ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

秋田

1036件の記事があります。

2013年09月13日大潟草原鳥獣保護区で植生調査を実施しました

秋田 足利 直哉

 時節の挨拶の時、『日が短くなってきたね~』という言葉が聞かれるようになってきました。この前まで仕事が終わってからもまだまだ明るくて外で活動する時間があったのに今や・・・。


 このところの私の記事は森吉の話題ばかりになっていましたが、決して大潟に足を運んでいなかったわけではありません!と言うことで今日の日記は久しぶりに大潟草原鳥獣保護区の話題です。

 現在、大潟草原鳥獣保護区では、ほとんどの鳥類の繁殖が終り、鳴き声もほとんど聞かれなくなりました。そんな中、目立つのがコロニーで繁殖したサギ達。特にゴイサギは南の池や特別保護地区の水辺に数百羽がまとまって見られます。また水辺にはチラホラとカモの姿も見られるようになってきました。秋の渡りが始まっているようです。

 そんな水辺の賑やかさと比べると草原の静けさは寂しさを感じるほど。でもそんな時期だからこそ、植生調査が出来るのです。
 草原性鳥類達が繁殖活動中は彼らの行動を離れて見守ることとして、観察路の草刈り作業や植生調査は行っていません。真夏の観察路などは背丈を超えるヨシが押し寄せて道を狭めているので、歩くのにも支障があるくらいですが、それでも鳥類の為に我慢我慢の日々を送ります。植生調査も一定範囲をつぶさに調べるために草原に踏み込んで行く必要があるので、万が一にも鳥の巣を壊すことが無いように、繁殖が一段落したこの時期に毎年実施しています。


 タイトルが『植生調査を実施しました』となっているので私が調査したかのようになってしまいましたが、実際に調査するのは植物の専門家の方で私は、鳥類が利用したエリアや、巣がある場所を示してその周辺の植生調査をしてもらう為の謂わばちょい役です。

 大潟草原鳥獣保護区ではオオセッカが好む生息環境・繁殖しやすい環境を作り出すための環境整備事業を実施しています。具体的にはヨシが密になりすぎないように、適度に下草が生える状態を作り出す為の作業を行っているのですが、その時に活用するのがこの植生調査の結果なんです。

 今回の植生調査では、あるエリアがヨシなどの背丈の高い植物が旺盛になりすぎて、オオセッカが好む環境からかけ離れつつある事が分かりました。今後この結果を基に、環境改善事業を行うエリアを絞り込んでいくことになります。



 調査が行われている間、私は耳を澄まして植物の名前を聞き取っていました。自分でも同定できる植物も増えてきましたがまだまだ分からないものも多いので備忘録として写真撮影してきました。さらに調査の手を休めて教えてくださった名前の由来やその植物が好む環境なども『なるほど!』な事ばかりでした。
 そんな中から4点ほど紹介します。左上から時計回りに・・①ヒメシダ②コウヤワラビ③イシミカワ④アカバナ。聞いても一度では覚えられないのでこうして日記に書いて、頭にたたき込もうかと思います。



ページ先頭へ↑

2013年09月11日自然観察会『赤水渓谷で爽快沢歩き』を実施しました

秋田 足利 直哉

 朝晩めっきり涼しく感じられるようになった今日この頃。森吉山鳥獣保護区内のノロ川地区で渓谷はベストシーズンを迎えています。そんな中、9月8日(日)に赤水渓谷で森吉山野生鳥獣センター運営協議会が主催する自然観察会『赤水渓谷で爽快沢歩き』を実施しましたのでご報告します。



 なぜ、今が渓谷歩きのベストシーズンかと言うと・・・
①アブなどの煩わしく体にまとわりつく虫が減ってきたこと。これが一番大きな要因です。他に②夏の終わりの雨で渓谷に点在していた倒木の多くが洗い流されたこと。③まだまだ日中は蒸し暑いので、活動中は水に濡れても寒くならずに済む。④秋の美しい空色が渓谷岩場の暗色&峰の緑とのコントラストが最高。などの理由があります。


 今回の観察会は渓谷でのアクティビティをテーマとしましたので、森の中は足早に抜けていきました。観察対象に溢れている森ですが、ヤブ蚊にまとわりつかれてはたまらないのでノンストップで歩きました。


