ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

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2010年06月16日聞こえたら条件反射

秋田 足利 直哉

 今日で秋田を含む東北北部が梅雨入りしたと見られると気象庁から発表されました。昨晩からムシムシとした中、雨が降り始め今日は朝から本降りです。いよいよ本格的な雨のシーズンです。



 そんな日ですが、写真は青空の下での写真。しかも”上を見上げる”お話しです。凹むことがあったらやっぱり上を見る必要がありますからね・・・(苦笑)


 では先ずは質問から・・
 皆さん外を歩いていて何処からか『ピーヒョロー ピーヒョロロー』という鳴き声が聞こえてきたら「トビが上空で輪を描きながら飛んでいる光景」を浮かべて反射的に空を見上げますよね?また森の中を歩いていて何処からか『コンコンコンコン・・』と連続した打突音が聞こえてきたら「キツツキが樹を突いている光景」を浮かべて反射的に木の幹にその姿を探しますよね?
 では、大潟村のような開けた地域で郊外の公園のような場所を歩いていて『ジェーッジェーッジェー・・』と濁った【オオジシギ】の鳴き声が聞こえたら皆さんは何処にその姿を探しますか??

















 お分かりですよね??そう此処です!ここ。


 「電柱のてっぺん」です。ちょっと見上げた先で盛んに鳴き声をあげていました。



 しかしそんな最中も上空への警戒は怠りません。この眼は本当に視野が広そうですね・・・私も明らかにガン見されている自覚がありましたから・・。

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2010年06月15日【実施報告】 自然観察会 『深緑のブナ林を散策・桃洞滝を訪ねる』

秋田 足利 直哉

 今日の秋田は気持ちの良い爽やかな青空が広がっています。言うならば・・・”ジャパンブルー”でしょうか?あの国から続いている空の下、晴れ晴れとした一日でした。



 さて、今日の日記は週末に森吉で実施した自然観察会の様子をお伝えします。この日も晴天に恵まれ絶好の観察会日和でした。
 今期から森吉の観察会では多くの関係機関にお願いをして広報により一層の力を入れているのですが、その甲斐あって(?)45名もの方々にご参加いただきました。しかも大半が初めて参加されるから方で、そのうち約半分が初めて桃洞滝を見るという方々でした。

 参加者の皆さんも大きな期待を胸に参加してくれていますので私たちスタッフも出来る限りの対応を心がけました。一つ難を挙げるとすれば・・・講師のひとりが私だったと言うことでしょうか?他の講師は長年この山域を歩いてきたベテラン揃いで、イロイロと面白い話や為になる話をしていたそうです。




 この時期、森の中には観察対象が溢れんばかりに存在しています。講師陣はそれを見つける事に立ち止まってお話しをしていきます。
 参加者もイロイロと質問したり、写真を撮ったり・・和やかな雰囲気で歩を進めていきました。


 予定時刻に目的地の桃洞滝に到着です。皆さん写真に納めたり、手を合わせたり、思い思いに滝との対面を楽しんでいました。


 爽やかな風が通る渓谷と、深緑へと深みを増した森の中を歩いて、清冽な湧き水と心地良い空気、更に知識も吸収していただいて観察会を締める事が出来ました。ご参加下さいました皆さんありがとうございました。またのご参加をお待ちいたしております。講師の皆さんお疲れ様でした。



 ※今日の日記は、事務所の保護官が撮影した写真でお伝えしました。私は講師をしていて撮影が出来なかったので・・・


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2010年06月14日ひとりで出来た

秋田 足利 直哉

 東北南部まで「梅雨入りしたとみられる」そうです。秋田など東北北部は未だ梅雨入りせず・・・。今日も蒸し暑い日となっています。


 こんな日の野外での調査はかなり堪えるのですが、野生生物たちの命の営みに触れるとそれも何処かへ飛んでしまいます。今日は保護区内にあって継続して観察している【トビ】の巣の様子をお伝えします。

 巣の上では2羽の雛が随分と大きくなっていて、体のサイズだけ見れば一人前になりつつあります。巣の上での動きも徐々に活発になってきていて、この頃は羽を広げたりバタつかせたりといった動きを見せるようになりました。
 しかしながら、その翼はまだまだ未熟で、特に風切はやっと伸び始めたばかり・・・羽ばたきの練習までにはもう少し時間が掛かりそうです。


