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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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三陸復興国立公園 宮古

150件の記事があります。

2013年05月01日春の浄土ヶ浜ウォーキング

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

みなさん、こんにちは。
4月28日(日)、浄土ヶ浜ウォーキングを開催しました。受付開始すぐに定員いっぱいの30名となり準備体操をして、さぁ!出発です。
最初、少し登りの急な階段が出てきます。「これはきつい!」と言う方もいましたが、焦らずゆっくりと景色を見ながら歩いていると、あっという間に登り切ります。登ったあとは一面に広がる春の植物を見ることが出来ます。カタクリの花、そしてマイヅルソウ(この時はまだ葉でした)、タチツボスミレなど、静かな場所で咲いていました。まさに秘境です。
春の植物に囲まれながら歩いていると、今度は臼木山(うすきやま)といって100種800本のサクラの木で知られる山へ到着しました。例年であれば、ゴールデンウィークに満開を迎えるサクラですが、今年は開花が遅く、花がポツリと咲くだけでした。代わりにいつも花を終わらせている、カタクリの群生を見ました。臼木山はサクラが花を付ける前に、カタクリが斜面いっぱいに咲きます。参加者からは「うぁ~、きれいねぇ!」という声が聞こえてきました。自然は、「同じ」という事がほとんどないので、毎年見られる植物も少しずつ違って何を見られるかが楽しみです。


 

カタクリの花が満開に咲いていました。

臼木山でカタクリを見たあとは、4月2日に開通になった海岸歩道を歩きながら、ゴールへと向かいます。やはり、海風を浴びて磯の香りを感じながら歩くのは気持ちがいいです。みんなで、海の中を覗いたり、ウミネコを見たりしながら観察会の終着地点まで歩きました。

到着後はみんなで美味しい漁彩鍋をたべ、みなさん満点の笑顔でした。




5月24日(金)青森県の蕪島、種差海岸、階上岳が現在の陸中海岸国立公園編入され三陸復興国立公園に指定されることを紹介して、この日のイベントを終えました。

5月25日、26日は浄土ヶ浜で記念植樹や、自然観察会等をして三陸復興国立公園の誕生をお祝いする予定です。ぜひ、ご来場ください。

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2013年04月01日浄土ヶ浜の海岸線歩道 一部開通!

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 みなさん、こんにちは!

今日から新年度の始まりです。暖かい日が続き、浄土ヶ浜には、観光のお客さんやお散歩などでいらっしゃる方々が少しずつ増えてきました。

さて、新年度スタートの今日、浄土ヶ浜についてうれしいお知らせがあります。

 震災で崩れた歩道を直すべく昨年の10月より浄土ヶ浜の第一駐車場から奥浄土ヶ浜までの海岸歩道の工事を行っていました。護岸の補強や地盤沈下をしたためのかさ上げ、そして落石対策工事により安全性の確保も行いました。4月2日からその一部区間(マリンハウス前から奥浄土ヶ浜まで)が開通になります。今日は、その最終確認を行ってきました。



 このように、完成しました。



 こちらは、工事前の写真です。高波・高潮の時には、自然歩道が波につかることもありました。





 
 4月1日現在の歩道です。




高潮・高波の時はこのようになってしまうことがありました。

 今日の海岸歩道の点検中に、磯獲りの風景も見ることが出来ましたし、ウミネコの群れも確認しました。やはり間近に海を見ながら、波の音、潮風を感じて歩くのは良いものです。歩道は、威圧感なくしっかりと落石防止の策がとられていて、嵩上げをしたことによって、少々の高潮の時でも通行が可能となる見込みです。震災前よりも歩きやすくなったはずです。




☆ご利用にあたって☆
 4月から10月までは、マイカー規制が実施されています。4月6日(土)からの土日祝日は電気バスが無料で巡回します。

 是非、浄土ヶ浜を歩きにいらしてください。海岸歩道以外にもこれから、カタクリの群生が咲き、春の植物が目を覚まし始めます。ゴールデンウィークには、100種800本の桜で知られる臼木山(うすきやま)の桜が咲き、浄土ヶ浜まつりも行われます。

