秋田
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2011年10月03日ノビタキの渡る季節
秋田 足利 直哉
秋の空はコロコロと表情を変えます。朝方の曇り空がどんどん暗くなっていき昼前まで雷を伴って激しく降り、時々あられも混じって落ちてきました。昼以降は雨も上がり、虹が架かり夕方からは雲が多いものの夕焼けも期待できそうな空になってきました。こうした季節に外で仕事する際は洋服に選びに困りますね・・・。
さて、各地から続々と渡り鳥の情報が聞こえてきますが、森吉山鳥獣保護区でも日々その様相を変えているように感じます。今日はその中からこの時期すっかり定番となった【ノビタキ】を取り上げました。


森吉山麓高原の旧放牧地にはたくさんの【ノビタキ】の姿があります。現在では既にそのピークは過ぎてしまった感もありますが道路の直ぐ側までやってきてススキの茎でポーズをとって見せてくれます。羽数が多くてどの個体を撮影しようか迷うときもありますがこの日はやや少なめ。サービスの良い個体は何故かオス♂が多かったです・・。
ところでこの【ノビタキ】。現在では森吉山鳥獣保護区を春と秋に通過していくのが恒例となり、観察しやすい場所にいることもあって私のフィールドノートには毎年記録されている野鳥ですが、森吉山鳥獣保護区の指定時に添付されている鳥類リストにも、森吉山野生鳥獣センターオープンに先駆けて実施された調査の鳥類リストにも掲載されていません。具体的には、森吉山鳥獣保護区は平成15年に更新されていますし、森吉山野生鳥獣センターは平成16年にオープンしています。それぞれそれに先駆けて調査が行われていたものと思うのですが、いずれの調査でも確認されていなかった事になります。一方私のフィールドノートには平成19年度以降毎年記載があります。
その間に何が起こったのか?何がキッカケというか原因でこうなっているのか?解りませんが森吉山鳥獣保護区で観察できる野鳥がこの数年の間に1種増えて、その後は当たり前のようにやって来ているのです。今やすっかり風物詩的な存在となった【ノビタキ】。今年も春に北へ見送り、そして今、南へと見送る事が出来ました。
さて、各地から続々と渡り鳥の情報が聞こえてきますが、森吉山鳥獣保護区でも日々その様相を変えているように感じます。今日はその中からこの時期すっかり定番となった【ノビタキ】を取り上げました。


森吉山麓高原の旧放牧地にはたくさんの【ノビタキ】の姿があります。現在では既にそのピークは過ぎてしまった感もありますが道路の直ぐ側までやってきてススキの茎でポーズをとって見せてくれます。羽数が多くてどの個体を撮影しようか迷うときもありますがこの日はやや少なめ。サービスの良い個体は何故かオス♂が多かったです・・。
ところでこの【ノビタキ】。現在では森吉山鳥獣保護区を春と秋に通過していくのが恒例となり、観察しやすい場所にいることもあって私のフィールドノートには毎年記録されている野鳥ですが、森吉山鳥獣保護区の指定時に添付されている鳥類リストにも、森吉山野生鳥獣センターオープンに先駆けて実施された調査の鳥類リストにも掲載されていません。具体的には、森吉山鳥獣保護区は平成15年に更新されていますし、森吉山野生鳥獣センターは平成16年にオープンしています。それぞれそれに先駆けて調査が行われていたものと思うのですが、いずれの調査でも確認されていなかった事になります。一方私のフィールドノートには平成19年度以降毎年記載があります。
その間に何が起こったのか?何がキッカケというか原因でこうなっているのか?解りませんが森吉山鳥獣保護区で観察できる野鳥がこの数年の間に1種増えて、その後は当たり前のようにやって来ているのです。今やすっかり風物詩的な存在となった【ノビタキ】。今年も春に北へ見送り、そして今、南へと見送る事が出来ました。
2011年09月30日夕焼けの鳥
秋田 足利 直哉
このところ『寒くなってきたね~』と共に『日が短くなったね~』という挨拶も定番となってきました。つい先日まではちょっと残業したくらいではまだまだ明るい内に事務所を出られたのに最近では残業なしでもう薄暗い中、帰路につきますから確かな実感として感じられます。
そんな季節は夕陽を見る機会が増えて何だかワクワクします^^現場から事務所に戻る時は夕陽を眺める事が出来るのでとても特をした気分になります!!
今日は激しい雨の後で雲も多くて夕焼けは期待できませんが、昨日まではとってもキレイな夕焼けが見られました。夕陽は辺りを染めていつもとは違った色合いを見せますがこの日は野鳥までもが夕日に染まっていました。

