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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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三陸復興国立公園 宮古

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2013年12月26日山田町 エコツーリズム

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 みなさん、こんにちは!
東北の沿岸に雪が降りました。三陸もいよいよ冬の到来です。

12月21日(土)~12月23日(月)の3日間、岩手県山田町において、エコツーリズムのワークショップを開催しました。
今回は、絵地図師であり、お散歩屋の高橋美江氏を講師に招き、町の魅力を探す視点や、お散歩の楽しみ方を学びました。

☆1日目☆




 高橋美江氏による、講義です。町の魅力素材の探し方の座学です。
先生は、お散歩は「楽しみながら歩く事が一番!」と言っていました。そして、「らしさ」という本質は、日常に隠れていることが多いということ、それに気付くには好奇心と柔軟な脳みそがコツだと話していました。
 スライドを使った先生の講義は、受講者側から、「なんだろう?」や「わかった!」という声が多く聞こえ、そして表情が豊かになるものでした。2日目のフィールドワークが楽しみです。

☆2日目☆




 3つのグループに分かれて、町を歩き地域のお宝素材を持ち帰ってきて、マップを作るワークを行いました。その後チーム毎に発表を行います。
道に落ちていたコインを地図に貼り付けるなどして、おもしろい地図を作っているグループもありました。発表を聞くと、昔、日東捕鯨が鯨の水揚げと加工を行っていた跡地や、山田で一番古いイチョウの木、屋外に設置された流し場などについて考察を深めるうちに、山田町の生活や大切にしてきたものが少し見えてきました。また、同じ場所を歩いても、チームによって、目の付け所が異なり、普段何気なく通っている場所でも、メッセージが隠された魅力たっぷりの場所だと気付いたようです。疑問を持ち帰るのは、大切で、それを検証することによって、「なるほど!」につながることが分かりました。
翌日はフィールドを変えてのワークです。どんな発見が出来るか、楽しみにしながらこの日のワークショップを終わりました。

☆3日目☆




 2日目とは場所を変えてのフィールドワークです。みなさんのお宝探しセンサーが研ぎ澄まされていました。チームワーク力もぐんとアップし、次々といろんな会話が生まれます。私のいたチームは荒神神社で活動しました。「なぜ、大木の切り株が多いの?」「砂浜にある黒い砂は何?」いろんなハテナが生まれます。地元の人から「この木で、鳥居が作られたんだよ」「触ってごらん、ずっしりと重ければ、これは砂鉄。なぜここにあるのか分からないけれど、昔は磁石持ってきて遊んだなぁ~。懐かしいなぁ~」と教えていただき、会話が続きます。地元の人にも分からない事は、検証が必要だ!ということで、持ち帰り課題です。あっという間にお散歩の時間が終わりました。昨日同様、地図にまとめ発表を行い先生から講評をいただきました。3日目、コツをつかみ2日目よりもバージョンアップしていました。楽しむ事、好奇心を持っていろんなハテナを生み、それを検証することが、「らしさ」につながり、それを上手に表現することが大切だということが分かりました。




先生の講義を通じて、日常の身近な所にこそ素材が隠れていて、それに気付く面白さを学びました。3日間の講義を終了し、みなさんがとても楽しそうに、笑顔で「またお願いします」と挨拶をしていたのをみて、山田町らしさを探すヒントを分かっていただけた気がしました。
それと、ワークショップを行うことによって、みなさんがつながったような気がしました。交流が出来、仲間が出来て非常に有意義な3日間のワークショップだったと思います。山田町のエコツープログラムづくり、次回が待ち遠しいです。楽しい!と思っていただけるようなワークショップを開催できるよう、山田町のみなさんと頑張っていきたいと思います。


上写真は、すってん転んで尻もちをついた人がいたのでこのようなポーズで撮影した「チーム:黒沢かんとくとお尻-ズ」
下写真は、最終日に作った地図の前での記念撮影です。美江先生とみんな、素敵な笑顔(*^▽^*)です。

