ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

1036件の記事があります。

2011年09月09日写真展のご案内

秋田 足利 直哉

 本日午後8時をもって原則15%の節電を求めた電力使用制限が解除されます。暑さのピークが過ぎたことと、電力の需給状況が改善したことで当初の予定よりも前倒しで解除されることとなったものですが、この先も残暑が戻る可能性もありますから、引き続き「節電」を心掛けていただきますようお願いいたします。 


 
 はい。今日の日記は、週末にお出かけする際の参考になれば!と思い、9月1日から始めている写真展のご案内です。


 先ずは、五城目町にある「秋田県環境と文化のむら」内の「愛鳥山荘」にて開催中の『がんばろう!東北 宮古アクティブレンジャー写真展』です。


 「愛鳥山荘」は秋田県環境と文化のむらの「野鳥の森」の一角に立つ山小屋風の展示施設です。野鳥観察や周辺散策の拠点あるいは休憩所として利用されているそうです。内部には県内の野鳥情報や野鳥の剥製などが展示されています。その中で写真展を開催中です。


 展示しているのは宮古自然保護官事務所の高屋敷ARがこれまでの写真展用に提出した写真を中心に約20枚。中には震災前、震災直後、そしてキレイに清掃された後の状況を定点で撮影した物なども含まれます。
 同じ東北にいても被災地の細かな情報を把握している方は少なく、「まだまだ復興はこれから」と思っている方も多くいらっしゃいます。しかし現地では震災の影響を受けなかったエリアや歩道もありますし、震災後ボランティアの尽力などで既に利用できるようになったエリアや歩道などもあるそうです。そうした現状を多くの方々に知っていただき、被災地を元気にする力をお貸しいただけたらいいなとの思いで開催しました。




 そして森吉山野生鳥獣センターでは東北アクティブレンジャー写真展「あお」が開催中です。


 森吉山野生鳥獣センターは北秋田市の『奥森吉』と呼ばれるエリアに立つ施設です。先日、環境省が実施している『全国自然いきものめぐりスタンプラリー』に参加して全施設制覇を狙っているという女性に『色々な施設を回ってきたけどこれほど奥地(実際には違う言葉でしたけど・・)に建つ施設は見たことがない!』と言わしめた程、山深いそして自然のまっただ中に立つ施設です。その館内で写真展を開催しています。ご覧になった方に『照明が良くない』とのご指摘を頂きましたので、節電しつつどうにか工夫して見やすくしたつもりですが・・・果たして?


 東北地方環境事務所管内の10人のアクティブレンジャーが3枚の写真をセレクトしていますが、その中でもイチオシの写真は大きく印刷してあります。それぞれの地域の特色ある「あお」、各ARの感性(?)で見た「あお」をお楽しみ下さい!!

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2011年09月08日安の滝現況

秋田 足利 直哉

 森吉山麓にも台風12号が残した爪痕が残っていました。森吉山野生鳥獣センターへと向かう途中に杉の倒木、某林道では道をふさぐようにブナの倒木が見られます。この他にも枝の落下などが多数見られました。
 それでも森吉山野生鳥獣センターや周辺の森吉山麓高原一帯へ行く際には特に支障はありませんのでご安心を。



 このところ「災害」が続きます。森吉山鳥獣保護区内の人気コースである『安の滝』にも災害の爪痕が大きく残っています。この流れでは台風による被害のように思われそうですが、『安の滝』付近の災害は7月上旬に起きたのだそうです。


 『安の滝』への歩道入口に立てられている注意喚起看板です。秋田県自然保護課と北秋田市商工観光課との連名で、写真入りで詳しく現地の状況を教えてくれています。
 私は事前にこうした情報を聞いていたので特に感想も無かったのですが・・・遠方より『安の滝』に来られた方の中には『此処まで来てこんな事を言われても・・』とおっしゃる方がいました。その方は『此処まで来たから行くけどなんだかな・・』と腑に落ちない様子でした。

 こうした情報は(一応)北秋田市観光案内所の掲示板や北秋田市HPに掲載されているのですが・・・・
 より詳細な情報はこちら



 こちらが現在の『安の滝』展望所の様子です。展望所への立ち入りも規制されています。例年であれば「虹を湛えた安の滝」をカメラに納めようと大勢のカメラマンがやって来る季節です。またこれから先は「紅葉の安の滝」を狙って多くのかたが訪れるのですが・・・。


 この展望所から上部を伺ってみると、いきなりこの様な土砂崩れの現場が見えます。この土砂が展望所に直接流れ込む可能性は地形から見て少ないかも知れませんが、安全とは言えない状況です。

 決して警戒線を乗り越えて展望所へ行ったり、その先の様子を見に行こうなどとしないで下さい。危険です!!!


