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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

1036件の記事があります。

2010年08月17日カルガモの水浴び

秋田 足利 直哉

 更新されない日々が続いてますね・・・。こうした期間には皆様から色々と質問を受けるのですが、このサイトの特性上私の都合だけではどうしようもないわけで・・楽しみにしていただいている方々には大変申し訳ございません。と謝罪しても皆様には届かないのが心苦しいところです。どうかこれに懲りずにお付き合い下さい。


 お盆も過ぎて猛威を振るっていた猛暑もなんとなく勢いが無くなってきたような感じがしていますがどうなんでしょうか?それでも日中の最高気温は連日30度前後ですからまだまだ「涼をもとめて」いきたいところです。

 と言うわけで・・今日は大潟の西部承水路で見た【カルガモ】の水浴びの様子をお伝えします。

 【カルガモ】は現在もまだまだ子育てに忙しいようで、各地で雛を連れた御一行を目にすることが出来ます。以前にもお伝えしていますが、「繁殖期」にも幅があるようで、今年生まれた雛の身体の大きさにも随分と差があるようです。早くも大きくなっている【カルガモ】は既に親鳥と同じ大きさに成長し若鳥と言うべき姿となって水路を泳ぎ、上空を飛び回っていますが遅くに生まれた【カルガモ】は写真のようにまだまだ小さな身体で黄色い幼羽で覆われています。


 この日も暑い一日でした。ただ双眼鏡を持って立っているだけで汗が額を伝い、目の周りにまで落ちてくるので観察するのも一苦労。頭から水を浴びたい衝動に駆られている丁度その時・・・水路に勢いよく水しぶきを上げている【カルガモ】の姿を見つけました。初めは私に見つかったのでヨシの中へと姿を隠したのですが、暫くすると中途半端だったからか?暑さに我慢できなかったのか?再び開けた水辺へ出てきて水浴びを初めました。
 

 日々子育てに追われ忙しい毎日を送っているであろう【カルガモ】の母親です。この時期は飛べない雛達に併せて移動は専ら歩きか泳ぎですが羽繕いは欠かさないようです。


 一見すると雛達をさしおいて自分だけ気持ちいいことをしているようにも見えましたが、これも雛達への教育の一環なのかもしれません。その証拠に・・・


 母親の真似をして雛もまだまだ未熟な翼を広げて、大きく背伸びをしてみせました。何とも言えない微笑ましい光景に暑さも吹き飛んだ観察でした。こうして母親の行動を目の当たりにする中で様々なことを学習していくのでしょうね。

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2010年08月16日ヤマナメクジ

秋田 足利 直哉

 お盆休みを終えて帰省ラッシュも一段落した頃でしょうか?それともまだお盆休みの最中でしょうかね?秋田県内はせっかくのお盆休みの土日は両日とも激しい雨に見舞われました。短い夏を惜しむ花火大会が中止されたところもあったり・・・



 さて、世間が休みの中、私は普通に仕事に明け暮れていましたのでいつもと変わらず、巡視中に見つけたものをご紹介して日記を書いていきます。

 先ずはこちらの過去のAR日記をご覧下さい。
2008年7月16日の村田(元)ARの日記
2008年7月17日の石橋(元)ARの日記

 両名とも工夫したタイトルを付けていますがどちらも【ヤマナメクジ】を紹介した記事です。(私はボキャブラリーに乏しいのでストレートなタイトルで失礼いたします。)こうしてみても東北の山中では【ヤマナメクジ】は比較的目にする機会の多い存在だと言うことが解ります。私がご紹介するのは森吉で見つけた【ヤマナメクジ】です。


 さてこの様子からして石橋(元)ARが紹介した「太極図」と同じ時を切り取ったものですが・・・こちら実は「精子嚢を交換している」場面なんです。
 は??「精子嚢?」「交換って?」と思いますよね?ハイ・・私も調べてみるまでよく解りませんでした。