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2013年12月13日エコツーリズムワークショップ in 山田 第2回目

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

みなさん、こんにちは。三陸では今、アワビ漁が行われていて、朝早くから漁師達が海に出かけます。店先には、活アワビ、そして年末にむけて作られた新巻鮭が並んでいて、それらは冬の風物詩となっています。冬の厳しい荒波の中で育ったアワビ、そして海風を浴びた新巻鮭は、ギュッとおいしさが詰まっています。三陸は冬も魅力満点です。

前回の日記の続きを紹介します。
現在、山田町の方々とともに山田町らしい資源を活用した観光プログラムづくりに取り組んでいます。
第1回目のワークショップでは「山田町にはどんな魅力」があるかを話合いました。
普段生活している中では、なかなか気づかないような多くの「素敵ポイント」が出されました。日をおいて開催した第2回目のワークショップでは、「素敵ポイント」をどう活用するのか、観光プログラムづくりの方向性を考えるワークを行いました。


この日は、ゲストが登場しました。
今まで何度か日記でも紹介させていただいている後藤俊介さんです。後藤さんは、地域の方々とふれあいながら、みちのく潮風トレイルを踏破した方です。昨年の年末年始に山田町を歩いた後藤さん、約1年ぶりに再び山田へ来てくれました。後藤さんが山田町で感じた魅力は、
気さくに話しかけてくれた「ヒト」だったそうです。
「山田らしさを求めるのではなく、訪れた人にとっては、もうすでに山田らしいのだから、自慢できる所をアピールするだけでいい」と、おっしゃっていました。

後藤さんの登場で場の空気が和んだところでワークショップ開始です。

☆まちなか班☆
第1回目のワークショップでも出されたキーワード「歴史」をテーマにワークを行いました。参加者には山田町の歴史に詳しい方がいらして、昔使われていた道や、その道にまつわるお話などを聞かせていただきました。現在その道は、少し手をいれないと歩くのは難しいということですが、すぐに取りかかれそうな素材です。山田湾や街場に近い場所で古道を活用したプログラムが出来ないか?と話すと色々なお話やアイディアが出てきました。
山田町では、かつて捕鯨が行われていたそうです。50代、60代の方々に聞くと、その時の匂いを思い出すそうです。現在でも鯨を捌いていた場所の跡が残っていて、見る事が出来ます。隣の町との境にある鯨山、そして町の交流の場であるクジラ館、山田が「鯨の町」と呼ばれるほど、鯨は山田に住む人たちと深く関わっています。生活文化とつなげ、山田町を紹介することが出来そうだというところで、まちなか班のこの日のワークショップを終わりました。



☆海・山班☆
 海山班では、山田の自然を愛する人達で、盛り上がり、数年越しの目標まで出てきました。穏やかな山田湾を利用したシーカヤックとトレッキングを融合させた大型体験プログラムを目指しているようです。みんなが集まると、いろんなアイディアが出てきて、今活用出来そうな素材を掘り起こす、まちなか班のワークと対照的でとてもとても大きなスケールで夢のあるプログラムの構想が発表されていました。
今年度の目標を最後にみんなで確認をした所で終了です。




 
地図に見所を落とし込んだものをつかいながら、まちなか班でのワークショップの結果を海・山班に発表しています。

少しずつ、プログラムづくりに方向性が見えて来ました。

第3回目は、12月21日~23日の3日間です。絵地図師の高橋美枝さんを講師に招き、町を歩きながら「宝を発見する視点」とそれを「伝える方法」について勉強会を行います。

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2013年11月12日エコツーリズムワークショップin山田 第1回目開催

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 みなさん、こんにちは。風が冷たくなってきました。気温がぐっと下がり、夜空いっぱいに広がる星がとてもきれいな三陸です。

■エコツーリズム■
11月6日(木)、岩手県山田町で第1回エコツーリズムのワークショップを行いました。
エコツーリズムって何?と思った方はこちらをご覧下さい。
http://www.env.go.jp/nature/ecotourism/try-ecotourism/env/chiiki_shien/