 残念ながら今期はこうした状況のため、これまでと同じように『安の滝』を楽しみ、感じることが出来なくなっています。しかし『安の滝』やその手前の滝などには全く災害の爪痕はありませんので、何時の日かきっとまた美しい『安の滝』を見て、感じることが出来るようになるはずです。


 森吉山野生鳥獣センター運営協議会では10月にこの『安の滝』で自然観察会の実施を計画していましたがこの様な状況なので、現在コースの変更も検討しています。皆様には決まり次第お知らせいたします。


 『安の滝』の近くには幸兵衛滝などがある『立又渓谷』の歩道があります。こちらは森吉山鳥獣保護区の区域外なので業務で行くことは無いのですが、むしろ「こちらの方が好き!」という方がいるほど魅力的なところです。『一の滝』『二の滝』『幸兵衛滝』と3つの滝を巡るコースで、『一の滝』はかなりの高確率で滝壺に虹が現れる虹の滝として有名ですし、『二の滝』は某地元銀行のカレンダーの9月10月に採用されている美しい滝、『幸兵衛滝』は落差が大きいダイナミックな滝です。時間的にも安の滝コースの展望台までおよそ30~40分(片道)。立又渓谷の幸兵衛滝までが約一時間(片道)なので2コースをまとめて楽しまれるのも良いのではないでしょうか?

 

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2011年09月07日今年生まれの幼鳥に逢える

秋田 足利 直哉

 秋田市内は大雨警報が発令され、一時期もの凄い強い雨が降りました。市内でも床下浸水の被害があったそうです。更には雷注意報も発令されています。今後の気象情報に注意して行動していきましょう。



 このところ、「渡り」にまつわる話題が続きましたが今日は、大潟草原鳥獣保護区で今年生まれた幼鳥たちの観察ポイントをご紹介します。
 今期も保護区内では数多くの野鳥が繁殖しました。水辺でも、樹上でもヨシ原でもたくさんの幼鳥が見られました。その中から特に観察機会が多いものを3つ取り上げます。




 先ずは【カンムリカイツブリ】。保護区にいる個体は、遅くに生まれたのでまだまだこのサイズで、片時も親鳥と離れずに行動しています。いつも決まって野石地区にいます。時々釣り人から距離をとって違った場所に現れることもありますが、まだしばらくはこの場所で観察できると思います。多分それほど探さなくても見つけられると思いますよ。



 次いで、【カワセミ】です。最近管理棟周辺の水辺に現れる機会が増加しています。多いときには3羽が同じ木に止まることもあります。南の池の蓮にも現れますが、作業をされる方や通行人が見えると直ぐに飛び去ってしまいますので、どちらかと言えば管理棟からの方が落ち着いて観察できるかも知れません。
 親鳥に比べて全体にくすんだ色合いをしていますが行動はもう一人前です!!管理棟に起こし頂ければ観察窓からそんな様子がご覧頂けます。



 最後はほぼ確実に3桁の群れが観察できる【ゴイサギ】です。幼い個体はその羽の模様から「ホシゴイ」とも呼ばれます。南の池の南東側か管理棟から見える長池の畔で見られます。私の感覚では南の池では成鳥からホシゴイまで各年代が観察でき、長池ではホシゴイを中心に100羽以上がほぼ確実に観察できます。でもこの様子が見られるのもあと僅かかも知れません。


 この他にもまだまだ沢山の幼鳥の姿を観察することが出来ますので是非とも大潟草原鳥獣保護区に足を運んで下さいませ!!