もともとがオレンジ色なので解りにくいかも知れませんが・・・夕陽に向かって佇む【モズ】が一際赤く夕日に染まっていました。

オフホワイトの羽を朱に染めながら水辺を旋回していた【ミサゴ】です。夕飯の調達でもしようとしていたのでしょうか?
秋の夕陽にそまる野鳥達!!これも『秋田の秋』の見所の一つと言えるでしょう!!この他にもウミネコやカモメ類も美しいですよ。きっとダイサギ等の白いサギもキレイでしょうね?皆さんも自分なりの『夕日に染まる野鳥』を探しに出かけてみませんか??
そんな季節は夕陽を見る機会が増えて何だかワクワクします^^現場から事務所に戻る時は夕陽を眺める事が出来るのでとても特をした気分になります!!
今日は激しい雨の後で雲も多くて夕焼けは期待できませんが、昨日まではとってもキレイな夕焼けが見られました。夕陽は辺りを染めていつもとは違った色合いを見せますがこの日は野鳥までもが夕日に染まっていました。

もともとがオレンジ色なので解りにくいかも知れませんが・・・夕陽に向かって佇む【モズ】が一際赤く夕日に染まっていました。

オフホワイトの羽を朱に染めながら水辺を旋回していた【ミサゴ】です。夕飯の調達でもしようとしていたのでしょうか?
秋の夕陽にそまる野鳥達!!これも『秋田の秋』の見所の一つと言えるでしょう!!この他にもウミネコやカモメ類も美しいですよ。きっとダイサギ等の白いサギもキレイでしょうね?皆さんも自分なりの『夕日に染まる野鳥』を探しに出かけてみませんか??
2011年09月29日可愛い野鳥も食事シーンは残忍?
秋田 足利 直哉
目的地に着くまでに6箇所の工事現場を通過しなければならず・・・大きく迂回したり片側交互通行で長い待ち時間があったり・・・。こんな時は平静を保つのが難しいところですが安全第一!!
このところ、じっくりと鳥を見ていなかったからでしょうか(そんなつもりはないのですが・・・)?どういう訳か、鳥を見る目が無くなっている気がします。鳥獣保護区を担当するアクティブレンジャーとしては致命的です。
近くの鳥に気付かずに飛ばしてしまったり、見つけられずに素通りしたり、上空から聞こえた声を全く見当違いの方向に探したり、なんともトホホな状態です。そんな中、この【ハクセキレイ】だけはじっくり観察できましたので、その話を・・

気がつけば、【ハクセキレイ】達は冬羽に衣替えを済ませていました。見ると他の個体もほぼ換羽が終了していました。
鳥の羽で季節の移ろいを感じられるなんだなぁ~なんて思っていると・・・

目の前を飛んでいたトンボを一瞬で捕獲しました。何とも間の悪いアカトンボ、『飛んで口に入る赤とんぼ』を絵に描いたような光景でした。
棚ぼた的に労せず餌を得たこの【ハクセキレイ】、捕まえたのは良いけどどうしようか?と迷っているようでした。しばらくすると・・・

足場の悪い水路の上からしっかりとした足場のある農道へ移動しました。この後の行動は想像できますよね?

そう!皆さんの予想通り!!しっかりとした地面に捕獲した獲物を叩きつけて命を絶ち、羽など不要部分を取り除いてから丸呑みします。この一部始終を嘴だけでやってのける器用さに感心しつつも『ひょうひょうと残忍な事をするな~』という感想を持ちました。
この事例は、野鳥好きの側から見たら、『ハクセキレイは上手にトンボを食べるもんだな』というような感想を持つでしょうし、トンボ好きの側から見たら『こんな残忍な最後を迎えて可哀想だ』というような感想を持つことになるでしょう。
どちらに感情移入するにせよ、こうして命が受け継がれていく様子は自然界では日常です。アカトンボも色々な小型昆虫を食べて生きてきたでしょうし、【ハクセキレイ】もいつ捕殺されるかも知れない世界に生きているのです。ということは自然界ではもしかして『残忍』という発想自体が不要なのかも知れませんね?
このところ、じっくりと鳥を見ていなかったからでしょうか(そんなつもりはないのですが・・・)?どういう訳か、鳥を見る目が無くなっている気がします。鳥獣保護区を担当するアクティブレンジャーとしては致命的です。
近くの鳥に気付かずに飛ばしてしまったり、見つけられずに素通りしたり、上空から聞こえた声を全く見当違いの方向に探したり、なんともトホホな状態です。そんな中、この【ハクセキレイ】だけはじっくり観察できましたので、その話を・・

気がつけば、【ハクセキレイ】達は冬羽に衣替えを済ませていました。見ると他の個体もほぼ換羽が終了していました。
鳥の羽で季節の移ろいを感じられるなんだなぁ~なんて思っていると・・・

目の前を飛んでいたトンボを一瞬で捕獲しました。何とも間の悪いアカトンボ、『飛んで口に入る赤とんぼ』を絵に描いたような光景でした。
棚ぼた的に労せず餌を得たこの【ハクセキレイ】、捕まえたのは良いけどどうしようか?と迷っているようでした。しばらくすると・・・

足場の悪い水路の上からしっかりとした足場のある農道へ移動しました。この後の行動は想像できますよね?