 最後に・・・

 引き続き、浄土ヶ浜ビジターセンターから遊覧船乗り場までの歩道は工事を進めていて通行止めとさせていただいております。夏の海水浴場オープンまでには、海岸歩道の全面開通を目指していますので、そちらもお楽しみにしていてください。高架式の木製デッキで、まるで海の上を歩いているようなデザインです。車いすの方にも利用していただけるようなつくりになる予定です。



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2013年02月20日グリーン復興プロジェクト ~東北海岸トレイル勉強会~

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

みなさん、こんにちは。
2月1日(金)青森県八戸市において、「みんなでつくろう!東北海岸トレイル勉強会」を開催しました。この地域ではどのような事が出来るか、何をアピールできるだろうかとみんなでアイディアを出し合うのが今回の目的です。

冒頭の挨拶で環境省から、東北海岸トレイル(仮称)の設定には、地域のご協力をいただき、みなさんと共に進めていきたいということを改めてお伝えしました。


写真は、トレイルの魅力を私達に紹介してくださる斉藤政喜さんです。


斉藤政喜さんの講演を聴きました。「シェルパ斉藤」と言えばピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。日本だけでなく世界のロングトレイルにも足を伸ばしているバックパッカーで、それらの経験をもとに執筆活動などをされています。斉藤さんの歩いてきた、各地のトレイルの写真が大きなモニターに映し出されると、そこには、自然の中で生まれる出会いがありました。風景であったり、人であったり、地域の様子であったり。

ネパールのロングトレイルでは、生活の道となっているため、その地域の生活が見えてくるのだそうです。別の地域ではフラッカーポストと言って、ハイカーが決められたポイントで撮影した写真をその場所に明記されたアドレスに送ることによって、管理者や他のハイカー達に道の状況を知らせることができる仕組みもあるそうです。他にも様々なことを紹介してくださいました。


本当に楽しく講演してくださる斉藤さんのお話を聞いて、会場にいた多くの方はますます刺激を受けていた様子でした。





次に、NPO法人体験村・たのはたネットワークの方から、事例発表を行っていただきました。被災地ガイドを始め、サッパ船アドベンチャーズなどの体験型観光に精力的に取り組んでいらっしゃる団体です。震災直後から、現在に至るまでどのような活動をしてきたかが紹介されました。トレイルの活用についても期待を述べていただきました。

続いて少人数のグループに分かれてワークショップを行いました。
「キャッチフレーズ班」と「ルールを考える班」に分かれて意見交換をします。




キャッチフレーズ班は、東北海岸トレイル(仮称)の魅力、特徴、そしてトレイルにかける想いなどをヒントにして、外部へアピールするキャッチフレーズを考えます。
「潮の道」「海物語」「福幸海道」や「シールックロード」など素敵なネーミングに加えて、地球を飛び越え、宇宙に自慢したい程の道ということでしょうか、「宇宙からの玄関口」や「宇宙一」というものもありました。




ルールを考える班は、ハイカーに守って欲しいルールと、迎え入れる側が守るルールで、どんなものがあれば良いかを考えました。
迎え入れる側のルールでは、「トイレの確保をしてあげよう」「挨拶は、必ずしよう!」など、おもてなしの心を大切にするような意見が出てきました。ハイカーには、「挨拶をしてほしい」「地域のルールを守ってもらいたい」などの意見が出ました。中には、「ハイカールール」というものを地域毎に決めてその地域に来たら必ず見て欲しいもの(自慢したいもの)を書いたハンドブックをハイカーに渡しハイカーはそれを実行する、という意見も出ました。



お互いが気持ち良く利用し、利用されるように、皆さんで意見交換をしました。
参加してくださった方々が地元を愛し、誇りを持っていることが分かるような意見を多く聞きました。とてもうれしかったです。このような方々がトレイルを一緒につくってくださってくださると心強いです。

次回の勉強会は、久慈市で開催される予定です。

~お知らせ~
愛称・シンボルマークの募集は締め切りました。
多数応募いただきありがとうございます。どれもいろんな想いを込めて考えてくださったんだなぁと感じられる作品でした。
愛称とシンボルマークが決定したら、お知らせしたいと思います。

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2013年02月13日グリーン復興プロジェクト ~持続可能な社会を担う人づくり・続編~

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

みなさん、こんにちは!