 そしてたどり着いた渓谷は別天地でした。この日は水量も多く、小滝や淵を流れる水は普段よりも迫力を増していました。


 赤水渓谷についてからが観察会の本番。先ずは安全に歩く方法やコツについてこの森の隅まで知り尽くしている講師陣からレクチャーしてもらいました。また、ちょっとでも危険や不安を感じそうな場所は補助ロープで確保しながら慎重に進んでいきました。


 講師を務めてくれたのは、森吉山鳥獣保護区管理員の福士さんと森吉山県立自然公園管理員の佐藤さん、その前任の森川さん。いずれも日頃からこのエリアを歩き回って、つぶさに状況を見ている管理員さん達。さらにプロガイドをして活動していたり山岳界の重鎮としてバリバリ山歩き、沢歩きをこなすベテランでこの森を自由自在に歩き回る事が出来る方ばかりです。

 そんな講師陣に先導していただき、脇を固めていただきながら急流や段差を避けて、僅かな足がかりを頼りに歩く渓谷歩きは参加された方から『楽しい♪』と満面の笑みが溢れるほど爽快なものでした。


 爽快と感じるのは安心感と高揚感だけではなく、渓谷を彩る木々、花々からも感じる事が出来ました。かくいう私もかなり楽しい時間を過ごす事が出来ました。


 今回の目的地、赤水渓谷のウサギ滝です。滝壺付近にいる人と比較していただくとその大きさがお分かりいただけると思います。そしてなぜこの滝がウサギ滝というのかお分かりになりますでしょうか?


 今回の観察会の参加者及びスタッフはいずれも大人の方々ばかりでしたが、その口々から『楽しい^^』『気持ちいい♪』などと素直でシンプルな感想が聞かれました。大人がこうも無邪気な笑顔を見せる事もあるんですね。それだけ森吉山鳥獣保護区のノロ川地区、特に赤水渓谷には魅力がびっしり詰まっているって事かもしれません。秋田の自然保護官は滝の前で満面の笑みで記念撮影をしました。自分たちが担当する現場にこの様な場所があって幸せです^^


 と言う事で、今回の観察会は全て想定の範囲内で無事に終えることが出来ました。これも強力な講師陣と信頼できる秋田県の自然保護課と森林整備課のスタッフ陣が居てくれたお陰です。ありがとうございます。そして参加していただいた皆さんも存分に楽しんでいただけた様子で、我々も元気になりました。ありがとうございます。

ページ先頭へ↑

2013年09月10日9月の森吉山野生鳥獣センター

秋田 足利 直哉

 9月も早、10日を過ぎました。なんだかあっという間に月日が過ぎていくように感じます。季節の移りも目で見て感じられるようになってきました。花も秋を代表する花々が咲き、木の実が稔り、キノコがあちらこちらで見られます。


 左上から時計回りに①『秋の森の主役キノコ!』②『実りの秋:ミズキの実』③『秋を代表する花、色々なリンドウが咲いてます』④『独特の形!ツリフネソウの花』
 森吉の森、秋は『稔りの秋』を迎えています。


 森吉山野生鳥獣センター館内では『芸術の秋』真っ盛り!!今月の企画展示は秋田県にご協力いただいて『愛鳥週間ポスター絵画展』を実施中です。


 6月の愛鳥週間に合わせて県内各地から応募のあった作品114点を館内各所に展示中です。小学校5年生から中学校3年生までの味のある作品、目を見張るような力作がイッパイです。


 ご覧になった方々も感心しきりです!!『上手いもんだね~』と一枚一枚熱心に見る方も多いようです。
 私も展示作業をしながら一枚一枚しっかりと見ましたが、脱帽する作品が何枚もありました。このまま来年の愛鳥週間のポスターとして使えると思います。



 この他、7月28日(日)に実施した『アーティスト目線で観察会』の参加者が送ってくれた作品5点も展示中です。こちらも葉書サイズの小さな絵画ですが、細かな筆遣いの力作揃いです。
 更には東北アクティブレンジャー写真展『東北の自然 ~いきもの~』も開催中です。東北管内10名のアクティブレンジャーが業務中に撮影した30枚の写真を展示中です。是非ご覧ください!!