 環境省では、被災した東北沿岸地域において地域の魅力的な自然や生活文化を持続的に活用した取り組みを支援し、復興に資する事業を進めています。モデル地域として5つの地域を指定し、岩手県山田町はその5地域のうちの1つです。
 海の十和田湖と言われる穏やかな山田湾では、カキやホタテなどのおいしい海産物が育まれ、シーカヤックなどのアクティビティも楽しめる豊かな自然があり、津波をはじめとする自然の怖さを伝え震災に強い地域づくりを応援する「震災語り部」の活動を行っています。これらをバージョンアップし、広く外部に発信することにより、観光資源として活用して地域の活性化を目指そうとしています。


今回のワークショップでは、山田町民や近隣市町の方々とテーブルを囲みながら「街中班」と「海・山班」にわかれ、山田町の資源を掘り起こす作業を行いました。


 ■山田町のスルメイカはバリバリ!街中班
 まずは、街中の魅力、自慢したい事は何か?というテーマで進めて行きます。私が参加した街中班の参加者からは最初、「何が自慢か分からない」といった様子でしたが、少しずつ意見が出始めると「昔ここで捕鯨をやっていた」「波が来たのに倉が残っているのは、なぜだ?」「山田町の資源は、ヒトそのものだ」「山田のスルメイカが美味しい」という声が出てきました。山田町では「今日のスルメイカはバリバリして美味しいよ!」という会話がよく交わされるようです。「スルメがバリバリ!?」初めて聞いた表現に思わず大きな声で聞き返してしまいましたが、山田町の方々は笑いながら頷いています。新鮮なイカは、バリバリするんだそうです。このバリバリを体験したいと思った方、ぜひ早朝の山田へ!
  

 
こちらは、海・山班です。豊富な資源を活用した色々なアイディアが出てきていたようです!

■観光客から教わること
実際に、ガイドをされている方々からは、普段見ている川や海に観光客がキレイだと感動しているのを見て、驚いたという話も出てきました。外部の方の反応によって、気づきがあり、外部の方々の声を聞くことで、地域の資源を紹介する自信にもつながることが分かりました。もうひとつ、このワークショップで分かったことは、皆さんが山田町の事をすごく好きで、地域を盛り上げていきたいという気持ちが大きいということです。漁師町山田には、人情あふれる人が多く、方言を交えた会話も魅力のひとつ。
ワークショップ後半は参加者から出していただいた意見や情報を組み合わせて、どんなプログラムが出来そうかを話合いました。次回は、今回出されたプログラムの案を具体的に企画してみることが目標です。またその時の様子を紹介したいと思います。



 

 将来、多くの方々に三陸の良さをもっと知ってもらえるよう、地域の方々が主役となり、今できることを形にしてまちづくりを進めていければと思っています。

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2013年09月02日グリーン復興プロジェクトみちのく潮風トレイルウォーク in 久慈

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 前回の日記の続きを書きます。

8月25日(日)は、4つのコースに分かれて実際に開通の想定されている部分を含んだルートを歩きます。
①八戸-海辺の高原・たねさし お花畑と天然芝生を楽しむトレイル 約7㎞
②階上-巨木の王国・はしかみ 里山・里海を楽しむトレイル(階上コース)約7㎞
③洋野-南部もぐりとウニの里・ひろの 海道のロマンを巡るトレイル 約8㎞
④久慈-史跡と海女ちゃんの故郷・くじ 美しい海岸を楽しむトレイル 約10㎞

私は、久慈市のコースを歩きました。

 
 9時に出発セレモニーを行い出発です。ゆるきゃらのさんてつくんとアマリンもかけつけてくれました。三陸鉄道の女性社員の「出発進行!」ピ~っと笛を吹いた合図で、第1班がスタートしました。


 まずは市役所を抜けて、久慈駅へ向かいます。久慈駅では、朝の連続小説ドラマあまちゃんのシーンを交えて、地元の方がガイドしてくださいました。久慈市の歴史や文化にふれあいながら、まちなかを歩き海岸歩道に出ました。
 