前回の日記に引き続き、サケのふ化場を出発し、浄土ヶ浜ビジターセンターへ移動してからの様子を紹介します。
サケのふ化場で見学をした後、浄土ヶ浜ビジターセンターでは、様々に趣向を変えてサケの事を学びました。




①紙芝居

紙芝居は、浄土ヶ浜ビジターセンターのスタッフが手作りしてくれました。
海にあこがれて旅をするサケの女の子の話です。
様々な物と出会い、沢山の経験をして自分の生まれた川に帰って来きます。
川で素敵な男の子と出会い、小さな子供達を生んで幸せな気持ちで一生を終えるという内容でした。参加した子供達は可愛いサケのイラストに引き込まれながらサケの一生を学んでいました。




②サケクイズです。

「生まれたサケはどこをまわるのでしょう?」という問いに子供達はいろいろと考えます。サケクイズが出題されました。子供達は、真剣に考えます。
写真は、日本の位置を質問した時に答えてくれたものです。






今日見たサケの稚魚は宮古市の川に放流され、太平洋へ出ます。その後北上して、オホーツク海へ行きます。サケはまだまだ泳ぎ、ベーリング海、アラスカを回り、そしてやっと太平洋、日本へと戻ってくるのです。海から川へのぼり、最後の力を振り絞り命をかけて子孫を残す事を学びました。



③鮭汁を食べる

お腹がすいてきました。今日の最後は、鮭汁です。
命のつながりや自然の恵みに感謝をして、残さずお腹いっぱい頂きました。



この日食べたサケは宮古で獲れました。地元で獲れたものをその場で消費する。いわゆる地産地消です。例えば、これが遠くから運ばれてきたものだったら・・・。それまでに沢山の時間、そして燃料が使われます。地元で獲れた商品は新鮮で燃料をほとんど使わなくて良いので、体にも環境にも優しいのです。
この地域は豊かな自然の恩恵を受けていて、サケを始め資源が沢山あることに気付きます。

こういった地域の資源を守り、保ち続け後世につなげるのも、今を生きる私達の大切な役割です。それを気づき、どうすれば良いかを考え、解決に向かって実行することの出来る人材を育てる。誰でも学ぶことが出来る生涯学習のESD。こうした考え方が少しずつでも地域に広がればと思います。

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2013年02月01日グリーン復興プロジェクト  ~持続可能な社会を担う人づくり~

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 
 みなさん、こんにちは。
1月26日(土)、グリーン復興プロジェクトの中の取り組みのひとつ、ESDプログラムの試行が実施されました。震災のあった三陸において、改めて自然環境の成り立ち、森・里・川・海のつながりと人々の暮らしをテーマにとりあげることで、有効なESDプログラムを開発しようという事等の一環です。

ESDとは・・・
Education for Sustainable Development 持続可能な開発の為の教育

今回は、宮古市の小学生を対象にした活動を実施しました。

【ねらい】
地域に豊かな自然があること、そして多様な伝統や文化のつながりについて知ってもらうこと、自然がもたらす恵みへの感謝の気持ちを育むことでした。

宮古市の松山にあるサケのふ化場に行きました。
場長さんに元気よく挨拶をして見学を開始しました。


サケの赤ちゃんを見せていただきました。
この中には、オレンジ色の卵が入れられていました。よ~く見てみると、卵の中に黒い目が見えます(発眼卵)。卵からふ化したばかりの小さな小さな稚魚のお腹は、オレンジ色に膨らんでいて卵をお腹にくっつけているかのようです。


