ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

磐梯朝日国立公園 裏磐梯

171件の記事があります。

2020年11月19日11月の裏磐梯AR及びPV活動報告(後篇)

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行

「11月の裏磐梯AR及びPV活動報告(後篇)」

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。

(前篇)に続き、11月の裏磐梯でのARおよびPV(パークボランテイア)活動(後篇)を写真で報告です。

■11月9日(月)、10日(火)、12日(木)は、雪が積もって撤収できなくなる前に

磐梯山の噴火口と銅沼に設置している登山者カウンターの2か所の撤収及び

八方台と裏磐梯登山口にある回収トイレBOXの回収をしました。

登山者カウンターは、大まかにバッテリー及び電源BOX・センサー本体・太陽光パネル・鉄柱4本から

構成されており、かなりの重量になります。50~60Lのリュックを担いでの撤収作業です。

銅沼では若熊の足跡を確認しました。


■11月13日(金)は、PV活動でスキルアップ研修会についてお伝えします。

今年は、NPO法人裏磐梯エコツーリズム協会のスタッフを講師として招き、

実際にウチダザリガニの防除作業を経験し意見交換を行うことで、

外来生物の防除に関する知識と経験をより深めていただくとともに、

自然観察会等で参加者に対してより適切に解説などを実施していただくことを目的として開催しました。

11月分(後篇)は、以上でおわり。

ページ先頭へ↑

2020年11月17日11月の裏磐梯AR及びPV活動報告(前篇)

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行

11月の裏磐梯AR及びPV活動報告(前篇)

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。

11月に入って裏磐梯は、あっという間に紅葉も過ぎ、初雪も降りました。

そのような中でのARおよびPV(パークボランテイア)活動を写真で報告です。

■まず、ありがとうございます。10月31日(土)に裏磐梯ビジターセンターの来客数が

150万人に達成いたしました。記念式典の様子。

■11月1日(日)は、小野川不動滝探勝路、小野川湖畔探勝路の巡視にPV(パークボランテイア)の皆さんと行って来ました。

不動滝は滝のすぐそばまで行けるので直接肌で感じられるマイナスイオンに包まれる事ができます。

この日は滝底に虹が架かっていました。

小野川湖畔探勝路は、紅葉の見頃でした。

ただ、熊さんの落とし物が多めにあるので単独ではなく、複数での行動をお願いしたいと思います。


続いて、小野川湖畔探勝路を歩きます。

                「熊だな」と「爪痕」

■11月5日(木)は雪の中、雄国沼トイレ閉所作業にいってきました。

雨樋の撤去、貯水槽及び各トイレ内タンクの排水、電源盤のOFF作業、防雪板の設置などの作業があります。


■11月6日(金)はPV活動で五色沼自然探勝路と堂場山どんぐり探勝路の巡視に行って来ました。

五色沼は最後であろう紅葉が残っていました。


堂場山どんぐり探勝路はその名のとおり、浜にもどんぐりが沢山落ちいたので、どんぐり浜と名付けました。

ヤマブシタケを確認しました。ヤマブシタケは中国では四大山海(他はフカヒレ、ナマコのいりこ、熊の嘗の珍味の一つとされています。

今回(前篇)は、ここまで。

ページ先頭へ↑

2020年10月29日「猪苗代湖クリーンアクション2020」

磐梯朝日国立公園 田中謙行

「猪苗代湖クリーンアクション2020」

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。

10月24日(土曜)に「猪苗代湖クリーンアクション2020」の活動をしてきたので写真と共に報告です。ヨシの刈り取りは白鳥浜、水草及びゴミ回収は天神浜で行った。

この活動は、猪苗代湖の水環境を保全するため、県民、事業者、行政、関係団体が協働してヨシの刈り取り、漂着水草及びゴミの回収をするもの。

猪苗代湖湖岸のヨシ群落は、湖内に流入した窒素やリンを吸収する水質浄化機能があるため、地上部が枯死する時期に刈り取るなど、ヨシ群落の適切な保全・管理が重要であり、また、湖岸には毎年多量の水草が打ち上げられ腐敗によって水質汚濁の一因になっており、湖の環境や景観を損ねているため、回収する必要がある。

