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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

オオタカの食事

2008年01月18日
秋田
 先日巡視に行った際、いつものように鳥獣保護区の管理員さんとその日見た鳥などの情報交換をしました。その中で管理員さんが「確信が持てないから報告書には書けないんだけどオオタカが居たようなんだよな~」とつぶやきました。ふと疑問に思って「この時期でもまだオオタカが見られるんですか?」と聞いてみた。すると「例年は雪が降って積もる頃になると姿が見えなくなるんだよな・・」と言う返答であった。因みに事務所にある平成15年度~18年度の記録を見ると15年度が12月初旬、16年度が12月中旬、17年度が12月中旬、18年度は12月初旬に観察したのを最後に、その後、春が来るまでオオタカの観察記録がなかった。昨年度は稀に見る少雪の年だったのは記憶に新しいところだが『その年の積雪時期や量に影響を受けてオオタカは生息域を変えるのだろう。』という仮説が出来ていたようです。

 そんな話をしてからまた巡視を続けました。すると「南の池」の岸に大きな鳥の姿が見えました。猛禽類だとは直ぐに分かりましたが、双眼鏡で見てみるとオオタカが獲物を捕らえて食べているところでした。この時期にオオタカの観察が出来るだけでも大収穫なのに獲物を食べるシーンを見られるなんて・・と目が釘付けになりました。

直感的に「カモを捕まえたのか?」と思いました。

 オオタカは時折周囲に目を配りながらも獲物を突いていました。どうやら捕らえたばかりだったようで首から上は無くなっていましたが翼などはまだハッキリと見ることが出来ました。獲物になったのは南の池にいたカルガモのようです。



時に獲物の上に乗っかったりしながら突いていました。

 このシーンを同じように見ても人によって感想は違うようです。同行していた保護官は「オオタカに食べられるなんてカルガモが可哀想だ・・」と言いましたし、私は「カモでも大きな部類のカルガモを捕らえて岸に上げて食べるオオタカは凄いな(水辺から引きずったような跡が見えたので・・)」と思ってました。その後オオタカは撮影している私に気付いてこっちを気にする素振りも見せましたが、また直ぐに獲物を突いていました。その後しばらく観察していましたがオオタカの食事シーンは、私には何か崇高な行為のようにも感じられましたが保護官は「他にもカルガモがいっぱい居るのにあのカモだけオオタカの餌食になってしまうなんて残酷な話だな・・」と表情も曇りがちでした。