 ちょっと解りにくいかも知れませんが・・・2羽の雛が巣の上で翼を動かしています。まだまだ幼羽が目立ち、厚ぼったくも感じますが確実に成長しているのが見て取れます。


 また、その上で歩き回る様子も確認できるようになりました。この日は1羽の雛が巣の端まできてお尻を巣の外へと向けました。


 成鳥でも同じようなポーズが見られますが、これはもう間違いありません!次の瞬間・・・


 やっぱり!!
 予想通り、白い液状の物体が舞っていきました。巣の上の雛はもう自分で糞を巣の外へ落とすことを覚えたようです。

 こうして限られた環境でも確実に成長し【トビ】らしさを身につけているようです。巣立ちの日が直ぐそこまで迫ってきていますね。楽しみ^^です。

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2010年06月11日キセキレイの親心

秋田 足利 直哉

 カレンダーによると今日は雑節の「入梅」です。確かに今日の空は陽が差して夏を思わせる陽気でしたが、ぼんやりとしていて見通しが利かず何処か梅雨を思わせる空模様でした。


 さて・・・
 森吉でのこと、施設の点検をしていると私の近くに1羽の【キセキレイ】がやって来ました。どうやらそこは普段から餌場として利用しているようで、私がいてもお構いなし!!餌集めに奔走していました。


 こんなに咥えているのにまだ餌集めを止めようとしません。沢山咥えすぎて前方視界が悪いと思われますがまだまだ止めません。嘴の限界まで集めるつもりでしょうか?


 さらに咥えようとします。きっと巣には沢山の雛たちが待っているのでしょう。ちょっとやそっとの餌では間に合わないのかも知れません。

 巣で餌を待つ自分の雛たちに出来るだけ多くの餌を届けようとする【キセキレイ】の親心に触れた観察でした。
 間もなく森吉でも巣立ちの季節を迎えます。それまで一生懸命に雛を育てる親鳥達を見守りたいと思います。

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2010年06月10日ケリの親心

秋田 足利 直哉

 今日10日は「時の記念日」です。日本で初めて水時計が時を刻んだ事に由来する記念日です。時は金なりとも申します、ジッとしていても時は過ぎていきます。有意義な時間を多く過ごしたいものです。
 ところで・・このところ日記のアップが遅れがちでスミマセン。「最近書いてないの?」なんて聞かれもしますが、ちゃんと書いてますよ。これからも出来る限り書いていきますのでよろしくお願いいたします。でも観察会や写真展の告知やPRをすると遅れる傾向が強いようで・・実はかなり凹んでいたりします。




 さて気を取り直して・・・
 大潟でのこと。いつもの調査のポイントに来たので車を止めて、調査に向かうと直ぐに激しい鳴き声が私に向けられたのが解りました。直ぐ近くには・・


 【ケリ】の成鳥がいました。
 この時期としては「良くあること」なので直ぐに私も何が起きているのか理解して車へ引き返しました。それにしてもこの【ケリ】鳴き声だけではなく顔や態度まで私を激しく威嚇しているようですね?此処までする理由は・・・


 私と激しく威嚇する親鳥の間には巣立ちしたばかりと思われる幼い【ケリ】がいました。


 そしてその直ぐ側にもう一羽。大きさは1人前ですが外見から一目で巣立ち雛とわかります。

 この状況では【ケリ】の親鳥に全身で威嚇されても文句は言えません。速やかに移動しました。
 そろそろ色んな野鳥達が巣立ちを迎える頃となってきました。もしそんな巣立ち雛を見つけても決して触ったり、拾ったりせずにそっと離れて見守ってあげて下さい。直ぐ近くに親鳥がいるはずですから!!