まずは、開会式の様子。

水草(作業前)の様子。

作業の様子。

作業後の浜。きれいになりました。

サギも大喜び。作業後に現れました。

午後に作業が無事に終了したので、そのまま猪苗代湖をドライブ一周することにした。

写真で湖畔を紹介します。

猪苗代湖の天橋立でしょうか。

猪苗代湖に虹が架かった。

白鳥さん、こんにちは。

今回はここまで。

是非、猪苗代湖にもいらしてください。

ページ先頭へ↑

2020年10月22日「10月後半の裏磐梯PV活動報告」

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行

「磐梯山巡視」

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。

10月18日(日曜)にPV活動の一つ磐梯山巡視に行ってきたので写真と共に報告です。

その前に磐梯山の概略として、磐梯山は溶岩層と火山灰層でできた標高1,816mの成層火山です。今から132年前の1888(明治21年)7月、大噴火がおきました。マグマや溶岩によって地下水や地表水が加熱されて生じた水蒸気爆発による壊滅的な噴火でした。強力な爆発によって磐梯山の4つの峰の一つ「小磐梯」(磐梯山北側の標高1,800mの峰)が山体崩壊し、大規模な岩なだれを引き起こしました。岩なだれは村落を完全に破壊し、渓谷をせき止め、およそ300の湖沼が形成されました。現在ではその美しさが磐梯朝日国立公園の大きな魅力となっています。磐梯山は、固くなった溶岩層や、火山灰、軽石、岩屑などで構成されており、山体崩壊は、この種の火山の断面を目視できる珍しい場所で、地質学上でも重要な場所になっています。

磐梯山の頂上に登るには難易度の異なる6つの登山道があります。

今回の巡視は、裏磐梯登山口から噴火口経由~天狗岩分岐~弘法清水小屋~磐梯山山頂~弘法

清水小屋~お花畑~銅沼経由~裏磐梯登山口のルートで巡視を行った。

R2.10.18 am9:15 出発。

駐車場はいっぱいいぱい。 am秋晴れ。

「携帯トイレ回収BOX」この他計3か所に設置及び撤収を裏磐梯ARが行っている。

「噴火口登山者カウンター」この他に管内計9か所設置及びデータ回収、撤去を裏磐梯ARが行っている。

噴火口と火口原。

火口原。

足元にはシロタマノキの群生。めんこい。


白樺の林。

振り返れば喜多方市上空の雲海。

櫛ヶ峰。

三合目分岐からの磐梯山。

左に喜多方市雲海、手前は銅沼、奥には桧原湖、右手は五色沼。

奥には安達太良山系。

左に赤埴山、中央に沼ノ平、奥には猪苗代湖。

弘法清水小屋前。

弘法清水小屋簡易トイレブースが2つになりました。携帯トイレ袋のみ使用可能で1袋350円。

山頂。

山頂からの猪苗代湖。

山頂からの会津若松市内。

山頂からの桧原湖。

紅葉シーズンと日曜日というのもあってか、かなりの人出があり賑やかな磐梯山であった。

お昼になってからは、あいにくの曇り空になり気温も冷え込んで来たので弘法清水小屋の「なめこ汁」を頂く。身体もあたたまるし、お味も絶品。

帰りは、行きとは違うコース(お花畑経由で八方台登山口方面に下り、途中分岐で銅沼を経由して裏磐梯登山口)で下山する。

紅葉はまだ黄色が多く、見頃はこれから今月いっぱいと思われる。

「銅沼」右手には噴煙。磐梯山の鼓動を感じる。

「銅沼」水位がかなり引いていた。普段は岩の白い線まである。

今回は「アキノキリンソウ」が見送ってくれた。

最後は、桧原湖を見つめる「たそがレンジャー」1号、2号。

今回の巡視では破損など目立った問題はなく、人が多いわりに落ちてるゴミも少なかったので、山でのマナーが浸透してきていると信じたい。しかしながらコロナ禍の影響か今年はマスクの落とし物が多い。

心の豊かさを求め、ますます高まるであろう自然志向。レジャーの多様化とともに磐梯山周辺でも植物の踏み荒らしや水質汚染、生態系の変化など少なからず自然環境の傷が深まっていると感じている。「黄金の山、湖、里」の雄大な自然をいかに守り、次世代に引き継いでいくのか。つなぐ私たちに課せられた責務は大きいと思った。