そう!皆さんの予想通り!!しっかりとした地面に捕獲した獲物を叩きつけて命を絶ち、羽など不要部分を取り除いてから丸呑みします。この一部始終を嘴だけでやってのける器用さに感心しつつも『ひょうひょうと残忍な事をするな~』という感想を持ちました。
この事例は、野鳥好きの側から見たら、『ハクセキレイは上手にトンボを食べるもんだな』というような感想を持つでしょうし、トンボ好きの側から見たら『こんな残忍な最後を迎えて可哀想だ』というような感想を持つことになるでしょう。
どちらに感情移入するにせよ、こうして命が受け継がれていく様子は自然界では日常です。アカトンボも色々な小型昆虫を食べて生きてきたでしょうし、【ハクセキレイ】もいつ捕殺されるかも知れない世界に生きているのです。ということは自然界ではもしかして『残忍』という発想自体が不要なのかも知れませんね?
2011年09月28日見たい!けどちょっと怖いかも・・
秋田 足利 直哉
雲一つ無い青空が広がった秋田市内。間もなく夕陽が沈みますが雲がないのでいつもとは雰囲気が異なる夕焼けとなっています。
今日の秋田市の最高気温は25.9度だったそうです。日中は半袖で丁度良いくらいでしたが、既に長袖の洋服を着ている方の方が多いようですね。
皆さんはキノコの図鑑をご覧になった事はありますか?
その中にキノコが輪(或いは弧)を描くように発生しているのを撮影した写真を見たことはありますか?
そうした状況を実際に見たことはありますか?
私は図鑑でそうした写真を見て衝撃を受け、それ以来是非とも見たいと思いながら今日まで過ごしています。しかしそうした様子を簡単には見ることが出来ずにいつも”おしい”状態ばかり見てきました。下の写真はその一例を挙げた物です。

枯死木の根元にキノコが発生していました。何となく弧を描いていたのですが、ちょっと足りない感じが・・・

木道沿いにキノコが発生していました。2つと3つを繋げようとしてもやはり足りないのです・・・

この中では一番、輪に近かったと思うのですが・・・それでもやはり足りませんよね・・・。
キノコの種類はこの際、何でも良いのですが実際にキレイな『輪』『環』になっている様子を見てみたいのですが・・・。多分私はその様子を見たらテンションが上がることでしょう。う~~ん見てみたい!!
でも・・・調べてみるとちょっと気になることも・・。
キノコが輪(或いは弧)を描いて発生する様子や、その輪の事を『菌輪(きんりん)』あるいは『菌環(きんかん)』と言うそうです。英語では 『fairy ring』『fairy circle』『elf circle』『pixie ring』などと言われ『妖精の輪(或いは環)』と表現されるのだそうです。こうして聞くと「メルヘン」や「おとぎ話の世界」を連想しますよね?でもヨーロッパ諸国にはこの『菌輪』『菌環』に関してちょっと怖い(?)伝説や説話もあるようで(興味のある方は実際に調べてみて下さい。)・・・そうした話を読むとちょっと怖いかも・・・なんて思ってしまうのです。
今日の秋田市の最高気温は25.9度だったそうです。日中は半袖で丁度良いくらいでしたが、既に長袖の洋服を着ている方の方が多いようですね。
皆さんはキノコの図鑑をご覧になった事はありますか?
その中にキノコが輪(或いは弧)を描くように発生しているのを撮影した写真を見たことはありますか?
そうした状況を実際に見たことはありますか?
私は図鑑でそうした写真を見て衝撃を受け、それ以来是非とも見たいと思いながら今日まで過ごしています。しかしそうした様子を簡単には見ることが出来ずにいつも”おしい”状態ばかり見てきました。下の写真はその一例を挙げた物です。

枯死木の根元にキノコが発生していました。何となく弧を描いていたのですが、ちょっと足りない感じが・・・

木道沿いにキノコが発生していました。2つと3つを繋げようとしてもやはり足りないのです・・・

この中では一番、輪に近かったと思うのですが・・・それでもやはり足りませんよね・・・。
キノコの種類はこの際、何でも良いのですが実際にキレイな『輪』『環』になっている様子を見てみたいのですが・・・。多分私はその様子を見たらテンションが上がることでしょう。う~~ん見てみたい!!
でも・・・調べてみるとちょっと気になることも・・。
キノコが輪(或いは弧)を描いて発生する様子や、その輪の事を『菌輪(きんりん)』あるいは『菌環(きんかん)』と言うそうです。英語では 『fairy ring』『fairy circle』『elf circle』『pixie ring』などと言われ『妖精の輪(或いは環)』と表現されるのだそうです。こうして聞くと「メルヘン」や「おとぎ話の世界」を連想しますよね?でもヨーロッパ諸国にはこの『菌輪』『菌環』に関してちょっと怖い(?)伝説や説話もあるようで(興味のある方は実際に調べてみて下さい。)・・・そうした話を読むとちょっと怖いかも・・・なんて思ってしまうのです。
2011年09月27日あげていきましょう!
秋田 足利 直哉