 一般的に生きものはオス♂とメス♀に分かれていてそれぞれにオス♂としてメス♀としての機能を有しているため、交尾することによって子孫を残す事が出来ます。しかし【ヤマナメクジ】の場合、雌雄つまりオス♂とメス♀の区別がありません。一つの個体でオス♂とメス♀の機能を持ち合わせています。そしてその機能が同時に成熟していくため『同時的雌雄同体』と呼ばれています。この様な特性を持つ生きものは他に「カタツムリ」「ミミズ」等がいるそうです。

 写真に戻ってみましょう。これは雌雄の区別がない【ヤマナメクジ】が精子嚢を交換しているところです。【ヤマナメクジ】の身体から出ている白っぽい物が「生殖器」でその中に「精子嚢」があります。それをお互いに交換することが、いわゆる交尾にあたります。個体Aの精子嚢を受け取った個体Bの中で受精します。勿論個体Bの精子嚢を受け取った個体Aも体内で受精します。こうして【ヤマナメクジ】は子孫を増やしていくのだそうです。

 ところで・・・どうしてこの様な不思議な状態を経て子孫を増やす道を選んだのか?と疑問に思うところですが・・・先ほど挙げた同じような性質を持つ生きものを見てみると、「ある共通点」が見えてきます。ナメクジもカタツムリもミミズもみんなあまり移動が得意ではありませんよね?と言うことは自然界に於いて同種の異個体に出会う確率あるいは可能性が他の生きものに比べて低くなると想像できますよね?その為これらの生きものは、たまたま出会った異個体がオス♂同士、あるいはメス♀同士でも(実際には雌雄同体ですが・・・)繁殖が可能となるようにこの様な性質を持つようになったと言う説もあるのだそうです。

 しかし・・・こうして過去のAR日記を見たり、私自身の森吉での巡視を思い浮かべると・・・【ヤマナメクジ】はそれほど「奇跡的な出会い」を経て「精子嚢を交換している」とは思えないくらい毎年よく見かける光景ですけどね?

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2010年08月13日ヨシ原の中で

秋田 足利 直哉

 昨日の台風は新幹線のダイヤを大幅に乱して帰省客に多大な影響を与えていましたが、台風の通路にあたっていた秋田市内でも台風の爪痕らしき物も見当たらず、当事務所の所管地でも被害などもないようで一安心です。昨日の日記の池も大丈夫だったようなので二安心です。



 さて、このところ大潟に行くと専らヨシ原の中で過ごしています。ヨシ原と一口に言っても乾燥化が進みススキや樹木が侵入してきている箇所もあれば、湿地さながらに水が地面を覆っている箇所まで様々です。
 そのように環境が異なれば当然のように鳥相も異なっています。今日は水辺に隣接するヨシ原に生息している【ヨシゴイ】を取り上げます。


 【ヨシゴイ】はサギの仲間ですがお馴染みのアオサギやダイサギに比べると遙かに小柄かつ細身でともすれば「小鳥」と呼べるサイズの野鳥です。その上、警戒心が強くてなかなかお目に掛かる機会がありません。


 が・・・先日驚くほどの至近距離でバッタリ出会ってしまいました。向こう(【ヨシゴイ】のこと)も出会い頭的に出会ってしまったので逃げるにも逃げられず・・・といった雰囲気を感じていました。


 すると・・・お決まりの『擬態』です。
 思わずツッコミを入れてしまいました^^。『おいおい!さっきまで目があっていたのに擬態って・・・』と。

 でもそんな行動をする理由を考えてみると・・・私が邪魔をしたのは明らかですからいそいそと退散しました。今年も幼鳥の姿を見られるかな~。

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2010年08月12日クロサンショウウオ幼生

秋田 足利 直哉

 今日これまでに台風の接近を実感できる変化に見舞われている秋田市内です。先ほどから雷が光り、激しい雨が降っています。降り始めからこの状況になるまであっという間でした。今日はお盆期間中の帰省ラッシュにあたるのだとか・・・各交通機関が心配になるところです。