今回はここまで。

ページ先頭へ↑

2020年10月16日「10月前半の裏磐梯PV活動報告」

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行

「10月前半の裏磐梯PV活動報告」

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。

10月上旬の裏磐梯は、秋晴れとは程遠いあいにくの天気が続いていましたが、PV活動で11日に秋元・中津川渓谷探勝路と吾妻川渓流探勝路の巡視に行ってきたので写真と共に報告です。

まず11日の小雨のなかでの秋元・中津川渓谷探勝路の様子。

期待した紅葉にはまだ1~2週間ほど早かった模様で少し残念。

空気がとてもおいしい。

あいにくの小雨の中で小さな小さな紅葉。

続いて、吾妻川渓流探勝路。この探勝路はすぐ横に渓流が流れマイナスイオンに包まれながらトレッキングできるコースで、一風変わった樹木と岩の上で成長した樹木が沢山あります。

「熊さん、人間に注意」の看板からスタート。

渓流のすぐ横にある落ち葉でフワフワの探勝路を歩きます。

「宿りの木」と勝手に名付けた。

盆栽のように巨岩に咲いている樹木がたくさんあり、さながら盆栽の展覧会の様。

県知事賞ものでしょうか。題名は「渓流の便り」。

これは国風賞を送りたい。題名は「吾妻園」。

みなさんなら、題名は「・・・」

かえる ちゃんの見送りで終了。

秋元・中津川渓谷探勝路は、特に破損場所はなかったが急な坂なので注意が必要。

吾妻川渓流探勝路においては、一か所小川をまたぐ橋がずれていて注意が必要であつた。

両探勝路とも、マイナスイオンに包まれながら歩けるコース。今月末にかけては紅葉が見頃と思われるので、ぜひ脚を運ばれてはいかがでしょう。

吾妻川渓流探勝路は、コロナ禍の影響もあってかあまり人が入っていないようであったが、静かな時間がしっぽり流れるおすすめ探勝路の一つ。

次回は、巨岩の上で成長している樹木の種類を調べることと、野草、山花が咲き初めには、またこの探勝路の報告をしたいと思っています。

今回はここまで。

ページ先頭へ↑

2020年10月06日「磐梯朝日国立公園指定70周年」

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行

「磐梯朝日国立公園指定70周年」

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。

今年、磐梯朝日国立公園は、指定70周年を迎え、環境省、福島県、北塩原村の主催による記念式典・シンポジウムが9月5日(土)に執り行われた。

磐梯朝日国立公園は、出羽三山、朝日連峰、飯豊連峰、吾妻連峰、磐梯山、猪苗代湖を含み、福島、山形、新潟の3県にまたがり、国立公園陸域で大雪山国立公園につぐ2番目の広さがあり、山々と森、川、湖沼など豊かな自然と美しい景観がたくさんあるのが特徴といえる自然公園です。

式典及びシンポジウムの様子を写真で紹介していきたいと思う。

小泉 進次郎 環境大臣の挨拶。

「ふくしまグリーン復興構想に基づく県との協定やワーケーションを推進

し、公園の魅力に触れられる機会を増やせるよう努める」と挨拶。

子供の頃、家族旅行で裏磐梯の五色沼や会津に訪れた話もされた。

裏磐梯小学児童たちと普天間かおりさん(裏磐梯観光大使)の合唱コラボ。

和やかな雰囲気の式典になった。

裏磐梯小学児童たちとの記念撮影。

内堀福島県知事、小泉大臣、普天間かおりさん

午前中の式典は、来賓の方々、関わった皆さん、そして特に次の世代を担っていく裏磐梯小学校の子供たちにとって、地元の国立公園の自然の豊かさ、大事に考えなければいけないんだということ、そこで生活している誇りみたいな気持ちを改めてそれぞれが感じてもらえる機会になってくれたのなら良かったと思う。

午後からのシンポジウムでは、タレントのなすびさんが「私の山との関わりについて」と題した基調講演を行った。その後、7人のパネリストによる「祈りと恵みの山々」と題したパネルディスカッションを行い、最後は普天間かおりさんの歌で締めくくった。

