磐梯朝日国立公園 裏磐梯
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2017年06月14日銅沼について
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 畑中 亮輔
裏磐梯自然保護官事務所の畑中です。ここ最近の裏磐梯は、早朝はストーブをつけたくなるような肌寒い日が続いています。梅雨入りした地域もあり、寒暖の差が大きい季節ですので、体調管理には、気を付けていただければと思います。
巡視で銅沼(あかぬま)へ行ったので、その時の様子をお伝えします。銅沼は磐梯山の北側にあり、毘沙門沼等の五色沼の水源とされている標高1100m付近にある沼です。ここからは磐梯山の荒々しい姿を間近に見ることができます。
銅沼
この銅沼には、裏磐梯スキー場のゲレンデを通過する登山道を40分程歩くと到達できます。途中の登山道には、ぬかるみがあるので、トレッキングシューズ等で登られるのがいいと思います。スキー場の登りは急ですが、登りきると桧原湖をはじめ裏磐梯を一望することもできます。荒々しい磐梯山と緑豊かな裏磐梯を眺めに是非お越しいただければと思います。
※裏磐梯はツキノワグマの生息地となっていますので、クマ鈴等の対策をしてお越しください。
スキー場からの桧原湖
2017年06月08日オオハンゴンソウ防除活動
磐梯朝日国立公園 楊 寛明
こんにちは、裏磐梯自然保護官事務所の楊です。
さて、今年もこの活動が始まりました。
外来生物法による特定外来生物に指定されている、「オオハンゴンソウ」の防除活動です。
この活動は、裏磐梯のPV(パークボランティア)の皆さんと年に数回行っています。
撮影日 2017年6月3日
そもそもオオハンゴンソウとは
オオハンゴンソウは、キク科に分類される多年草の草本です。
北アメリカを原産地とし、高さは0.5~3m程になり、道路脇、荒地、田畑、湿原、河川敷などに多く生息しています。移入の原因は明治時代中期に観賞用として持ち運ばれたものが野生化してしまったのが始まりだそうです。
今回PVの方々と五色沼周辺で防除作業を行いました。
昨年、時間をかけて作業した場所もオオハンゴンソウが群生している状況にありPVの皆さんはあれだけやったのにきりがないと言っていました。
まだ背丈が低く成長過程の状態でも、根が地面に張り巡らされていて、引き抜くことが難しく、防除の難しさを感じました。
オオハンゴンソウは一度防除しても繁殖力が高く再生してしまい、地域的な根絶は容易ではありませんが、これ以上拡大させないためには、継続して作業を行うことが重要だと改めて実感しました。
パークボランティアの皆様、寒い中作業にご参加いただきありがとうございました。
2017年05月19日裏磐梯5月の花々
磐梯朝日国立公園 楊 寛明
こんにちは、裏磐梯自然保護官事務所の楊です
裏磐梯は暖かくなり、緑がまぶしく輝いています。
裏磐梯に来てまだ1ヶ月と半分、慣れない仕事になんとかついて行きながら、日々勉強と発見の連続です。
さて今回は5月の裏磐梯で見られた魅力的な花々をご紹介します。
写真左上:オオヤマザクラ
写真右上:オオカメノキ
写真左下:キブシ
写真右下:イタヤカエデ
裏磐梯はこの時期まで、オオヤマザクラなどを見ることができます。
一般的にカエデ類は紅葉の時期の葉が人気ですが、よく見ると花も魅力的です。
写真左上:ミズバショウ
写真右上:チゴユリ
写真左下:キクザキイチゲ
写真右下:ナガハシスミレ
この時期はスミレ類が咲いているのですが、種類が多く似たような特徴を持ったものが多いので、見分けるのが難しいです。
5月のお気に入りの花はヒメイチゲです。
五色沼で見ることができました。
鋭くとがった葉の中心から、1輪の白い花が咲く姿が力強くもどこか儚く、美しいです。
裏磐梯には様々な登山、トレッキングコースがあります。
四季折々それぞれ違った景観になっており、訪れるたびに様々な表情を見ることができます。
裏磐梯はクマの目撃情報が多い地域なので、なるべく1人の散策は避け、複数で行動するようにしてください。私も一人で巡視に行くことがありますが、先日は茂みからガサガサと音が、、、(巨大な野ウサギでした)
これからますます木々が育ち、深緑の季節となります。
裏磐梯の神秘的な湖沼群を見て回り、美しい森の中でリラックスして、日頃の疲れを癒しにいらしてはいかがでしょうか。
2017年04月28日PV(パークボランティア)活動
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 楊 寛明
こんにちは
裏磐梯自然保護官事務所の楊です。
連日寒い日が続いていましたが、裏磐梯にもようやく春が訪れました。
五色沼探勝路にはミズバショウが咲いていました。
ミズバショウは白い筒のようなものが花の様に見えますが、これは、仏炎苞というもので、本当の花は仏炎苞で包まれている黄色い部分(花序に密生する3mm~4mmの小さい花)のようです。湿地帯にミズバショウが咲き始めると春を感じますね。
