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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

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2009年02月03日ガン・ハクチョウの群れに

秋田 足利 直哉

 今日は節分ですね~。平安時代に世の中を邪気を祓うために始まったという説のある節分。今の時世で言えば不景気や温暖化・・・・などなど色んな邪気が吹き飛ぶようにいつもより多めに豆撒きをしようかと思っています!!


 ある日のこと・・・この日は上空をヘリコプターが飛び回っていました。しかも低空で何度も行ったり来たりを繰り返していたので、ガンやハクチョウたちが落ち着きません・・・。やっと田んぼに降りて採餌を始めたと思ったらまたヘリコプターがやって来るという状況・・・。観察なんてとてもとても・・・。

 その後、いつも通りの巡視をして事務所に戻る帰りがけにもう一度ガン達が採餌しているエリアへ足を向けると、一部分だけ雪が溶けて地面が露出している場所にマガン、ヒシクイ、オオハクチョウ、コハクチョウ、アメリカコハクチョウらが密集して餌を食べている場所がありました。
 そこでスコープを取りだして観察を始めましたのですが、なんかいつもと様子が違いました。いつもなら群れの中で周囲を警戒しているガンやハクチョウが私の存在に気付き、一斉に歩いて逃げ出したり、警戒して採餌を止めたりする個体が多くいるはずなのですが、この日は食べるのに夢中で警戒心が薄れていました。「余程腹が減ってたんだな?」と感じるほど!ヘリコプターが気になってうかうか採餌もしていられなかったのかも知れません・・・。

 そんな感じでいつもよりちょっとだけ近くで採餌の様子を観察していると、その群れの中に一際小柄なガンが1羽混じっていました。↓
 

一番右のハクチョウの前にいる採餌中のガンです。

頸を挙げると頬の白い羽が目に飛び込んできます。

 【シジュウカラガン】です。写真では解りづらいですが野外で観察していると【マガン】と比べても明らかに小さく、細身の印象を受けます。
 やはりお腹がすいていたのか【シジュウカラガン】も採餌に夢中でした。しかし餌を食べている場所にコハクチョウやマガンやヒシクイがやって来てどんどん外へ外へと追い出されてしまいます。それでも端っこの方で懸命に餌を食べていましたが、そのうち意を決したようにこの集団の中へと割って入っていきました。



 時々他の鳥の陰に隠れて見えなくなりながらも、ずんずんと歩を進めてほぼ中央まで進んでいきました。↑にはその勇ましい様子が写っています!この写真だと他のガン達との大きさの比較が出来ますよね?
 中央に到着した【シジュウカラガン】は堂々とど真ん中で採餌を始めました。大きな群れの中にあって、小柄な【シジュウカラガン】がたった1羽で肩身の狭い思いをしながら過ごしているのかな?と思わせる場面もありましたが実際は実に堂々と勇ましく過ごしているようでした。


 ちなみにこの日は僅か1羽の観察でしたが、今期私が見た【シジュウカラガン】は最大36羽です。しかし、管理員さんや秋田の愛鳥家達の情報に寄れば最大43羽が観察されているそうです。
 嬉しいことに、ここ数年大潟で観察できる数が増えてきているようです。


 

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2009年02月02日ハクチョウの群れに

秋田 足利 直哉

 机の上のカレンダーを新しくしたばかりだったような気がしていますが、今朝、2枚目のものに交換しました。早いもので2月突入です。


 今日はこの時期もっとも見つけやすくて、観察しやすい野鳥の代表ともいえるハクチョウについて書きます。

 先日、大潟村とその周辺に飛来している【オオハクチョウ】【コハクチョウ】の群れをよーーく観察していると、ちょっと変わったハクチョウを見かけました。



 ↑写真の顔を上げている11羽のハクチョウ達の中に嘴の大部分が真っ黒で眼の先にだけ僅かに黄色い部分があるハクチョウがいました(写真の中央)。



 嘴以外は普通のハクチョウと何ら変わりなく純白の翼に同じく純白のキレイな身体をしています。
 (もうお分かりかとは思いますが・・)嘴の黄色い部分が少なく、大部分が黒いハクチョウを【アメリカコハクチョウ】です。
 同じ個体なのかどうかは確信がありませんが【アメリカコハクチョウ】は12月の上旬から観察されていて、最近は大潟村の南西部で採餌している事が多いようです。


 大潟草原鳥獣保護区の管理棟にお越しになった方はご覧いただけたかと思いますが1月は「大潟草原とその周辺で見られるハクチョウの識別」についてイラストと文章で展示していました。↓はそのイラストです。【オオハクチョウ】【コハクチョウ】【アメリカコハクチョウ】を飛翔姿と水面を泳ぐ姿と嘴のアップで比較できるように同じポーズでサイズも意識しながら描いてみました。皆さんが野外で観察をする際の参考になれば幸いです。





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2009年01月30日Botaurus stellarisがいた!