長雨が続く前兆だったのでしょうか?先々週末秋田市上空に見られた【イワシ雲】です。先々週末以降秋田では何日も何日も雨が降り続きました。台風がやってきていてそれに伴う筋状の雲が狙ったように秋田県の上空に張り出していたのが原因だったようです。そして最後にはその台風が・・・。
と、ちょっと気持ちが落ち込みそうな事もありましたが、これからやって来る「秋」は『秋田』が最も輝く季節です!!気分も(日記の更新も)あげていきましょう↑↑↑
ということで、ちょっと強引ですが・・・久しぶりの更新となった今日の日記はアゲ↑アゲ↑な名前を持つキノコを取り上げました。
このキノコの名前は【クロノボリリュウタケ】といい漢字表記では【黒昇龍茸】と書きます。見た目もなんとなくアゲアゲな形をしてませんか?ほら、こんな形で表現しますよね?『アゲアゲ』って・・・^^

この【ノボリリュウタケ】は東北全体に分布しているそうです。発生環境も松林であったり、草地であったり、ブナ林であったり。中には公園の芝生に発生した事例もあるそうです。自分のフィールドを探してみると結構見つかるのかも知れませんね!

この個体は朽ちかけて柔らかくなっていたブナの倒木上に単生していました。小さくて地味な色合いで、しかも単生という見つけにくい状態だったとは思いますが、不思議と目が引き寄せられたと言いますか・・・バチッとフォーカスが合ったと言いましょうか・・・不思議と存在感のあるキノコです。やっぱり『昇り龍』の勢いがそうさせるのでしょうかね?
そろそろキノコ採りシーズンも本格化!「今年の紅葉は?」なんて声も聞かれるようになってきました。農作物も続々と収穫期を迎え、美味しい食べ物がイッパイです!!いよいよ『秋田の秋』本番です!あげていきましょう↑
2011年09月15日アメリカザリガニ
秋田 足利 直哉
とっても嬉しいことがありました^^V
この日記をご覧になって下さっている方が、東北アクティブレンジャー写真展をご覧になるため森吉山野生鳥獣センターまでお越し下さったのです。森吉山野生鳥獣センター館内の展示については、色々と悩み、試行錯誤しながら限られた時間と予算の中でやっているのでこうしていらっしゃて貰えると本当に本当に嬉しくなります。元気が出ます!!残念ながら直接お会いすることは叶いませんでしたが、是非直接お話しして、感想などを聞けたらなと思っています。
今日の日記は先日大潟でのとある調査をしていて一番目に付いた生きものについて書こうと思います。
普段の「ルートセンサス調査」では観察路に沿って決まった道順で実施しているのでそれ以外の場所を歩くことはないのですが、この日はルート以外の場所を、時には水辺をジャブジャブと、時には背丈を遙かに超えるヨシをかき分けて、時には樹のよじ登り、時には棘のある植物に悪戦苦闘しながら・・・特別保護区内を隈無く歩いていました。
そんな時、もっとも目に付いたのが【アメリカザリガニ】でした。通常の観察路はもちろんのこと、水路、池沼、水溜まり、林下の湿地、ヨシ原などなど特別保護地区内の全ての環境下で観察することが出来ました。そんな生きものは他にはいません!!