さて今年度もパークボランティア(PV)の方々との活動が始まりました。
今回は五色沼自然探勝路で植生保護のためのロープを張る作業と木道の除雪・清掃を行いました。五色沼探勝路の大部分は国立公園の特別保護地区に指定されているため、植物の採取が規制されています。植物を守るため、探勝路以外への踏み込みを防止しています。
午前中は、五色沼探勝路で植生保護のためのロープを張る作業をしました。ロープワークには自信があったのですが、皆さん慣れた手つきで足手まといにならないようにするのがやっとでした。長年活動をしているPVの方々は、人が踏み込みやすい場所を熟知しており、勉強になりました。
午後は、五色沼探勝路に設置されている木道の雪かきと清掃を行いました。
裏磐梯は徐々に暖かくなってはいるものの、木道には残雪があり、雪を取り除くのは一苦労でした。
今回初めてPVの活動に参加して、国立公園の自然保護活動はPVの皆様あっての活動だと感じました。皆様お忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。
2017年04月17日はじめまして 裏磐梯
磐梯朝日国立公園 楊 寛明
はじめまして
4月から裏磐梯自然保護官事務所のアクティブレンジャーとして勤務しています楊寛明と申します。
これから、日々の仕事を一生懸命行いながら、磐梯朝日国立公園の魅力をお伝えしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
さて、私は東京から(桜の花に見送られ)裏磐梯に引っ越してきたのですが、こちらに来てみると4月半ばでこの積雪。季節が戻った様な感覚になっています。
裏磐梯の春が待ち遠しいです。
雪は、少しずつ融けて来てはいるものの、裏磐梯はまだまだ寒い日が続いています。写真は事務所の屋根の雪が落ちてたまっている場所の状況です。
この日は午後からは晴れ間が広がり、磐梯山が綺麗に見えました。個人的には、うっすら雪を被った磐梯山は夏季の状態より勇ましく、堂々とした出で立ちで迫力があるように思えます。
これから、磐梯山の四季折々の姿を見るのも楽しみです。
事務所近くにある裏磐梯ビジターセンターでは、裏磐梯周辺の動植物情報などが様々な形で展示されており、
とても魅力的な場所となっています。
この裏磐梯ビジターセンターでは、4月25日(火)から6月26日(月)までの間、【環境省レンジャー写真展2017】が開催されます。レンジャーが勤務中に撮影した、選りすぐりの写真が展示されますので、ぜひお越しください。
2017年02月08日裏磐梯の冬景色
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 畑中 亮輔
裏磐梯自然保護官事務所の畑中です。今回は、PVの方々と五色沼周辺で2月12日に開催する自然ふれあいイベントの下見を行ってきましたので、その様子をお知らせします。
当日はこの季節にしては珍しく、穏やかな散策日和でした。植物の越冬の様子、動物の足跡等、冬ならではの五色沼周辺の様子を把握することができました。この周辺を熟知しているPVの方々に色々と教えていただきながら、イベントの流れを想像することができた有意義な下見となりました。ご参加いただいたPVの皆様本当にありがとうございました。
※本イベントについては定員となったため、募集を締切らせていただきました。
左上:下見の様子
右上:赤沼
左下:オニグルミの葉痕
ヒツジの顔に見えませんか?
左下:リスが食べたと思われる松ぼっくり
エビフライにそっくりでした
最後に、裏磐梯周辺の冬景色をお届けします。
写真左上は事務所付近にあるカラマツ林になります。右上は、毘沙門沼展望台からの眺めになります。左下は猪苗代湖で見られる「しぶき氷」になります。最後に右下はレンゲ沼から見た磐梯山になります。この他にも裏磐梯周辺には美しい冬景色がたくさんありますので、防寒対策等の準備をしっかりとして、お越しいただければと思います。
2017年01月30日冬の裏磐梯の様子(除雪編)
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 畑中 亮輔
裏磐梯自然保護官事務所の畑中です。1月中旬の寒波が来るまでは、例年と比べると降雪が少なかったのですが、寒波の降雪によりやっと冬らしい裏磐梯となってきました(といっても例年と比較すると、まだ雪は少ないのとのことです)。
先の寒波の様子を少しだけお伝えできればと思います。週明け月曜日の通勤途中、道路脇の雪の壁が明らかに高くなっているのが目に入ってきました。事務所に到着すると、公用車が雪にすっぽりと隠れていました(一晩で50cm以上の積雪です)。
右の雪の塊が公用車になります
事務所前の除雪を終える頃には、すっかり汗だくになっていました。冬は巡視に出る機会も減るので、いいトレーニングになりますが、さすがにこの寒波の時だけはオーバーワークでした。
左:除雪終了後 右:事務所裏の雪の壁