秋田 足利 直哉



 ↑の写真には1羽の野鳥が写っています。撮影したのは2009年1月29日つまり昨日の陽が傾きかけた頃でした。場所は大潟草原鳥獣保護区の特別保護地区内です。見つかりましたか??


 写っているのはこちら↓(別の写真ですけど・・・)


 解りますかね??【サンカノゴイ】です。タイトルの【Botaurus stellaris】は学名です。
 【サンカノゴイ】は図鑑などによれば夏鳥として飛来し、広大なアシ原を生息地とし、関東以南ではごく少数が越冬しているそうです。その野鳥がこの時期に秋田で見られるとは・・・


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2009年01月29日塒立ち

秋田 足利 直哉

 今朝も秋田は冷え込みました・・・。道路はツルッツル、テッカテカでバスの乗り降りも緊張しました(笑)


 さて、今日の日記では塒立ちについて書こうと思います。

 塒を飛び立つ時間はその種によって異なります。マガンやヒシクイは夜明け前後に採餌地へと飛び立って行きますが、オオハクチョウやコハクチョウはそれよりも遅くなってから飛び立つ傾向があります。勿論、天候によってもそのタイミングは変わってきますが、最近は高い確率でハクチョウたちの塒立ちを観察することが出来ています。
 
 【コハクチョウ】の塒立ちの様子を撮影しました。それを加工して上から順番に並べてみました。





 ちょっと離れて前にいた個体が助走を始めた直後、その仲間が助走を開始しました。翼をはためかせながら助走の勢いを増していって・・・take off!!
 この時には【コハクチョウ】の鳴き声・羽音・水面を叩く音が混じり合って辺りに響いていました。



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2009年01月28日続・ドジョウを捕食したタンチョウ

秋田 足利 直哉

 今日の秋田はこの時期としては貴重な青空が広がっています。こんな日の朝はぐっと冷え込むものですが、今朝の寒さは頬に当たる風が”痛い”と感じるほどでした。


 さて、昨日に引き続き、ドジョウを食べる【タンチョウ】を観察した時の話です。昨日はドジョウを探し→見つけて→捕獲し→食べるまでを連続写真でご紹介しましたが、今日は【タンチョウ】がドジョウを捕まえた時に、嘴に巻き付くなどしてドジョウが激しく抵抗している様子を集めてみました。







 食べ方としては昨日の記事の通り、一度ドジョウを地面に置き、不要物を取り除いてドジョウだけを咥え直して口元へ運ぶという流れなのですが、捕まえたドジョウのサイズによって【タンチョウ】が一旦ドジョウを置く場所が異なっているのが見て取れるかと思います。
 1枚目と2枚目は水路の中に居ながらにしてドジョウ食べようとしている様子が写っていますが、3枚目と昨日の記事では水路から出て田んぼにドジョウを食べようとしているのが分かると思います。
 この違いに付いては昨日の記事にご紹介済みですが、ドジョウのサイズによって場所を変えていたようでした。ちなみに食用に販売されているドジョウは『小』約6cm、『中』約8cm、『大』約10cm、『特大』約15cmというサイズ分けがなされているようですが、この【タンチョウ】の場合、『小』~『大』サイズのドジョウは水路にいながらにして食べ、『特大』もしくはそれ以上のサイズのドジョウは田んぼに上がって食べていました。(勿論、私の目測ですから誤差はありますけど・・・)
 この観察中に少なくとも10匹以上のドジョウを食べていましたがその内訳は『中』2匹、『大』4匹、『特大~それ以上』4匹で【タンチョウ】がそれを口へ運んだ場所はこれまで書いてきたことからもうお分かりですね?水路の中が6回、田んぼに上がって4回でした。『大』以下のドジョウであれば多少暴れて抵抗しても逃がさずに食べることが出来ると判断しているんでしょうね?きっと・・・


 ついでに食材としてのドジョウについてちょっと調べてみました。ドジョウには100g中1100mgと豊富なカルシウムが含まれていて、その量はうなぎの10倍に相当し、魚類の中でも最も多くのカルシウムを含んでいるのだそうです。またビタミンDも豊富に含まれているのですが、ビタミンDはカルシウムの腸内吸収を促進する働きがあるそうです。つまりドジョウはカルシウムが豊富でかつその吸収効率が高い食材ということができるのです。ちなみに1日に必要なカルシウムをドジョウから摂取しようとすると『中』サイズのドジョウ7匹程度で充分という計算になるようです。