 
 海岸歩道には、海からの風がここちよく吹き、美しい海と海に浮かぶ奇岩を見ながら小袖海女センターを目指します。今までも車では何度か通った道ですが、久慈湾対岸に浮かぶ牛島、奇岩「かぶと岩」、「つりがね洞」を歩く事によって初めてじっくりと楽しむ事が出来ました。一緒に歩くうちにいつしか、いろんな人との会話も増え、地元の方々でも、初めて歩いたという方も多く、解説を聞きながら新しい発見があったという方もいらっしゃいました。

 10㎞という距離でしたが久慈の文化、自然、そして人とふれあい、ゴールまであっという間に到着しました。
到着地点では北限の海女で有名な小袖集落の方々に拍手で迎えられ、みなさんが笑顔でゴールです。歩き切った顔は達成感に満ちあふれていました。そして、嬉しいことに参加された全員がリタイアすることなく歩き切きることが出来、大成功です!

 この日の参加者
八戸コース 204名、階上コース 93名、洋野コース 97名、久慈コース 114名
合計508名でした。
イベントにご協力頂きました皆様ありがとうございました。そして、今秋、八戸~久慈の区間が開通した後には、もっと長いコースにチェレンジして頂きたいと思います。

 

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2013年09月02日グリーン復興プロジェクト みちのく潮風トレイル開通記念プレイベント

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 みなさん、こんにちは。 お盆が過ぎ暑さが和らいできました。
さて、今回は週末に開催した「みちのく潮風トレイル」の開通記念プレイベントについて2回に分けて紹介します。

みちのく潮風トレイルとは・・・
東日本大震災からの復興に資するために、環境省で掲げた「グリーン復興プロジェクト」の7つの大きなプログラムのうちの1つで、青森県八戸市の蕪島から、福島県相馬市松川浦までを対象に設定する長距離自然歩道です。
地域の暮らしや文化、震災の爪痕を感じながら歩いて旅をする道で、利用者と地域の人々、南北に長い被災地を結びつけることを目指しています。

 これまでの日記で、久慈市でのワークショップの様子を紹介しましたが、いよいよ開通にむけて一部予定されているルートを、実際に皆さんに体験してもらう日がやってきました。

 8月24日は、地元久慈市と隣町洋野町に協力いただいて、「みちのく潮風トレイル開通記念プレイベントin久慈」を行いました。


 千葉岩手県副知事、山内久慈市長、鈴木俊一衆議院議員、秋野環境大臣政務官、より挨拶がありました。



 
 続いては、一般公募で決定した「みちのく潮風トレイル」。愛称の部で最優秀賞を受賞した「あおぞらさん」への表彰が行われました。環境省白石地球環境審議官より表彰状と花束の贈呈があったあと、あおぞらさんからは、この名前を考えた時の想いがのべられ、会場は拍手に包まれました。
シンボルマークについてはこちら→http://www.tohoku-trail.go.jp/news/view/18

 次は、トレイルに適した歩き方と装備、ファッションの紹介です。
ここでは、地元市役所、役場や、環境省の職員がモデルとなってファッションショーを行いました。
トレッキングシューズや、パンツ、シャツなど、機能性と見た目を兼ね揃えたトレイルアイテムを着こなしたウルトラモデルがポーズを決め、会場が一気に盛り上がりました。

 

 トレイルマークを表現したポーズ、ボルト選手のようなかっこいいポーズ、女の子らしく可愛らしいポーズをきめたウルトラモデル達です!