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2011年09月06日白いツリフネソウ

秋田 足利 直哉

 まだまだあの震災の記憶が鮮明な中で、新たな台風災害の報道を聞くと、もう何を言って良いのか、どうしたら良いのかさえ解らなくなります。どちらもこれ以上の被害拡大が無く一日も早く復旧復興へ向けて動き出すことを願っています。



 こういう時は、日記の話題も明るい話題にしましょう!!ということで、先日見つけたお花の話です。

 時折雨が降る中、このエリアでは高い人気を誇るコースを歩いたのですが、この日は駐車場もガラガラで、途中で会う方も居ない寂しい日でした。でも、登山道脇に咲く沢山の【ツリフネソウ】とキツリフネがそんな寂しさ掻き消すかのように綺麗な姿を見せていました。

 最も眼に付くのは赤い【ツリフネソウ】で歩き始めからコース半ばまでほとんど途切れずに見ることが出来ます。ついで【キツリフネ】が点々と咲いていて、その両方が見られる場所では足を止めてその違いを観察したり写真に納めたりしていました。


 【キツリフネ】の葉には角が無く鋸歯も丸みがあって柔らかな印象を持ちます。花を横から見ると距が緩やかに下に向かって伸びています。
 そんな特徴を見比べるのは、花にも詳しくない私にとっても観察のしがいのあるものです。


 こうして時折足を止めながら歩いていると、更に長い時間足を止めさせるようなものを見つけました!!


 【ツリフネソウ】の横によく似た形の白い花があります。葉を見ても、花序を見てもその他色々見ても私には違っているのは花の色だけに見えました。


 花序を横から見ると【ツリフネソウ】と同じように距が前方に向かって渦巻き状態になっています。
 ふと・・これは、様々な花で時折現れる『白花』ってヤツか?と思いました。これはもしかして稀少な花が見られたのかな?と気をよくしました。


 更に巡視を続けるとその先にも何度も何度もこの『白花』の【ツリフネソウ】が現れます。こうもたくさんあると珍しい物ではなく、こういう種類があるんだろ!と思うようになりました。でも普通はピンクと黄色の2色なのに今日は白も合わせて3色見られたから良かったな~。なんて思いながら巡視を終え。事務所に帰着し、写真整理の時に思い出して図鑑を広げてみても『白花』の【ツリフネソウ】が載ってません。あれ?と思って『ツリフネソウ 白』で検索してみたところ・・・。『おおぉぉ!』となってあの時の感激が甦ってきました。


 この辺りでは道ばたにたくさんの【ツリフネソウ】を見ることが出来るので意外に人気はなく、ともすれば見過ごされそうな存在かもしれませんが、そう言う存在こそ注目してみると面白い発見があったりしませんか?いつも見る物なのに意外と知らない事ってあると思いませんか?

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2011年09月05日まるでメロンパン

秋田 足利 直哉

 秋も色々ありますが・・自然観察の秋。というのはいかがですか?


 ということで・・秋の”自然観察ネタ”と言えばキノコでしょう!

 そろそろ本格的なキノコシーズンの到来となる森吉山麓では多くのキノコに出会うことが出来ます。先日の巡視では思わず『うわ~メロンパンみたい^^』と言ってしまうようなキノコに出会いました。
 



 この場所ではお馴染みの【アカヤマドリ】というキノコです。見た目は「メロンパン」のようですし、名前を聞くと鳥の名前のようですがご覧のように立派なキノコです。

 キノコというのは変異のスピードが早く、なかなか良い状態の物に出会うのは難しいのですがこの【アカヤマドリ】はとっても綺麗な物でした。

 このキノコを見ると以前、ある観察会の時に出会った少年達を思い出します。彼らにとっては見るキノコどれもが興味の対象だったようで『何でこんな色をしているの?』『裏側の模様にはなんの意味があるの?』などをかなり難しい質問をされた事を思い出します。
 このように興味をもって観察するとキノコというのは実に奥が深く、かつ親しみやすい観察対象であることに気がつくはずです。これから各所で「キノコの観察会」が企画されているようです。キノコを山菜などと同じように採取の対象として見るのではなく、花などと同じように観察してみてはいかがでしょうか?そしてそこに集まる生きもの達も併せて観察してみてください。


 名前を同定するばかりが観察ではありません。じっくりと対象物を見るとその姿、形、色、発生場所など色々な特徴が見えてきますよ!!

