ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 十和田

364件の記事があります。

2007年08月23日ブナアオシャチホコ

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

今年の夏は、八甲田山の一部でブナアオシャチホコというガの幼虫が大量発生し、ブナの葉が食べられて林がまるで落葉した後のように明るくなっています。初めは北八甲田の青森市側の山腹やロープウェー山麓駅の近くなどで見られましたが、その範囲は少しずつ広がり、現在は谷地温泉のあたりの林もブナの葉が食べられています。


緑の葉が青々と茂る夏なのに、木に葉っぱが無く林内が明るいなんてびっくりしてしまいますが、これは異常というわけではなく、自然に起きていることなのです。
このブナアオシャチホコというガは、8?10年くらいの周期で大量発生します。大量発生は2?3年続きますが(昨年も八甲田の別の地域で見られました)その後自然に終息します。葉を食べられたブナも、翌年の成長にそれほど影響は出ないようです。
なんだか不思議な現象だなぁと思い、調べてみると、どうやら天敵であるクロカタビロオサムシとブナとの関係に秘密があるようです。
ブナアオシャチホコの幼虫が大量発生すると、これを食べるクロカタビロオサムシも増えるそうです。確かに、先日の巡視でブナ林を歩いているとカサコソと歩き回るこの虫を何度も見かけました。
また葉を食べられたブナは、翌年・翌々年にはタンニンという幼虫の成長を阻害する物質を多く含む葉を作るようになるという研究結果もあるようです。
これらはブナ林での食物連鎖のほんの一部ですが、いろんな生き物の関わり合いによってブナアオシャチホコの大量発生→終息というサイクルを作り出しているようです。


ブナアオシャチホコの幼虫
地面におりた幼虫はこれからさなぎになって越冬し、来年の6月ごろ成虫になります。


クロカタビロオサムシ
ちょこまかと歩いてすぐに枯れ葉の下に隠れてしまうのでこんな写真しか撮れませんでした…

谷地温泉付近のブナ林は新緑や紅葉がとてもきれいで、私の好きな場所の一つです。
食害によってこの場所で紅葉が楽しめなくなってしまったのは残念ですが、この林の中でいろんな生き物が生活している様子を思い浮かべながら、自然界の静かでダイナミックな動きに思いを馳せてみる、という違った楽しみ方もいいかも知れません。


一昨年の新緑の頃(6月)緑のトンネル。


食害を受けた後(8/22)

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2007年08月17日祝!!退院。

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 こんにちは。十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。保護していたハクセキレイ2羽が、きのうの夕方、自然の中に戻りました。
 このハクセキレイは8月15日の朝、十和田自然保護官事務所で保護した6羽のうちの2羽です。(3羽は保護した時点ですでに死んでいて、1羽はまもなく死んでしまいました。)どの個体も外傷はなく、素人判断では、何かにぶつかったものと思われました。日陰に置いたダンボール箱の中に入れて安静を保ち、鳥の体力の回復を待つ、という程度の治療しかできませんでしたが、元気になってなによりでした。

保護したハクセキレイ

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2007年08月13日十和田おもしろ自然体験キャンプ

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

先日、十和田湖畔の生出(おいで)キャンプ場で、地元の小学生を対象とした自然ふれあいキャンプが行われました。国立公園の豊かな自然にふれあいながら、2泊3日のキャンプ生活を体験します。※主催の自然公園財団十和田支部のブログもご覧下さい。
1日目、十和田湖畔の銀山という所で川遊びをしました。
強い虫探しということで、この川に住むカワゲラを探しました。

カワゲラ探しの様子
一番大きなカワゲラを捕った人がチャンピオン!一番大きなのもは体長3cm以上ありましたが、他にも同じくらいのサイズがたくさんいました。
「強い虫がたくさんいるということは、その虫が食べるエサが十分にあるということ。つまり、いろんな生き物がたくさんいるって事なんだよ」という講師の先生の話を、真剣に聞く子ども達の姿がありました。

カワゲラの仲間

その日の夜には、夜の昆虫や植物の様子を見てみよう!ということで、生出キャンプ場の管理をしている自然公園財団のスタッフの案内でナイトハイクが行われました。
自動販売機や外灯のまわりには、ガはもちろん、クワガタやカゲロウの成虫、コエゾゼミの羽化の場面にも出会えました。
また植物では、夜に葉っぱをオジギソウのように閉じている木がありました。その木は先日の西目屋ARの石橋さんの日記にもあった植物なのですが、子ども達に、この木は何という名前でしょう?と質問。夜は眠っているというヒントから、ネムリソウ、ネムリギなど色々でましたが、なかなか答えにたどり着きません。たくさんのヒントが出て、ようやく正解『ネムノキ?!』とみんなで大きな声で言えた時は、とてもほほえましい光景でした。
子ども達を見ていてとても感じたことは、さすが、この十和田で生まれ育っただけあって、みんな自然への興味がすごくあるな、という事でした。虫探しや、何かおもしろい生き物を見つけた時は、気持ち悪がったりすることもなく、みんな競争のように見たりさわったりしていました。
現代っ子は、外で遊んだりする機会が減っていると言われたりしますが、ここの子ども達は決してそんなことはないと思いました。
今は、特に都会では家の近くで自然とふれあいながら遊ぶことも難しくなっているのかも知れませんが、子ども達に自然への関心がないということでは無いと思います。子どもの感性はすごいです!
子ども達に自然とふれあう機会をたくさん与えてあげたい、そしてその中で大人も一緒に自然に対する感性を磨けたら…と思いました。
十和田自然保護官事務所で行っている自然観察会にも、是非親子で参加して欲しいです!