 ファッションショーが終了すると、この日の最後のプログラム、パネルディスカッションを行いました。「みちのく潮風トレイルのこれからを考える」をテーマに、パネリストが討論をします。パネリストは文教大学国際学部 海津ゆりえ先生、三陸鉄道株式会社代表取締役社長の望月氏、山内久慈市長、日當洋野副町長、株式会社モンベル広報部の半田氏の5名です。コーディネーターは、岩手大学農学部の山本清龍先生です。山本先生は、トレイルの路線検討のワークショップにも何度も参加していただき、みちのく潮風トレイルに関わってきた専門家です。

 



 

 東日本大震災から地域が元気になるようにと復興に向けて、何度も現地に足を運びエコツーリズムを通じて活動をしてくださっている海津先生、地元の生活や、観光の足として三陸鉄道の復旧にご尽力されている望月氏、地元の現状をよく知り、地域住民の代表でもある山内久慈市長、日當洋野副町長、国内外でロングトレイルを経験し、東日本大震災ではアウトドア義援隊に所属して活動してくださった半田氏、それぞれの立場や経験から意見が出されました。

 この日約150名の方が久慈市会場に来場してくださいました。
いよいよ明日は、実際に検討されているルートを歩きます!私達は25日のウォークイベントを楽しみに、この日のプレイベントを終了しました。

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2013年07月25日浜辺に花を プロジェクト

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

みなさん、こんにちは。
 7月20日(土)、浄土ヶ浜ビジターセンターの活動として、浜辺の清掃活動イベントを行いました。
東日本大震災で大きく姿を変えてしまった浜辺の漂着物を回収して、少しでも多くの海浜植物が戻りますようにと、願いを込めて行われたイベントです。
 前日まで降り続いていた雨が止み、樫内集落から浜辺まで植物や野鳥のさえずりを楽しみながら気持ち良いミニトレッキングが出来ました。

 栃内浜に到着すると、波打ち際にペットボトルや、缶、ロープなどの漂着物が浜辺に打ち上げられているのに気付きます。

ビジターセンタースタッフから、海浜植物が自然環境の中で果たす役割の解説を受けて海浜植物の大切さを学んだあとで作業を開始しました。



-スタッフ解説より(写真は栃内浜の山側です)-
海浜植物は山と海の中間地点にあり、そこで土壌を肥やして栄養を作っているそうです。砂が飛ばされるのを防ぎ、しっかりと根を張って海の厳しい環境と、森が成立する陸地の穏やかな環境をつなぐ役割をしています。



【写真上:今年の様子 写真下:昨年の様子】
昨年と同じく栃内浜で開催し今年で2回目となりました。昨年より、ハマヒルガオ、ハマエンドウの株が増え、緑が多くなったように感じました。


 
波打ち際の清掃活動は、歩きにくくて少し大変でしたが、みなさんがゴミ袋いっぱいになるまでひろってくださいました。


確認した海浜植物です。少しずつ、株を増やしています。来年の今頃、どれくらい増えているのか、どんな植物が見られるのかが楽しみです。


1時間30分で45リットル入り袋23個とその他大きな漁具やタイヤなどが集まりました。ペットボトルや発泡スチロールなどの他、外国のラーメンの袋や洗濯洗剤の容器などもありました。波打ち際だけでなく、山裾からも多くのゴミを回収しました。

地元では栃内浜をとっちょないと呼び、小中学生の頃は朝から日が暮れるまでとっちょないに行って海に潜って遊んでいた。という話も聞きます。地元の人から親しまれ、愛される栃内浜。植物だけでなく、地元の人々の想いでの詰まった場所のひとつです。そんな場所を守り、ずっと残して行きたいと改めて思いました。
最後にみんなで記念撮影をしました。一緒に汗を流して活動した後はみんなが素敵な笑顔です。浜は綺麗になりました。植物が再生しこれから先も美しく、そして地域住民の皆様に愛される浜でありますように・・・。




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2013年07月20日本日・浄土ヶ浜の海岸歩道全面開通!