 

ページ先頭へ↑

2013年09月02日観察会後の植樹活動

秋田 足利 直哉

 9月に突入。短い夏が終わったとたん、もう秋雨の季節でしょうか?秋田市内は朝から雨が降っています。
 

 今年度は森吉山野生鳥獣センター運営協議会と秋田県が事務局を務める森吉山麓高原自然再生協議会では、森吉山麓で行う自然観察会をお互いに主催共催する体勢で実施してきています。これまでに4回の自然観察会を実施してきたところですが、その都度再生事業の一環として植樹活動も実施してきました。
 観察会の度にこの日記でご報告してきたところですが、6月23日(日)の観察会以降の植樹活動について未報告でしたので、ここでご報告。



 7月7日(日)に開催した『樹木医と歩く森吉の森』の参加者による植樹活動。

 樹木医さんと言えば、こうした植樹も専門領域。これまで何百人もの植樹の様子を見てきましたがその手つきと手際の良さは別格でした。ここでご指導いただいた内容は今日の植樹活動に早速取り入れられています。
 観察会でもそうでしたが、植樹活動でも各方面の専門家の意見を聞きながら事業を実施していくことの大切さを感じた一日でした。


 7月28日(日)に開催した『アーティスト目線で観察会』の参加者による植樹活動。

 あいにくの雨でしたが植樹も楽しみに観察会に参加された方が多かったのがこの回の特徴でした。しかも参加者の大半は地元北秋田市の方々でしたので今後も折を見て森吉山野生鳥獣センターにきて、自分が植樹した木を観察するのが楽しみという声も聞かれました。
 この日は森吉山野生鳥獣センター周辺にあった木の葉をスケッチしましたが、近い将来、成長した苗木を描く機会を持ちたいものだと感じた一日でした!


 8月25日(日)に開催した『森吉山麓カメラ散歩』の参加者による植樹活動。

 講師陣の中に現在自然再生事業が行われているエリアが切り開かれる以前の様子を記憶している方がいて、当時の森の様子を伺いながら思いをはせ、その姿に再生することを願いながら植樹活動を行いました。
 『自分が植えた苗木を定期的に撮影して成長記録をつけるのも面白いね!』なんて声が聞かれ、カメラでのモニタリングもいいかも!と感じた一日でした。

 今後予定している観察会は9月8日(日)と10月20日(日)のあと2回。9月8日の『赤水渓谷で爽快沢歩き』は参加者募集中です。そのいずれの機会でも植樹活動を予定しております。
 また観察会の機会以外でも森吉山麓高原を訪れた機会に植樹活動をしたいという方は同エリアの奥森吉青少年野外活動基地にお越しいただければ、対応していただけるそうです。詳しくは指定管理者のHPをご覧ください。

HPはこちら。http://www.ku-n.jp/kiti.html


ページ先頭へ↑

2013年08月26日自然観察会『森吉山麓カメラ散歩』を実施しました

秋田 足利 直哉

 処暑が過ぎ、夏の最終盤を飾る行事も終わった秋田県内、朝晩は少しずつ涼しさを感じられるようになってきました。短い夏もあと僅かでしょうか?

 昨日8月25日(日)、森吉山鳥獣保護区にて自然観察会『森吉山麓カメラ散歩』を実施しました。今回は地元で活動しているカメラクラブの”フォトクラブ「森吉」”と”もりよし写真クラブ”さんにご協力いただき、地元では知る人ぞ知るアマチュア写真家3名に講師をしていただきました。

 森吉山鳥獣保護区で業務にあたっていると、多くのカメラマンさんと会います。朝早く、あるいは夕方になってから大きな機材を抱えて入山していく熱心な方々も多く見かけます。時には撮影した写真を見せていただくこともありますが、見慣れた場所であるにも関わらず見たことも無い様な表情を捕らえた写真が多い事に驚きます。
 そんな実体験からカメラマンの視点でこのフィールドを見ることで、一層このエリアの魅力を感じられるのでは無いか?なにか新たな発見があるのではないか?これまでと違った視点が得られるのでは無いか?との期待から企画した観察会です。

 当日は観察会の開始時刻直前にやや激しい雨が降り始めて、不安を感じましたが雨は長続きせず、開始予定時刻をちょっと過ぎた時点で小降りになって青空も見えるようになってきました。でもいつまた雨が降るか分からないので雨ガッパを着て、更に大事な機材をぬらさないように万全の装備をして出発しました。


 このエリアも最大の魅力はやはり『ブナ林と渓谷』美林と渓谷美の共演です!!そしてそこに蓄えられた水とそれが育む様々な生きものたち。当然そうした物が被写体になります。
 