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2010年06月09日時計回りのカンムリカイツブリ

秋田 足利 直哉

 今日の秋田県内はぐんぐんと気温が上がり夏日となりました。まだ「梅雨」が来る前から通り越して「夏」がやって来た感じです。


 今、西部承水路で最も多く見られるのは【カンムリカイツブリ】です。身体も大きく見つけやすい上に”いつもいる場所”も決まっているのでついつい観察機会も多くなります。

 先日、いつもの場所に2羽の【カンムリカイツブリ】を見つけました。さっきまで盛んに潜水していたのに急に休憩モードになり、羽繕いを始めました。するとその流れで”頭掻き”をしていたのですが・・・







 連続で撮影したものをくっつけてみました。最後の写真は頭掻きが終わって気持ちよさそうに背伸びをしている写真です。
 その直前までの頭掻きは右足を挙げて色んな場所を掻きまくっています。左足はと言うと広げてバランスをとっているようです。それにしても随分と力を入れて頭掻きしたものです。力が入りすぎて自分の体が回転していました(笑)

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2010年06月08日芽生え

秋田 足利 直哉

 今日の東北は気持ちよく晴天が広がり、本当に”気持ちいい”日でした。いよいよ半袖が心地よいと感じられる季節の到来です!!



 さて、良く晴れた日。森吉の森で小さな小さなブナの木を見つけました。


 芽生えて間もない、生まれたばかりのブナの木です。双葉を広げ、本葉となる芽が未だ見ぬ空へと向かって一生懸命に背伸びをしているところでした!!

 昨年、森吉のブナの実りは決して良いわけではなく、「一応なるにはなったけど・・・」という程度でした。それでもその前年は全くと言っていいくらい実りが無かったので、地元の方々は「まぁ良いほうだべ?」と言ってました。
 実際、森の中ではブナの木に熊棚が見られ、秋には登山道でブナの実が散見できていました。そんな実の中から動物にも野鳥にも昆虫にも食べられずに冬を越して、春に芽生えたこのブナの木の逞しさには感動を覚えます。この強さにあやかりたいと思うのは私だけではないはず!!

 現在、私の中にも小さな”やる気”が芽生えていますから、このブナの木に負けないように伸ばしていきたいと思っています。皆さんの心にも”芽生え”はありますか?

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2010年06月07日最後の反撃に遭うチュウサギ

秋田 足利 直哉

 時間の流れが速い!と感じる今日この頃。自分の爪や髪の毛の伸びも早いなぁと感じてしまいます。まだ6月になったばかりかと思っていたけど・・・もう来月の準備もしなくては!



 こんな時はサギ達の動きを見て勝手に癒されちゃおう!と思って^^ 【チュウサギ】を取り上げました。

 水辺に佇むサギの姿って何とも言えない穏やかさがあって癒されますよね?ダイサギや【チュウサギ】が餌を探してじっくりと構えている様子を見ると特に感じます。
 先日、承水路で調査していると近くの田んぼに【チュウサギ】がいました。そのうち大きな獲物を捕らえました。どうやら大型のドジョウのようでしたが必死に抵抗して【チュウサギ】の嘴にまとわりつくものだから少々困惑している様子が見て取れ、面白そうだったのでじっくり観察させて貰いました。



 上から・・・
 ①大きな獲物を捕らえました。
 ②嘴にまとわりついて抵抗しています。
 ③獲物は大型のドジョウのようです。
 ④あまりに抵抗が激しいので安全策をとって畦道へ!


 ⑤もう良いかな?と思って咥えるとまた抵抗される・・・
 ⑥仕方なく畦の上にドジョウを放置して弱るのを待ちます。
 ⑦更に弱ったので、食べる前に水洗いをしました。
 ⑧ドジョウも最後の力を振り絞って必死の抵抗を見せるも・・・


 あえなく、大口を開けた【チュウサギ】の体内へと消えていきました。
 

 大きなドジョウが嘴にまとわりつくのを嫌って激しく首を振って払い避けようとしますが、ドジョウは思うように離れてくれません。
 すると【チュウサギ】は畦の上でドジョウを弱らせる作戦に変更。何度か食べようと試みますがその都度激しく抵抗するので、また畦の上に戻すというのを繰り返し・・・・。
 とうとう弱ったドジョウを食べようと、その前に畦の草や泥で汚れていたので【チュウサギ】は水洗いを!!
 そして最後には・・・


 【チュウサギ】の食事は基本的に”丸呑み”です。捕らえた獲物が大型でも丸呑み出来る状態に持って行きます。その為の動きには緻密な”計算”も働いているようです。
 癒しを与えてくれそうな動きをする【チュウサギ】の中にしたたかな戦略を見たような気がした観察でした。もしかしてあのジーーーっと佇んでいるのも戦略の一つ??