写真上)
室内の様子です。温度を一定に保ち、卵の中で命が生まれるまでここで守られます。青いカゴの中には、びっしりとサケの卵が入っています。先ほど見た場所へ移されるまで、あと少し!!サケは、人間のように日数ではなく、温度でふ化までの成長が決まるそうです。ふ化までには480℃の温度が必要で、つまり蓄積された温度が480℃になるとふ化をします。(例えば水温を6度に保つと、480÷6=80日でふ化)

写真下)
ここは、外にある飼育場です。見ると、たくさんの稚魚が泳いでいました。場長さんは、餌をやっているところを見せてくださいました。稚魚の大きさによって、餌の大きさも変えるのだそうです。自然の川への放流まであと少し!4月になると、旅立って行きます。
場長さんが、言いました。「今日みんなが見た稚魚は、みんなが6年生になったら宮古に戻ってくるんだよ」と。小学生達は、目を輝かせながら、「えぇ!!楽しみだなぁ!」と口にしていました。


岩手県は、本州一のサケの水揚げ量を誇ります。

しかし、自然だけの力ではこのような漁獲高にはなりません。そこには、沢山の方々の支えがあって、サケが旅立ち、育って戻ってきて、私達の食卓に並んでいます。

厳しい自然界で生まれた卵は、すぐに外敵にさらされてしまいます。サケの天然産卵からふ化するのは約30~40パーセントだそうです。また、無事にふ化しても、小さな稚魚たちは、鳥や大きな魚たちの食べ物となってしまうこともあります。ですので、ある程度大きくなるまでふ化場で育って、旅立ちの時期に放流を行います。ふ化場でふ化するのは95パーセント以上にもなるといいます。

岩手県で放流する稚魚の3分の1を宮古地区で担っているそうです。
今回お世話になった、宮古漁協松山ふ化場では1350万匹の稚魚を放流するそうです。しかし数年後宮古に戻ってくるのは2万~3万匹だと言います。とても貴重な命です。
ふ化場での見学は、ここで終わりです。今度は、浄土ヶ浜ビジターセンターへ移動して、ふ化場から出たサケの一生を勉強することにしました。


・・・次回へ続く・・・

次回の日記では、浄土ヶ浜ビジターセンターでは、紙芝居やクイズに挑戦しサケがどのようにして宮古へ戻ってくるのかを学んだ様子を紹介します。

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2013年01月31日グリーン復興プロジェクト  ~路線検討・調査~

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

みなさん、こんにちは。
グリーン復興プロジェクトの取り組み状況を紹介します。
 
宮古地区の路線調査が始動しました。

路線検討の話会い(12月17日の日記で紹介)で出されたルートを実際に歩いて確認します。1月8日~10日、そして1月23日~25日に行った調査の一部に同行しました。
路線の調査を行ったのは岩手県岩泉町の小本駅から宮古市の重茂半島の姉吉までの路線です。


写真の一番右側にあるのは、火事などが起きた際に上にある鐘をカンカンと鳴らして知らせていたのだそうです。

昔から変わっていないのだろうなと思われる里の風景が残っていて、初めて歩くのに、不思議なことに、まるで懐かしくなるような集落もありました。

今まで歩いた事のない場所もあり、たくさんの発見もありましたし、地元の人と出会い「俺が子供の頃は、この裏山を通って遊びに行っていたんだ」と教えてもらったりもしました。今は車での移動が多いですが、昔は一山越えて隣の村まで移動するということが当たり前だったのかもしれません。
歩くだけでなく、地元の方と会話することで想い出などを聞くことが出来てそれも非常に勉強になりました。そこから、当時の生活なども見えてくる気がしました。


すでに、自然歩道として利用されている箇所もありますが、すっかり藪となってしまったり、津波で流失してしまったような箇所などもありました。歩くのが難しそうなルートには代替のルートとなる箇所に印をつけ、前に進みます。