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2007年07月30日普通救命講習

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

先週の火曜日、十和田自然保護官事務所のレンジャー、アクティブレンジャーで普通救命講習を受講しました。
内容は心肺蘇生法についてで、心臓や呼吸が止まってしまった人に対する救命処置について学びました。
日本では119番通報してから救急車が現場に到着するまで、全国平均で6分間以上かかるそうです。心肺停止から時間が経過するにつれて、命が助かる可能性はどんどん低くなります。6分経過した場合、救命処置を行うと助かる可能性は30%、何もしなければ15%ほどまで落ちてしまいます。
心肺停止の人を助けるためには、そこに居合わせた人による素早い119番通報→応急手当→救急救命士の救急処置→医療機関での救命医療という救命のリレーが行われることが重要です。

講習会でいただいた資料より

人工呼吸、心臓マッサージの他、今回はAED(自動体外式除細動器)という電気ショックを行うための機械の操作方法についても学びました。最近では空港や駅、デパートなど人の集まる場所等に設置されているので、見かけたことがある人も多いと思います。
十和田湖畔では、地元の小学校と中学校、診療所に設置されていると聞きました。また先日巡視で八甲田ロープウェーの山頂駅に立ち寄った時にもこのAEDがあるのを見つけました。どこに設置されているのか把握しておくことも重要です。
AEDの操作方法は思っていたより簡単で、音声案内もしてくれます。
とはいえ、実際にそんな場面に出くわしたら、はたして自分は落ち着いてできるだろうか…??
最近では、119番通報した時、その電話口で救命処置の手順を教えてくれるそうです。
普段から手順を頭に入れておくことは難しいですが、一度講習を受けていれば、説明された手順を理解し実行することが出来ると思います。
自然観察会など、万が一の時のために、受講できて非常に勉強になりました。

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2007年07月26日酸ヶ湯キャンプ場オープン

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 こんにちは。十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。八甲田はいよいよ夏本番という感じで、私たちアクティブレンジャーは山から山へと駆け回っております。
 そんな山から山へ駆け回るのと同時進行で、当事務所が中心となり、関係する諸機関の皆様と長い間準備してきた酸ヶ湯キャンプ場が8月1日、ついにオープンします。
 場所は酸ヶ湯温泉から歩いて5分ほど、酸ヶ湯公共駐車場の奥です。北八甲田への登山の際や家族でのレクリエーションにご活用下さい。ご予約・お問い合わせは、酸ヶ湯キャンプ場、電話017-738-6566までお願いします。
 ※酸ヶ湯キャンプ場を利用される皆様に一つお願いがあります。それは節水です。キャンプ場をオープンするにあたり苦労したのが水の確保です。キャンプ場の上水道は沢水を利用しているので、夏は水量が減ります。ある程度準備してはいますが、利用される方が集中する時期には、断水することも予想されます。料理をする時には、水を出しっぱなしにしない、トイレの水を流すのは一人一回など節水にご協力下さい。水が出なくなった水洗トイレほど悲惨なものはありませんので・・・。

〈料金表(予定)〉




〈酸ヶ湯キャンプ場位置図〉

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2007年07月10日八甲田近況

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 ご無沙汰しております。十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。6月末は自然観察会があったり、お客様が多かったり、とバタバタしていて、AR日記がおろそかになっておりました。失礼いたしました。
 先日7月9日に、そのバタバタで後回しになっていた6月分の鳥類調査に行ってきました。調査したのは蔦野鳥の森と八甲田山の北東側にある田代平湿原です。
 蔦野鳥の森では、先月あたりからよく見るようになったカワセミが、今日も姿を見せてくれました。小魚をくわえたカワセミが、蔦沼の奥の方へ水面すれすれを飛んでいきました。友人から聞いたところによるとカワセミの声はさびた自転車のブレーキ音にそっくりなんだとか。蔦沼に行くことがありましたら、湖畔でしばらく耳をすましてください。自転車のブレーキ音とともにカワセミが現れるかもしれませんよ。
 田代平湿原ではホオジロやアオジが元気にさえずっていました。けれどこの時期はどうしても花の方に目がいってしまいます。湿原は早くも夏の花が盛りを迎えていました。で、珍しいきれいな花があるとすぐそばに必ずあるのが、木道を外れて人が湿原に踏みいった足跡です。この日、巡視をされている自然公園指導員の方とすれ違ったのですが、湿原に踏み入っている方がいたので、ほんの少し前にも湿原に入らないようお願いしたばかり、とのことでした。美しい花があればそばによって見たいし、いい写真のアイデアが浮かんだら、その思いついたとおりの構図の写真を撮りたいという気持ちはとってもわかります。でも、ふらふらっと木道から一歩踏み出してしまう前にちょっと考えるゆとりを持ってほしいと思う今日このごろです。