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2011年09月02日大潟草原鳥獣保護区にてコサメビタキ観察

秋田 足利 直哉

 今後日本海側へと向かうとされる台風の進路が気になります。その影響でしょうか?秋田県内は不安定な天気が続いています。今後の気象情報に注意して過ごしましょう。


 台風がやってくると一部の鳥好きの方々は『何か珍し鳥がやってこないかな』と期待しているようです。それはともかく・・・現在は、野鳥の秋の渡りが始まり各地で普段とは違った野鳥が観察されています。今日は先日大潟草原鳥獣保護区での調査時に観察した中からご報告します。


 大潟村はご存じのように年間を通じて多くの野鳥が観察できることろですが、渡りの時期には更に様々な野鳥が観察されます。山の鳥と言わず、海の鳥と言わず、ひょんなことろであっと思うような野鳥が観察されます。

 先日、スズメとニュウナイスズメが一緒に行動しているところにそれらよりも一回り小さく感じられる小鳥を見つけました。
 私が乗る車の上にある木の上に止まったかと思うと電線に移動して・・と忙しく飛び回っていました。

 スズメよりも小さく見え、お腹が白く、頭が大きめで、クリッとした眼と白いアイリングが印象的でした!! 




 もはや大潟草原鳥獣保護区では『まさか・・』とは思わなくなってきました。どんな野鳥が居ても大潟村なら『あり得る』と思えるからです。なのでこんな場所にまさか【コサメビタキ】が・・と思いがちですがかなり冷静に『おっコサメだ!』って感じでした。

 この【コサメビタキ】のように山の中にいると枝の混み合ったところにいて観察しにくいと感じる野鳥が電線のようなとっても見やすい場所にやって来てくれるのも大潟村の特徴かも知れません。



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2011年09月01日道路にて

秋田 足利 直哉

 あっという間に9月突入です。森吉山野生鳥獣センターの開館期間も残り2ヶ月です。

 はい。その森吉山野生鳥獣センター周辺ですが、アクセス道路の修復工事も一段落して、秋の行楽シーズンへの備えが整いつつあります。今日はそんな中、ちょっと気になっていることを書こうと思います。

 今日の記事&写真はちょっと・・・これから食事方は時間をずらしてご覧になった方がよろしいかと思います。





 例年この時期になると繁殖期を迎えたヘビたちの動きが活発になるのか?道路に姿を見せることが多くなります。その多くはヤマカガシですが今期は【シマヘビ】の姿もよく見かけます。


 森吉山野生鳥獣センターから帰る時に見つけた【シマヘビ】です。今期は真っ黒な通称カラスヘビやヤマカガシそっくりの体色をした個体など様々な【シマヘビ】に逢っています。

 こうして道路に出てくること自体は何ら問題はないのですが・・・気になるのは『ロードキル』が頻繁に発生していること。晴れた日には複数の死骸を見かけます。嫌われ者として扱われるヘビ達ですが、残念なことに、そこにいると解っていて轢く方がいらっしゃるんですよ・・・。あれは見るに堪えがたい!!


 続いて・・森吉山野生鳥獣センター周辺でも目撃情報が寄せられているツキノワグマに関する2題。


 森吉山麓高原のヒバクラ登山道との分岐点に設置している案内標識です。ちょっと前から傷つけられていたことは気付いていたのですが・・。8月28日(日)に案内解説員さんが出勤中に片方の支柱がズタズタになって倒れているのを見つけて応急処置をしてくれていましたがその後、みるみるうちに支柱が細く、短くなっていき遂に・・(この写真の状態から更に悪化しました)。どうしようもなく、この案内標識は撤去しました。出来るだけ早期に修復したものを設置できるようにいたします。


 8月下旬から数カ所、路上に大量の糞が落ちているのが確認されています。こんな大量の糞をする動物はツキノワグマをおいて他にいません!!
 そこには大量の種子と木の実の外皮と思われる物が混じっています。目撃情報の中には木に登って実を食べていたという情報も何件かありますので現在は主に木の実を食べているようですね。