今回、調査をしたみなさんです。


東北海岸トレイル(仮称)は、グリーン復興プロジェクトの中での大きな取り組みのひとつです。
東北の太平洋沿岸地域を一本の歩く道でつなげることにより、地域間での交流を図る目的もあります。通過地点には、地域を代表する自然や景勝地だけでなく、人々の暮らしや文化を感じられるような場所も想定しています。訪れる人と、三陸の人、自然、文化の交流が生まれるような道づくりを今後も進めて行きます。

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2013年01月11日グリーン復興プロジェクト ~東北海岸トレイル~

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

『ハイカ-後藤、北部エリア完了』

現在、大学生の後藤さんが東北海岸トレイルのモニターとして青森県八戸市を出発し、福島県相馬市を目指し歩いていることを日記でもお知らせしてきました。
12月28日に宮古市浄土ヶ浜に到着した彼は年末年始も歩き続け、時には海を渡り、重茂半島をめぐり、そして山田町まで到着しました。
山田町まで歩いたところで、一度お休みです。今度、ハイカー後藤が歩き始めるのは2月に入ってからです。
私は、ここでハイカー後藤とはお別れですが、この後福島県を目指し歩き続けます。もし彼を見かけたら、三陸の事を彼に伝えてほしいと思います。何でも良いのです。かわりにきっと彼からは元気をもらえます。こうして人と人が出会い、つながることが復興につながるのだと、私は思います。
 
 彼の日記には、ここまでの踏査で沢山の自然や、その地域の味、風習などに出会ってきたことが記されています。それらは新鮮で楽しいものだけでなく、震災で被害にあった場所など心を痛めたり考えさせられたりする場面もあったと思います。
その中でも人との出会いは彼にとって何より心強い支えとなり、そして温かくうれしく感じるものだったのではないかと、日記を見ていて思いました。三陸の自然の中を歩くことに加え、出会った人に話を聞いて、その土地(地域)を知ることは、ロングトレイルの醍醐味だと感じました。
改めてロングトレイルの魅力を教えてくれたハイカー後藤に感謝しつつ、引き続き彼の旅を見守りたいと思います。みなさんも是非応援してください。


ハイカー後藤の日記です。是非読んでください。彼が出会ってきたもの、ヒト、自然、そのとき、どう感じたのかなどが書かれています。
http://www.tohoku-trail.go.jp/report/index.html












☆愛称とシンボルマーク募集します☆

環境省、青森県、岩手県、宮城県、福島県では、東北太平洋岸自然歩道(東北海岸トレイル(仮称))の愛称とシンボルマークを募集します。採用された愛称とシンボルマークは、標識や地図、パンフレットなどに幅広く活用させていただきます。

応募期間:平成24年12月27日(木)~平成25年2月10日(日)
応募資格:青森県、岩手県、宮城県、福島県のいずれかに居住または勤務されている方。または上記4県に居住していたことがある方。年齢性別は問いません。
皆様のご応募をお待ちしております。
http://www.tohoku-trail.go.jp/info/20121227_01.html

応募・問い合わせ先
 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
 環境省自然環境局自然環境計画課 担当:中川
 TEL 03-5521-8274 / FAX 03-3591-3228
 ※作品の応募方法は郵送のみです。
 ※電話での問い合わせは、平日9:30~18:15のみの対応となります。

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2012年12月28日グリーン復興プロジェクト ~東北海岸トレイル~

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

ハイカー後藤は現在宮古市をトレッキング中です!