水門近くの流れの強い場所でもそれに逆らって突き進んでいる個体もいました。

水路の中に自分の居場所を見つけデンと陣取っている個体もいました。

そして林の中にはかなり沢山の【アメリカザリガニ】がいました。
コロニーと言いましょうか・・あちこちに穴が空いていてそこには【アメリカザリガニ】がいます。あまりの多さに多分何匹か踏んでしまっています。。そんな感触があって慌てて脚を上げると泥だらけになった【アメリカザリガニ】がファイティングポーズをとって私を見上げていました。
この林というのは実はサギのコロニーの真下。つい先日までアオサギ、ダイサギ、ゴイサギ合わせて数え切れないほどの巣があってそこで沢山の雛達が生まれ、巣立っていきました。
【アメリカザリガニ】は、そんな彼らの食糧にもなっていたはずです。しかし、繁殖が終わったばかりだというのにこれほど密に生息しているとは正直驚きました。しかも彼らの巣の真下に堂々と自分たちの生活場所を構えてるなんて・・・。
この特別保護地区内は彼らにとって沢山の危険もあるはずです。サギ以外にもウシガエルやカラス達など【アメリカザリガニ】の天敵といえる生きものがたくさんいます。時には人間の子供が捕まえていったりもします。にもかかわらず、この生息密度!!驚きです。。
【アメリカザリガニ】を捕食する生きものが大潟にやってきたら絶対に飢えることはないでしょう。かつてタンチョウが居た時には数分おきに捕まえて次から次と丸呑みしていたのに次の日もまたその次の日も同じ場所で採餌していましたからね・・・。
ちなみにこの時、私は暑い中、道ではないところを数時間歩き続けてほぼグロッキー状態・・・。でも相変わらず次々と【アメリカザリガニ】に出くわします。そしてそれらほぼ全部が自分の百倍以上もデカイ私に向かってファイティングポーズをとってきます・・・。正直もううんざりでした(涙)『なんだよ~お前もかよ・・』と泣き言が口をついて出ました。しばらくは【アメリカザリガニ】を見るのもイヤになりました。
この日記をご覧になって下さっている方が、東北アクティブレンジャー写真展をご覧になるため森吉山野生鳥獣センターまでお越し下さったのです。森吉山野生鳥獣センター館内の展示については、色々と悩み、試行錯誤しながら限られた時間と予算の中でやっているのでこうしていらっしゃて貰えると本当に本当に嬉しくなります。元気が出ます!!残念ながら直接お会いすることは叶いませんでしたが、是非直接お話しして、感想などを聞けたらなと思っています。
今日の日記は先日大潟でのとある調査をしていて一番目に付いた生きものについて書こうと思います。
普段の「ルートセンサス調査」では観察路に沿って決まった道順で実施しているのでそれ以外の場所を歩くことはないのですが、この日はルート以外の場所を、時には水辺をジャブジャブと、時には背丈を遙かに超えるヨシをかき分けて、時には樹のよじ登り、時には棘のある植物に悪戦苦闘しながら・・・特別保護区内を隈無く歩いていました。
そんな時、もっとも目に付いたのが【アメリカザリガニ】でした。通常の観察路はもちろんのこと、水路、池沼、水溜まり、林下の湿地、ヨシ原などなど特別保護地区内の全ての環境下で観察することが出来ました。そんな生きものは他にはいません!!

水門近くの流れの強い場所でもそれに逆らって突き進んでいる個体もいました。

水路の中に自分の居場所を見つけデンと陣取っている個体もいました。

そして林の中にはかなり沢山の【アメリカザリガニ】がいました。
コロニーと言いましょうか・・あちこちに穴が空いていてそこには【アメリカザリガニ】がいます。あまりの多さに多分何匹か踏んでしまっています。。そんな感触があって慌てて脚を上げると泥だらけになった【アメリカザリガニ】がファイティングポーズをとって私を見上げていました。
この林というのは実はサギのコロニーの真下。つい先日までアオサギ、ダイサギ、ゴイサギ合わせて数え切れないほどの巣があってそこで沢山の雛達が生まれ、巣立っていきました。
【アメリカザリガニ】は、そんな彼らの食糧にもなっていたはずです。しかし、繁殖が終わったばかりだというのにこれほど密に生息しているとは正直驚きました。しかも彼らの巣の真下に堂々と自分たちの生活場所を構えてるなんて・・・。
この特別保護地区内は彼らにとって沢山の危険もあるはずです。サギ以外にもウシガエルやカラス達など【アメリカザリガニ】の天敵といえる生きものがたくさんいます。時には人間の子供が捕まえていったりもします。にもかかわらず、この生息密度!!驚きです。。
【アメリカザリガニ】を捕食する生きものが大潟にやってきたら絶対に飢えることはないでしょう。かつてタンチョウが居た時には数分おきに捕まえて次から次と丸呑みしていたのに次の日もまたその次の日も同じ場所で採餌していましたからね・・・。
ちなみにこの時、私は暑い中、道ではないところを数時間歩き続けてほぼグロッキー状態・・・。でも相変わらず次々と【アメリカザリガニ】に出くわします。そしてそれらほぼ全部が自分の百倍以上もデカイ私に向かってファイティングポーズをとってきます・・・。正直もううんざりでした(涙)『なんだよ~お前もかよ・・』と泣き言が口をついて出ました。しばらくは【アメリカザリガニ】を見るのもイヤになりました。
2011年09月14日草原性鳥類は今・・
秋田 足利 直哉
このところ大潟草原鳥獣保護区で立て続けに調査をしていますが・・ヨシを主体としたジャングル状態の草原に体力を吸い取られています。夏の疲れが出やすい時期です、皆さんも体調管理には充分お気を付け下さい。
と言うわけで・・・大潟草原鳥獣保護区で過ごす時間が長くなっているのでそこで感じたことを書いてみようと思います。
大潟草原鳥獣保護区内のヨシ原では草原性の鳥類たちがほぼ繁殖を終え、巣立った雛達も一人前に行動できるようになったようで、今はすっかり静かになって寂しいばかりです・・・。
そんな中で、他の野鳥や他のペアに比べてちょっと遅めに繁殖活動に入ったペアとその家族が、観察できています。既にヨシ原で観察できる野鳥は彼らだけとなっています。

【コジュリン】です。時々気が向いたときには囀りも披露してくれています。一緒に行動している雛は3羽いていずれも淡い色合いでピンク色の嘴がキュートです!!

