまうほどの存在で・・大量の卵を奪ってくる組織力があって・・なんとなく犯人像が見えてきましたね?

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2009年04月28日ペリットを吐く

秋田 足利 直哉

 今日は朝から気持ちの良い快晴となっています。気温はそれほど高くはないのですが昨日までの冷たい雨から思うと・・・昨日までには高い山で雪のような、みぞれのような雨が降ったとか・・お出かけの際には充分お気をつけ下さい。
 

 さて、現在、大潟のとある場所で抱卵中の【トビ】がいるので、立ち寄って観察を続けているのですが、先日その巣の側に1羽の【トビ】がいました。
 暫くするとその【トビ】はしきりに口を開ける動作を繰り返します。口の中には舌もハッキリと確認できます。最初はあくびかな?と思ったのですが、何度も繰り返すし、見た感じはあくびというよりはおう吐感に襲われているのか?と思うような感じになってきました。



 次第にそのおう吐感は激しくなってきて、もがくように下を向いて苦しそうにしています。すると・・・





 【トビ】の口の中に何かの塊が見えます。そうです、この【トビ】は『ペリット』を吐き出そうとしていたのです。
 実はペリットを吐き出す瞬間を見たのは初めての経験でした。途中から「もしかしてこれって・・・」と思い、双眼鏡をカメラに持ち替えて観察をしたのですが、この次のシーンは逃してしまいました・・・。実に私らしいとお笑い下さい。しかし私には見えていました。ファインダー越しに、落下していく黒っぽい物体が・・・

 初めは普通の姿勢のまま、まるであくびでもするように何度も何度も口を開け、そのうち頭を動かして更に口を大きく開けておう吐状態に・・ペリットを吐き出す時には身体が震えたように見えました。

 この後、ペリットを採取したい欲求に駆られましたが、直ぐ側には抱卵中の別個体がいますから余計な刺激は与えないように、それは自重しました。本音をいうと興味津々なのですが・・・(苦笑)


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2009年04月27日桜にスズメ

秋田 足利 直哉

 週末から冷たい雨が続いています。桜の咲く頃には「花冷え」と呼ばれる寒い日があるのが常ですが、こうも続くと体調にも影響しますよね?


 さて、そんな天気ですが先週巡視で行った、桜咲く南の池公園での観察から・・。
 満開の桜には先日お伝えした、ヒヨドリ以外にも多くの野鳥たちがやってきます。今日はその中から【スズメ】を取り上げました。
 【スズメ】達は小集団で他の鳥たちとの距離を保ちながら、自分達が安心して食べられる桜の木を選びながら採餌しているようでした。特にヒヨドリには警戒しているようで、彼らが喧しく鳴き声を上げて飛び回ると一斉に地面に降りて、ほとぼりが冷めるの待ち、1羽が先発して桜の飛びつくと他の【スズメ】も一斉に飛びついて採餌を始めます。



 【スズメ】達が採餌を始めると、その辺りからひらひらと桜の花びらが散ってきます。次から次へと飛び回って花びらに小さな身体が触れているのかな?と思っていましたが、どうやら違っていたようです。



 【スズメ】の桜を食べるスタイルは花を丸ごとちぎって食べる。というもののようで、その時激しくちぎられた桜から花びらが落ちていっているようでした。↑の写真では花ごと引きちぎっている様子がお分かりになるかと思います。

 確かに【スズメ】の短い嘴ではヒヨドリの様に鼻の奥にある花密を吸い出すのは難しいでしょうし、短いながらも太めの嘴では引きちぎるのに適しているのかも知れません。
 同じ物を食べるにしても、鳥の種類が違えばその食べ方まで違うという当たり前のことを目の当たりにした観察でした。

 

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2009年04月24日桜にヒヨドリ

秋田 足利 直哉

 今日現在、大潟村内の南の池公園や菜の花ロードの桜は満開の見頃となっています。天気が良かったので公園でお弁当を広げる御夫婦や桜の下で記念撮影するグループが見られました。
 私も記念撮影を頼まれシャッターを押しましたがこういう時なんだかいつも緊張してしまいます。


 さて、今日の日記の写真は全く緊張などせず、むしろ楽しんで撮影してきました。何しろ桜には【ヒヨドリ】が沢山いますから、シャッターチャンスも溢れてます。私も【ヒヨドリ】も緊張感がまるでないものだからお互いリラックスして、お互いの仕事をこなしているといった雰囲気であったろうと思われます。
 この時はいったい何羽の【ヒヨドリ】がいたでしょうか?両手では足りません・・普段は一度にこんな数の観察なんて記憶にありません。余程桜の花密がだいすきなんですね?


 周りにいた【ヒヨドリ】を追い払ってこの場所を確保した、【ヒヨドリ】はいよいよ大好きな花密に嘴を伸ばしました。この後、何度も何度も桜の花に嘴をつっこんでいました。


 嘴を除いた瞬間を狙ってシャッターを押しました。案の定嘴に花粉がくっついていました。大トリミングでご覧下さい。


 今日は私も公園のベンチで弁当を広げて桜に来る野鳥たちを観察していました。やって来たのは(偶然止まったであろう野鳥も含めて・・)ヒヨドリ・スズメ・ムクドリ・コムクドリ・モズ・ハシボソガラス等など。常連達ばかりでしたが桜との組み合わせだと何だかいつもと違った雰囲気に見えるから不思議です。
 お花見のついでに、そこにやってくる野鳥たちの観察も楽しいものですよ!!



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2009年04月23日マヒワの採餌

秋田 足利 直哉

 昨日の朝くらいから喉が痛いんです。風邪のひき初めのようです・・・せっかくアクティブさを取り戻したというのにこのていたらく・・・。イカンですよ!!拗らせる前に治さないと・・・


 さて、こんな時は元気な野鳥たちの記事を書いて自分で勝手に元気を出していこうということで(←どういうことだ?)、森吉山麓を歩いていると大きな集団で忙しく飛び回っている【マヒワ】を取り上げようと思います。
 現在、森吉でチュイーンと言う感じの澄んだ鳴き声がたくさん聞こえてきたら、多分近くに【マヒワ】の群れがいるのではないでしょうか?この日もその鳴き声が聞こえたので立ち止まって観察すると、集団で道路の上、低木、高木、土の上・・と忙しく動き回りながら採餌している様子が観察できました。


 道路の上で採餌する【マヒワ】の群れ。
 

 低木に鈴なりになって採餌する【マヒワ】の群れ。

 私がいなければもっと落ち着いて、腰を据えて(?)採餌するのかも知れませんが、これほど忙しく動き回っていたら、少しずつ色んな食材にありつけそうですね?もしかしてそんな計算が働いているなんてことはないかな?いずれにしてもあの元気さは見習いたいものです。


 最後に可愛らしい【マヒワ】メス♀の画像です。なんだかとっても癒される気がするのは私だけでしょうか?


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