 森吉山鳥獣保護区のノロ川エリアは穏やかな日は長靴があれば渓谷の中に身を置いて自然観察が出来る場所です。もちろん撮影場所としても素晴らしい場所です。
 瀬を渡る風も音もとっても心地良い中で、水を纏ったコケや渓谷に現れるトンボ、実を付けた草木など周囲には思わずレンズを向けたくなる被写体を観察&撮影しました。

 この日の観察会中、雨には一切あたらなかったのですが反面、森の中ではヤブ蚊の襲撃に遭ってしまい・・・羽音や吸血後のかゆみで全員の集中力が削がれ、立ち止まってじっくりと観察&撮影というのが叶わなかったのが残念でした。

 
 森吉山野生鳥獣センターに帰着後は快適な渓谷で観察&撮影してきた写真を見ながら講評をいただいたり、自然を捉えるカメラマン目線での話を伺う事が出来ました。また講師の方が自費出版している森吉の自然を撮影したDVDの鑑賞もしました。

 普段は記録写真や証拠写真ばかり撮っている私にとって、その場所をより魅力的に写し取ろうとするカメラマン目線はとても参考になることが多く、改めて自分の仕事場の魅力を感じました。このエリアの魅力をより効果的に伝えるには魅力的な写真は欠かせません。その為には、大きな自然の中から一番魅力を発揮できるシーンを捉える視点とそれを切り取る腕も必要になると言う事を強く感じた観察会でした。
 
 最後になりましたが、観察会にご参加いただいた皆様ありがとうございます。この観察会に合わせて東京より来秋してくださったご夫妻もいらっしゃいました。お疲れ様でした。また講師を務めてくださった皆様もありがとうございます。今後ともどうかよろしくお願いします。

ページ先頭へ↑

2013年08月16日「はやおきバードウォッチング」の講師をしてきました

秋田 足利 直哉

 ちょっと前の話になりますが、8月7日(水)に地元NPO法人冒険の鍵クーンが主催する『あきた野生生物ジュニアレンジャー』という企画の一コマ、「はやおきバードウォッチング」で講師をしてきました。
 環境省の事業で『子どもパークレンジャー』がありますが、それと似たような事業を地元のNPO法人が主催して行っており、昨年度から実施しているようです。今回は秋田県内各地から14名の小中学生達が参加していました。

 8月6日(火)~8月8日(木)の日程で森吉山麓高原を会場に、そこに棲む野生生物の実際の姿や彼らの残した痕跡を観察する事を主眼としています。その中で私は野鳥観察を担当し、哺乳類は獣医師でマタギ(見習い)でもある方が担当しました。
 一日の中で野鳥が最も活発に活動する時間帯と言えば早朝。特に日の出前後には鳴き声が多く聞かれるほか、日が昇ると猛禽類などが上空を旋回する様子が観察できますので、その時間帯に合わせて観察を行いました。


 早朝5時。子ども達は朝から元気いっぱいです。動物に興味のある子ども達も多く双眼鏡やスコープの扱いも直ぐに覚えていました。


 私は朝4時にそっと起き出して外の様子を直前下見。4時15分から4時45分までの30分間で10種類以上の野鳥を確認できました。これは期待できそうだと思ったのですが・・・。
 しっかりと姿を観察できたのはハシボソガラスとホオジロの2種類のみ。あとは鳴き声や飛び去る姿を短時間観察できただけとちょっと残念な結果になってしまいました。

 とはいえ!バードウォッチングはその気になればいつでも可能です。他のプログラムの最中でも、食事をしながらでも、移動中でもそこに野鳥さえいれば観察可能です。
 その後も朝食後の休憩時間や午前のプログラム実施中や移動中も”ながらバードウォッチング”を実施して上空を旋回するクマタカやハチクマなどの猛禽類も観察することが出来、最終的には20種類の野鳥を観察することが出来ました。



 午後は森吉山野生鳥獣センターに移動して、「ツキノワグマのトラック(痕跡)探し」のレクチャーの後、実際に森の中を散策しました。
 

 講師の方が、ツキノワグマが残す痕跡にはどんなものがあるか解説中です。
 森吉山野生鳥獣センターの「森の小径」と題した誘導路には実物大のツキノワグマの足跡も点々と続いていますし、熊棚と呼ばれる食事の痕跡もありますので事前学習もバッチリです。
 この後、森の中ではツキノワグマが残した歯形や爪痕のほか体毛も見つけたようです。