 さて、こうした激しい雨が降るとついつい所管地の様子が気になります。特に森吉は19年度の災害以降、心配の度合いが上がっています。つい先日も桃洞滝への歩道が冠水し敷設されている木道が浮き上がってしまっているのが確認されています。
 その歩道沿いにはいくつかの池があります。その場所によって観察できる生きものが違うのでいつも巡視の時には興味を持って観察します。
 最近になって・・・一番手前の池の【クロサンショウウオ】が変態してきているのに気がつきました。

 【クロサンショウウオ】は雪まだ残る5月の中旬頃いつも決まったいくつかの池に卵塊を産み付けます。その同じ池には何種かのカエル達も卵を産み付けるため孵化した直後にはたくさんの「オタマジャクシ」が同じ池の中を及び回っているのが観察されます。【クロサンショウウオ】も孵化直後の個体は「オタマジャクシ」のような形状をしているため一見してどれがカエルなんだか?どれが【クロサンショウウオ】なんだか?解らなくなってしまいます。

 それから時間が経過していくとみんな「オタマジャクシ」に見えていた幼生達はそれぞれの特長をはっきりと見せ始めます。【クロサンショウウオ】も勿論、サンショウウオの幼生らしくなってきます。


 四肢が分化してきているのが解ります。写真が分かりにくいかも知れませんが発生直後に見られる「平衡棹」は既に消失しているようです。


 未だ外腮(がいさい:エラのように見える部位)が残っていますが姿形はだいぶサンショウウオらしくなってきています。カエルのオタマジャクシとの違いが解りますか?


 この頃になるとヤマアカガエルのオタマジャクシ達は一足早く変態し、小さな小さなヤマアカガエルとなって池から山の中へと分け入っていきます。ですから池に残っているのはほとんどが【クロサンショウウオ】の幼生。じっくりと観察するには最適です(比較が出来ないのが残念ですけど・・・)。


 
 この池・・・歩道沿いにあって観察にはもってこいの場所なんですが、直ぐ近くには沢が流れていて水位が上昇すると冠水することがあります。そうなるとようやく此処まで成長した【クロサンショウウオ】達に悲劇が訪れないとも限りません・・・先日の荒天時にはこの池が冠水する事は無かったようでしたがこの台風ではどうなってしまうことか・・・心配せずにはいられません。

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2010年08月11日たまにはこんな出会いも

秋田 足利 直哉

 今日のこの熱気はフェーン現象なんでしょうか?異常に蒸し暑く普段通りに巡視をしただけでバテバテです。歩いていて足も吊りそうになって・・・調べてみるとこれも熱中症の初期症状なんですね?私は早めに対処できたので事なきを得ましたが、皆さん気をつけて下さいね。


 随分前になりますが・・・この日記で【ホンドテン】をご紹介したのを覚えていますでしょうか?あれは3月末の観察だったっけ・・・あの時の【ホンドテン】は冬毛で愛らしい表情をしていました。その時の記事はこちら→
 それから時が過ぎて・・8月上旬。今度は夏毛の【ホンドテン】に出会いました。しかも珍しく私の方が先に見つけていてカメラを持って待ちかまえての観察でした。



 いつもならば、私が歩いていくと先に動物たちの方が気付いてそそくさと逃げていくのでその姿を見る機会は滅多になく、たまにあっても後ろ姿を見送る程度・・・。それが今回は【ホンドテン】の方から私の方に向かって歩いてくるのが見えました。咄嗟にカメラを構え、フレームに入れて連写!!!!!その音で【ホンドテン】はピクッと反応。立ち止まって私を凝視。その後直ぐにヤブの中へとダッシュしていきました。その間、僅か数秒でしょうか?その数秒であっても中身の濃い観察でした。



 それにしても夏と冬で随分と毛が違ってるから印象も随分と違いますね?更には・・・夏毛は特に個体差なのか?黒い毛の範囲に違いがあって図鑑を見てもこれほど黒い毛の範囲が広い個体も珍しいくらいです。後足も尾もほぼ真っ黒ですからね~。


 このところ野生動物達との貴重な出会いが続いています。先日のツキノワグマや黄色色素欠乏ヤマカガシ。そして今回の【ホンドテン】。(しかも運良く全て写真に納めることが出来ているのでこうしてご紹介する事が出来ています。)この先にはどんな出会いが待っているのかな?