 まぁあくまでも人間の場合の話ですからそのまま【タンチョウ】に当てはめるのは少々強引ですけど(笑)


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2009年01月27日ドジョウを捕食したタンチョウ

秋田 足利 直哉

 1月も最後の週となりました。やるべき仕事量と仕事時間を比べて、いよいよ焦り始めてきた今日この頃です・・・


 今日は、この厳しい季節にあっても逞しく生きている【タンチョウ】の採餌シーンをご紹介します。



①:ちょっと狭いんじゃないかな?と思うような土水路に入って餌を探す【タンチョウ】です。
②:何か餌を見つけたようです。冷たい水に頸を丸ごと突っ込んでいきます。
③:【タンチョウ】が上手く何かを捕まえて水路から上がってきました。ドジョウです!
④:大物です!!咥えたドジョウを一旦雪の上に落としました。



⑤:もう一度咥えられたドジョウが激しく抵抗している様子が写っています。それに比べて【タンチョウ】は冷静でした。
⑥:再度雪の上に落として藁を落とし、ドジョウだけを咥えました。これで食べる準備が整ったようです。
⑦:しっかりと咥えたドジョウを舌を使って一気に喉元まで運んでいきました。
⑧:ドジョウは”あっ”という間に【タンチョウ】の口の中へと消えていきました・・・。


 この日の観察時は休む間もなくドジョウやタニシを次から次へと食べていましたが、その食べ方というか食べる場所について面白い法則(?)を発見しました。
 ↑の写真のように水路から出て、食べるのは”ドジョウの大物”を捕まえた時に限った行動でした。タニシは勿論抵抗するはずもないので、そのまま水路で丸呑みにしていましたが、ドジョウは捕まえる時にどうしても藁などを一緒に咥えてしまうらしく、それらを除く必要があります。そこで一度捕らえたドジョウを放さなければならないのですが、その場でそれをやるとなると、せっかく捕まえたドジョウを逃がしてしまうことになるかも知れません。しかも大物だと動きも大きくなってリスクが高くなりますからね?
 そこで【タンチョウ】は考えたのだと思います(先天的に身についているのかも知れませんけど・・)。『逃したドジョウは大きかった・・』と悔しい思いをしない為に、水路から出てドジョウが逃げられないようにしてから食べれば良いんじゃないか?と・・・

 この【タンチョウ】を観察していると本当に賢いな~と感心させられる事が多いのですが、この日の観察でも改めて感じました。更に、ここ最近の採餌行動を総合すると『この【タンチョウ】は餌のある土水路の場所を完全に把握している』と思えてなりません。U字溝で作られた水路は素通りしてしまいますから・・・


 少し前のドカ雪の時にはちゃんと餌が採れるのか?と心配しましたが、ドジョウを見つけて捕まえるスキルも充分ですし、新たな餌場の開拓をする行動力も持ち合わせています。ここ最近の【タンチョウ】を見ていると逞しさ、賢さは私が考えていたよりも遙かに高いレベルにあるようです。


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2009年01月26日キセキレイの尾羽

秋田 足利 直哉

 秋田も週末から断続的に雪が降り続き、現在も窓の外は雪、雪、雪です。
 そんな天気の月曜日で、電車やバスのダイヤが乱れ、除雪の行き届かないところもある道路は渋滞し、積雪で歩道が狭くなって歩きにくかったりと通勤通学に様々な”支障”がでた今朝の秋田市内でした。



 さて、今日の日記は久しぶりに『羽』の話です。
 
 野鳥たちにとっての尾羽は、飛行時や制止時にバランスをとる時などに必要なものだと思われます。
 少し前から、大潟に向かう途中尾羽がほとんど無くなってしまっているトビを見かけます。何かアクシデントがあったのでしょうか?中央付近の1~2枚を残して全て脱落し、残った羽もすり切れているのか短く、ボロボロになっています。しかしそのトビはその状態で既に2週間以上も元気に過ごしています。短い距離を飛んでいる姿は何度も見ていますが、尾羽がほとんど無いなりに対応して特に”支障”無く過ごしているように見えます。くるりと輪を描く場面は見ていませんが・・

 さて、↓この羽は森吉山野生鳥獣センターに運悪く入り込んでしまった【キセキレイ】から脱落した尾羽です。当日の案内解説員さんに寄れば、開けていた窓から入り込んだらしいキセキレイが館内から出られなくなっていて、窓ガラスの前でバタバタともがいていたそうです。なんとか逃がしてあげようと試みたそうですが、外に出られず焦っていた【キセキレイ】は人間が現れたので更に暴れたのだそうです。結局は窓の外へ脱出することが出来て、勢いよく飛び去ったそうですが、館内にはこの羽が残りました。