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2010年06月04日アクティブレンジャー写真展 in 森吉山ダム広報館

秋田 足利 直哉

 数日前の日記で、「各地のパンフレットを見る機会があった」、「東北のAR仲間の写真を見る機会があった」と書いてきましたが・・・既にお分かりの通り、森吉山野生鳥獣センターと森吉山ダム広報館にて東北アクティブレンジャー写真展を開催しています。
 「写真」はその準備の為に見ていましたし、「パンフレット」は写真展に来られて、他の場所にも行ってみたい!と興味を持たれた方の為に各所管地や関係自治体からいただいた物を取り寄せて、それぞれの写真近くに配置してあります。
 この写真展を見て下さって、各地へお出かけいただくキッカケになればこれほど幸せなことはありません。



 さて、今日は森吉山ダム広報館での写真展の様子をお伝えします。


 展示施設の中でもより見やすい場所とそうでもない場所というのがあったりしますが、ここは森吉山ダム広報館の中でも一番目につきやすい場所。つまり1等地です!!こんな場所で写真展を開催させていただけるなんて・・・本当に感謝です。

 昨年も写真展を実施させていただきましたが、それを見た方が『写真がキレイだったから自分の目でも見てみたくて陸中海岸まで行ってきました。』という嬉しい話を聞きました。後日その方のブログを拝見させていただいたところ、宮古の高屋敷ARが撮影した物よりも数段綺麗な写真が掲載されていました(高屋敷さん・・・失礼!!)。



 森吉山ダム広報館の入り口では【ツバメ】が営巣中でした。ちょっと遅れている感が否めませんが、当地はようやく温かくなってきて周囲の生きものも活発になり始めた頃ですからまだまだ充分繁殖は可能でしょう。
 これは玄関脇のスロープの上にありますから、そちらを通る際にはお気を付け下さい。


 こんな体勢になりながら泥を塗りつけて巣を作っていくんですね?一体何回泥を運んできたら1つの巣が出来るんでしょうか??恐らく・・・気の遠くなる作業ですよね?


 皆さんが写真展に訪れた時にはこの【ツバメ】が巣の上からお出迎えしてくれるかも知れませんよ^^!!

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2010年06月03日何か足りない・・

秋田 足利 直哉

 現在、森吉山野生鳥獣センターにて『アクティブレンジャー写真展』を開催中です。今期は3つのタイトルを実施する予定で、6月は新企画、人と自然のつながりについて東北のアクティブレンジャーがそれぞれの思いを込めた写真で実施する写真展『自然が大好きだから・・』を開催しています。


 写真展の様子。
 展示については私一人で行っているため、至らない点が多く、「何か足りない・・」感が否めません。様々な方から意見を聞いてより解りやすくなるようにしていきたいともいますので皆さん忌憚のないご意見をよろしくお願いいたします。



 さて、ここからが本題。

 この↓写真は【モズ】のオス♂が縄張りの中にある松の木の上で周囲に睨みを利かせている(?)写真ですが、いかにも【モズ】らしいコロコロとした体型で、まるでダルマさんのようで良いなぁ~と思っていたのですが・・・なんか一つしっくり来ないんです。何か足り無くないですか??


 【モズ】らしさが出ている姿勢かと思うのですが・・・

 比較するためにもう1枚写真を載せました。
 撮影日も違えば、サイズも異なりますし、場所も大きく異なります。と言うことはほぼ確実に別個体です。でもこちら↓はこれだけ小さくても、一目で典型的な【モズ】のオス♂とわかる写真です。


 上の写真を比べてみて下さい。上には何処か足りない部分がありますよね??


 その部分というのは【モズ】のオス♂の特長として識別の際大きな役割を果たす部分ですが、それが無くても【モズ】のオス♂であることは間違いありません。
 ところで、何が足りないか解りましたか??





 
 と、問題を出すような事を書いておきながら言うのも何なんですが・・・・全ての特長が無くても”雰囲気”や”全体のイメージ”で観察することも大切なことだと感じます。先日の野鳥観察会の時、講師をして下さった方から『野鳥を見るときは、細かな特長よりも全体のイメージ、雰囲気』という話をしていただきました。まさにその通りです!!



 足りなかったのは・・・【モズ】のオス♂の”特長”ではなく、私の観察時の”視点”でした。もっと大きな視点や、多様な視点が必要なんだと感じる今日この頃です。もっともっと精進せねば!!普段の仕事も、展示の仕方も・・


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