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2010年08月10日巣立ち雛のおねだり

秋田 足利 直哉

 連日暑い日が続いている秋田です。暑気払いにと渓谷に出かけてみたものの思ったよりも水量が多かったことに驚いてしまいます。各地に短い時間にドッと降る局地的な雨の量が思いの外、多いようです。沢歩きなどをする前に事前にしっかり情報を収集して行動しましょう。




 さて、今日取り上げるのは大潟で巡視していて一際大きな鳴き声を発している巣立ち雛です。林と水辺からそれぞれ1種取り上げてみました。


 先ずは保護区内の防風林や公園などで大きな鳴き声を絶え間なく出し続けている【ヒヨドリ】の巣立ち雛です。
 ただでさえ、鳴き声の大きな【ヒヨドリ】ですがこの時期、巣立ちを終えたものの未だ自分で餌を採るのが難しいらしい巣立ち雛が盛んに餌をおねだりするために一際大きな鳴き声をあげています。
 近くに親鳥の姿があるなしに関わらず鳴き声をあげていますが、近くに姿を確認したときには一段ボリュームが上げて鳴きますからそれはもう・・・^^


 【ヒヨドリ】の巣立ち雛達も必死なのでしょう。大きく大きく口を開いて餌をおねだりしています。
 こうして口を開けて待っていてもなかなか親鳥は餌を持ってきてはくれないので自分から親鳥に向かって更に強烈におねだりしていました。もう身体は立派に親鳥並なのにこうした行動を見るとやはり幼さを感じますね。



 次に水辺でのおねだりの光景です。

 西部承水路を巡視していると【カンムリカイツブリ】の姿がよく目に付くのですが、この時期には鳴き声もよく耳にします。その声の主は決まって巣立ちを終えたばかりの雛達です。黒と白の縞模様をしていて一見して雛と解る彼らも最近は潜水を覚え、やや不器用ながらも一生懸命に潜水を繰り返します。しかしなかなか獲物を捕らえるのは難しいらしく・・・何度チャレンジしても餌が採れないと鳴き声をあげて親鳥におねだりします。


 私が観察した限りでは3回の潜水を試みましたがどうやら獲物は獲得できなかったらしく・・・鳴き声をあげて親鳥に向かって行きました。何だか”泣きべそ”をかいているように見えたのは気のせいでしょうか??


 潜水を試みて上手くいかなかった我が子に対して親鳥は寛容で、自分が捕らえた獲物のお裾分けをしていました。しかしこの後、身体が大きくなってきた雛にはまだまだ餌が足りないらしく間近でおねだりを始めました。
 すると先ほどは寛容だった親鳥が掌を返したように冷たく距離をとって自分で採餌を始めました。この雛も暫くは当方にくれているような感じに見えましたが気を取り直し再び潜水を始めたときには思わず拍手を送っていました。



 どちらの親鳥もまだまだ餌を捕らえるのが下手な我が子の面倒を見ながらもいつまでも甘えさせずに自立を促すような行動がみられました。親鳥達は自然界で生きて抜いてきた先輩として、生まれて間もない我が子に一日も早く成長し一人前になるようにアメとムチを使い分ける子育てをしているんですね。



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2010年08月09日開放的に・・・ (お知らせも)

秋田 足利 直哉

 連日猛暑が続き、そろそろおしめりも欲しいと思っていたら・・・振り幅が大きな極端な天気ですね?現在の秋田市内はおしめり程度の雨ですがこれから強く降る地域もあるとのこと。充分にご注意なさって下さい。


 今日の日記は連日の暑さが続いていた中での一コマから・・・


 お馴染みの【アオサギ】が日光浴をしていました。
 ギラギラと輝く太陽に向かって羽を広げお馴染みのポーズで日光浴をしていましたが、嘴は緩く開き・・・喉元を小刻みに振るわせていました。
 