シンポジウムでのなすびさんの基調講演。

後日、相馬市から青森県八戸市を結ぶ自然歩道「みちのく潮風トレイル」を踏破した

こともあるなすびさんが環境省の「福島環境・未来アンバサダー」に任命された。

パネルディスカッション

パネリストの皆さん

パネリストの皆さん

パネリストの皆さん

シンポジウムのパネルディスカッションでは、たくさんの学びがあった。

パネリストの大和川酒造店会長の佐藤氏は日本酒造りの経験から「自然の恵みを頂いて生きてきた」「山は豊かさの象徴。山に降った雨や雪が流れて、町や村の個性的な文化ができる」と述べ、マタギとしても活躍する慶応大学先端生命科学研究所研究員の鵜野氏は鳥獣対策で山に入り、クマを捕獲して遺伝子分析を行っていることに触れながら、自然保護に携わる人材を育てるには子供の頃から自然の中で遊ぶ体験を積ませることが重要だと指摘した。また飯豊連峰保全連絡会・朝日連峰保全協議会アドバイザーの川端氏は山をより多くの人に楽しんでもらうために植生回復の取り組みが必要と語り、少人数で小まめに登山道を手入れすることを提案した。NPO法人日本ジオパークネットワークの斉藤氏は保全活動は「なぜ」がないと続けられない。理由をしっかり学ぶプロセスなどが絶対必要だ。実際活動する地元でも利害関係があるだけに、しっかり理解しあう対話と努力が不可欠と述べた。東北森林管理局の香月氏は戦時中の過剰な森林伐採で山が荒廃したが、現在は手入れが行き届いていない状況にあるのでよりよい姿を残す取り組みが求められていると述べた。エベレストを登頂したなすびさんは登山を楽しむと同時に自然を守らなければならなと強調。次世代につなげるためにも、大量消費や大量生産を見直すべきだと訴えた。

私自身、70周年を迎えた式典・シンポジウムを通して、改めて認識できたこととして、この公園には火山活動によって造り出された地形や、大小の湖沼など変化に富んだ景観が広がること。貴重な植物が自生し、野鳥の種類も多く、登山やスキー、キャンプ、温泉などの多様なレジャーが四季を通じて楽しめること。

この貴重な自然をきちんと五十年、百年後に渡せるのかいま問われていること。よりよい姿を残すための取り組み、継続できる仕組みをみんなで考えてかなければならいこと。を改めて考えさせられた。

まずは村との共同事業や地域のNPO団体との連携、地域の人たちとの横のつながりを活発にする取り組みを、平たく言えばもっと多くの所に顔を出し対話することを積極的に行いたいと思った。

最後に、なすびさんが話された話の中で、感銘をうけた言葉をもって今回の報告日記を終わろうと思う。

「地球は先祖から受け継ぐものでなく子孫から借りているというネイティブ・アメリカンの言葉のように、未来に大切に残し、つなげなければならない。今を生きる一人一人が考え行動する必要がある。」

以上です。

ページ先頭へ↑

2020年10月06日「てんこ盛りです。安達太良山!」

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 小野寺浩詩

裏磐梯自然保護官事務所の小野寺です。

今回は9月の4連休中、安達太良山へ登ってきた時の様子です。

ルートは、沼尻登山口から船明神山を通り安達太良山山頂へ。帰りは鉄山を通り沼尻登山口に戻るというものでした。

磐梯朝日国立公園内にある安達太良山は、日本百名山や花の百名山などに選定されている人気の山ですが、過去には大きな噴火を起こし災害をもたらしました。今年はその噴火(1900年)からちょうど120年の節目の年でもあり、ぜひ登りたいと考えていました。

登山口に着いてまず驚いたのは、駐車場がほとんど埋まっていたことです。連休中なのである程度覚悟はしていましたが、コロナ禍の中、やはりアウトドアに人が集まってきているのかなと感じました。

準備を整え出発。

沼尻登山口から出発

5分程歩くと早速白糸の滝が出迎えてくれました。

早速滝(白糸の滝)と遭遇です

いきなりメインディッシュをいただいた感じで、この先の展開が少々不安になりました。

しかしそんな心配をよそに、次々と山の恵みや絶景が出迎えてくれました。

リンドウに導かれ

写真等でよく見ていた沼ノ平火口を目にした瞬間は、一瞬息をのむほどでした。火山活動のすさまじさとともに、その荒涼とした景色に美しさを感じていました。

沼ノ平火口

小さなお釜もありました

稜線に出た途端、突然の濃霧と強い風に悩まされましたが、どうやらそれは龍神様の挨拶だったのかもしれません。

突然霧と強風が

よく見ると目、鼻、口、耳が。龍神様(ラクダに見えなくもないが)!?