 今回改めて、実物を見たときに子ども達が見せる素直なリアクションに触れて地域の自然や野生生物とのふれあい体験の大切さを感じました。野鳥などは実際に触れ合える距離での観察は出来ないのですが、自分が手にした双眼鏡に大きな翼とくっきりとしたタカ斑が見えたときや、囀る小鳥の姿を見たときの引き込まれていく様子や嬉しそうな顔をみると、本当にこの取り組みの大切さを実感します。

 今回参加した14名の子ども達はきっとこれからも野生生物に興味を持ち続けてくれるだろうと思います。そして自分たちの周りには色んな生きものが暮らしていることを気付いてくれた彼らはこの体験でまたひとつ成長したんじゃないかな?と感じています^^

ページ先頭へ↑

2013年08月12日ふるさとサマーキャンプ2013 AR担当プログラム

秋田 足利 直哉

 日記と言うには少々時間がずれてしまったのですが・・・8月3日(土)~8月6日(火)毎年恒例の『ふるさとサマーキャンプ2013』が行われ、初日にスタッフとして参加しました。
 主催は地元のNPO法人「冒険の鍵クーン」で、森吉山野生鳥獣センター運営協議会等が共催している企画で今年で9回目の実施となります。その中でアクティブレンジャーが担当するプログラムは初日の一番最初のプログラムです。これ次第で今後の雰囲気を左右しかねない重要なポジションを任されています。


 今年は秋田市や北秋田市など県内各地から、そして秋田県内に帰省中の子どもなどを含めた35人の児童達が参加してくれました。夏休みになるとこの企画を楽しみにしている子どももいるようで毎年参加してくれて既に顔見知りの子ども達もいます。この企画が行われている間、子ども達はスタッフをニックネームで呼ぶ事になっているのですが自己紹介する前から私のニックネームを呼んでくれる子もいました。


 先ずはこの間の予定や決まり事、注意事項などを伝えるオリエンテーションの時間です。
 期間中、子ども達のサポートとして秋田国際教養大学の学生さん3人がお手伝い。平均年齢50代後半(?)のスタッフ達のサポーターでもあります。


 それが終わるとみんなで一緒に食事をします。普通にスーパーで購入した”そうめん”ですがみんなで囲むととっても美味しく感じます^^
 初めはぎこちなかった子ども達同士も同じテーブルで食事をするうちに会話も生まれ次第に打ち解けている様子が見て取れました。


 そして最初のプログラムを私が担当します。普段通う小学校もバラバラの35人の児童達と学生ボランティア、スタッフが一緒に行えて楽しめるプログラムを考えて実施しています。
 今回はバードウォッチングを題材としてゲーム性を盛り込んだオリジナルプログラムを実施しました。ほぼぶっつけ本番で前日ギリギリまで準備を行っていたのでどうなるか?私自身も少々不安でしたが、狙い通り(?)盛り上がって、交流も出来ていたようです。


 この後は各班に分かれてテントの設営等を行い、夕方のプログラム実施。そして翌日以降のプログラムを行いました。期間中児童達はキャンプ生活をしながら、渓谷散策やカヌートリップで奥森吉の自然を満喫し、バードウォッチングや鷹匠体験などで動物たちとふれあい、マタギさんや地元の農家さん達と一緒に地域の生活を体験し、森吉山麓自然再生事業の一環となる植樹を行うなど盛りだくさんの活動をしました。私はその一部をお手伝いしただけですが、一緒に過ごした子ども達の楽しそうな様子に元気をもらった気がします。


 子ども達が元気に過ごし、夢中で遊ぶ姿ってイイですね~。これからも奥森吉でたくさんの子ども達の笑顔がみたいと感じるアクティブレンジャーでした。

ページ先頭へ↑

2013年08月08日森吉山ダム広報館でAR写真展始まりました

秋田 足利 直哉

 夏の暑さが続く秋田市内。竿灯祭りが終わって事務所界隈も普段の人通りになりましたが、各行楽地は多くの人出で賑わっているようです。


 そんな中、森吉山ダム広報館にてAR写真展『東北の自然 ~いきもの~』が始まりました。開催日程は8月2日(金)~9月2日(月)となっています。


 写真展会場の様子です。館内から展望デッキへの通路に設置してありますが、暑さのせいか?涼しい館内からでる方がちょっと少ないとか・・・。

 それでもとある来館者から『おっまた始まったね^^』と声をかけていただきました。常連さんにはアクティブレンジャー写真展が恒例企画として浸透してきたのでしょうか?嬉しい限りです!!