トキソウ

ホオジロ

キンコウカ

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2007年06月25日井戸岳植生復元

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

北八甲田の井戸岳の南斜面は、かつて人々の踏み荒らしによって植生が荒廃してしまい、植生回復のために土留めや植生マット張り等が行われています。現在は、八甲田地区パークボランティアの方々を先頭に、環境省や青森県等、関係者が集まって協議会を作り植生復元作業を行っています。
6月23日、昨年と一昨年に施工した場所がどのようになっているのかを確認するためにパークボランティアの皆さんと現地に行きました。
酸ヶ湯の登山口から登り、毛無岱を通って大岳ヒュッテへ。
毛無岱では、イワイチョウ、ミツガシワ、イワカガミなどの花を楽しみつつ、木道の簡易な補修も行いながら歩きました。

ミツガシワ


木道補修を行うPVの皆さん

春の花のピークは先週あたりだったようで、チングルマは花びらを散らし花柱が伸び始めているところでした。

チングルマ


植生復元箇所に到着すると、今年もまたうれしい発見がありました。
植生マットの隙間から、ミヤマキンバイ、ミヤマオダマキなどが顔を出し、花を咲かせていました。
パークボランティアの皆さん達と一緒に、一生懸命作業した成果が、少しずつですが花を咲かせ実を結んできています。



ミヤマキンバイが顔をのぞかせていました。


元の状態に戻るのにはまだまだ時間がかかります。
一度失われてしまった自然を取り戻すのは簡単ではありません。
山を登る時には足下の草花を大切に思いながら登ろうと改めて思いました。


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2007年06月15日【開催予定】初夏の十和田湖西湖畔自然観察会

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 こんにちは、十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。
 今日は、十和田湖の静かな西湖畔で行われる自然観察会のお知らせです。
 当事務所では自然とふれあう機会を提供し、国立公園に対する理解を深めて頂くことを目的として、四季に合わせた年4回の自然観察会を企画しています。そして6月24日(日)に今年度の第二回目、十和田湖西湖畔自然観察会?サンコウチョウに会えるかも!?を実施します。
 意外とご存じない方が多いのですが、十和田湖の西湖畔大川岱集落の周辺には立派な歩道があります。人気の絶えた湖畔の歩道で、さわやかな風を受けつつ、のんびり自然観察はいかがでしょうか。講師は大川岱在住のインタープリター山仲芳雄さんです。地質から鳥、植物、魚と盛り沢山で楽しいハイキングになりそうです。山仲さんと一緒に歩けば、実際にその場所に住んでいる人だけが知っている十和田湖の美しさをきっと見つけられるはずです。
 申し込み〆切は6月20日水曜日です。定員の20名になりしだい締め切ります。お早めにお申し込みください。
 申込先、詳細を知りたい方は東北地方環境事務所WebページTOPICSの一覧にある【開催予定】初夏の十和田湖西湖畔自然観察会をご覧ください。

大川岱桟橋の夏

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2007年06月01日雲海

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

今日は十和田湖は朝から快晴。
少し早めに家を出た私は、宇樽部から事務所のある休屋へ向かう途中、十和田湖の湖面が見えた時に一面真っ白なのに気が付きました。
雲海です!!
思わず引き返して、宇樽部と休屋の間にある「瞰湖台」という展望台まで行きました。


とても幻想的な風景でした。
でも、これは朝だけの風景。
9時ころには雲海はすっかり消えていました。

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2007年05月17日春が来た!

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

こんにちは。十和田自然保護官事務所ARの持塚です。
これが今年度に入って最初の日記となってしまいました。
今年も十和田八甲田の大自然の中で見つけたこと、感じたことについてたくさん紹介していこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


先日、奥入瀬渓流の巡視に行ってきました。
奥入瀬は今、新緑がとてもきれいです。
やわらかい緑色に包まれていると、本当に心も身体もリフレッシュできます。



その中に、鮮やかなピンク色をしたムラサキヤシオツツジが咲き始めていました。



足下をふと見ると、今年初対面!エゾハルゼミです。


新緑の5月終わりから6月にかけて、奥入瀬でよく鳴いているセミです。
ニリンソウにとまっているなんてオシャレですね。

そして、たくさんの木々が順番に芽吹き始めています。
芽吹き始めの新芽って、赤っぽかったり、毛がふさふさだったり、よく見ると面白いですよね。
さて、これは何の新芽でしょう?



これはヤマブドウです。新芽も葡萄色なんですね。


十和田湖・奥入瀬は、やっと春本番となりました。




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