 図鑑などによると【キセキレイ】の尾羽は12枚あるそうです。中央尾羽は黒く外側の尾羽は白い部分が多くなるようです。
 そのことを元に羽軸の傾きに注意しながら並べてみると↑のような並びではなかったかと思います。左側から1枚目と2枚目は羽軸の傾きが向かって左方向へ反っていて3枚目以降は右側に反っていますので、2枚目と3枚目が「中央尾羽」であろうと思われます。
 そうしてみてみると、尾羽の総数は12枚ですから中央尾羽を境に両側に6枚ずつの羽があるはずですから、向かって右側の尾羽は全て脱落してしまったことが解り、残りは左側の外側4枚の尾羽だけということになります。そんな状態では大きな”支障”があった事でしょうね・・・
 それでも、当日の案内解説員さんの話では「普通に飛んでいった」そうです。当時は夏羽だった【キセキレイ】は現在、冬羽に換羽しているはずですから無事に過ごしていれば尾羽の揃った状態に戻っているだろうと思います。今も何処かで元気に過ごしていてくれることを願っています。


 右から2番目の羽を20倍の顕微鏡で観察してみました。




 中央の羽軸から枝状に細かな羽が伸びていて更にその1本1本の羽からもっと細かな枝状の羽が伸びている様子が観察できます。この細かな枝状の羽が絡み合い、バランスをとって整然とした1枚の羽を保っています。
 独特の光沢にも目を奪われます。羽軸も、黒い部分も、白い部分も、黄色い部分もそれぞれに輝き、見ていて飽きることはありません。
 鳥の羽を見る度に、『本当に良く出来ているものだ』と感心してしまいます。




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2009年01月23日チュウヒの飛行から受ける印象について

秋田 足利 直哉

 大潟村全域に積雪が増えてきた以降、フィールドノート(といっても普通のノートですが・・)に【チュウヒ】と毎回記述しています。積雪が少ない時期にはヨシ原や牧草地などで採餌していたと思われますが、最近はそのエリアを回っても出会うことは稀で西部承水路とその周辺で見かけます。

 【チュウヒ】は色彩による個体差が大きいので、私のような未熟な者にもなんとなく「この前○○を飛んでいた個体かな?」とか「あれ?こいつはあまり見かけない顔してるな?」なんて感覚を持ちながら観察することが出来ます。



 ↑この2個体は積雪前から西部承水路でたまに見かけていた個体であろうと思っています。ただ一緒にいる場面には出くわしたことがなかったのですが、この日はたまたま同じ木の上から遠巻きに水路で過ごすカモの群れを眺めていたらしい場面を観察できました。
 その後仲良く一緒に飛び立ち、写真のようにじゃれ合うように(?)アクロバット飛行を始めました。当然その姿に驚いたカモ達は慌てて飛び上がり群れで旋回を始めました。それを見て【チュウヒ】は後を追うようにしてV字飛行をしていました。

 この時の【チュウヒ】には”殺気”というか”本気”らしき気配が無かったように感じられました。まぁそれもなんとなくですけど・・・先日紹介した【オジロワシ】の時には確かにそう言った気配を感じました!でもこの時の【チュウヒ】は遊び半分というか様子見というか布石を打っているというか・・・とにかく『本番』とは感じられませんでした。更に付け加えると、これまでも【チュウヒ】がそのようにカモたちを追い回すシーンを何度となく観察していましたが、そのどれもが『本番』的な感じがなかったように思えます。その一番の理由は、必死で逃げるカモ達に対してそれほど頻繁に翼を動かさずに概してV字飛行をする【チュウヒ】とではそもそも飛び回るスピードが違う(実際にはどうなんでしょうかね?)ように感じられ、イマイチ”本気モード”に見えないからです。

 じゃあ、【チュウヒ】はカモ達を捕らえることはないのか?というと・・・答えは『NO!』です。この下の写真はちょっと衝撃的なものですので心の準備をしてください。








 【チュウヒ】に捕食されていた【マガモ】のオス♂です。撮影は11月中旬とちょっと前の画像ですが、おそらく捕食したのは上の写真の後ろ(左)側に写っている頭部だけが白っぽく身体全体が褐色の個体ではなかったかと推測しています。
 この時、私は水路にいるカモの群れを観察しようと車を止めて、スコープで観察していたらいきなり直ぐそばから【チュウヒ】が飛び立ちました。直ぐにその場を見ると写真の光景が広がっていました。その【チュウヒ】遠くには逃げずに、近くの木の上からこちらの様子をうかがっていましたので、私がそそくさと移動したら直ぐに舞い戻っていきました。そして後日、その場を確認するとマガモの亡骸は無くなり、羽だけが散乱していました。