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 7月20日(土)、浄土ヶ浜の海岸歩道を全面開通しました!
東日本大震災の影響で法面が崩れたり、地盤沈下によって歩道が冠水することが多くなっていました。昨年の10月から工事を始め、4月1日に一部(マリンハウスから奥浄土ヶ浜までの区間)開通をしていましたが、ついに残りの区間も開通となり、浄土ヶ浜ビジターセンターが奥浄土ヶ浜、レストハウスまでの全区間開通となりました。

 開通式には、多くの方々に来場していただき、テープカットをした後で開通したばかりの歩道を歩きました。バリアフリーのなだらかな歩道で、高架式となっているので海の中をのぞくことができます。時折心地よい海風が歩道の上を流れてきます。歩道の途中には休憩スペースが設けられていて、ベンチに座りながら、遊覧船や海を眺めるのも楽しみの1つです。記念写真を撮影する方々もいて、海岸歩道は明るいムードに包まれました。
ぜひ、浄土ヶ浜に来た際は、海岸歩道を歩いて浄土ヶ浜の美しい風景を体感していただきたいです。





※この日は浄土ヶ浜海水浴場もオープンしました。
気温が少し低くて遊泳は出来なかったのですが、多くの来場者が浜辺でひとときを過ごしていました。

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2013年06月26日三陸の浜辺

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

=報告=
 前回紹介した「ふるさとの山を登ろう」の、遠足は6月18日の当日雨天のため、7月3日に延期になりました。7月3日は、予定が合わず残念ながら一緒に歩くことはできませんが、きっと楽しい発見をしてきてくれると思います!

三陸の浜辺
 みなさん、こんにちは。
 今日は、自然ふれあいイベントの事前調査で栃内浜にいってきました。地元では「とっちょない」と呼ばれ、昔はここの浜で潜ったり海産物を食べたりして遊んでいたそうです。浜辺を歩くと貝殻や昆布などが打ち上げられて、海の生き物の豊かなことがわかります。海の中だけでなく、ここにはハマナスがたくさん咲き、6月になると浜辺をさわやかな香りが海風にのって漂ってきます。
そんな栃内浜は建物や人口的なものがひとつもなく、美しい浜でしたが沢山あった木々は、なぎ倒され、東日本大震災では大きな被害をうけた浜のひとつです。

 震災直後は、あまりの変わりように愕然としましたが昨年から少しずつ見られる花の種類や株も増え、現在では、このようになりました。昨年よりも、花々を咲かす植物の株が増えているのを確認して安心しました。
ハマナス、ハマエンドウ、ハマヒルガオが見頃を迎えていました。三陸の浜辺は今から楽しい時期です。
震災で株が減ってはいますが、浜辺に咲く可愛らしく、美しい花の姿は心惹かれます。ぜひ、三陸においでください。今からは海産物も美味しい季節です!


【写真紹介】 


ニッコウキスゲ・ハマナス・ハマエンソウ・ハマヒルガオの他にも、海浜植物が花を咲かせています。



浜の震災前と震災直後の様子です。
震災前(写真上)2009.07.11撮影
震災後(写真下)2011.03.24撮影





(写真上) 2011.06.24撮影
(写真中) 2012.06.27撮影
(写真下) 2013.06.17撮影

 
少しずつ緑が増えてきているのがわかります。
ちなみに・・・今回撮影した時は、濃い霧に包まれていました。三陸の6月、7月はこのような天候が多くなります。そして海側と宮古市内でも天候が変わるのです。

【イベントのお知らせ】
 植生豊かな栃内浜に戻って欲しいということで、ビジターセンターでは「陸中海岸の浜辺に再び花をプロジェクト」を計画し、7月20日(土)に清掃活動のイベントを行います。詳しくは浄土ヶ浜ビジターセンターHPをご覧下さい。
 →http://www.jodogahama-vc.bz-office.net/

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2013年06月25日ふるさとの山を登ろう ~事前授業~

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

 6月13日(水)鵜磯小学校と千鶏小学校の合同授業を行いました。
授業のテーマは「ふるさと」です。
地元にある月山を登ることによって、「ふるさと」について知り、思いでをつくることによって大切な場所のひとつにしてもらいたいというのが目標です。