 どんな気持ちだったんでしょうかね??あとでマンガの一コマのように吹き出しを入れられるような写真を用意しました。皆さんそれぞれで何か台詞を入れてみて下さい。
 何かイイ台詞が浮かびましたら「ご応募」お待ちいたして・・・・
 っていうのは冗談ですけど・・^^




 なんてこのまま終わっては申し訳が立たないので・・・


 「応募」といえば・・・

 現在、山形県酒田市にある猛禽類保護センターでは「施設の愛称」とイヌワシをモチーフにした「キャラクター」を募集しています。こちらはたくさんのご応募をお待ちしておりますので、皆様のアイディアどんどん送って下さい。詳しくはこちらをご覧下さい。

猛禽類保護センターHP

東北地方環境事務所HPの募集記事


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2010年08月06日ビンズイ 初めての(?)お散歩

秋田 足利 直哉

 昨日は47都道府県の県庁所在地すべてで最高気温が30度以上という暑い暑い一日だったそうですが今日も昨日に負けず劣らず暑いですね?秋田でも最高気温35度以上の猛暑日になったもようです。


 

 今日取り上げるのは、森吉の林道で見かけた幼鳥のお話し。私の記憶が確かならば・・・この野鳥を取り上げるのは初めてです。

 森吉の中でもトングトレイルコースへと繋がる登山口へ向かう林道を散歩している一羽の野鳥を見かけました。大きさはセキレイくらいか?もう少し大きいかな?と言うのが第一印象です。


 見かけた野鳥はこちら!【ビンズイ】です。どうやら羽の感じからして幼いように見えます。


 じっくり見ると確かに幼鳥のようです。そして先ほどの第一印象で実際のサイズよりも大きめに見えたのは散歩しながら時々羽繕いをしていたのですがその時に胸から腹にかけての羽を膨らませていたのが原因のようでした。別の写真では頭だけが異様に小さく見えたほどです・・・。


 一般に幼鳥の中にはまだまだ警戒することを知らないためか?意外に近くで観察できることがありますが・・・この幼鳥もその類でした。散歩&羽繕いを観察していると私に気付いたのか飛び去ってしまいました。が・・・どういう訳か?ふわっと翻って私の近くへやって来て止まりました。何という幸運でしょうか?

 その後もマイペースで散歩と羽繕いを繰り返します。最後には近くの枝に止まって羽繕いをし、鳴き声も披露してくれました。
 この【ビンズイ】に限らず幼鳥たちは初めて見る外の世界にワクワクしているんでしょうね?しかし外の世界にはキケンもイッパイ。徐々に警戒心も強くなってなかなかお目に掛かる機会も無くなっていくんでしょうけど・・・


 【ビンズイ】と言えば・・・八幡平あたりで繁殖している様子を見ると背丈の低い樹ばかりの明るい場所を好んでいるように思っていました。森吉でも鬱蒼としたブナの森よりはモロビ(オオシラビソの地方名)の疎林を好んでいるように感じていましたが、この幼鳥がいたのはブナの森で決して明るいとは言えないような場所でした。
 この様な思い込みをしないように・・・しないようにと思ってはいるのですが実際のところなかなか・・・。徐々に固くなってきた頭を柔らかく保たないと・・・ね??


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2010年08月05日ヤマカガシ 黄色色素欠乏事例

秋田 足利 直哉

 暑い日が続きます。例年竿灯祭りの期間中は天気の心配をしていなければならないのですが今年は全く心配要りません。むしろ暑すぎて夜なのに熱中症の心配が必要です。
 竿灯は夜空を彩る光の稲穂ですが田んぼの稲穂も出穂し徐々に膨らみ始めました。暑い中にも少しずつ秋の気配を感じられる季節でもあります。



 さて、今日はタイトル通り【ヤマカガシ】を取り上げます。ヘビが苦手な方、申し訳ございません。



 先日、森吉での巡視を終え事務所へ戻るべく車を走らせていると道路を横断中のヘビを見つけました。


 そのヘビがこの【ヤマカガシ】です。パッと見、全体の雰囲気は【ヤマカガシ】なのですが・・・ちょっと普段見るのとは違っていました。
 普通、【ヤマカガシ】は首の回りに黄色い模様があったり体中に赤い模様がありますが、この個体にはそれがありません。図鑑などに掲載されている「黄色色素の欠乏した個体」と酷似しています。