安達太良山の山頂が見えてきました

無事に安達太良山の山頂に立ち(ロープウェイ方面からの登山者が多かったです)、山に御挨拶した後は、先ほど歩いた稜線を向こうに見ながら鉄山に向かいました。

到着です(人が多い!)

間違いなく安達太良山です

今度は反対側から沼ノ平を望みます

鉄山山頂で昼食をとり、後は帰るだけと思っていましたが、ここからがフルコースの始まりでした。

箕輪山とお近づきになり、紅白ならぬ黒白のかわいい実と出会い、海外を思わせるような景観、胎内岩(知らずに胎内ではなく外側を通ってしまいました)、そして数々の奇岩との出会い。

箕輪山にも御挨拶

黒(ガンコウラン)との出会い

白(シラタマノキ)との出会い

欲張りすぎの絶景

ここは日本ですよね!?

さらには、至る所から少しずつ水が集まり、川になっていく様子を歩きながら感じることができました。川の途中には源泉と湯の花採取場が見られ、活火山であることと、ここから人の生活と結びついていることが実感できました。

川ができていく様子もよく分かりました

湯の花採取場

最後にもう一度滝に御挨拶をし、大満足(おなか一杯)で登山口まで戻りました。

最後にもう一度白糸の滝に御挨拶

締めは、先ほどの源泉を引いた温泉にゆっくりとつかったことは言うまでもありません。(お見せすることはできませんが)

これからは木々が色付き山装う時期を迎えます。新しい発見を見つけに山に出かけてみませんか!