 今期、森吉山ダム広報館と森吉山野生鳥獣センターは色々と連携して奥森吉エリアのPRを行っています。その一つが森吉山ダム広報館内にある『奥森吉たより』と題した専用の掲示スペース。観察会の告知(現在は8月25日開催予定の観察会チラシを配置しております)や森吉山野生鳥獣センター企画展の告知等をさせていただいておりますし、近隣で活動するNPO法人が主催する自然体験プログラムなども紹介してます。


 森吉山ダム広報館での告知を見て森吉山野生鳥獣センターまで足を運んでくださった方々にはちょっとした特典(?)もご用意してます。

 どんな特典なのかは来てからのお楽しみ。是非お越しください。
 

ページ先頭へ↑

2013年08月05日8月の森吉山野生鳥獣センター

秋田 足利 直哉

 ようやく東北地方も梅雨が明け、夏の日射しが照りつけていた秋田県内でしたが今日はどんよりとした空に逆戻り・・・。でも明後日以降の天気予報にはズラッとお日様が並んでいました。いよいよ東北の夏が本番を迎えます。


 夏本番となると『涼』を求めたくなりますすよね?そんな時は森吉山野生鳥獣センターを起点に渓谷散歩はいかがでしょうか?人気の桃洞滝はいつも賑わっていますし、先日巡視をしてきた赤水渓谷もいつもより若干水量が多めかな?と感じましたが渓谷に吹く風は涼しく、とっても快適に歩く事が出来ました。 

 スラブの峡谷に挟まれ、河床は甌穴が連続する赤水渓谷。渓相豊かで、滑有り、滝有り、ゴーロ有り、泳ぐような箇所も有り!
 夏の暑さを忘れるような気持ちの良い時間を過ごせることでしょう。秋田市内が30度を超える日でも赤水渓谷は25度を下回る過ごしやすい気温だったりもします。
 ただし、気象情報には十分に注意してください。源流部の渓谷は雨が降ったら一気に水かさが増してきます。渓谷歩きは雨が降ったら即中止。これは鉄則です!




 森吉山野生鳥獣センター内では8月1日より、フォトクラブ「森吉」さんによる写真展『第9回 森吉の四季』が開催中です。私がアクティブレンジャーになる前から続いている写真展ですが毎年毎年新作で行う写真展で、タイトル通り四季折々の森吉の風景がご覧いただけます。


 今年の写真展も会員の力作が揃ってます。写真を拝見しても『さすが地元の方々!』と思わせるシャッターチャンスを見事に映し出した写真が沢山です。
 今月25日(日)にはフォトクラブ「森吉」にご協力いただき、自然観察会『森吉山麓カメラ散歩』を実施予定です。講師には写真集やDVDを自費出版したアマチュアカメラマンさんを初め、コンテストの入賞歴もある3名の方々にとっておきの場所にご案内いただきます(予定)。


 夏休み特別企画展も好評開催中です。これまでに北は青森県から南は沖縄県まで多くの方々にご覧いただいているようで、嬉しい感想もいただいています。


 企画展の入れ替えで若干展示場所が変わりましたが、見応えは更にアップ!


 先日、森吉山野生鳥獣センター案内解説員の元に、地元のある小学校の父兄会から「夏休みに児童と父兄が一緒に楽しめるプログラムを検討しているんだけど森吉山野生鳥獣センターではどんなことが出来ますか?」という問い合わせがあったそうです。
 今年の森吉山野生鳥獣センターではこういった要望を待ってます!貴重な休日は晴れていても、雨が降っていても有意義に過ごしたいですよね?晴れて野外での活動が出来れば、各登山コースや沢歩きコースの起点となりますし、雨が降っても館内でクラフト体験が楽しめますし、企画展示も充実しています。是非奥森吉エリア&森吉山野生鳥獣センターにお越しください。