 これらの場所は通常車に乗って通過してくる場所ですので生身の状態で、ツキノワグマと遭遇する事はほとんど無いとは思いますが、こうも路上にツキノワグマの痕跡が多いと心配になってきます。今期は実際に遭遇する機会も多いですしね・・・


 最後に、今期森吉でツキノワグマの話題になった時、語られた話を・・
 Aさんの話。このエリアで10年働いてきたけどこれまで10年で2回しかクマを見たことがなかったのに今年はもう4回も見た。
 Bさんの話。この場所には仕事で何度もきているけど実は一度もクマを見たことがなかった。今年初めて見たと思ったら立て続けに3回見た。
 Cさんの話。これまでニュースで『今年はツキノワグマの目撃情報が多くなっている』という話を聞いても『そんな事ないべ!!』と思っていたけど今年は確かに多いと思う!!


 
 こういった話は森吉山鳥獣保護区に限った話では無いと思います。どうかいつも以上の警戒をお願いいたします。

 

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2011年08月31日渓谷を舞う

秋田 足利 直哉

 このところ森吉山野生鳥獣センターを基点とした各渓谷が穏やかな表情を見せていて快適な沢歩きが出来ていました。しかし昼過ぎからまた強い雨が降っていますし、台風の進路も気になるところです。今後の台風情報をしっかりとチェックして下さい。



 さて、その穏やかになっていた渓谷をチョウやトンボ達がヒラヒラと舞いより一層柔らかな光景が広がっていました。


 花蜜を吸いにやってきた【ミヤマカラスアゲハ】です。他にもハチやアブ、タテハチョウの仲間やガの仲間も多数やって来ていましたがその存在感は圧倒的でした!!
 この【ミヤマカラスアゲハ】最近死骸を見かけるようになりました。この優雅な姿もそろそろ見納めですかね。寂しくなります・・・。



 先日、『いつも見るアカネじゃないヤツがいる!』と思って注目した【ムツアカネ】です。某所で見たときには既に成熟して黒っぽくなっているオス♂を多数見かけましたが森吉では黄色い個体ばかりでした。私ではパッと見、メス♀なのか?未熟なオス♂なのか?解りませんでした・・・。
 こちらはもう暫く観察させてくれそうです。昆虫たちは天寿を全うし、野鳥達は越冬地へ向けて移動を始めたようで、森の中は徐々に静かになってきています。


 他のARも言ってましたが、色々な「小さい秋」が感じられる、見られるようになってきました。こうして昆虫たちを見てみても夏から秋へと季節が移ろいゆく様を感じられます。皆さんの周りにはどんな「小さい秋」がありますか?

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2011年08月30日見落とし注意

秋田 足利 直哉

 今日は最高気温が30度を僅かに超え、ちょっと久しぶりだなと感じる真夏日となりました。それでも随分と涼しくなったと感じるようになりましたね。周囲にも秋の気配が随分と感じられるようになってきました。



 野鳥観察をしていると、普段そこでは見ないような野鳥を観察する時があります。この時期は特にそんな観察事例が多くなり、いよいよ野鳥達の移動が始まったんだな~と季節の移り変わりを感じたりもします。
 そんな季節の調査は、レギュラー陣ばかりだと思いこんで、大雑把に観察しちゃうとゲストやビジターを見落としてしまう危険性がありますので気を抜かずにしっかりと観察する必要があります。先日、そんな事を改めて思わせてくれるような出来事がありました。 


 管理棟から水辺にやってくるサギたちを観察していました。この時は羽数は少なかったもののちょうど食事の時間だったようでダイサギもアオサギもゴイサギもそれぞれ餌を探していました。
 その中でも活発に動いていたアオサギとダイサギに的を絞って観察していた時のことです。


 普段が動きの少ないサギたちも食事の時間は活発に動きます。狙いを定めた時の素早い動きを観察していると、その後方から3羽の【カルガモ】がやって来ました。彼らもこの池のレギュラーです。
 【カルガモ】もそれぞれ採餌を始めて手当たり次第に潜っては餌を食べていました。一つの場所で色んな採餌風景を観察できるのでちょっと得した気分でしたが、引き続きサギの採餌を観察していました。