 近くまで行って上から観察してみたい衝動に駆られましたが【ヤマカガシ】を脅かすのはいけません!!どうにか写真に納めようと車から身を乗り出して撮影しましたが【ヤマカガシ】は間もなく道路を横断し終えようとしています・・・。
 

 【ヤマカガシ】に「待って」と言ったところで待ってくれるはずもありません・・・。チョロチョロと舌を出しながらヤブの中へと消えていきました。


 一段落して「あぁあ・・もっと見たかったな~」と思いながらも貴重な観察事例だったなと得した気持ちになって事務所に戻りました。
 撮影した写真も見てもう一つ気付いたことがあります。ご存じの方もいるかとは思いますが・・・写真の【ヤマカガシ】の舌先をよく見て下さい。2股に分かれています。私はこの事実を知らなかったのでもう一つ得した気分になった観察でした。
 図鑑などによれば【ヤマカガシ】はオタマジャクシなどを好んで食べるそうですがそうした小さな生物を捕らえるときにこの2股に分かれた舌先が便利なのかも知れませんね??

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2010年08月04日サギ集う ~南の池編~

秋田 足利 直哉

 昨日から竿灯祭りの始まった秋田市内は1年でもっとも元気で賑やかな日々が始まっています。竿灯祭りの会場は普段の通勤路にあたるのですが普段スタスタと歩く道もこの数日はまともに歩くことが出来ません。今日の帰りにも竿灯を見て帰ろうかな?


 さて、先日仙台の鎌田アクティブレンジャーが『サギ集う』と題した日記を書いていました。私もこの時期サギが集結している南の池の話をしようと思っていたので失礼にてタイトルをかぶせてみました。

 現在、大潟村の「南の池」には直ぐ近くにあるサギのコロニーで繁殖を終えた【アオサギ】と【ゴイサギ】が集結しています。コロニーに一番先にやってきて繁殖を始める【アオサギ】と一番最後にやってくるものの巣立ちまでの繁殖期間が短い【ゴイサギ】は既に大半が巣を離れて生活を始めています。彼らが新しい生活の場として選んでいるのが南の池の畔です。

 特に多く見られるのが【ゴイサギ】です。親鳥達も今年生まれた幼鳥も混じっています。また【ゴイサギ】は羽の特長である程度、年齢も解るのですがよく見ると繁殖に参加していなかったと思われる若鳥も混じっています。


 この写真にもたくさんの【ゴイサギ】が写っているのですが・・・何せ身を隠しながら過ごしているので写真に写すのが難しい・・・(←毎度言い訳ばかりしているようですけど・・)。

 南の池は車で近くを通ることが出来るので車窓からでも池の様子をうかがうことは出来ますが、畔に立ってしっかり見るとビックリするほどたくさんの【ゴイサギ】が見つかりますよ!!
 また【アオサギ】は道路からは死角になる場所で過ごしていることが多いので、実際に立ち寄っていただかないとこの様子を見ることが出来ません。

 日中の観察では、驚かさない限りほとんど動かずジッと一点を見つめるようにして過ごしている彼らの様子を観察できます。それを見ていると毎日忙しなく色々な物に追われて過ごしている自分をたしなめてくれるような思いがします。

 警戒心は張り詰められているものの、泰然自若として悠々と過ごす姿を見てきっと何かを感じていただけるはず。「動」きのある観察も楽しいですが対照的な「静」の観察もいいものです。個人的感想ですが・・・仏像やお地蔵さんも鑑賞している時の感覚と似ていますよ。


 各地で行われている夏祭りが終わって秋の帳が降りる頃・・・【ゴイサギ】達は南へと移動を始めます。この集結した【ゴイサギ】の群れは今だけ!!季節限定の光景です。



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