ページ先頭へ↑

2013年07月31日自然観察会『アーティスト目線で観察会』を実施しました

秋田 足利 直哉

 梅雨が明けぬまま7月最後の日となりました。8月に入ると東北は”夏祭り”が目白押しで道路の通行規制も各地で行われます。いつも以上に交通安全を心がけていきましょう。



 この前の日曜日、森吉山野生鳥獣センターで観察会を実施しました。
 例年7月は梅雨の影響でぐずついた空模様が続き、登山やハイキングに出かける方が減り、森吉山野生鳥獣センターの来館者数も落ち込む時期です。そこで雨でも実施できて楽しい観察会を!という事で、自然観察の一手法である”スケッチ”をテーマに、本職の画家さんに講師をお願いして『アーティスト目線で観察会』を実施しました。

 講師は秋田県内で活動する版画家・画家の三村治男氏。森吉山野生鳥獣センターの壁画の作者であり、自然界にある花や鳥や昆虫などを題材にした水彩画等も描いているので、自然の事物を見つめる目は確かですし、画家ならではの着眼点や自分の見た物をスケッチして”記録”し、”伝える”為のテクニックについてじっくり、たっぷりと教えていただきました。

 貴重な機会ですので色々な話を聞き、視点を参考にし、描きかた等を教わりたいのですが、テーマを『葉』に絞って実施しました。


 先ずは下書きをするわけですが、描く葉を決めなければなりません。
 例えば”ブナ”の葉をスケッチするとしましょう。無数にあるブナの葉から典型的なものを選ぶのがベターです。誰が見ても”ブナの葉”と分かるためにも典型的な葉を描くのが良いでしょう。
 そこで最初のアーティスト目線!!『どんな葉が典型なのか?』それを見つけるためには多くの葉をじっくり観察する必要があります。大きさは?色合いは?鋸歯は?葉脈は?葉の付き方は?・・・。こうした視点で葉を観察すると葉の一枚一枚に個性が存在することが見えてきます。私も見慣れていたはずのブナの葉ですが一枚一枚表情が違って見えてきたのが新鮮でした。

 描く葉が決まったら今度は『目線を何処において描くか』を決める必要があります。最初は葉を平坦に置いて真上からみた状態を描きました。しかしそれではその植物の特徴を的確に捉えているとは言えません。
 そこで2つめのアーティスト目線!!誰が見ても”ブナの葉”らしい姿で描くのがベターです。その為には、枝の先端について陽を受けている様子が良いか?落葉してくるりと巻いた葉が良いか?”葉一枚”ですが描きようによっては周りの風景も見えてくるようです。

 『描くためにはよく見なければならない。よく見ると色々な事が見えてくる。色んな事が見えてくるとどう描くと良いのかが分かってくる。』なんだかカッコイイことを言っているようですが・・・今回の観察会で私が感じたことです。『アーティスト目線』とても参考になります。

 

 せっかく皆さんそれぞれが自分なりの”葉”が書けたので彩色してみましょう。
 今回参加された方々は水彩絵具を持参された方が多かったので、水彩の技法をメインに教えてもらいました。一口に水彩と言っても透明水彩、不透明水彩、水彩色鉛筆など様々ですが、今回は細密に描いた葉の下書きを活かすために透明水彩の技法を教えていただきました。
 実は私、透明水彩が苦手です。普段は色鉛筆やペン画がメインで完成した絵はほとんど下書きの線が見えなくなりますが、透明水彩だと下書きの線も活かした絵になります。それが難しいのです。


 苦戦する方が多かった”彩色”ですが講師の三村さんは親切な解説と、時には実際に筆を持って実践もしてくれました。普段自分が使っている手法やテクニックを惜しげも無く披露してくださいましたし、参加した皆さんのスケッチブックにその成果を残してくれました。
 参加してくださった皆さんもそれぞれに得た物があったようで『これから色んな葉っぱを描いてみる』とか『観察会に参加した子ども達にも教えてあげられる』とか『自然観察と絵が繋がってとても面白かった』など嬉しい感想が聞かれました。


 最後になりましたが、講師をしてくださった三村治男さん、どうもありがとうございました。プロの画家からあんなに丁寧に、惜しげも無く指導していただき本当に感謝いたしております。
 また参加してくださった皆さんもどうもありがとうございました。是非これからも見て、描くことを続けていきましょう!!(余談ですが・・・私はこの日事務所帰着後画材屋さんに直行しました^^)


ページ先頭へ↑

ページ先頭へ