【コヨシキリ】は対照的で、近くに行くと常にチッチと警戒音を発しています。藪の中を忙しなく移動してなかなか姿を見せてはくれません。
彼らを観察できるのはあと少しの間でしょう・・・。今期の『夏の繁殖期』は終了です。残った彼らが旅立っていくとあとは南へ渡っていく小鳥たちを次々と見送るだけとなり来年の春まで閑散とした状態となります。
そうなると我々には沢山の宿題が出され、その課題をこなすために試行錯誤する日々がやってきます。
と言うわけで・・・大潟草原鳥獣保護区で過ごす時間が長くなっているのでそこで感じたことを書いてみようと思います。
大潟草原鳥獣保護区内のヨシ原では草原性の鳥類たちがほぼ繁殖を終え、巣立った雛達も一人前に行動できるようになったようで、今はすっかり静かになって寂しいばかりです・・・。
そんな中で、他の野鳥や他のペアに比べてちょっと遅めに繁殖活動に入ったペアとその家族が、観察できています。既にヨシ原で観察できる野鳥は彼らだけとなっています。

【コジュリン】です。時々気が向いたときには囀りも披露してくれています。一緒に行動している雛は3羽いていずれも淡い色合いでピンク色の嘴がキュートです!!

【コヨシキリ】は対照的で、近くに行くと常にチッチと警戒音を発しています。藪の中を忙しなく移動してなかなか姿を見せてはくれません。
彼らを観察できるのはあと少しの間でしょう・・・。今期の『夏の繁殖期』は終了です。残った彼らが旅立っていくとあとは南へ渡っていく小鳥たちを次々と見送るだけとなり来年の春まで閑散とした状態となります。
そうなると我々には沢山の宿題が出され、その課題をこなすために試行錯誤する日々がやってきます。
2011年09月13日カバイロツルタケの観察事例
秋田 足利 直哉
昨日は「中秋の名月」だったのですが秋田県内は雨や曇りの生憎の空模様、残念ながら”まんまるお月様”は見られませんでした。そして今日も朝方を中心に強い雨が降り県北部を中心に大雨警報も発令されていました。暑さは一段落した感がありますがジメジメした不快感が続きますね・・・
今日はそんなジメジメした日に観察したちょっと変わったキノコの観察事例を報告します。と言っても珍しいキノコを発見したのではなく、よく見る【カバイロツルタケ】が面白い状態で発生した事例と、これってどういう事?と不思議に感じた事例ですのでお気楽にお付き合い下さい^^
最初はこれ!

登山道脇に発生した【カバイロツルタケ】です。上から見た写真と横から見た写真を並べてみました。
伸長して傘を展開しようとしたところで障害物に阻まれて傘が歪んでしまっています。その状況が解りにくく感じるのはつい最近行われたらしい草刈り作業でその障害物となった植物が刈り払われているためです。
この辺りではマイヅルソウやサンカヨウが葉を展開する時に落ち葉などが邪魔をしてキレイに葉を広げられない個体を見かけることがありますがキノコでもそうした事例が起こりうるんですね?
続いてはこれ!

ごく至近距離に、しかも同時期に2つの【カバイロツルタケ】が発生したのでしょう。お互いにお互いが障害物となって傘が丸く展開せず、いびつな形となっていました。
同じように上から見た写真と横から見た写真を並べてみました。横から見た写真ではお互いの傘の具合が見て取れます。キノコには束生あるいは群生状態で発生する物があり、それらはもっともっと窮屈に見えますが、それでもこの様に邪魔しあって形が悪くなる事はないと思っていました。この2つの【カバイロツルタケ】は仲が良いんだか?悪いんだか?
最後はこれ!