 すると・・食事が一段落したようでダイサギもアオサギも羽繕いを始めたので、他の鳥の採餌シーンを観察しようと思ったら・・・


 後ろにいた野鳥がさっきと違っています。。サギたちがそのまま採餌を続けていたら後ろにチラチラ見えていたカモたちを【カルガモ】だと思いこんでいたはずです。
 この池で【オシドリ】を観察したは随分久しぶりだったような気がします。よく見るとここで生まれた【バン】の幼鳥も姿を見せていました。これを見落とすようでは調査の精度も怪しくなってしまいますからね・・・。危ないところでした。


 これ以外にも、大潟には普段いないはずの山の野鳥が数羽いたり、思いがけない群れに遭遇したりとこの季節は特に油断禁物です!!皆さんの周りのも普段見かけない野鳥がやってきているかも知れませんよ。


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2011年08月29日自らやってきた虫

秋田 足利 直哉

 スッキリした晴天の秋田市内ですが最高気温が30度を下回ったようです。あの猛烈な暑さは広がる秋の気配に圧されてきているようですね。もうすぐ8月も終わりますが節電の夏はまだ続きますのでこうして過ごしやすくなるのは大歓迎ですね!


 森吉では夏の間、猛烈なヤブ蚊に悩まされていましたがその勢力も徐々に弱まっているようです(まだまだ充分な対策は欠かせませんが・・・)。
 耳元を飛ぶヤブ蚊や自分の周りを飛び回るアブなどはかなり鬱陶しく感じるものです。そんな時、『寄ってくるのはこんな虫だけだ・・』と自虐的なことを言う方もいますが、時には寄ってこられても鬱陶しくは感じない虫もいますよね?ここ数回の巡視でそんな事がありましたのでちょっと取り上げてみました。

 
 渓谷のコースを巡視していたときのこと。沢の中をジャブジャブ進んでいた時、ふと足下で何かが動いているのが眼に入りました。


 【エゾゼミ】でした。セミが泳ぐはずはないので、何かのアクシデントで流されていたのでしょう。藁をも掴むような状況の時、私が歩いてきたので必死の思いでしがみついていたようです。
 時期も時期なので、寿命が近い個体かな?とも思いましたがまだまだ元気ですし、羽の根元部分は羽化した時のような色合いでした。やっぱりアクシデントだったのかもしれませんね。この後、近くの樹まで連れて行って解放しました。

 森吉山麓では春先のエゾハルゼミから夏になって【エゾゼミ】、コエゾゼミに主役が交代していました。その彼らも間もなくそっと姿を消す時期がやってきます。この【エゾゼミ】は自分の子孫を残すことが出来たでしょうか?



 変わって・・・
 開会式を行っている時、私のザックにファーーーと1匹のクワガタがやって来ました。


 この後、暫くすると私にも出番がやってきます。でも折角飛んできてくれたこの【クワガタ】をじっくり見たい。。そんな葛藤の中での観察でした(←て言うか・・ちゃんと開会式に集中しなくちゃダメですよね。)。

 先ずはクワガタの最大の特徴を観察します。「ふむふむ・・湾曲していて、内歯の形状は・・」とチェックしていたのですがそろそろ時間です。その場に放置したまま本来の業務について大過なく終えて再度クワガタを探しましたが既に何処かへ飛んでいってしまってました。安全な産卵場所でも探していたのでしょうか?

 後に写真をチェックして、その特徴から【ミヤマクワガタ】のメス♀だと思います。どういう訳か・・私が森吉で見かけるのはメス♀のクワガタが圧倒的に多いです。しっかりと探せばオス♂も見つかるのですが偶然見かけるのはほぼメス♀です。クワガタには雌雄で行動の違いがあるのでしょうか?


 探すとなかなか見つからないし、ましてや手に取って観察する機会はそれほど多くはありませんが、たまにはこうした偶然訪れて楽しい観察に繋がることもあります。皆さんもこんな経験したことありませんか?

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