12月27日、ハイカー後藤と歩きました。
今回は、岩手県宮古市田老の道の駅から宮古市田老の栃内浜まで約19㎞の道です。
ハイカー後藤は昨晩、テント泊で過ごし朝を迎えました。昨日の夕方、国道の電光掲示板はマイナス8度を表示していましたが、本人は「意外と寝れたんだ!」と元気いっぱいでした。

私は、8時30分に合流し、国道45号線から真崎海岸への入り口道路から歩き始めました。本日の行程は以下の通りでした。

【国道45号線から真埼灯台へ】9:00~9:55

まず、第一目標地は真崎灯台です。
標識の前で歩きはじめの記念撮影をしました。
歩いていると、「テレビで見たぞ~」と声をかけてくださいました。



集落を通過し、海岸部へ出ます。その間今まで出会った方々の事をおしえてくれました。岩泉町でみんなと一緒にクリスマスケーキを食べたこと、宿泊させてくださった方のこと、明るく元気に話しかけてくれたり、田老弁でメッセージをくれた人のこと、後藤さんはすでに、多くのステキな出会いをしてきたのがわかります。



【灯台から沢尻海岸へ】10:00~10:40

灯台のふもとから沢尻海岸へは自然歩道を通りました。途中で工事現場の方々、田老観光ホテルの方と出会い、交流をしていました。復興へ向けてみんなががんばっているんだと実感したようです。






【沢尻海岸から三王岩】10:45~11:30

幸せになると言われる穴を通過してそこから見える景色を紹介したいと、挑戦してみたようです。





【田老の町を歩く】12:00~13:20

防潮堤を歩いて、田老を見てハイカー後藤は、どんなことを感じ、何を思ったのだろう。
田老第一中学校の校庭にもたくさんの家や車が流れてきました。中学生が通った避難路を、歩いてみました。






【再び自然歩道を歩き田老の漁港から佐賀部、栃内浜へ】13:30~16:00
 
三陸の海の綺麗なことに感激していました。



本日の行程はこれで終了です。万歩計では、30753歩、距離にして約19㎞を示していました。明日は、樫内浜から浄土ヶ浜へ歩く予定です。


何度かハイカー後藤に同行させていただきましたが、歩行中「この前、新聞に載ってたなぁ!がんばれよ!!!」とエールをくださる方や、作業中の手を止めて「テレビさ映ってだっけが~。」と言ってくださる方、運転中の車を止めて、「さんぶぅ(寒い)べぇ!車さ乗れ、おれが乗っけでってけんがぁ!」と声をかけてくださる方々がとても多かったです。ハイカー後藤は、その度に「青森県八戸市から福島県まで歩いているんです。今度、環境省で僕みたいな人達が歩くかもしれないから、よろしくお願いしまぁす!」と宣伝をしていました。

私自身、ハイカー後藤と歩いていて三陸の地域には本当にあたたかい人達が居ることを改めて実感しましたし、まだまだ知らない地域の事があることに気付きました。新鮮な気持ちで、地元を歩くことで新たな発見があることを知りました。
年末年始もハイカー後藤は歩き続けます。重茂半島から山田町を歩く予定です。
今年は、これで日記を終わりますが、来年もどうぞよろしくお願いします。

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2012年12月19日グリーン復興プロジェクト -東北海岸トレイル-

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

『ハイカー後藤』

 前回の日記で、青森県八戸市から福島県相馬市まで約700キロの道のりを歩いている大学生がいるということを書きました。なぜ、歩いているのか?というと、彼(後藤さん)は環境省で検討を進めているグリーン復興プロジェクトの取り組みのひとつである東北海岸トレイル(仮称)のモニターなのです。
青森県から福島県までの長い道の中で、彼を通じて東北海岸トレイルを地域の方々に知っていただくこと、そして後藤さんには、実際に歩くことで東北という場所を肌で感じ、沢山の出会いや経験をしてそれを発信してもらうことが任務です。

後藤さんが12月15日に洋野町から久慈市に突入したと聞き、16日久慈市へ向かい、自然歩道の途中で合流しました。黄色いゼッケンと体の半分はありそうなバックパック。宿が見つからないときは、テントをはって寝ます。テントのはりかたは、今回教えてもらいながら練習してきたそうで、これを背負って歩いていたんだ、重そうだなぁ・・・と見ていると、「ど~も、後藤ですっ」と後藤さん。疲れた様子も見せずに、挨拶を交わします。簡単に自己紹介を終えて歩き出しました。
 