長文にお付き合いくださりありがとうございました。

ページ先頭へ↑

2020年06月24日吾妻の瞳

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行

「吾妻の瞳」

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所アクティブ・レンジャーの田中です。

夏至の日に、規制解除されました「浄土平~酸ヶ平避難小屋~一切経山」ルートで一切経山ルートで

登ってきた。

*注意:「浄土平~一切経山」の直登ルートは、熱活動が続いている大穴火口に近いため規制されています。

まず最初に出迎えてくれたのが、浄土平湿原(標高約1600メートル)の「ワタスゲ」の群生。

一切経山に向けて、いざ!出発。

蓬莱山の坂を登る途中には、小さい雪塊が残っていたり、

岩場のところどころには、「イワカガミ」のピンク色の可憐な花が観られた。

避難小屋の前を通って火山礫のザラザラした坂道の途中で振り返ると、東吾妻山と鎌沼が「山頂まで、あともう少し」と後押しをしてくれているようだ。

山頂間近の右手には、吾妻小富士。

1893年(明治26)に起こった一切経山の噴火では、噴煙が直上2000m、浄土平には約1mもの火山灰を堆積させたといわれている。

山頂に近づくにつれ、そのすさまじさを肌で感じる。

不安定な砂礫地を登りつめ山頂(1949m)に着くと、だんだん雲行きがあやしくなり霧が出てきて気温もグンと下がってきた。寒いので雨具を羽織る。


霧の切れ間に眺望できたのは「吾妻の瞳」こと五色沼。

別名「魔女の瞳」とも呼ばれていて、コバルトブルーの沼で、名前の通り太陽光の具合で刻々と微妙に色が変化する神秘的な沼。

この日はあいにく霧がたちこめていて、残念ながら色の変化までは確認できなかったが、肉眼では写真よりも、もっと青々とした色だった。

深い青色を堪能したところで、「吾妻の瞳」に別れを告げて、来た道を戻る。

なんと、酸ヶ平湿原に降りてきたころには、すっかり霧も晴れていた。

酸ヶ平湿原から鎌沼を通り姥ヶ原のお花畑を経由して浄土平まで帰る事に。

酸ヶ平湿原の木道。

帰り道に見送ってくれた花たちを紹介。

まずは、仲睦まじい「チングルマ」。

木道のまわりや姥ヶ原では群生していた。

輝く白の花、雄しべが可愛い「ツマトリソウ」。

最後は、風にそよそよして手を振ってくれているような

「マイヅルソウ」たち。

浄土平は、近くで噴煙が上がっており地球の鼓動がおおいに肌で感じられる場所。

是非、地球の鼓動を感じに、そしてコバルトブルーの「吾妻の瞳」と可憐な花たちに逢いに一度は来ていただきたい所である。

また、浄土平の周りには、温泉もたくさんあり、散策の帰りには、心身ともに癒してみるのはいかがだろうか。

もちろん、私も帰りには温泉にゆっくり浸かり心身ともにとろけた日になった。

では、このへんで今回の日記は、おわり。

ページ先頭へ↑

2020年06月10日「雄国沼笑う。そして龍神様現る」

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 小野寺浩詩

はじめまして。

裏磐梯自然保護官事務所の小野寺浩詩と申します。

アクティブ・レンジャーとして初めての日記をお届けします。

内容は6月2日に地元の方々と一緒に、雄国沼の巡視と公衆トイレの開所作業を行ってきた際のものです。

どうぞお付き合いください。

まずは、私も初対面となる雄国沼とその周囲の山々を御覧ください。

雄国沼(磐梯山の山頂が少しだけのぞいていました!)

奥の方に木道が見えます

木道が地上絵のよう!

磐梯朝日国立公園に位置する雄国沼一体は、猫魔ヶ岳の噴火でできたカルデラで数多くの湿原植物やニッコウキスゲの大群落が見られ、国の天然記念物に指定されています。

この場所を訪れるのを楽しみにしている方も多くいらっしゃると思いますが、あいにく現在は新型コロナウイルスの影響により、周辺の登山道等の利用が制限されています。また、例年初夏に運行されているシャトルバスも今年は運転取りやめとなり、マイカー規制も行われるとのことです。

しばらくはここを訪れることが難しいと思いますが、喜多方市及び北塩原村のWebページ等で情報を確認して、雄国沼との出会いを楽しみにしていただければと思います。

さて、私の方は地元の方々と公衆トイレ開所作業を無事に終え、その後湿原の木道の巡視を行いました。湿原の中を縫うように通る木道の上を歩いていると、まだ春のようなさわやかな風を感じることができました。


 

 

 

 

 

 

 

                                                                                                            

公衆トイレ(作業前(左)と作業後(右)の様子)

これから先は、雄国沼を訪れることが難しい今、皆さんに少しでも現地の景色等をお届けすることで雄国沼を感じていただければと思います。

湿原の中の木道(晴れ渡る空、さわやかな風、最高の天気に恵まれました)

タテヤマリンドウ

リュウキンカ

ズダヤクシュ

巡視ではこれまで何十年も雄国沼の自然を見守ってきてくださった方にお話を聞く機会にも恵まれました。

その中で、湿原が少しずつ草原に変わってきているということを伺いました。雄国沼初対面の私ではなかなか気づくはずもなく、ずっと見てきた方の実感のこもったお言葉でした。

巡視が終わり、帰り間際にもう一度雄国沼の方を見てみると、笑顔で見送ってくれている沼の上に龍神様の姿がありました。この日は雨の予報も出ていただけに、きっとこの龍神様が天気にしてくださったのかなとしみじみ思いました。

龍神様現る

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

ページ先頭へ↑

2019年07月02日梅雨の磐梯山

磐梯朝日国立公園 楊 寛明

こんにちは、裏磐梯自然保護官事務所の楊です。

梅雨のまっただ中、裏磐梯でも雨や曇りが続いています。

今回は、梅雨の時期(6月中旬~7月上旬)に磐梯山で見られる植物についてご紹介します。

磐梯山はなんといっても、「バンダイクワガタ」です。

昆虫のクワガタをイメージさせる名前ですが、正体はゴマノハグサ科の植物です。

名前の由来は、果実が萼につつまれており、その形が「鍬の形」に似ることからクワガタという名前がついているようです。

バンダイクワガタはその年にもよりますが、6月中旬頃から咲き始めます。

噴火で形成された荒々しい岩稜に咲く姿は力強さを感じさせてくれます。

 

【バンダイクワガタ】

 

この時期はこの他にも様々な植物を観察することができます。

     【ハクサンチドリ】                    【ウラジロヨウラク】

 

     【グンナイフウロ】                     【イワカガミ】

 

 

【マルバシモツケ】

長雨が続き、なかなか外に出る機会が少ないかもしれませんが、雨の日の磐梯山は晴れた日とはまた違った美しい光景が広がっています。植物観察でオススメのコースは猪苗代スキー場からのコースや翁島登山口から登る表磐梯コースです。是非、磐梯山を登山してみてはいかがでしょうか。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