 見ていただくと解るのですが【マガモ】の身体がほとんど水に浸かっていますがこの状態で【チュウヒ】は獲物を食べ初めていたようです。この後もこの場所で食べ続けたのでしょうか?それとも引っ張り上げて足場のある場所で食べたのでしょうか?この時は【チュウヒ】に悪い気がして立ち去ってしまったのですが、思えば惜しい場面を見ずに立ち去ってしまいとても残念です。ちょっと後悔してます・・・ちなみに以前観察した【オオタカ】の場合は捕らえた【カルガモ】を足場のしっかりした場所に運んで食べていましたけどね。
こちらを参照→http://c-tohoku.env.go.jp/blog/2008/01/253.html



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2009年01月22日オオハクチョウの防寒対策

秋田 足利 直哉

 この時期に野鳥観察をしていて、カモやガンやハクチョウ達が寒空の中で過ごしているのを見て「うわぁ~寒そう~」と思ったことはありませんか?

 実際、ハクチョウなど冬に渡ってくる水鳥達は身を切るような冷たい水の中でも、凍てつく氷の上でも平気で長い時間を過ごすことが出来ます。この時の観察中もほとんど動きませんでした。(が、目だけが私を見るために動いていましたけど・・)
 羽に覆われた彼らの身体は保温効果や断熱効果が抜群です。しかし『嘴』と『脚』はそれに比べると効果は劣るみたいで、温かい身体で暖めながら(?)過ごす【オオハクチョウ】がたくさんいます。そんな彼らなりの防寒対策を観察してきました。


 一番オーソドックス(?)なスタイル。『嘴』を翼で覆い隠し、丸くなって氷の上で腹ばいになって過ごす。我々人間だったらお腹が冷えてしまいそうですね?


 こちらの個体は『嘴』を翼で覆い隠し、片足立ちになって片方の『脚』を同じくしまい込んで過ごす。周りには同じように『嘴』を翼で覆い隠して過ごす個体が見えますが、それぞれ”腹ばい””両足立ち””片足立ち”と個性が出ているようですね?


 こちらは一見何の防寒対策もしていないようにも見えますが、片足を持ち上げて翼の下にしまい込んで過ごしています。これだけでも防寒対策になっているんでしょうね?


 こうして見てみると、いくら寒さに強い彼らでも「やっぱり氷や雪は冷たいんだろうなぁ~」と思ってしまいますね?


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2009年01月21日警戒する理由

秋田 足利 直哉

 昨日の日記の最後にあった「ヒシクイ・マガンが首を挙げて警戒している理由」ですが・・・「私が居たから」なんていうありがちなオチではありません!とは言ってもそれはそれで一つの理由であろうとは思いますが、最大の理由はこちら↓



 昨日ご紹介した【ヒシクイ】と【マガン】の観察を終え、次の観察地へと移動を始めたのですが、直ぐに”強烈な存在感”を感じて車を止めました。実はガン達の観察中から私以外の”何か”に向けられている警戒心を感じてはいたのですがその時はその理由がわからずに観察を続けていました。
 車を運転して移動を始めた私が感じられる程の存在感ですから【ヒシクイ】や【マガン】が気付かないはずはありません!!視線は明らかにガンの群れを捕らえています。

 この時の位置関係ですが私の左斜め前方約70~80mのところに【オジロワシ】、右斜め後方約300~400mのところにガンの群れ。私は図らずもそのライン上に位置してしまいました。
 【オジロワシ】は視界に入っている私をチラ見するのですが、全くひく様子はありません!私も何だか緊張し始めて固唾をのんで観察していました。

 どれくらい時間が経っていたのでしょうか?手に汗がにじみ始めたその時!!



 思った以上のスピードでカメラが追いつきません・・・ようやく撮影できた一枚がこれ↑ですが、この時既にガンの群れはけたたましい鳴き声を上げて一斉に飛び上がっていました。



 【オジロワシ】はその飛び立った群れに向かって一直線!!それを見た【ヒシクイ】【マガン】は散り散りバラバラになって逃げていきますが、【オジロワシ】はその後も直線的に飛んで、小さくなった群れの一部を追いかけていきました。
 その姿がドンドン小さくなっていき、遂には林の向こうに消えてその後の様子を知ることは出来ませんでしたが、【オジロワシ】がガンの群れを標的にしたという事実に衝撃を受けた観察でした。


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