この日の午前中は地元で野営場や歩道の維持管理に関わる方々にサポートをしていただき、海のことや、地域のことなど教えていただいていました。午前中は、久慈市の侍浜から麦生まで歩きました。昼食には、オススメのしいたけハンバーグを食べて、地域の味を知ったようです。数時間でしたがすっかり打ち解けていて最後には「面倒みてやるから、ここに戻ってこいよ」などと、別れを惜しむような会話が聞こえてきました。

お世話になった方とお別れをし、午後は牛島近くの厳島神社から歩き初めました。藪こぎをする箇所もありましたが、何とか久慈駅までたどり着きました。
現在、ハイカー後藤は岩手県久慈市へ入り、次の街となる野田村へ向けて歩き続けています。

彼は、東北の魅力、宝を発見しながら歩いています。それは、人であったり、美味しい物であったり、風景や、文化など、ステキだ!と思ったもの全てです。東北太平洋沿岸にお住まいの方、旅行で三陸の沿岸に来る予定の方々、東北の地図が描かれた黄色いゼッケンと、旗が目印です。後藤さんを見つけたら、声をかけて欲しいです。その声援が、ハイカー後藤のパワーとなり前へ進む力となります。

ハイカー後藤の様子は、また報告したいと思います。


 

この地域の漁業などについて教えてくださっています。お話を聞いているハイカーの後藤さんも積極的に質問をしています。





今回、お世話になった方々(中央2人)です。沢山の事を教えてくださいました。




 

黄色いザックカバーに、メッセージを書いてくださっています。
辛いときはこれを見て最後までがんばるのだそうです。想いの詰まったザックカバーは、後藤さんにとって特別な物へと変わります(^-^)

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2012年12月19日浄土ヶ浜の歩道・標識の再整備検討

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

  12月11日(火)、浄土ヶ浜の歩道と標識を再整備するための説明会を行いました。
浄土ヶ浜といえば、代表的な白い岩の景観を見て帰ってしまう方がほとんどです。しかし浄土ヶ浜の見所はそこだけではありません。春になるとカタクリや桜で飾られる臼木山、宮古湾を見渡せる竜神崎展望台、遠くに潮吹穴を望む剛台展望台などたくさんオススメの場所があります。林の中には自然歩道が通っていて、ニリンソウ、タチツボスミなどの山野草で囲まれる歩道、カモシカに出会えるチャンスの多い歩道もあります。散策のイベントを行うと、地元の方でも「浄土ヶ浜にこんな場所があるとは知らなかった!」という声も聞こえてきます。

今回はそのような自然歩道や展望台を皆さんにより安全かつ快適に利用して頂けるように、標識や歩道を再整備するための意見交換の場です。バリアフリーの箇所も設ける予定です。
浄土ヶ浜園地内で営業をしている方や、野鳥の会その他関係者に集まっていただきました。再整備するにあたって、浄土ヶ浜のオススメポイントや、危険箇所など色々なご意見をいただきながら、一緒に浄土ヶ浜の魅力を伝えるため検討していただくのが目的です。

海岸部から一気に上る箇所には、階段を目の前にすると1度は、前に進むかやめるか躊躇してしまう階段があります。しかし、その階段を上りきると今の時期は落葉した木々の合間から浄土ヶ浜の白い岩を見ることが出来ますし、風を気持ち良く感じる事ができます。
この景色を見ないのは勿体ない!階段がきついなら、ユニークな名前をつけて名物にするのはどうか?など、意見がでました。
 
浄土ヶ浜の魅力を伝えたい、そんなみなさんの想いが伝わってきます。

皆さんの意見を参考に、設計を進め来年度にかけて順次再整備を進めていきます。




4月になると、館ヶ崎展望台から竜神崎展望台までの自然歩道をカタクリの花が飾ります。




サクラの山として知られる臼木山。サクラが咲く前は、ヤマエンゴサクなど春の小さな植物に囲まれるのです。

海が荒れた日などは、剛台展望台から潮吹穴の噴水が見えます。

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