多分これも同じ【カバイロツルタケ】であろうと思うのですが・・・これは一体どんな状況なのでしょうか?上から見ると花びらのような形状になっていますし、横から見ると繊維に沿って脱落しているのが見て取れます。
何者かがこのキノコを食べたのかとも思いましたが、こんな芸術的な形で食べ残すことはないだろうと思いますし、状態を見ても老菌となって変色し、溶け始めたといった雰囲気はありません。触った感じもまだハリがあって元気さを感じたのですが・・・。結局のところ、全く見当が付きません。
この時期は、キノコを探す気がなくても様々なキノコが目に入ってきます。「森のもう一つの主役」とも言われるキノコ達ですが、この時期は間違いなく完全なる「主役」です!!お馴染みのキノコでもよく見るとこのように面白い観察が出来ますよ。
今日はそんなジメジメした日に観察したちょっと変わったキノコの観察事例を報告します。と言っても珍しいキノコを発見したのではなく、よく見る【カバイロツルタケ】が面白い状態で発生した事例と、これってどういう事?と不思議に感じた事例ですのでお気楽にお付き合い下さい^^
最初はこれ!

登山道脇に発生した【カバイロツルタケ】です。上から見た写真と横から見た写真を並べてみました。
伸長して傘を展開しようとしたところで障害物に阻まれて傘が歪んでしまっています。その状況が解りにくく感じるのはつい最近行われたらしい草刈り作業でその障害物となった植物が刈り払われているためです。
この辺りではマイヅルソウやサンカヨウが葉を展開する時に落ち葉などが邪魔をしてキレイに葉を広げられない個体を見かけることがありますがキノコでもそうした事例が起こりうるんですね?
続いてはこれ!

ごく至近距離に、しかも同時期に2つの【カバイロツルタケ】が発生したのでしょう。お互いにお互いが障害物となって傘が丸く展開せず、いびつな形となっていました。
同じように上から見た写真と横から見た写真を並べてみました。横から見た写真ではお互いの傘の具合が見て取れます。キノコには束生あるいは群生状態で発生する物があり、それらはもっともっと窮屈に見えますが、それでもこの様に邪魔しあって形が悪くなる事はないと思っていました。この2つの【カバイロツルタケ】は仲が良いんだか?悪いんだか?
最後はこれ!

多分これも同じ【カバイロツルタケ】であろうと思うのですが・・・これは一体どんな状況なのでしょうか?上から見ると花びらのような形状になっていますし、横から見ると繊維に沿って脱落しているのが見て取れます。
何者かがこのキノコを食べたのかとも思いましたが、こんな芸術的な形で食べ残すことはないだろうと思いますし、状態を見ても老菌となって変色し、溶け始めたといった雰囲気はありません。触った感じもまだハリがあって元気さを感じたのですが・・・。結局のところ、全く見当が付きません。
この時期は、キノコを探す気がなくても様々なキノコが目に入ってきます。「森のもう一つの主役」とも言われるキノコ達ですが、この時期は間違いなく完全なる「主役」です!!お馴染みのキノコでもよく見るとこのように面白い観察が出来ますよ。
2011年09月12日大潟草原のヨシ原のイトトンボ
秋田 足利 直哉
大震災から半年が過ぎました。最近は普段の生活の中に『被災地支援』が浸透してきているように感じます。例えば、スーパーなどに買い物に行くと被災地で生産された物が色々と売られていたり、普通に買い物をしても売り上げの一部を被災地へ寄付するという仕組みが出来上がっていたりして「自然に」被災地支援が出来るようになってきていることを感じます。
これからも息の長い支援が必要ですから、このような動きがもっともっと続いて、どんどん大きなものになれば良いな~と願う今日この頃です。
はい、今日は大潟草原鳥獣保護区内で調査を実施する時、水際や観察路の低い位置に見かけるイトトンボの話です。
ヨシ原では先ずハラビロトンボやシオカラトンボ、チョウトンボ等が出現し、遅れてノシメトンボやマイコアカネなどが見られます。このイトトンボはそれらよりもちょっと早めに出現して、今もなお観察する事が出来ている出現期の長いイトトンボです。


調査をするときには、上空を飛ぶ野鳥や、ヨシ原を動き回る野鳥に注意を向けているため、なかなか足下の小さな生きものにまで注意が及ばないのが悩ましいところですが・・・だいたい見られる場所が一定だと言うことが解ってきましたのでその場所ではこうしてトンボも観察しています。
このイトトンボは(多分)【アジアイトトンボ】という名のイトトンボの中でも小型の部類に入るトンボです。分布は日本全国に及んでいるそうですが北海道や東北北部では他地域に比べて限定的なんだそうです。
大潟草原鳥獣保護区内のヨシ原にもアメリカザリガニ等、トンボの幼虫を捕食する生きものが多く生息しているので、トンボが生息する環境としては決して良くないと思っていましたがこの【アジアイトトンボ】は逞しく生き抜いています。幼虫の時も成虫になってからも多くの捕食者がいる中で日々の生活を送っていながら長い期間観察できている彼らの強さの秘訣は何なんでしょうかね?きっと食物連鎖のトライアングルの頂点に君臨する生きものにはない独特の強さをもっているんでしょうね?
何時も行く仕事場で、ある一定期間ずっとそこにいて、いつでも逢える存在だったこのトンボ。ある日、なんて名前なんだろ?と思い、調べてみて・・・【アジアイトトンボ】だと解ると今度はどんな所に住んでるんだろ?と分布や生息環境が気になったり・・・。そのうち自分は『アクティブレンジャーとしてここをずっと見てきたのに知らないことが多すぎる!』と思い知らされてます。
これからも息の長い支援が必要ですから、このような動きがもっともっと続いて、どんどん大きなものになれば良いな~と願う今日この頃です。
はい、今日は大潟草原鳥獣保護区内で調査を実施する時、水際や観察路の低い位置に見かけるイトトンボの話です。
ヨシ原では先ずハラビロトンボやシオカラトンボ、チョウトンボ等が出現し、遅れてノシメトンボやマイコアカネなどが見られます。このイトトンボはそれらよりもちょっと早めに出現して、今もなお観察する事が出来ている出現期の長いイトトンボです。