これからスキーやワカサギ釣り等で裏磐梯へお越しの際は、防寒対策をしっかりとして、安全運転でお越しいただき、冬の裏磐梯を楽しんでいただければと思います。次回は裏磐梯の冬景色をお伝えできればと思います。
2016年11月11日今年最後のPV活動
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 畑中 亮輔
裏磐梯自然保護官事務所の畑中です。
事務所がある裏磐梯では紅葉も終盤を迎え、11月4日には磐梯山で初冠雪が記録され、冬の気配を身近に感じられるようになってきました。
写真左:五色沼自然探勝路の紅葉(柳沼)
写真右:11月10日の磐梯山
※上部に積雪あり
そんな小雪が舞う寒空の中、PVの方々と5月に五色沼自然探勝路へ設置した植生保護ロープの回収作業を行ってきましたので、その様子をお伝えします。
15か所に設置した探勝路外の植生を保護するロープの回収を2班に分かれて行いました。PVの方が持っていた気温計によると、マイナス3℃とのことで手がかじかんでいるのとロープがきつくなかなか外せずに苦労しました。途中、散策されている方に対して、軽快なトークで案内解説も行っていただきました。寒い中での作業本当にお疲れ様でした。
※五色沼自然探勝路は全長約4kmの探勝路となっており、年間を通して多くの人が訪れる景勝地で、大部分
が特別保護地区に指定されており、動植物の採取が規制されています。
写真左上:ロープ回収の様子①
写真右上:ロープ回収の様子②
写真左下:ロープ回収の様子③
写真右下:木道点検及び清掃の様子
PVの方々には、植生保護のロープ設置だけではなく、ゴミ拾い、木道清掃、外来種の防除作業、散策される方への案内解説等、4月から32回の活動で延べ140名の方にご参加いただきました。裏磐梯の素晴らしい自然はPVの方々の協力があってこそのものです。この場をお借りしてお礼申し上げます。
磐梯朝日国立公園だけではなく、他の国立公園にもたくさんのPVの方々が活動されています。国立公園にお越しの際には、そのような方たちの活動があって、素晴らしい自然が保たれているということを思い出していただければ幸いです
最後にこれから裏磐梯へお越しの際には、防寒対策をしっかりとするとともに、足元が落ち葉や霜等(これからは雪)で滑りやすくなっているため、ご注意ください。また、周辺の道路では、一部冬季閉鎖が始まっていますので、最新の情報をお確かめいただき、雪道運転に気を付けて、お越しいただければと思います。
2016年09月16日秋に向けてのおもてなし
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 畑中 亮輔
裏磐梯自然保護官事務所の畑中です。裏磐梯では暑さもだいぶ和らいで、ウルシ等が赤く色づき始めています。今年どのような紅葉が見られるのか今から楽しみです。
これから本格的な紅葉シーズンを迎えるにあたり、利用者の方が快適に散策できるようにパークボランティアの方々と五色沼自然探勝路内の看板と木道の清掃を行ってきましたので、その様子をお知らせします。
探勝路内には、散策の所要時間を示す看板の他に、自然情報の解説をする看板等が複数設置されています。スポンジやタオルを用いて、それらの看板1つずつをきれいに清掃していただきました。
看板清掃の様子
また、木道清掃では、雨等により木道上に堆積した土砂をスコップで丁寧に取り除くだけでなく、木道と木道の隙間の土砂についても、きれいに取り除く作業を行っていただきました。五色沼を訪れた際には、パークボランティアの方々のこのような活躍があるということを少しでも思い出していただければと思います。今回も活動に参加していただいたパークボランティアの皆様本当に
ありがとうございました。
木道清掃の様子
最後に、レンゲ沼近くにある裏磐梯サイトステーション内で「アクティブ・レンジャー、アクティング・レンジャー写真展」を10月31日まで開催しておりますので、お近くにお越しの際は是非足を運んでいただければと思います。
写真展の様子
こんにちは、裏磐梯の楊です。
裏磐梯に来て早くも3ヶ月が経ちました。裏磐梯の地形や魅力を知ることができ、毎日が充実した生活になっています。
さて、裏磐梯は連日暑い日が続いています。皆様どのようにお過ごしでしょうか。
先日、火山防災協議会を構成する機関で、安達太良山の噴火に備えて対策を検討するための現地調査を行い、噴石から身を隠せる場所や避難経路などを確認しました。
現地調査の様子
鉄山付近の稜線
安達太良山には今回初めて登りましたが、火山地帯の独特な地形で、迫力のある岩や厳しい環境に咲く高山植物がとても印象的でした。
沼の平火口
ある時、一瞬にして地形が変化してしまう自然の荒々しさは人間の想像を駆り立てる不思議な魅力があると思います。裏磐梯の静かなブナ林や湖沼群も良いですが、時には、荒々しく地球の躍動を感じることのできる安達太良山に来てみてはいかがでしょうか。磐梯朝日国立公園内でもひと味違った魅力に出逢えるかと思います。