櫻庭レンジャーによる授業が始まりました。
 最初に「ふるさとで過ごす時間は、大人になった時に自分の支えとなること、場所だけでなく、生まれ育った場所での友達もずっと大切な存在であること」を自分の経験をもとにお話しました。

みんなのふるさと、重茂について学ぼう!ということでまずは、世界の中から日本を探すところから始まります。地球儀を回して探しますが、ぐるぐる回してもなかなか見つからない・・・。一年生にはまだ少し早かったようです。中学年に聞きました。見つかりました。「ちいさぁ~い!」という声も聞こえて来ます。世界地図で見る日本が小さいことに気付きます。そこから、東北、東北の中の宮古、宮古の中の重茂半島を見つけていきました。

さて、重茂半島を見つけたら今度はみんなから、重茂がどういういう場所か教えてもらいました。海に囲まれた重茂半島は、魅力的な神社のお祭りや舞いがあります。釣り竿の先にお札をつけて、観客が踊り手になっている様子は、初めてみる人にとっては、不思議な光景ですが、地元の小学生は、「ふるさと」のおまつりに参加しているので、わかっています。私達にどういうものかを教えてくれました。

重茂地域のことについて教えてくれたみんなに、「月山に登ったことがある人」と聞くと、手があがりません。月山にはどんな生き物がいるだろう?どんな景色がみえるだろう。わからない時は、実際に見て感じる事が大事!と次回の月山遠足への意気込みをしました。いろんな発見が出来そうです。

 国立公園は美しい自然はもちろんのこと、それだけでなく昔から続く地域の暮らしを次の世代へつなげ、自然を活用してもらうための場所です。そんな素材ある場所をふるさとにもつ重茂が、小学生にとって特別な場所となるよう私達はお手伝いをしたいと思います。

次回は18日の遠足です。小学生達にとって初めての月山遠足では、たくさんの気づきをしたいと思います。

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2013年05月27日三陸復興国立公園の誕生!

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

みなさん、こんにちは!


5月24日(金)陸中海岸国立公園に、青森県八戸市蕪島、種差海岸、そして階上町の階上岳が編入され、「三陸復興国立公園」が指定されました。八戸市では、記念式典が行われ、地域住民の方々と共に指定を祝いました。





浄土ヶ浜でも、25日、26日、各施設が大サービスをしていつもより多くの来場者と、三陸復興国立公園の指定をお祝いしました。

25日には、津波で枯れてしまった松と桜の木の植樹を行いました。震災前にそうであったように浄土ヶ浜を訪れる人や、浄土ヶ浜でお仕事をする人達に元気を与えてくれる存在になってくれればと思います。
この日植樹したサクラが大きく成長してくれますように・・・。



植樹は、宮古市長、宮古市観光協会会長、そして宮古自然保護官事務所の櫻庭レンジャーが行いました。




写真は震災前のものです。浄土桜(じょうどざくら)と呼ばれて、親しみをもたれていました。

宮古自然保護官事務所では、両日の午前、午後「アクティブレンジャー、パークボランティアと歩く」自然観察会を行い普段は通らないような自然歩道を歩き、浄土ヶ浜の新たな魅力を発見するお手伝いをしました。カタクリの花が終わり、ナルコユリや、マイヅルソウが見頃を迎えています。植物の他にも宮古に昔から住むパークボランティアさんから昔話を交えての解説を聞き、観察会は盛りだくさんで、あっという間に時間が過ぎたように思いました。




 

特に印象に残ったのは、林道を歩いてから海の一望出来る展望台に出た時に参加者の反応でした。「うわぁ!きれ~!」「ここにずっといたい」という声も聞こえて来ました。三陸の海、そこに浮かぶ船の景色はやはりいいなぁ。改めて実感しました。

 三陸には、美しい自然、美味しい食べ物、そして自然と共に生きてきた昔からの暮らしがあります。三陸復興国立公園の指定は、地域の方々とともにそれらを未来へ残そうとするものです。是非、三陸へ来て復興する国立公園を見て頂きたいと思います。

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