調査をするときには、上空を飛ぶ野鳥や、ヨシ原を動き回る野鳥に注意を向けているため、なかなか足下の小さな生きものにまで注意が及ばないのが悩ましいところですが・・・だいたい見られる場所が一定だと言うことが解ってきましたのでその場所ではこうしてトンボも観察しています。
このイトトンボは(多分)【アジアイトトンボ】という名のイトトンボの中でも小型の部類に入るトンボです。分布は日本全国に及んでいるそうですが北海道や東北北部では他地域に比べて限定的なんだそうです。
大潟草原鳥獣保護区内のヨシ原にもアメリカザリガニ等、トンボの幼虫を捕食する生きものが多く生息しているので、トンボが生息する環境としては決して良くないと思っていましたがこの【アジアイトトンボ】は逞しく生き抜いています。幼虫の時も成虫になってからも多くの捕食者がいる中で日々の生活を送っていながら長い期間観察できている彼らの強さの秘訣は何なんでしょうかね?きっと食物連鎖のトライアングルの頂点に君臨する生きものにはない独特の強さをもっているんでしょうね?
何時も行く仕事場で、ある一定期間ずっとそこにいて、いつでも逢える存在だったこのトンボ。ある日、なんて名前なんだろ?と思い、調べてみて・・・【アジアイトトンボ】だと解ると今度はどんな所に住んでるんだろ?と分布や生息環境が気になったり・・・。そのうち自分は『アクティブレンジャーとしてここをずっと見てきたのに知らないことが多すぎる!』と思い知らされてます。


こうして日に日に秋が深まって行く今日この頃、『秋と云えば?』皆さんはどんな秋を思い浮かべますか?『食欲の秋』『読書の秋』『スポーツの秋』と色々ありますが、『芸術の秋』というのもあります。
五月蠅かったヤブ蚊もいなくなり、ハイキングをするにも快適な季節となりました。キノコも本格的なシーズンがやって来ているようです。そんな森吉山麓にお越しの際には是非、森吉山野生鳥獣センターで開催中の写真展をご覧頂きたく、皆様にお知らせいたします。
9月29日(木)~10月28日(金)の期間で、(財)日本野鳥の会秋田県支部の会員の皆様が撮影したもので『写真展・秋田の野鳥』を開催中です。
半切の写真を30点。山の野鳥から水辺の野鳥まで幅広い種が取り上げられています。
写真展を見た方は『鳥のことはよくわからないけど、このキレイな鳥の写真を見ているだけで気持ちいい』という感想が聞かれました。野鳥に興味関心がある方は勿論、野鳥のことはよく解らないという方にも充分に楽しんでいただける写真展だと思います。
もう一つ。10月1日(土)~10月31日(月)の日程で森吉山鳥獣保護区管理員2名による『写真展・森吉山鳥獣保護区の景観』も開催中です。
森吉山鳥獣保護区の隅々まで知り尽くした(?)鳥獣保護区の管理員さんがこれまでに撮影した写真は、地元の方でも『これどこ?』と言うような奥地の物もありますし、お馴染みの場所でも『こんな時があったんだ?』と言うような珍しい光景を納めた物などがあって見応え充分です!!
私もアクティブレンジャーとして森吉山鳥獣保護区内の様々な場所に足を運んで来たつもりでしたがまだまだ甘かったです。この写真を見てより一層自分が担当する地域の魅力を感じた次第です。
今期の森吉山野生鳥獣センターでの展示はこれにて終了となりますが、振り返ってみれば今期は6月から10月まで毎月違った写真展を開催してきました。毎月新たな写真展を準備するのは正直シンドイことでしたが、ご来館いただいた方々から率直な感想を聞くことができてその苦労が吹き飛びました。今回の写真展もより多くの方々にご覧頂いて、たくさんの感想を聞かせていただきたいと思いますので是非とも森吉山野生鳥獣センターにお越し下さいませ!!